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森と林業と田舎の本

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2019年2月

2019/02/28

木目のある風景

ふと寄ったホームセンター。

 
その入口で、丸太の山積みに出くわした。
 
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なんだ、薪かシイタケ原木か……と一瞬焦ったが、もちろん、すぐ正体はわかる。
 
トイレットペーパーであった(^^;)。
 
なぜかパッケージが木目なのである。何か意味があるのだろうか。単にペーパーは木からできていますよ、というアピールか。 
 
さらに売り場を回っているうちに、こうした商品も目に留まる。
 
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フライパンの把手部分が木の木目。
もちろん、印刷であろう。が……。
 
このような商品が最近は増えたような気がする。
意味もなく、と言っては語弊もあるが、とにかく木目調が全体に増えた。
 
まあ、これは良いことなのだろう。それだけ木目、つまり木の模様に価値を求める人が増えたということになる。実は、わりと最近まで(と言っても前世紀かもしれん)、木の素材を隠すようなデザインが多かった。むしろ合成樹脂の方が人気があったように思う。その方がカラフルだし、防水だし、何かと機能面でよかった。
それに比べて今は人々は木に親近感を抱いている。残念ながら、それを木目模様の印刷で補われているのだが。
 
もっと、本物の木の木目を売り物にできないものか。

2019/02/27

倒れてもタダでは起きない樹木たち

裏山で、こんな木を見かけた。

 
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これ、どんな生長の仕方をしているかわかるだろうか。どうやら右上が根のようである。が、抜けかけている。そして左下の幹は、枯れている。そして真ん中から左上に延びる枝が元気に葉を繁らせている。
 
ちなみに右の根は、コンクリートブロックの上に降り積もった土に根を伸ばしていたらしい。それが倒れる際にはがれたのだろう。ただ、わずかに根は生きている。ブロックの間に延びた根から水や養分を吸っていると見える。
そして倒れて梢部分は折れたのか枯れたが、地面に接した幹の部分から細根が出ている……。おかげで枝の部分は葉を伸ばして光合成もできたのか。 
 
こういうのもドコンジョウ樹木の一つだろうか。スキマ植物、虐待される植物かもしれない。いや、以前は「戦う植物」と名づけたっけ。悪環境と戦って生きるサバイバル植物だ。 
 
 
以前、川上村の源流館の成瀬さんより提供された写真も紹介しよう。
 
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これって、典型的な伏状更新? 倒れた樹木(スギっぽい)が、地面に付いた幹から根付いて、枝をまっすぐ天に向かって生長させて幹になった……という状況か。まだ倒れた幹は生きているから古くはなさそうだが、かつての枝が立派な幹となった様子がわかる。
 
樹木は倒れてもタダでは起きない(^o^)。これも植物なりのサバイバル戦術だろうか。
 

2019/02/26

野生のイノシシにワクチン投与の不思議

豚コレラが猛威を奮っているのはご存じだろうか。
 
岐阜から始まったようだが、今や愛知、長野、滋賀、大阪と5府県の養豚場で豚コレラの感染が確認されているのだ。これはやっかいな病気で、いったん感染および感染の疑いがあれば、問答無用でブタおよび豚肉を出荷停止し処分しなければならない。すでに数 万頭が処分対象となった。ちなみに、豚コレラは人間には感染しないし、その肉を食べても問題ないとされる。
 
が、問題は感染源だ。どうやら野生のイノシシが関わっているらしい。すでに岐阜と愛知では豚コレラに感染したイノシシが180頭も確認されているからだ。
 
驚いたのは、その対策。なんとイノシシに対して経口ワクチンを投与することになったのだ。そんなワクチンがあったのか!
農水省では、ワクチンは12万個をドイツから輸入するという。このワクチンは縦横4センチの形状で、トウモロコシ粉やミルクパウダーなどで作ったエサの中に液状ワクチンが入っている。これをイノシシが通る獣道などの地中10~15センチに埋めるのだそうだ。イノシシが鼻で掘り起こす習性を利用し、このエサ=ワクチンを食べさせようというわけだ。
段取りでは、春、夏、冬のシーズンごとに2回散布し、散布から一週間後にイノシシがワクチンを食べたか調べる。このワクチン投与は数年間継続するらしい。
 
……これ、どう考える?
 
こんな手でイノシシにワクチンは行き渡るのだろうか。確率的に、ワクチンを食べるイノシシは生息数の何%になりそうか。
そもそもワクチン入りの餌を食べさせてイノシシを豚コレラから守るぐらいなら、それに毒を仕込んでイノシシ退治をした方がよくね?。。。だってイノシシは増えすぎて農作物に何十億円も被害を与える害獣だ。駆除も一生懸命にやっている。奨励金だけで何億も支出している。イノシシ以外の動物が食べたらどうするとか、毒を野に撒けないという意見もあるだろうが、毒の種類によっては比較的短期間に分解して無毒化するものもあるはず。
 
むしろイノシシの生息数を落とすチャンスと捉えて、積極的に駆除を強めた方が建設的なのではないか。毒ではなくワナや銃による駆除を強めるべきだろう。ただ駆除した感染個体からハンターに病原菌が付着して感染を広めないよう気をつけないといけない。
もちろん、各府県ではそうした対策も進めているようだが、効果が読めないワクチン投与をなぜ行うのか。「やってる」感を出すため?
 
 
面白い(と言っては語弊がある)のは、養豚場のブタにはワクチンを投与しないことだ。なぜなら、ワクチンの成分が肉に残る心配があり、それが知られるとワクチンを打ったブタ肉の消費に響くからだそう。豚コレラ菌は人間に害はないし、ワクチンも問題あるように思えないから怖いのは風評被害だろう。だから1頭でも豚コレラが確認されたら、その周辺の養豚場のブタは全部処分されてしまう。
 
ちなみに専門家による「拡大豚コレラ疫学調査チーム」が岐阜からの感染ルートを調べたところ、ウイルスを含んだ泥や糞を付けた車両や人を介して岐阜県から愛知県内に入った可能性が高いという。岐阜県内の感染にイノシシは無罪と言えないが、他府県への拡大に関しては、ちょっと濡れ衣の可能性も出てきた。
 
農水省、よく考えてね。 

2019/02/25

砥石の年輪

昨日は、Yahoo!ニュースに刀剣女子の記事……ではなく、砥石の記事を書いた。

 
せっかくだから、こんな砥石をお見せする。
 
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最高級の砥石だが、なんと年輪が見えるのです。正確には1筋が1年とは限らないから年輪ではないかもしれないけど。 
 
砥石の元になる細かな泥の粒子が積み重なった痕でしょうか。
 
木は生き物だから一本一本、木目が違っているというが、砥石……というか岩石だって一つ一つが違っている。
 
だから人との相性が問題となる。高価な砥石を使えばよく切れるようになるわけではなく、刃物の性質や形状、そして研ぐ人の力や癖なども影響する。その人にとっての最良の砥石というのがあるのだよ。
 
