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2019年3月

2019/03/31

労災隠しと永田林業の記憶

林業事故隠し事件が発覚。引用すると、

鹿児島・川内労働基準監督署は、労働者が4日以上休業する労働災害の報告を怠ったとして、㈱永田林業(鹿児島県出水市)と同社代表取締役を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の疑いで鹿児島地検に書類送検した。平成28年11月、同社労働者5人が負傷する労働災害が発生している。
労災は、出水市内の立木伐採現場で発生した。同社労働者7人が林業用機械であるフォワーダに乗り込んで作業をしていたところ、路肩から転落。荷台に乗っていた5人が負傷し、うち2人が打撲などで最長14日休業した。運転者と荷台に乗っていたうちの1人は無傷だった。
同社は、労災が発覚すると今後、伐採業務を発注者から受注できなくなると考え、労働者死傷病報告を提出しなかった。

 

実は、この株式会社永田林業の社長を私は知らないわけじゃない。と言っても今から10年くらい前に数度か会った程度だが。

彼は24歳で起業したという。それまで何をしていたかというと、「やんちゃしてまして」。
これは、暴走族の頭をやっていたことを意味する(笑)。でも、いつまでもやっていられないと目覚めたのが20歳くらいだったかな。それで林業だ、と狙いを定めて熊本の比較的大きな素材生産業者のところに修行に入った。

そして独立。幸い銀行の信用を得て、融資を取り付けて高性能林業機械を導入、派手に展開していた。当時、機械数は鹿児島一の規模ではなかったか。族出身者というのは、だいたいメカに強いというか、メカが好きな人材が豊富なので、林業機械を扱うのは得意だったのだろう。山仕事をメカがすきだからやるという新しいパターンのような気がした。仕事は国有林の入札を落とすのが中心。その入札の事前協議?の話も聞いたりしていたが。。。

社長は、鹿児島大学の社会人向け講座に通っており、非常に熱心に林業の勉強をしていた。私もそこで出会ったのだから、ある意味“同期”ということになるかな? 私自身は彼に好感を抱いた。新時代の林業家のように感じたのだ。だから、今回の事故というか事件は残念。


規模を大きくすれば仕事量も増やさないといけない。鹿児島は国有林が多いから、労災で入札に参加できなくなっては死活問題と思ったのだろう。しかし違法行為である。そもそもフォワーダの荷台に運転者以外に6人も乗っているというがおかしい。現場は規律が緩んでいたのではないか。

同時に、その怪我をした社員の処置はどうしたのか気になる。14日間も休業したというのはかなりの大怪我だろう。それに労災を適用しないのなら、治療費は誰が負担したのか。

 

こうした労災逃れの事故隠し、決して今回が例外とは思っていない。むしろ氷山の一角だ。以前も、被災者(移住者)が申請しようとしたら、「こんなものを申請するのは男じゃない」という理由?で拒否した組合長がいたのかで裁判にもなったのだっけ。ようは労災申請なんて前例はなく、事故を起こすのは恥ずかしいことだから隠せという意識が当たり前のなのだろう。

 

そういえば、日系ブラジル人が働く林業現場では、ブラジル人は国民年金保険や健康保険、失業保険に入っていないという。短期間の出稼ぎ感覚なので、そんなもらえるかどうかわからない保険に金を払いたくないのだろう。さっさと稼いで帰国するつもりだから。ただ、労働災害保険だけは入っていた。やはり現場で事故を起こした場合の心配はしていたようだ。それだけ必需なのに、肝心の怪我のときに適用しないなんて……。

 

2019/03/30

野良チャノキ

先日訪れた十津川村だが、そこで泊まったゲストハウスがあるのは、限界集落のような桃源郷のような集落であった。狭くて暗い道をグイグイと登っていくと、急に視界が広くなって台地状の尾根筋に人家が点在しているのである。住んでいるのは20世帯くらいだという。

