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2019/02/11

森の救世主?ヤバいコウヨウザン

ちょっと訪れた某森林管理局。

その外向きのガラス壁に妙なポスターがあった。 
 
1
 
森の救世主コウヨウザン現る!」だと。
 
木材価格が低迷している上、スギやヒノキでは50年~60年かかるので子や孫の代まで負担がかかる……と問題を指摘してから
 
4  3
 
夢の樹木、国内最大のコウヨウザンの林分が庄原市で発見されたとあるのだ。
 
ちょっと無理があるだろ……。(林分なんて言葉も林業家にしか通じない。)
 
庄原市のコウヨウザンの林約10ヘクタールは、元市長が植えたものだが、偶然発見されるもんじゃない。
日本には江戸時代から持ち込まれて各地に植えられている。しかし、ほとんど広がらなかった。ヒノキに匹敵するほど硬いとあるが、材質が日本人には好まれなかった。材質は荒く、どちらかというとマツに近い。この点にほおかぶりしてはダメだ。そもそも外来種なのだ。
 
しかも、林業を救うような書き方をしつつ、植えるのは耕作放棄地とは……。
なぜ、山に植えない。同じ早生種のセンダンも耕作放棄地に植えるといいと説明されているが、こちらは山では育たないから。
 
 
私は何もコウヨウザンを植えるな、と言っているわけではない。建築構造材としては悪くないだろうし、合板用などにも向いているような気がする。一部で植えるのはアリだろう。ただし、造作材向きではなく、林業の主流になるような樹種ではない。
それに中国では600万ヘクタールも造林されているから、もしかして日本に輸出されるかもしれない。
 
あんまり外来種を「救世主」扱いするんじゃないよ、というだけだ。

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

せんだんが山で育たないは、違います。情報収集をされてください、
標高の制限、地力などで不適地はあります。が、耕作放棄地の有効利用として、せんだんの育林を勧めているのであって、林地に植栽できないのではないです。需要は、数百万立法が見込めるとも言われます。暖地向きであり、東日本では、制限が多くなりますが。
実際私は、皆伐跡地に植栽し、現在までは、良好な生育ができています。

コメントありがとうございます。せんだんの未来研究会のことも福田様のこともお聞きしています。
私も山にセンダンの苗を植えて育てていますが、初期成長はよかったのですが、その後はイマイチですね。やはり地力の問題でしょう。研究者の意見としても、山に大規模に植林するのに適しているとは思えません。
それにセンダンは広葉樹で家具向きと目されていますから、建築材が主流の林業とは少し違います。数百万立方メートルの需要というのは無理かと思いますが、面積にしたら数万ヘクタールでしょうか。1000万ヘクタールの人工林からすると、「森の救世主」にはなれません。

もっとも、ここで取り上げたのはセンダンではなくコウヨウザンです。何も新しい樹種ではなく、外来種のコウヨウザンをもてはやすのはどうかと言う点と、林業を救うと言いつつ、耕作放棄地に植えようと言うのは矛盾しているんではないかい? と指摘したまでです。

需要については、私は素人ですが、これは、もちろん構造材ではなく、日本木材加工協会の会員さんからの情報であり、現在の輸入材を置き換えた場合だと思います。詳しくは、お尋ね下さい。馬のサラブレットも同じですが、駄馬に一流の種馬を着けても上手くいかないように、木も適地適木です。今現在の杉桧も同じです。
コウヨウザンについては、私も同じように思います。用途も杉桧とかぶりますし。ただ、植栽については、経費の節約になるとは思います。

いつも質問お答えいただきありがとうございます。
コウヨウザンは内装業界では余り聞きませんが、栴檀は九州とくに大川の方でチラホラと聞きます。
おっしゃるとおりこのポスター、早生樹の活用と耕作放棄地の活用とがゴッチャになってしまっている印象ですが
むしろオセロが一気に引っくり返るような夢の樹種があるという考え自体が戦後拡大造林の二の舞になる元ではないかと心配になりました。需要を把握して、植える段階からしっかり考えるべき云々の話の流れなら解るような気がしますが…。
田中先生から見て、早生樹や早生広葉樹の昨今の動きはどうご覧になられてますでしょうか??
差し支えなければご意見伺えますと幸いです。よろしくお願いいたします。

コウヨウザン材は、日本ではほとんど出回っていないと思います。中国製木工品にもあるかどうか。見た目も荒い材質なので内装には使わないでしょう。構造材など見えないところに使うつもりでしょうか。
センダンは家具材として有望なので、家具産地の大川で話題になっているかもしれませんね。(ちなみに栴檀はセンダンとは別種で、白檀のことを指します。)

一つの樹種を一発逆転の救世主に仕立てようという発想が下品ですね。コツコツやるのが嫌なのでしょう。何か核兵器を開発したら国際情勢を一気に有利にできる、と思い込んだ北朝鮮のようです。
もちろん早生樹種を含めて多様な樹種を試すのは結構です。コウヨウザンは合板や集成材の原料として重宝されるかもしれないし、センダンも耕作放棄地である程度栽培できたら、世界的に枯渇している広葉樹材の代用になるかもしれません。ただ早生と言っても20~30年かかりますからね。果たして今の日本人に、その時間を待てるか。長期的な森林経営を行えるか。……私は疑問です。

http://www.miraikikin.org/activities/forestry/hiroshima.html
これですね
一つの選択肢としてコウヨウザンを持っておくメリットは十分にあるとは思いますが、「救世主」としてもてはやすのは気に入りませんね。

なるほど、サイトで詳しく説明していますね。ざっと目を通しましたが、ここに書かれていることはそんなに無茶ではない。結局、ポスターが暴走したのか(-_-;)。

ご回答ありがとうございます。
栴檀とセンダンは違うのですね!ややこしや!
早生樹は2,30年と言われ、おお!と思っておりました。が、おっしゃるとおり、現代ではその時間さえも耐えられるか怪しい。難しい課題ですね…

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