木の年輪。砥石の年輪。そして人の年輪をよ~く見つめよう。

2019/02/24

Yahoo!ニュース「刀剣女子を縁の下で支え…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「刀剣女子を縁の下で支え、日本を木工王国にしたのは世界でも稀なる砥石だった 」を書きました。

 
長いタイトルシリーズ、なかなか延びております(^o^)。写真と内容のミスマッチも狙ったものです。そして長タイトルは、日刊ゲンダイ仕込みという……これも裏事情(⌒ー⌒)。
 
さてさて、この記事は、昨日訪れた天然砥石館のことを記したのだが、もともと取材のつもりだった。ただ刀剣女子は……あまりと言えばあまりなので、こういう形にしたわけです(笑)。
 
正直、ちょっと頭の中に描いていた刀剣女子の姿とずれておりましたわ。。。こーゆーのか。。。それとも、刀ガールと刀剣女子は別?
歴女なんぞは、いっぱしの歴史知識を披露するもんですけどね。
鉄オタだって、好きな鉄道のネタを話すでしょう。
 
でも、まあ、最後の最後で狙っていた刀を振りかざした写真が撮れたので、よしとする。
ちなみに会場では、刀鍛冶体験をするコーナーもあったのだよ。
 
 
そして、舞台は刀ガールだけではなかった。 
 
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武田流法螺貝の実演もありました。
 
なぜ、砥石館に? いや、まあ、その。。。砥石は刀。刀は武器。武器と言えば戦国時代。戦国時代の合戦につきものなのが法螺貝の音色。。。
そんな話です(笑)。実は亀岡市は、明智光秀の根拠地。来年の大河ドラマ「麒麟が行く」では明智光秀が主人公だから、盛り上がっているのでした。

2019/02/23

林内薪ストーブから囲炉裏計画

久しぶりにタナカ山林で時計型薪ストーブに点火した。

 
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ちょっと憂さ晴らしのつもりだったが、これは薪ストーブとしての使い方ではないような……。
ようするに焚き火だな。
 
自宅では薪ストーブを使えない(煙を出せない)ので山林に置いているわけだが、山林内でも煙がモコモコと上げると、怒鳴り込んでくる人がいる時代である(-_-;)。
 
それを気にしたら楽しさも半減。
 
そんなときに「囲炉裏」をテーマにしたテレビ番組を見た。これだ。薪ではなく、木炭にしたら煙はほとんど上がらない。焚き火から囲炉裏に転換したら自宅でもできる(^o^)。
庭に小屋を建設して、そこで囲炉裏を設けようか。
 
これを考えだしたら止まらなくなった。今、囲炉裏小屋建設の夢想を繰り返している。
果たして実現するのはいつになるやら。。。 

2019/02/22

WEBRONZAで「林業界の人手不足と外国人…」を書いた裏事情

WEBRONZAに「林業界の人手不足と外国人労働者問題 」を執筆しました。

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Yahoo!ニュースでも林業界で外国人労働者を受け入れる動き について少し書いたが、こちらは視点を反対にしたものである。
 
 
そう、現在の人手不足に伴う外国人の受け入れ推進は、一昔前の林業界とよく似ているのだ。言い換えると林業界は、この問題の先進業界ということになる。 
 
1990年代にこの問題に取り組んだ林業界は、「緑の雇用事業」を始め、それは過疎に苦しむ田舎社会ともタッグを組んで進められた。
そして、新田舎人と呼ばれる移住者の数は年々増え、そのうち山村に住んだ多くが林業職に就いている。その点からすると、林業界の“移民政策”は成功したのだ。
 
ということを、WEBRONZAに書いた。前半は、ね。そこまでは無料で読める(⌒ー⌒)。
珍しく日本の林業界を褒めていると思わないか? 
 
後半は有料だが、さて、それですんなり筆先を収めると思うかね?
 
 
ところで、先に紹介した日刊ゲンダイの連載 だが、これもネットに転載されるらしい。数日遅れで無料で読める! 
 
これでも連載だから、今後の展開と話題のバランスを考えているから、単発で読むより常連さん向きである(……もっとも、毎週連載はきついことを、いまさらながら気づく。締め切りはすぐに来るし、常にアイデアを探さないといけないのだった。。。)。
 
 
 

2019/02/21

盗伐問題その後と対策

Yahoo!ニュースに執筆した「盗伐しても不起訴。…… 」の記事の続報。
 
私が紹介した、宮崎市の盗伐事件の告発が不起訴にされたことに対する検察審査会への申し立ては受理されたが、今度は延岡市の盗伐が不起訴にされた分が検察審査会に申し立てられ、受理された。こちらは伐採業者7人である。盗伐されたのは約1300本というから、かなりの面積だろう。ただ地籍調査はされていなかった。もっとも放棄していたわけではなく、ちゃんと管理されていた山林で、行政も業者を処分している。それなのに検察は不起訴にしていたのである。
 
ともあれ、告発が続けば今後はマスコミも動き出すだろうし、私の記事も含めて盗伐という犯罪行為がもう少し世間の耳目を集めることを期待する。そして盗伐が横行する背景の林政に目が向けばよいのだが。
 
伐採業者はもちろん宮崎県も、ええ加減にこの問題に真正面から向き合わないと、恥さらしになるだけだ。
 
 
と、そんなところにニュース。今回の問題がきっかけかどうかはわからないが、宮崎県は盗伐取り締まりの手段として、新年度からQRコードで木材のトレーサビリティを一元管理する実証実験に取り組むという。予算案に関連費1000万円を盛り込んだ。
 
具体的には、伐採業者が市町村に提出する伐採届に、市町村がQRコードを発行し出荷される木材に添えられるようにする。
QRコードには、伐採から原木市場、製材工場、工務店までの流通履歴に加えて、業者名と伐採場所、面積、樹種、切り出した量、在庫量などがインプットされる。届け出た伐採の面積や出荷された木材の量が、伐採面積に対して多くなると、盗伐の疑いが浮かび上がる仕組みだ。
自治体や林業関係者らが協議会を設立し、モデル地区を設けて実験し、自治体や宮崎大農学部などが効果を検証する予定だ。
都道府県の木材トレーサビリティーの制度は全国初という。
 
ようやく木材にトレーサビリティを付けようとしたのはよい。流通の無駄を省くのにも役立つはずだ。しかし、だよ。。。。 
 
なんで新しいシステムや制度をつくるのだろう。試験を終えて普及するのに何年かかることか。
それより森林認証制度を使えば、自動的にトレーサビリティが確認できるのに。まあ、宮崎県の山林で森林認証を取得できるところは何パーセントか怪しいが。
 
だいたい、この仕組みを動かしても、抜け道だらけのように思える。そもそも所有者は、伐られたことに気づかないとQRコードの情報を調べないだろう。業界関係者が調べて、おかしかったら告発するか? 県職員はどうか。またバレても「誤伐だ」と言い逃れる業者を追い詰められるか。どれぐらい有効なのかはなはだ怪しい。
 
