昨年の木材輸出額の動向が公表されている。
それによると、まず輸出先は、中国が159億円(対前年比9%増)、フィリピンが79億円(同8%増)、韓国が32億円(同13%減)、アメリカが25億円(同32%増)、台湾が20億円(同21%増)など。
量的に多い中国向けは、主に梱包材や土木用材の丸太が増加した。
アメリカの伸びが目立つが、住宅フェンス用の米スギ(ウエスタンレッドシダー)の価格高騰したため、代替材として日本のスギ製材の輸出が増加したかららしい。台湾も、丸太・製材とも大きく増加したがヒノキ製材が多い。
一方で韓国向けは、大きく減少している。どうやら日本の木材も製材加工拠点を中国に移したよう。つまり中国経由で入っているのだろう。
品目別では、丸太が148億円(対前年比8%増)、製材が60億円(同12%増)、合板等が72億円(同14%増)。合板は圧倒的にフィリピン向きだ。製材や合板産業がたいしてないからだろう。
さて、動向としてはどのように読み取るべきか。丸太ばかりではなく製材が伸びたのは良い兆候かもしれない。アメリカ向きの伸びが今後続くかどうかはわからない。私は怪しいと思うが……。結局は価格勝負だからだ。韓国は厳しい。台湾、フィリピンは期待できるかな?
もう一つ、輸出量の数字も出された。
2018年の木材輸出額は約350億円。
その木材輸出量は、丸太が115万7438立方メートル、製材が14万5995立方メートルだった。
製材の歩留りを簡単に50%と仮定すると、原木量としては約30万立方メートル。そのほか合板や木工製品などを合わせたら同程度の約30万立方メートルとしておく。それと丸太と合わせると、原木相当で、ざっと176万立方メートルの国産材を輸出したことになる。
もっとも製材や合板、木工品の中には外材を使ったものもあるだろうから、若干割り引いて考えるべきか。控えめに150万~160万立方メートルと考えた方が安全かな。
推測に推測を重ねているので、内部の人はちゃんと計算してほしいものである。
政府の統計への信頼性がガタガタと揺れている最中だが、統計とはその数字から何を読み取るかである。
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増えたどうこう言っても額はたかが知れてますね…
投稿: 奈良のとある住人 | 2019/02/18 23:44
そう、しょぼいです(笑)。輸入量の1割にも達しない。
投稿: 田中淳夫 | 2019/02/19 11:25