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2019/02/20

林業大学校を3年制に

長野県林業大学校は、現在2年制の林業専門の学校だ。これを3年制の「専門職短期大学」に移行させる計画が進んでいる。
 
長野県の林業大学校が開校したのは1979年度だというから、今も残る林業系の大学校の中でもっとも古い部類だろう。林業専門課程を設けたのは2000年度で、学校教育法に基づいた専修学校となっている。(現在全国各地に開設されている林業スクールの中には、専修学校でないものも多い。)
 
老朽化が進み、またライバル校も増えたので造り替えを模索していたようだが、そこで立ち上げられたのが、長野県林業大学校グレードアップ推進会議。この名前には笑ってしまったが、真面目に識者が今後の大学校のあり方を議論したわけである。
 
結論として異業種連携や国際基準のカリキュラム、林業従事者のキャリア開発、地域の森林整備を担う人材……を育てる大学校に、というコンセプトを立てたらしい。林業スクールの多くは、林業現場で即戦力になる労働者(ワーカー)を送り出そうとするところが多い中、長野はよりグレードの高い林業従事者育成をめざすのだろう。
 
もともと長野県林業大学校では、卒業生が県や市町村の公務員になる率が高く、その点で他校と違いはあったが、今後は3年制にすることでより教育程度を上げようと提言を出したわけである。
まだ議会などでも揉むだろうから、この改組を確実な決定とは言えないものの、そんなに大きく変えられることはないのではないか。
 
しかし、3年制が本当によいことか。生徒は集まるのだろうか。現在の志願倍率は最近10年平均で1,8倍あるそうだが、3年間も学生続けるぐらいなら4年制大学と同じ卒業資格が欲しくなりそうな気もする。
また就職口も、今より広がるものか。現場系の森林組合や林業会社では求められるかどうかわからないうえに、林業系公務員の求人が多いわけではない。4大の森林科学系学科出身者の多くが、林野庁や各自治体の林業職に就くことを思うと、就職口の奪い合いになりかねない。信州大学にも森林・環境共生学コースがあるのに、卒業後の進路を住み分けできるのか。
 
 
しかし、こうした専門職短大が企画されること自体、4大が人材育成をさぼってきたからかもしれない。森林・林業系の学科や研究室は近年減少が続いている。農学系の学科と合体させたり、環境関係の学科に改組が進められてきた。
 
ちょっと興味深いのは、農学系学部を新設する大学は増えていることだ。国立大学では山梨大学の生命環境学部、徳島大学の生物資源産業学部、福島大学の食農学類がここ10年以内に設けられた。さらに私立大学では吉備国際大学龍谷大学に農学部、立命館大学には食マネージメント学部が設置されている。今年4月には私立の新潟食料農業大学がオープンするし、来年には泉南大学にも農学部が増設される予定だ。
 
農学系の学部学科は増えて環境系、バイオ系や食品系の人気は高まってきたのに、森林系・林業系のコースは減っている理由は何だろうか。やはり学生に人気がない、就職口が限られている……などだろう。
その間隙をつくように?実業的な林業大学校が増えているというのは面白い現象だ。
 
ちなみに近畿大学農学部には森林資源学の研究室が設けられるそうだ。近大農学部と言えばマグロ養殖の水産学科が有名だが、そのキャンパスは奈良市にあって90ヘクタールもの敷地を誇る。その大半が山林。ここを利用して森林学でも名を挙げてほしい。
 
国公立大学の森林・林業系が減少している中、あえて増設されるというのは、もしかして世相を先取りしているのかもしれない。農学系に期待の風が吹く今、その風は森林学系にまで届くだろうか。
 
Dsc00893 広大な近大農学部のキャンパス

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

森林の管理を資格が無いと出来ないようにし、さらにその資格を得るためには決められた学校を卒業しないといけない……
ってすればもしかしたら……

長野県が全部雇用を保証すればいいんですけどねえ……。
ただし、公務員の増員は厳しいので、全部非正規で(@_@)。

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