本気で盗伐を防ぐためには、何より「伐採届」を厳密にチェックすることだろう。許可前と事業終了後に必ず現地調査をすれば、業者へのプレッシャーになるはずだ。
市町村の担当者の手に余るだろうが、環境税をつかって林政アドバイザーを雇えばよい。それとも「伐採届」チェッカーという資格をつくるか? やり方次第だなあ。

2019/02/20

林業大学校を3年制に

長野県林業大学校は、現在2年制の林業専門の学校だ。これを3年制の「専門職短期大学」に移行させる計画が進んでいる。
 
長野県の林業大学校が開校したのは1979年度だというから、今も残る林業系の大学校の中でもっとも古い部類だろう。林業専門課程を設けたのは2000年度で、学校教育法に基づいた専修学校となっている。(現在全国各地に開設されている林業スクールの中には、専修学校でないものも多い。)
 
老朽化が進み、またライバル校も増えたので造り替えを模索していたようだが、そこで立ち上げられたのが、長野県林業大学校グレードアップ推進会議。この名前には笑ってしまったが、真面目に識者が今後の大学校のあり方を議論したわけである。
 
結論として異業種連携や国際基準のカリキュラム、林業従事者のキャリア開発、地域の森林整備を担う人材……を育てる大学校に、というコンセプトを立てたらしい。林業スクールの多くは、林業現場で即戦力になる労働者(ワーカー)を送り出そうとするところが多い中、長野はよりグレードの高い林業従事者育成をめざすのだろう。
 
もともと長野県林業大学校では、卒業生が県や市町村の公務員になる率が高く、その点で他校と違いはあったが、今後は3年制にすることでより教育程度を上げようと提言を出したわけである。
まだ議会などでも揉むだろうから、この改組を確実な決定とは言えないものの、そんなに大きく変えられることはないのではないか。
 
しかし、3年制が本当によいことか。生徒は集まるのだろうか。現在の志願倍率は最近10年平均で1,8倍あるそうだが、3年間も学生続けるぐらいなら4年制大学と同じ卒業資格が欲しくなりそうな気もする。
また就職口も、今より広がるものか。現場系の森林組合や林業会社では求められるかどうかわからないうえに、林業系公務員の求人が多いわけではない。4大の森林科学系学科出身者の多くが、林野庁や各自治体の林業職に就くことを思うと、就職口の奪い合いになりかねない。信州大学にも森林・環境共生学コースがあるのに、卒業後の進路を住み分けできるのか。
 
 
しかし、こうした専門職短大が企画されること自体、4大が人材育成をさぼってきたからかもしれない。森林・林業系の学科や研究室は近年減少が続いている。農学系の学科と合体させたり、環境関係の学科に改組が進められてきた。
 
ちょっと興味深いのは、農学系学部を新設する大学は増えていることだ。国立大学では山梨大学の生命環境学部、徳島大学の生物資源産業学部、福島大学の食農学類がここ10年以内に設けられた。さらに私立大学では吉備国際大学龍谷大学に農学部、立命館大学には食マネージメント学部が設置されている。今年4月には私立の新潟食料農業大学がオープンするし、来年には泉南大学にも農学部が増設される予定だ。
 
農学系の学部学科は増えて環境系、バイオ系や食品系の人気は高まってきたのに、森林系・林業系のコースは減っている理由は何だろうか。やはり学生に人気がない、就職口が限られている……などだろう。
その間隙をつくように?実業的な林業大学校が増えているというのは面白い現象だ。
 
ちなみに近畿大学農学部には森林資源学の研究室が設けられるそうだ。近大農学部と言えばマグロ養殖の水産学科が有名だが、そのキャンパスは奈良市にあって90ヘクタールもの敷地を誇る。その大半が山林。ここを利用して森林学でも名を挙げてほしい。
 
国公立大学の森林・林業系が減少している中、あえて増設されるというのは、もしかして世相を先取りしているのかもしれない。農学系に期待の風が吹く今、その風は森林学系にまで届くだろうか。
 
Dsc00893 広大な近大農学部のキャンパス

2019/02/19

「日刊ゲンダイ」に新連載開始!

通常はやらないのだが、まだ発表していない拙文記事の予告をしておこう。 

 
明日発行の日刊ゲンダイに新連載を始める。 
 
森は癒しに溢れている!
森林ジャーナリストが伝授
森の歩き方楽しみ方
 
という記事だ。森林散策のススメであり、ハウツウである。
 
なぜ、まだ掲載されていないのに紹介するかと言えば、日刊現代が日刊紙だからである。
つまり、私の記事が載った号は、明日しか発行されない。明日のブログで「~載っているよ」と告知しても買えない(^_^) 。
 
だから前日に公表しておく。ただし、この連載は水曜日掲載であるから今後は毎水曜日に記事が掲載されることは決まっている。いつまで続くかはわからないが、数カ月は連載されるだろう。
 
20190219_161406  
 
これはゲラ刷り。全体の半分以下。
 
 
なお「日刊ゲンダイ」を知らない人に紹介しておくと、タブロイド版の夕刊紙であり、主に駅売りが中心だ。ただし、発行しているのは、東京圏、関西圏、中部圏、そして札幌と福岡だ。エリアの広がりはどこまでかはっきりわからない。たとえば関西では京阪神は確実だが、兵庫の北部とか和歌山はどの駅まで置かれているのか……。滋賀はあるかな。また「日刊現代DIGITAL」がネットで流されている。
 
大雑把に言えば、サラリーマンの友。徹底的な政権批判と、金と色とギャンブルの記事。加えてグルメに健康などが定番。もっとも当初はニューズウィークをめざしていたとか。
今はスマホなどに圧されているが、かつては帰宅する通勤電車の中でみんな競うように読んだのであった。
 
 
そして個人的に重要なのは、私は若いころ、「日刊現代大阪」に勤めていたことがあること。つまり、古巣に記事を書くことになったのである。
当時、私は大阪版に週にして3、4ページを担当していて、フリーライターに書かせる立場だったのだが、今度は私が書かせていただく立場になったのだ。感慨深いv(^0^)。 
 
ともあれ、私もまだ完成版はまだ手にしていない。東京から送ってもらうと時間がかかるから、駅まで買いに行こうか。
 
 
 

2019/02/18

2018年の木材輸出統計

昨年の木材輸出額の動向が公表されている。

 
 
それによると、まず輸出先は、中国が159億円(対前年比9%増)、フィリピンが79億円(同8%増)、韓国が32億円(同13%減)、アメリカが25億円(同32%増)、台湾が20億円(同21%増)など。
量的に多い中国向けは、主に梱包材や土木用材の丸太が増加した。
アメリカの伸びが目立つが、住宅フェンス用の米スギ(ウエスタンレッドシダー)の価格高騰したため、代替材として日本のスギ製材の輸出が増加したかららしい。台湾も、丸太・製材とも大きく増加したがヒノキ製材が多い。
一方で韓国向けは、大きく減少している。どうやら日本の木材も製材加工拠点を中国に移したよう。つまり中国経由で入っているのだろう。
 
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品目別では、丸太が148億円(対前年比8%増)、製材が60億円(同12%増)、合板等が72億円(同14%増)。合板は圧倒的にフィリピン向きだ。製材や合板産業がたいしてないからだろう。
 
 
さて、動向としてはどのように読み取るべきか。丸太ばかりではなく製材が伸びたのは良い兆候かもしれない。アメリカ向きの伸びが今後続くかどうかはわからない。私は怪しいと思うが……。結局は価格勝負だからだ。韓国は厳しい。台湾、フィリピンは期待できるかな?
 