その集落及びゲストハウスについては改めて紹介したいものであったが、集落内を散歩すると、いろいろ興味深いものが見つかる。

 

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まず目に留まったのは、この木の根元。これ……茶だよね。チャノキが生えている。なお母樹というか太い木はサクラである。サクラの根もとからチャノキが若葉を広げていた。

もともと集落では茶栽培もやっているようであるが、ほとんど山茶状態。

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こんな放置された山の一角にも生えていた。昔は栽培していたものの今は放置されたのだろうが、しっかり育っている。
これを山茶と呼ぶよりは、野良茶ではないか。野良チャノキ。

 

なお、こんなものも見かけた。

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石垣に、階段になるよう飛び出した石が組み込んである。同じものは各地で見てはいるが、一種の石垣文化だね。鉄パイプは手すりかしらん(笑)。高齢化進んでいるし。

 

2019/03/29

咲いていたレンゲ草は……

畑の周りを歩いていると、こんなレンゲ草を見かけた。 

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わかるだろうか。畑の縁にわずかにレンゲが花を咲かせているのだ。これ、3月中旬ね。

一応説明しておくと、れんげ草は9月10月に種まきをする。レンゲは豆科で根粒バクテリアによる窒素固定能力があるから、地中の窒素肥料分を増す効果があり、肥料がわりにするのだ。それが秋~冬の間にじわりと地中に芽吹いて、春に一気に花を咲かせる。そして4月ごろにレンゲ畑と呼ばれるほど咲き誇る。こうなると、今度は養蜂家がミツバチを飛ばして蜜を集めるわけだ。つまり土を肥やすのと花蜜の両方に価値があるわけ。

ここで問題となるのは、レンゲの種子は、たいてい養蜂家が無料で提供していること。農家にとっては肥料は化学肥料でもよいから、あまりレンゲに頼らなくなってきたのだろう。だから花蜜のために農家にレンゲの種子を渡して育ててもらって蜜を採るわけだ。

 

それなのに、写真の農地は、まだレンゲが十分に咲く前に耕してしまっているよ(泣)。農地の肥料効果は昨秋からそこそこあるかもしれないけれど、花が咲かないうちに耕作されてしまったら養蜂家にとっては意味ないやん。わずかに縁だけに花が咲いてもなあ。

とまあ、この現場を見て、そんなことを考えたのである。

 

 

2019/03/28

林業スクールの“名称”

もうすぐ4月。つまり新年度、新学期が始まるわけだが、そこでまたもや新たな林業スクールがオープンするらしい。

今度は滋賀県。目的は、生産性の向上や新規就業者の確保のほか、森林経営管理制度に対応する市町職員の養成研修だそうだ。だから対象は、すでに林業に就業している者と、新規就業者(転職者)、そして市町職員となる。もちろん必要な予算は、森林環境譲与税を利用するらしい。(約2000万円) 

もっとも、いわゆる林業大学校のような教育機関ではなく、年に幾度かの研修を実施する形式。既就業者向けは県内の森林組合作業班に講師を派遣し、年3回程度の研修。労働生産性を現在の倍(1人1日6立方メートル以上)をめざすとか。新規就業者とは、新卒というよりUIJターン者向けらしい。研修期間は2カ月で、年間3回受講できる機会をつくって、年間6人程度育てる。市町職員は、内容を5項目に分け1項目1~2日間実施。座学と実習で森林整備の方針を立てて業務を発注できる人材を県内全市町で1人以上養成する。
講師は、内外の民間企業や大学、他府県の林業大学校、試験研究機関からの派遣に頼るそうだ。

まあ、なんだか、その程度で大丈夫?というのが私の率直な感想だが……実は私がもっと注目した点がある。それは、この滋賀県の林業スクールの名称が「フォレストアカデミー」だということだ。

なぜ、この名前に興味を持ったかというと……実は奈良県も設立構想を温めているフォレスター学校も、仮称ながら「フォレストアカデミー」なのだ。つまり先んじられたわけ! もっとも、まだ影も形もないから文句も言えない(^^;)。

