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森と林業と動物の本

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2019/02/02

はしもとみおのカジュアル木彫

はしもとみお展が、お隣の東大阪市であると知って出かけてきた。 

(※最初、とみおと読んで男か? と思ったが、女性である(^_^) 。)
 
Hs_gj_h_j_1
 
朝一番に到着したのだが、なかなか満員であった。ごった返している、と言ってよいかもしれない。私も、木彫の個展などにはちょくちょくと顔を出しているつもりだが、こんなに混んでいたのは始めてだ。土曜日であることに加えて、今日は本人が登場して解説するというからだろうか。
 
Hs_gj_h_j_3 みおさんのトーク中。足元にあるのは愛犬の月と、アカミミガメ。
 
大きさも様々だが、実物大のクマから豆粒タイプの動物まで。イヌやネコが多いが、これは実物大でもそんなに大きくない。
素材は主にクスノキであった。ただし、ほかにもいくつかの樹種がありそう。ウォルナット?なども木屑の中には見かけたように思う。
 
Dsc00756
 
Hs_gj_h_j_2  Hs_gj_h_j_4
 
私は動物ばかり彫っているという点にまず惹かれたのだが、簡単に履歴などを知ると少し違う。いわゆる彫刻家と違う。何がというと、いわゆるアート作品とは違う。本人も「作品と呼ばないで」動物の名前だけを名付けている。
当の本人も、「動物肖像彫刻家」となっていた。ペットや動物園など実際に生きている(生きていた)動物をモデルに彫っているのだそうだ。展示しているものも、大半が触ってよし。
 
なんと表現したらよいか。いわばカジュアルカービング
彫刻作家の場合、作品に何らかの意味を込める場合が多いと思うのだが(「生命の息吹!」とか「研ぎ澄まされた野生」とか。)、彼女の作品(じゃないが)には、そうしたメッセージ性がなく、ポーズも生きた動物が取った姿そのままを写し取る……ことをめざしているよう。
むしろ「可愛い」がテーマ? メッセージよりも官能に訴えている。たとえてみれば「純文学」ではなく「童話」かも。
 
製作ビデオによると、大物はまずチェンソーで型取りし、その後手鋸も使いつつ、鑿、彫刻刀で削っている。仕上げはそんなに細かくなく、削り面をわりと残す。そして木目を残す程度にさらりと彩色。最近のチェンソーアートも、全部チェンソーで仕上げず最後に色もつける場合が増えたから、チェンソーアートとの境はあまりないように感じた。
 
あえて言えばチェンソーアートは数時間で仕上げ大物が多いのに対して、こちらは小物も多く表情を重視していることか。
 
 
付け加えれば、注文は途切れず、何年先まで埋まっているとか。アート作品より幅広い需要がある模様。依頼は亡くなったペットを再現してほしいという注文が多いとか。カジュアルというのは、その点からも言える。
木彫の一つの分野として有望だぞ、と思うのであります。
 

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