もう一つ、輸出量の数字も出された。
 
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以前森林・林業白書の数値は、なぜ輸出は金額で、輸入が材積なんだ 、とかみついたことがあるが、ここで初めて?両方の数字がわかった。 
 
2018年の木材輸出額は約350億円
その木材輸出量は、丸太が115万7438立方メートル、製材が14万5995立方メートルだった。
製材の歩留りを簡単に50%と仮定すると、原木量としては約30万立方メートル。そのほか合板や木工製品などを合わせたら同程度の約30万立方メートルとしておく。それと丸太と合わせると、原木相当で、ざっと176万立方メートルの国産材を輸出したことになる。
もっとも製材や合板、木工品の中には外材を使ったものもあるだろうから、若干割り引いて考えるべきか。控えめに150万~160万立方メートルと考えた方が安全かな。
 
推測に推測を重ねているので、内部の人はちゃんと計算してほしいものである。
 
政府の統計への信頼性がガタガタと揺れている最中だが、統計とはその数字から何を読み取るかである。
 
 

2019/02/17

キコリ祭りのポスター変遷

えっと、北海道中川町で開かれるKIKORI祭 のポスターが送られてきているんだが。

 
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例によってデカすぎ(^^;)。張るところに困るよ。。。内容はリンク先へ。
 
日程 平成31年2月24日(日)
開催時間 10:00~15:00
開催場所  中川町保健センター前広場
イベント内容 
きこり丸太レース
林業体験ブース(薪割り体験・「とび、がんた」体験・焚き火)
子ども雪遊びコーナー(ちびっこきこり丸太レース・スラックライン体験)
飲食ブース(焼肉・そば・豚汁 他・各種ソフトドリンク・アルコール類)
マーケットブース(木工・陶芸・雑貨・白樺樹皮細工 他)
イケメンKIKORIコンテスト
お問い合わせ先 きこり祭実行委員会 事務局
申込みフォーム / TEL 01656-7-2816 / FAX 01656-7-3511
 
今回は6回目だが、いつもポスターが凝っている。なかなか男臭いというか、汗臭いというか。。ちなみにポスターの変遷も、リンク先に飛んだら載っているからみてもらえたらよいが、今回気づいたのは、「植」という文字があるとおり、この写真も植林の姿なんだね。
 
これまで丸太挽きとか雪の中のたき火とかだったのだが。
 
正直、植林の姿はあんまり絵にならない。道具も鍬だし、大木もチェンソーのような刃物も登場しない。が、これをポスターの1面に採用したというのは、もしかして植林を意識しだしたということなのかな?
 
中川町は、天然林の広葉樹施業を売り物にしている。その点では、大規模林業と一線を画しているのだが、はたして何か変化があるのか……。 
 
 
それはそれとして、肝心の私は中川町を訪れたことがないのだ。一度訪問する機会をつくってほしいものである。
 
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こちらはチラシサイズのポスター。植林以外の作業の姿も入っている。

2019/02/16

超絶技巧展で感じた考えた

昨日は、所用で大阪に出たついでに、あべのハルカス美術館で開かれている「脅威の超絶技巧!」展を覗いてきた。

 
芸術作品の中でも、とくに超絶技巧と呼ばれる人間技と思えないような繊細な技術を駆使した作品を集めた展覧会である。
 
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それを発揮するのは、木彫ばかりではなく陶磁や金工、牙彫、七宝、漆芸、自在、ガラス……とさまざまなのだが、やはりとてつもない。どうしてこれが人の手でつくられたの? と思われる作品が並ぶ。タンポポの綿毛なんてのもあるんだぜ。
 
もちろん撮影禁止であるが、2点だけ撮影OKがあった。
 
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残念ながら、これらは木彫ではない。
 
そこでチラシにあるサンマの食べ残しをアップにしておく。
 
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一木づくり。つまり1枚の木板から彫り出したものだ。サンマも皿も。
いくら目を凝らして接近しても木彫と思わせない細密さ。
 
こんな可能性があるんだな、とうならされる。
 
 
ちなみに説明文によると、日本でこの手の超絶技巧が流行ったのは江戸時代の後、明治に入ってからのようだ。なかには作者不詳の職人芸も多いらしい。それらがつくられたのは、おおよそ輸出商品としてなのだ。陶磁、日本の工芸品が、ジャポニズムかどうか、欧米で持て囃されて高値で買われて行ったのだ。 
 
言い換えると、芸術家が挑戦しただけでなく、職人が技術を競っただけでなく、売れるからつくった、という側面がある。
 
販路を確保したら(価格も報われる額を保証したら)、今でもつくりたい職人・アーティストはいるだろう。「日本スゴイ」と言いたければ、しっかりしたバイヤーと営業マンを育てることだね。

2019/02/15

檜タイルの原産地

ホームセンターを見て歩くと、なにかしらの発見があるので好きだ。

 
今回見つけたのは、こんな商品。
 
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檜タイルだそうだ。ヒノキの板が4枚ゴム地で裏打ちされており、そのまま並べることでタイルのように敷きつめられる。これで簡単なフローリングにもできるわけだ。
 
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幅は切り離すことで調整もできるし、わりと融通無碍。きっちり乾燥させているし、これ、なかなか優れものじゃない? 
 
果たしてどこでつくっているのだろうか。このヒノキは……。
と裏返すと……。
 
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な、なんと! 原産地はベトナムだった。
ヒノキの産地はわからないが、日本から輸出してアチラで加工しているわけね。ベトナムは日本の木材の輸出国になっているが、実はこうしてもどってくるものも多いのだ。 
 
しかし、日本が原材料輸出国になったことを思い知らされるなあ。そしてベトナムが加工国。逆転したわけだ。

2019/02/14

再建された興福寺中金堂

約6年かけて建立なった、奈良の興福寺の中金堂を見学してきた。……拝観してきた、とは書きにくい。

 
私はこれまで幾度となく興福寺の金堂復原に使われる木材について書いてきた。ここで使われたのはアフリカケヤキだからだ。おそらく違法伐採されたもの、もしくは適法と断言できないグレー木材である。そういう木材を使うのは、時流に反している。
 