もう奈良県では、「フォレストアカデミー」を使えないぞ。別の名称を考えねば。
個人的には、フォレストアカデミーというのは安直でカタカナばかりで軽いのも気にいらなかったから、没になる方が嬉しいのだが。もうちょっと特徴だせないかな。

 

ちなみに来年4月に林業大学校設立をめざしている北海道では、早くも名称を募集した。すると303件が寄せられ、その中の「北の森未来」と「未来の森づくり」を組み合わせて「北の森づくり専門学院」と決まったそうだ。これは……特徴はあるが、なんか気恥ずかしい(笑)。学園ものアニメに登場する学校名みたいな気がした。

ともあれ、名前は大事だよ~。

 

2019/03/27

ミツマタの花群落

十津川村より帰って来た。

期せずして紀伊半島内陸部一周してしまった。行きは五条市より国道168号線を南下したわけだが、今日は十津川村最南部より和歌山県北山村に入り、下北山村、上北山村、そして川上村、吉野町……というルートで帰ったからだ。

きつい……。丸1日、山の中を歩いたり運転していた気がする。

その中で、もっとも美しかったのは、これ。 

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ミツマタの群落に出会った。しかも花真っ盛り。これまでもミツマタ群落自体は何度か見ているが、今回ほど満開で、しかも目の前だったのは始めてかも。

人工林の林床に咲き乱れているのは、やはり過去に植えられたのだろう。和紙づくりをしていたのかもしれない。今は完全に野生化しているが。シカも食べないから、林床で増えたのか。これ、本気で取り組めば観光名所になるな。。。

2019/03/26

古民家改修の宿

本日は十津川村。紀伊半島のど真ん中の村の限界?集落にある古民家改修をした宿に泊まっている。

何がすごいって、窓の外である。石垣が見えるのだ(^o^)。
石垣が邪魔しているから何の景色も見えないように思わせて、実は……石垣が見えるのだ(笑)。

これがすごい。夜はライトアップをしている。

今宵はこれを眺めながら、一人で(持ち込みの)ウイスキーのグラスを傾ける。チラチラとツインベッドを目の隅で見ながら。

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2019/03/25

Yahoo!ニュース「国産蜂蜜が大不作。……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「国産蜂蜜が大不作。その原因を探ると意外な現象が見えてきた」を書きました。

 

この記事の特徴は、スマホ対策を施したこと。前回のYahoo!ニュース・オーサー会議に出席したとき、今やYahoo!ニュースを読むのは7割方スマホだと聞いたのだ。

私は、パソコンに表示された時のデザインを意識して記事を書いていた。写真の配置や文章の長さなどである。しかし、スマホでは全然別の見え方をする。そこで小見出しを入れようかと思ったが、そんなに長い記事ではないので、太字の短文を見出し代わりにした。文章の長さもスマホの横幅を意識した。ま、こちらはそんなに変わっていないけど(^^;)。

私は、何かとパソコン画面になるなあ。記事だけでなくメールもメッセージも、スマホの小さな画面で読みたくない。読むだけならともかく、書き込みは苦手。だからよほど急ぎの返信とか旅先でないとスマホではいじらない。

なお、内容に関しては、ある意味、試し書き。世間の興味をうかがおうと思っている。私は獣害がハチミツにまで及んでいることが驚きだったのだが、一般人の興味はハチミツにあるのか、養蜂の方が興味を引くか。それともレンゲの花の方がウケる? 農薬に敏感な人もいるが。

2019/03/24

富士山から茶筒、そしてペンシルへ

先日の新聞に、某経済人のインタビューが載っていた。その人物、一応は勝ち組の小売り店経営者だと言ってよいだろう。
   
その自慢話は別として、消費動向の変化を語っている。
   
   
・昭和時代は、徐々に売れ行きが伸びて、やがてピークに達してゆるやかに下降していく「富士山型」だった。
・平成に入ると、急に人気が出てしばらくしたら急に売れなくなる「茶筒型」に変化した。
・それが現在の平成の終わりになると、「ペンシル型」になっている。売れる期間が短くすぐに落ちる。
    