たとえば、Yahoo!ニュースのこれ
 
 
ほかにもブログではかなりしつこく幾度も(笑)。たとえば、これ
 
昨年は、派手な再建楽慶も行われたのだが、私的には、見に行く気が失せた。それでも思ったのだ。現物を見ないで、いつまでも批判するのはどうかと。
 
そこで、一大決心をして(笑)、見学してきた。ちなみに拝観料は500円であった。
まだ金堂周りは完成していないので、境内も歩けるところが限られている。あくまで仮であろうか。芝生を育て、周囲に回廊を建設するようだが。。。 
 
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さて、内部をじっくり……と思ったが、実は写真が撮れなかった。撮影禁止なのだ。
 
東大寺大仏殿などは撮り放題なのに、なんて了見が狭いんだ……と、八つ当たりする。
 
それでも、外から内部をかいま見る。
 
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本尊の釈迦如来座像(木造)と、法相柱と呼ばれる法相宗の始祖14人を描いたもの。
 
内部空間は意外なほど狭かった。大仏殿に次ぐ大きさというのに。建設中の見学では、わりとグルグル回って登って屋根の上まで行けたから見応えあったのだが、完成すると、ほとんど中で動けない。本尊の前を横に数メートルだけだ。巨大な建物の大部分は隠されている。
 
本尊の周りには、四天王像や吉祥天、大黒天などの立像がある。しかし……ちょっと妙に感じたのは、本尊の下こそ白大理石なのだが、その周辺は違う。コンクリートのように見えるが、漆喰だろうか。なんか違和感がある。漆喰の下は石材か。
 
肝心の柱だが、全部赤い塗料で覆われている。ベンガラだろうか。よく見ても、木目さえ見えない。これでは、集成材でもよかった。いや、鉄骨でもかまわないのではないのか。あえてアフリカのジャングルから伐りだした無垢の大木を使った意味がわからん。
 
これが修復や、天平時代の堂宇をできるだけそっくり建てるというなら、一応の理屈になるが、興福寺の金堂は幾度も焼けて再建を繰り返している。前回は享保2年に焼けている。その後は仮堂だった。つまり、今回の金堂は、復原ではないのだ。一応、創建時のものを模したそうではあるが。
 
一応、アフリカケヤキの調達に関しては、「新たに伐採したわけではない」と弁明している。市場に出ているものを購入したというのだ。わけわからん。使うこと自体が伐採を促しているのに。ちなみに現在は伐採も輸出も禁止である。

2019/02/13

Yahoo!ニュース「盗伐しても不起訴…」を執筆した裏事情

Yahoo!ニュースに「盗伐しても不起訴。その背景に透けて見える林業の闇 」を執筆しました。

 
この問題、そもそもは私が約2年前にヨミウリオンラインに執筆した記事なのだが、それゆえ私の中では最初の一報を果たしたのだから終わったつもりだった。後は大マスコミに後追いしてくれよ、と。(もっとも、極めて動きは鈍かった。)
 
それが動き出したのは昨年あたりから。裁判ざたになったことで、マスコミも取り上げやすくなったらしい。いよいよ私の出番はないと思っていたのだが……。
 
それでもウォッチングは続けていたし、各所から情報は入ってくる。それに、新聞社やテレビ局が取材する際に私にコメントを求めてくるのだ。2年前のネット記事が今も生きているからだ。
 
これぞ、飛んで火に入る夏の虫(笑)。私は最新の事情は持っていない。現地の動きもそんなにつかんでいない。せいぜい林業界の裏事情というか、盗伐が起きやすい背景の説明をするだけだ。
だが、その機会を使って私も情報収集するのだよ。記者の現地取材で得た情報とバーター取引というわけ。持ちつ持たれつ。え、マスコミ同士の馴れ合いだって? いや、真剣勝負だよ。
 
 
それでも簡単には記事にできないものだ。この手の記事は、気をつけないと藪蛇になる。記事にも書いた通り、「誤伐か盗伐か」の決め手が明確にないし、時間が経ってからの被害者の言い分は扱いづらい。両論併記は私の信条に合わないし。誤ったことを書いたら攻撃されるだろう。
 
そこに、連絡を受けたのが不起訴に対して検察審査会への申告が行われたこと。
うむ。これは確実な動きだ。しかも、まだ全国マスコミは動き出していない。(地元紙、地元テレビ局だけだろう。) ならば、書ける。
 
というわけでまとめたのでした。こう見えても、慎重なのだよ。とはいえ、しょぼい内容にしないためにギリギリの線を狙っている。

2019/02/12

『誰も農業を知らない』を林業に当てはめる

誰も農業を知らない』(有坪民雄著 原書房)を読んだ。

 
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先に言っておくが、私は農業本もわりと読むのだよ。さらに漁業本も。林業ばかりを追いかけてはバカになる。ついでに経済学だって社会学だって脳科学だって読む。
 
さて、本書は農業本としても出色の出来だろう。私が密かに?思っていたことをズバリ指摘している。それも裏取りされているから、私も安心してこれから引用できる。
 
たとえば「農薬は安全」であり、「遺伝子組み換えの何が悪い」であり、「無農薬がもっとも危険」であり、「邪悪なクレーマー」であり、大規模化は低コストではなく、むしろリスキーであることも……。私は農薬をやたら危険視する人を「真性バカ」か「勉強しないバカ」か「カルト信者」だと思ってきた。現状を知れば、生態系を壊す危険性はあるが、人間の健康への影響を心配する次元ではない。少しは科学を学べよ。自分の頭で考えろよ。
 
ちなみに著者は、元経営コンサルタントで現農家(米作と畜産)。実は私は、随分前に会ったことがあるというか、取材したことがある。わりと意気投合した記憶がある(^_^) 。本書はビジネス系ネット記事で連載したものなので、若干まとまりに欠きバランスの悪い面もあるが、全体は読みやすい。
なお、農業を「誰も知らない」理由は、あまりに多様だからだ。作物も地域も気候も違えば、立場も多様。全体像を把握しているのは政府でも学者でも農家でもない。誰もいない……ということを指している。
 
もちろん私とは意見の相違もあるが、ここで論じられている点を林業に置き換えると、結構見えにくかったものが見えてくる。
とりあえず細かな目次を掲載しておくので、「農業」を「林業」に置き換えてみたらよい。
 
◆目次
◎第1章 第二次農業機械革命の時代
IoTは革命になりうる
もうひとつの革命――遺伝子組み換え・ゲノム編集
農業のイノベーションの歴史
いま、農薬は安全である
農業IoTは地域振興と矛盾する
◎第2章 無力な農業論が目を曇らせる
無知な人ほど言いたがる「農業にビジネス感覚を」
「農業にはマーケティングが欠けている」のか?
大規模農業のアキレス腱
夜逃げする無農薬農家
六次産業化は絵に描いた餅の典型
ハイテク農業の大失敗を直視せよ
日本農業の問題点は戦前から指摘されてきた
なぜ農家は儲からないのにやめないのか
現実の議論をしよう――コメ輸入をシミュレーションする
◎第3章 農家も知らない農業の現実
誰も農業を知らない
農業知らずの農業語り
実は農家が変化するスピードは速い
農林水産省は本当に無能か
ピントがずれている農協改革案
農協解体は得か損か
◎第4章 農業敵視の構造を知る
「農家は甘えている」
農業が儲かっていた時代
「明るい農村」の時代
農家出身のサラリーマンがいなくなる意味
邪悪なクレーマー
明るい材料
◎第5章 新しい血――新規就農・企業参入・移民
脱サラ就農はラーメン店をやるより何倍も有利
誰をバスに乗せるのか――新規就農者に望むこと
農薬を否定する人は農業の適性がない
企業が農業参入で成功するためには
農業は外国からの移民を認めるべきか
◎第6章 21世紀の農業プラン
遺伝子組み換え作物の栽培を実現せよ
兼業農家を育てよ
中央官庁移転は農業道県に
海外市場は開拓可能
辺境過疎地は選別せざるをえない
農協の経済部門を半アマゾン化せよ
地元から優秀な農業起業家を育てよ
「農業経済学・経営学」を農学部から追い出せ
食育を推進し、学校給食予算を増額せよ
農家よ、戦え!
 
最後の「農家よ、戦え!」の冒頭部分を、林業に置き換えてみる。
 
林家は勉強と戦闘力が足りません。ここでいう勉強とは林学や樹木栽培法のことではありません。人文科学、社会科学、自然科学をもっと勉強しなければならないということを言いたいのです。そして得た知識を使って、林業の未来をつぶそうとする者を論破し、孤立に追い込む能力を持たねばなりません。
 
※サイドバーに追加。

2019/02/11

森の救世主?ヤバいコウヨウザン

ちょっと訪れた某森林管理局。

その外向きのガラス壁に妙なポスターがあった。 
 
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森の救世主コウヨウザン現る!」だと。
 
木材価格が低迷している上、スギやヒノキでは50年~60年かかるので子や孫の代まで負担がかかる……と問題を指摘してから
 
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夢の樹木、国内最大のコウヨウザンの林分が庄原市で発見されたとあるのだ。
 
ちょっと無理があるだろ……。(林分なんて言葉も林業家にしか通じない。)
 
庄原市のコウヨウザンの林約10ヘクタールは、元市長が植えたものだが、偶然発見されるもんじゃない。
日本には江戸時代から持ち込まれて各地に植えられている。しかし、ほとんど広がらなかった。ヒノキに匹敵するほど硬いとあるが、材質が日本人には好まれなかった。材質は荒く、どちらかというとマツに近い。この点にほおかぶりしてはダメだ。そもそも外来種なのだ。
 
しかも、林業を救うような書き方をしつつ、植えるのは耕作放棄地とは……。
なぜ、山に植えない。同じ早生種のセンダンも耕作放棄地に植えるといいと説明されているが、こちらは山では育たないから。
 
 
私は何もコウヨウザンを植えるな、と言っているわけではない。建築構造材としては悪くないだろうし、合板用などにも向いているような気がする。一部で植えるのはアリだろう。ただし、造作材向きではなく、林業の主流になるような樹種ではない。
それに中国では600万ヘクタールも造林されているから、もしかして日本に輸出されるかもしれない。
 
あんまり外来種を「救世主」扱いするんじゃないよ、というだけだ。

2019/02/10

若草山の見え方

奈良に行くと、相変わらず観光客が多い。冬でもこんなに多いというのは、近来なかっただろう。まあ、ほとんど聞こえてくるのは外国語だが。

 
そして公園から見えるのが若草山だ。
 
山焼き行事は先月終わったが、その焼けた跡が見える。
 
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春日園地から見える全景。なんか、ヘン……と思ったら、3段に分かれているうち焼けているのは2段目だけ。1段目と3段目には火を入れた様子もない。2段目も完全には焼けていない。当日は天候もよかったはずだが……(私は、静岡に行っていたので、見られなかった)。
 
一説によると、シカがススキを食べてしまって燃やす草が少なかったともいうが、さてどうろうか。ただ、年々燃えにくくなっていると聞く。
 
 
さて、この若草山がよく見える場所を探した。
 
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これは県庁の屋上。なかなか絶好の位置ではないか。
 
それなら、と。県知事の応接室から。 
 
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これもいいなあ。真横から見ている感じ。ここ、山焼き当日に開放してくれないか(笑)。
 

2019/02/09

吉野は桐の産地だった

奈良県御所市には、水平社博物館がある。

 
水平社は、部落解放運動の拠点組織である。その「全国水平社創立宣言」は日本で初めて出された人権宣言であり、世界で初めての被差別者が発信した人権宣言とされている。
つまり奈良県は、「日本の人権のふるさと」なのだ。 
 
それはともかく、私はこの博物館近くをよく車で走りながら入館したことがなかったので、先日寄ってみることにした。
 
水平社博物館は想像以上に立派だったが、そこでは水平社設立に立ち上がった御所市柏原の被差別部落について紹介されていた。
 
その展示の中で、柏原が意外や経済的には豊かであったことが示されていた。言い換えると豊かだから運動を起こせたのかもしれない。
 
問題は、その豊かさの源泉。それは屍牛馬からつくる膠産業があったことが大きいのだか、もう一つ注目すべきは、桐材の加工をしていたということだ。 
桐から下駄などを作っていたらしい。その展示もあった。
 
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桐は成長が早いことと、軽い材質が好まれた。桐材の使い道としては桐ダンスなどが有名だが、その産地というのは限られている。
 
ここで使われた桐材は、吉野から出されていたという。つまり吉野は桐の産地だったらしいのだ。これはちょっと驚きだ。それは植林したのだろうか。 
 
ただ、少し心当たりがあるとしたら、土倉庄三郎について調べていたときのことである。土倉家の祖先に当たる人に土倉平兵衛という人物がいた。1600年代の人だが、彼は桐が好きでよく植えたので、法名は「桐安休葉信士」となったそうである。そして、桐を植えたところは「土倉の桐畑」と呼ばれたと記録に残っていたのだ。つまり、川上村大滝に桐の林があったことになる。 
 
もしかしたら、かつて吉野各地に桐が植えられていたのかもしれない。
 
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これは展示物の写真。戦前に吉野郡下市から出された桐の丸太らしいが、こんな大木があったのか。
吉野では、和紙の製造や漆芸があったことが知られており、コウゾやミツマタの栽培と、ウルシノキから樹液を取り漆芸も行われていたと知られるが、もう一つ桐にも注目すべきかもしれない。スギやヒノキばかりではないぞ。
 

2019/02/08

「みどりの大和」にケボニー木材試験結果

奈良県に「みどりの大和」という冊子が発行されている。年に何回発行なのか、どんな対象向きなのか、全然わからないのだが……。

 
ともあれ次の号にケボニー化スギ が取り上げられるようだ。 
これまでケボニー化木材については幾度か書いてきたし、また一般紙などにも紹介されてきた。ノルウェーで実用化されたケボニー化処理技術を日本のスギにためした場合の実証試験の結果である。ただ、その場合の研究は京都府立大学であった。
 
だが、実はケボニー化木材の試験は奈良県森林技術センターもやっているのだよ(^_^) 。
正確には、物性などを調べるのが京都府大で、腐食性などを調べるのが奈良県森林技術センターと、役割分担している。
これまで陰が薄かった? 
 