   
……そんな分析だったたしかにそう思わせる傾向はある。裾野がないから、これから何が売れるのか読むのが極めて難しい分析しているうちに下降線をたどってしまう。もちろんネットの声、とくにSNSの動きを注意深く見て速攻で“予言”する人もいるのだが、外れることも多い。ペンシルの高さはバラバラで、高く売れる品は少ないからだ。もっとも外れてもすぐ次の流行に移っているから、数打ちゃ当たるとテキトーな予言を繰り返すのである。
  
そんな時代に生き残るのはどんな形態か。
   
インタビューでは「自社開発製品」だと言っている。ニトリやユニクロ、セブンイレブンのように。だが、これらの会社は自分で作っているのではなく、企画するだけで製造は下請けだ。企画が外れてもすぐ別の企画に変えるだけで、その際の損失・リスクは下請けに負わせるんだろうな。自身は販売のプラットフォームを持っているから、売る商品はどんどん変えてよいのだ。
   
この意見に完全に同意するわけではないが、仮に木材商品を当てはめるとどうなるか。林業なんて富士山どころかキラウエア火山(笑)。裾野ばかりのだらだら山だ。たまに噴火するように、100年に一度ぐらいは材価高騰の時代があるかもしれないが……。
ともあれ、山元で「売れる」ことを考えて木を育てるなんてことがいかにあり得ないか。良材をつくれば売れる、とバカの一つ覚えのように言っている人もいるのだが、その良材って何よ。売れるって何よ。50年先の売れ先を誰が予言しているのよ。
結局は、生樹木を物として健全に育てるしかないのではないか。その素材をいかに商品にするのか企画を考えるのは林業家ではなく別人だ。
   
   
では、木材商品の企画は誰がしているのか。いないのだ。
    
富士山型やキラウエア山型なら、林業家自身、あるいはその周辺の業界が商品開発も担っていたんだろう。だが、もはや不可能だ。
瞬時に判断して次々と当たるも八卦気分で商品開発をして、それに応える林業地はないか。と思って考えたが、ない(笑)。
  
なぜなら木材を売るプラットフォームもないから。それなのに企画開発してもダメだわ。製作しても陳列するところがない。
  
いっそのこと、木材商品ならなんでも扱うホームセンターのような存在をつくれないだろうか。DIY用の道具とともに。今なら店舗がなくてもネットと倉庫、輸送網を握ればなんとかなる。顧客は個人だけでなく卸しも行う。日曜大工の素材から家具や数寄屋建築の部材まで揃えるような。
  
   
とまあ、そんな夢を描いてみたが、これまだ無理だろうなあ。
    
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木粉でつくったクワガタ。くだらないようだが、こんな商品、好き(笑)。

2019/03/23

動物行動学者の本

最近、動物行動学者の出版、それも一般向き体験談が増えているんじゃないか、と感じる。
私も何気なく手にとった幾冊かの本がその筋のものだったりする。
  
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動物と言っても結構千差万別で、扱うのは鳥類からバッタ、ウナギまで動物と言っても哺乳類から魚類、深海生物、昆虫、ときに植物もあるがバラエティに富んでいる。単に自身の研究内容を記したのではなく、むしろ研究のために自分のとった行動を記している。単に動物を扱うだけなら研究室でもできるのだが、行動を追いかけるとフィールドに出るし、相手は動きがあるから、一種の紀行文的な部分もあり、とくに海外とか無人島とかが舞台だと想定外の出来事も多くてハラハラドキドキできる。加えて研究内容のトピックをわかりやすく紹介しつつ著者の人生の歩みをたどる点も一般人の共感を得やすく読みやすいのだろう。
   