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結果としては、極めて優秀な数値が出ている。
ともあれ、こうして成果を表に出すことは大切なこと。
 

2019/02/07

磨丸太用の「だるま絞り」

先日、静岡の林業家を視察させていただいたのだが、その際にいくつか面白いものを見せていただいた。

その一つとして、こんなスギはどうだろう。 
 
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わかるかな。細いが、表面が凸凹しているだろう。実際に近くで見ると、モコモコとダルマ落とし用に積んだ積木みたいに幹が波うっている。
 
これって、フツーなら傷物扱い? 奇形扱い?で切り捨て間伐したくなる(笑)。
 
だが、これは磨き丸太用の品種なんだそう。天然絞の一種で、皮を剥いて磨けばモコモコが魅力になる……らしい。最近は磨き丸太そのものが売れなくなったから生産も減少しているのに、あえて磨き丸太の中の珍しい品種を植えるとは。
 
とにかく様々な品種を植えているという山主は、意欲的にバラエティのある森づくりをしていた。単に多様な樹種を植えるだけでなく、品種でもばらつかせているわけだ。
 
多様性のある森はリスクヘッジになる。
持ち山は全部で60ヘクタールとか。これは、昨今の林業経営としては狭すぎるだろう。いまどき100ヘクタールでも足りない、数百ヘクタールないと林業経営は成り立たない、とよく言われる。そして大規模化、集約化を求めてくるわけだが、果たしてそうか。 
 
むしろ狭さを活かして、多様な森づくりを試みるという発想があってもよいのではないか。
 
もしかしたら“失われたような品種”をここで温存しておくことで、将来何かをもたらすかもしれない。

2019/02/06

「森林サービス産業」を謳う前に

先日、「“森林サービス産業(仮称)~新たな森と人のかかわり『Forest Style』の創造~”キックオフ・フォーラム」が開催された。もちろん、会場は東京なんで私は参加していない。そんな気軽に東京には行けないのよ。
 
それでもウォッチングはしている。
 
なんでも意図は、「森林空間の新たな利活用を通じた新産業創出を目指す」ことだという。
 
「国民の価値観や余暇活動のあり方、ライフスタイルが多様化するなかで、医療・福祉、観光・交流、教育・学習支援、娯楽等の分野において、森林が有する多面的な価値を積極的に引き出したアクティビティや、森林空間が有する豊かさを活かした利活用のニーズの高まりを見ることができ、こうした取組を通じた山村振興への期待も高まっています。」
 
どうやらすでに「森林サービス産業(仮称)」検討委員会というのがあって、医療・福祉、観光、教育等の分野の業界団体等の参画しているらしい。
 
1 こんな森林リゾートのイメージ?
 
……、ま、意図にさしたる異論はないが、なんか聞いたことがある。そう、森林セラピー事業の時も同じようなことを言っていなかったっけ。今回は森林セラピーについて触れていないが、内容的に重なるだろう。
 
そもそも森林セラピーの元は森林療法であり、これは医療・福祉・教育などへ森林空間を活かす話だったのだが、いつしか観光などを上書きされて、地域起こしネタにされてしまった。その点今回は始めから観光と地域振興に触れている(^^;)。
 
 
実は、同じような話は別の分野でも聞いている。それは環境省からだ。具体的には、国立公園を利用したインバウンドだ。2020年までに外国人の利用者を年間1000万人にするというのだ。これを名付けて「国立公園満喫プロジェクト 」。
そのためには、環境整備と利用規制のルールづくりが必要だとしている。が、なかなか進まない……。 
 
なぜ進まないのか? 地権者たる林野庁が反対しているから(笑)。国立公園の管理権限は環境省だが、その土地は国有林が多く、そちらの管理権限は林野庁が持っている。しかも、林野庁は国立公園に被せるように森林生態系保護地域などに指定している。(加えて世界遺産などもあるんだけどね。こちらは自然遺産なら環境省……なんだが、実は外務省が力持っていたりする。)
 
ようするに省庁間で管理権限のつばぜり合いをしているわけだ。 
 
実際問題として、環境省には予算も人員も少ないことがある。レンジャーが少なすぎてボランティアみたいなアクティブレンジャーまで作っている。だから、林野庁に予算と人員を譲れ、という声まで出ているわけだ。
私も国立公園特別保護区の部分は環境省に任せてもよいかと思うが……人員を譲れというのは、林野庁職員が環境省に移るということ? とりあえず森林専門家は林野庁の方が圧倒的に多いだろう。ある意味、乗っ取れるんじゃないか(笑)。環境省の森林保護の発想は古くさいので、それもいいかな、と思ったりもする。
 
ともあれ、環境省の動きと張り合うように「森林サービス産業」を打ち出した林野庁の裏事情というのを探ってみるのも面白いと思うよ(⌒ー⌒)。
 

2019/02/05

「森と林業の10年」 あと10日

やはり宣伝しておかねばならないか。 

 
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来週15日に大阪で開かれるのが、「森と林業の10年」サウンドウッズ設立10周年記念フォーラム[第2弾]。
今気がついたが、始まりの時間が午後5時半とは。大阪に勤めている人ならかろうじて間に合うか? という時間に設定してある。
 
 
開催日  :2019年2月15日(金)
開催時間 :17:30~20:30 (受付開始 17:00)
講演会場 :近畿中国森林管理局 1F レストラン杣soma
      大阪市北区天満橋1丁目8番75号
参加料  :3,500円(ドリンク軽食付き)
登壇者  :田中 淳夫(森林ジャーナリスト)
      中島 彩(有限会社ウッズ森林管理部)
プログラム:
  第一部 基調講演:田中淳夫
      「絶望の林業から希望の林業へ」
  第二部 トークセッション
     「この先10年に求められる森を育てる人」
      スピーカー:田中淳夫
      聞き手  :中島彩
      進行   :安田哲也
  第三部 懇親会
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■参加お申込みはこちらのwebページから
 
 
目玉は、なんといっても第2部のトークセッション。
 
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思えば二人の馴れ初め……じゃなくて、出会いからもちょうど10年経つはず。大阪で見かけて広島へ追っかけ(^^;)……じゃなくて取材に行きました。その後も、ちょろちょろ節目にお会いして、お互いの近況を話してきました。
 
そんな話も交えつつ、この10年の森林と林業の変遷を語れたらと思っています。
彩ファンの皆さん、必見ですv(^0^)。

2019/02/04

オランウータン・ソープ

突然送られてきた箱。 

 
開けてみると、入っていたのはオランウータンだった……。
 
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いや、オランウータン型の石鹸。下に記されてあるように、「#SOS sumatra」、つまりスマトラ島の(ジャングルの)オランウータンを救え、ということか。
 