私の読んだ中でも、爆笑ものから感動した本もあれば、ちょっと無理しすぎ・文章下手・話題オモロナイ……な本もあって玉石混淆。
だが、なかにはヒットした作品もある。『鳥類学者だから……』とか『バッタを倒しに……』は、ものすごく増刷されているもんなあ。ちょっとしたベストセラー。おそらく、編集者はそれに味をしめたんじゃないかと思う(笑)。
     
私自身は、学生時代からサル学者とか民族学者とかの本をたくさん読んできたから馴染みがある。どちらかというと学者の本というより探検の本的な感覚で読んでいたが。専門的な知識もあるから教養的であるものの、実は目的に達するための行動を学ぶ意味もあったように思う。
最近は、『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』を執筆のため、結構な動物、とくにシカ本を読んだが、多くは研究書だったので面白くなかった。書き手の人格が現れる文章が読みやすいよなあ。その点は狩猟系とか、獣害対策の本の方が面白かった。
   
この手の本自体は珍しいわけではない。昔から名著と言ってもよい本が出ている。たとえば野生のゴリラやチンパンジーを追いかける学者や、ときに幻の動物を探したり恐竜化石を探したり……という本もある。実は、私が学生時代にボルネオのジャングルに行ったきっかけも、「オランウータンの島」(岡野恒也著)を読んだからである。これはオランウータンそのものよりオランウータンを探しに独立間もないマラヤ連邦のボルネオ島を訪ねた話。 
ただ書き方は概して真面目である。それに対して最近の本は、最初から笑いを取りに来ているように感じるが……。
   
  
そういや昨秋のテレビドラマで「僕らは奇跡でできている」というのがあり、それが動物行動学者(主演・高橋一生)が主人公だった。これはよくできたドラマで、学者はちょっと変わった……というより発達障害を思わせる行動が繰り広げられ、それらに振り回される学生・同僚・家族など周囲の人々の驚きや苦悩まで描いていた。が、そこから何がよりよき人生なのかと考えさせられるのだ。残念ながら視聴率は取れなかったようで、あまり世間の話題にはならなかったが……。このドラマの企画も、動物行動学者の本が売れている影響でつくられたような気がする。
  
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『僕らは奇跡でできている』一場面
   
なんだか、世間が学者という面白い人種を発見したのではないか(笑)。  
   
   
ときに、こんなページもある。
  
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単に谷山浩子の世界の終末を描いた歌が脈絡なく登場している(笑)。(『カラス屋、カラスを食べる』)
  


2019/03/22

春は遭難とともに

三寒四温。温かくなったり寒気がぶり返したり。
   
とはいえ、春だ。このところ、ほぼ毎日山を歩いている。一つは運動のため。もう一つはやはり森の観察のため。
ルートは日々変えているが、今回選んだのは生駒山系の北端部「ほしだ園地」である。とはいえ、正規の表ルートから行くのもシャク?なので、裏ルートからめざす。なんと霊園の奥から園地へ入る道があるのだ。 
  
ところが、そこで発見。
  
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侵入禁止って……。入りたくなるじゃないか(^^;)。
  
当然、この道を選ぶ。進み出すと、どうも方向違い。尾根沿いに進むが、なんだか火葬場にゴルフ場が見えてきた。
しかも道は荒れている。昨秋の台風の被害がそのままだ。
  
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倒木だらけ。ま、これぐらいなら乗り越えられる。獣が通れるなら人も通れるという主義なんで、これぐらいは突破しなければならない。しかし、この道は今は使われているのか?
まずいのはいつまで進んでも園地と合流しないことだ。園地内も細い道がいっぱい走っているから、どこかで合流できると睨んでいたのだが……むしろ園地とは一線を画しているのかもしれない。
このまま進むと、まったく違う地域に行ってしまいそう。いや、すでに行ってしまっているのか。今はどこにいるのか。方向感覚が狂ってくる。こーゆーのを遭難というのだろうか? しかし、今来た道をもどるのはシャクだ。とりあえずススメススメ。