送り主は、ラッシュであった。世界的な石鹸メーカーだが、スマトラ島の熱帯雨林を救うキャンペーンをしているらしい。その象徴としてのオランウータン。熱帯雨林がなくなれば生きていけない類人猿だ。
 
で、このソープを購入すると、森林保護 Sumatra Orangutan Society (なんだ、この団体の略号がSOSじゃないか!)へ寄付されるという。そして油ヤシプランテーションにされた森50ヘクタールが買い上げられて再生させるのだという。
 
……油ヤシプランテーションは、どんどん拡大されていることが問題となっているが、実は単に農園にされるだけの問題ではない。多くのプランテーションは十数年で廃棄されているのだ。というのも、肝心の油ヤシの実の収穫量が減ると、そのヤシは伐採されるが、必ずしもその跡地にもう一度ヤシの苗を植えて育てるかというとそうではない。
 
そのままヤシ農園を放棄して、別のジャングルを切り開いてプランテーションをつくることが多いのだそうだ。植え替えるコストがばかにならないからである。
 
しかも切り捨てられた油ヤシは腐敗して水質汚染も引き起こしているそうだし、こちらの環境破壊も馬鹿にならない。
 
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……しかし、なぜ私のところに送ってきたのだ? それに肝心の石鹸はどこで買えるのか書いていないよ(^_^) 。
 
とはいえ、私は学生時代からオランウータンに縁があるので、この石鹸は、大切に使おう。いや、当分は飾っておくかな……。 まさか、この石鹸はヤシ油で作られているのだろうか?
 
先日のはしもとみお展でも、オランウータンの作品があったよ。
 
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2019/02/03

謎の倒木

昨年の台風は多くの倒木を生み出した。とはいえ、もう半年以上。さすがに片づけはほとんど終わった……と言いたいところだが、生駒山中にはまだまだ残っている。

 
一応車も通れる道なんだけど、いまだにこんな状態なところもある。
 
1
 
この周辺にもかなり多くの倒木はあるが、これは道をまたいでいるのが特徴……というか、このままでいいのか? まあ、下を通り抜けられなくはない。ハイキングなら問題ない。バイクも通れるだろう。車は……通れなくもないか(笑)。
私は台風直後に通って、途中で道が崩れていたのでバックでものすごい距離を後戻りした経験がある(泣)。しかし、その時はこんな倒木はなかったから、その後に倒れたのだろう。台風・強風は幾度かあったし。 
 
が、まてよ。この写真をよく見てほしい。なんかヘン。
 
倒木の上に電線が通っているのだ。それも高さの違う2段に5、6本の電線がある。
 
これ、木が倒れる際にどうしたのだろう。電線を伐らずに倒れるなんてありえんだろう。S字カーブを描きながら、電線の間をくぐり抜けたのか? 
 
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いくら眺めても、理解できない。この木が立っていたら絶対に電線に届く高さだったはず。倒れてから動いた形成もなし。まだ太い根っこは残っているし、電線に絡まずに倒れる方法はない。
ただ一つの可能性は、倒木を放置して切れた電線を後でつないだ場合かな。通電を優先して倒木処理を後回しにした。で、そのまま放置した(忘れた)……。
 
あり得ないことではないが、なんかヘン(笑)。
 
 

2019/02/02

はしもとみおのカジュアル木彫

はしもとみお展が、お隣の東大阪市であると知って出かけてきた。 

(※最初、とみおと読んで男か? と思ったが、女性である(^_^) 。)
 
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朝一番に到着したのだが、なかなか満員であった。ごった返している、と言ってよいかもしれない。私も、木彫の個展などにはちょくちょくと顔を出しているつもりだが、こんなに混んでいたのは始めてだ。土曜日であることに加えて、今日は本人が登場して解説するというからだろうか。
 
Hs_gj_h_j_3 みおさんのトーク中。足元にあるのは愛犬の月と、アカミミガメ。
 
大きさも様々だが、実物大のクマから豆粒タイプの動物まで。イヌやネコが多いが、これは実物大でもそんなに大きくない。
素材は主にクスノキであった。ただし、ほかにもいくつかの樹種がありそう。ウォルナット?なども木屑の中には見かけたように思う。
 
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Hs_gj_h_j_2  Hs_gj_h_j_4
 
私は動物ばかり彫っているという点にまず惹かれたのだが、簡単に履歴などを知ると少し違う。いわゆる彫刻家と違う。何がというと、いわゆるアート作品とは違う。本人も「作品と呼ばないで」動物の名前だけを名付けている。
当の本人も、「動物肖像彫刻家」となっていた。ペットや動物園など実際に生きている(生きていた)動物をモデルに彫っているのだそうだ。展示しているものも、大半が触ってよし。
 
なんと表現したらよいか。いわばカジュアルカービング
彫刻作家の場合、作品に何らかの意味を込める場合が多いと思うのだが(「生命の息吹!」とか「研ぎ澄まされた野生」とか。)、彼女の作品(じゃないが)には、そうしたメッセージ性がなく、ポーズも生きた動物が取った姿そのままを写し取る……ことをめざしているよう。
むしろ「可愛い」がテーマ? メッセージよりも官能に訴えている。たとえてみれば「純文学」ではなく「童話」かも。
 
製作ビデオによると、大物はまずチェンソーで型取りし、その後手鋸も使いつつ、鑿、彫刻刀で削っている。仕上げはそんなに細かくなく、削り面をわりと残す。そして木目を残す程度にさらりと彩色。最近のチェンソーアートも、全部チェンソーで仕上げず最後に色もつける場合が増えたから、チェンソーアートとの境はあまりないように感じた。
 
あえて言えばチェンソーアートは数時間で仕上げ大物が多いのに対して、こちらは小物も多く表情を重視していることか。
 
 
付け加えれば、注文は途切れず、何年先まで埋まっているとか。アート作品より幅広い需要がある模様。依頼は亡くなったペットを再現してほしいという注文が多いとか。カジュアルというのは、その点からも言える。
木彫の一つの分野として有望だぞ、と思うのであります。
 

2019/02/01

浮島を発見

生駒山は、歩くと何か新しいものが見つかる。

今回は、山中にあるため池の中に、浮島を発見した。
 
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わかるだろうか。池の中に枯れ草を繁らせた小さな島があることを。
 
これは浮島なのである。
 
なぜわかるかって?
 
だって説明板が立っていたから(笑)。多分、じっと見ていたら風などで動くところを見られるのだろう。
 
浮島とは、枯れた水草やミズゴケなどの遺骸が重なって浮いているもの。その上にまた別の植物が生えたりする。大きいものは樹木も生えるし、人が歩けるところもある。
 
ま、写真のものは極めて小さいけど、水底から離れているのだろう。
 
通じいうは水が冷たくて腐りにくい高層湿原などに誕生するものだけど、ここは「生駒山スゴイ!」と言っておこう。

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