 

 

かなり進んだとき、谷側の奥になんとなく道らしきものが見えた。あれは園内の道ではないか? いや渓谷か。そこまで藪を突破して進むか? しかし、落差は10メートル以上ありそう。藪も濃い。渓谷だったら渡れるのか。
それは危険でしょう。崖を落ちたら大怪我、生命にもかかわる。無理はしない。安全第一。我が森歩きの鉄則である。

 

 

パスして、さらに進んだ。
  
できるかぎり脳内地図にしたがって、園地方向に進む。今度は、もっと近いところに道らしきものが見えた。落差5メートル。これならいいか(^^;)。
いざとなれば飛べばよい。安全は飛んでから考える。それぐらいでないと森歩きはできないよ。 
というわけで急斜面を突破して下りると、予想通りトレイルがあった。
道は細いがしっかりしている。これで遭難終わり。
  
しばらく進んで、出会ったのが、吊り橋であった。 
  
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星のブランコ」と名付けられた生駒山系最大の吊り橋……て、ほかに吊り橋があるのかどうかは知らない。ただ橋長280メートル、高さ50メートルと全国レベルでも長大な吊り橋である。
ともあれ、春は遭難して始まるのだ。

 

 

2019/03/21

アトムか、アトウンか

ココログ異変、ようやく収束したようだが、まだ完全に使いこなせるようになっていない。今も一度書いたものを消してしまった……。

    

ちなみに2日前に書こうとしていたものは、今は書けない。私のブログは延髄反射で書いているとよく言っているが、思いついたら瞬発力で仕上げるものだ。時間が経つと消える(^^;)。たまに寝かせて書く場合もあるが、それは当初の思いつきとは別のものに仕上がるのである。

  

ともあれ休日だから、ちと毛色の違ったものを。
  
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毎日新聞奈良県版の私の連載記事「大和森林物語」(19日掲載)。以前の毎日新聞は登録すれば無料で読めたが、最近は有料化してしまったらしい。そこで、たまにはブログで紹介しよう、無料で(^o^)。
これは「森林研究最前線」というシリーズで林業ロボットを取り上げたもの。開発しているのは、奈良市にある株式会社ATOUN。アトウンと読む。あ・うんの呼吸で、人と共生するロボットを作るという理念である。 
  
我々世代がロボットというと、手塚治虫の「アトム」だが、このロボットは、人間よりはるかに強い力と知識を持ち、とくにアトムは人と同じ感情まで持つ。そして人の代わりに働いてくれる、というコンセプトだ。
ところがアトウンのロボットは、人の能力をアシストして高めることをめざしている。物を持ち上げたり、歩行を補助したりするのだ。これは人体に装着するので「パワードウェア」と呼ぶが、それとは別に乗用タイプも開発中。これは人が操縦することでロボットが物を持ち歩く。こちらはパワードスーツ。
    
人か操縦するロボットと言えば、映画「エイリアン2」や「アバター」に登場した工作機械を思い出す。ロボットアニメ的には、永井豪の「マジンガーZ」に始まり、「ガンダム」「エヴェンゲリオン」の系譜だろう。
  
Nio
コードネームNIO
    
   
さて、考えてみた。林業的にはどんなロボットがよいのだろう。
無人で人の代わりにすべての施業をやってくれるようなアトム型ロボットか。
すでにある高性能林業機械のように人が操縦して、伐採から搬出まで高効率でこなせるロボットか。
それとも、重量物を持ったり山登りのような人の行動をアシストして山の作業を助けてくれるロボットか。
   
この選択、実は林業に向き合う根本的な考え方の選択でもあるように思うのだが……。
  
私もパワードウェア「HIMICO」を装着させてもらった。
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重さ3・5キロ。まだスタスタ登るとまでは行かないが、なかなか快適だったよ。

 

 

 

 

2019/03/20

ココログ異変

昨日は、ココログ、つまりこのブログの管理システムのリニューアルが行われたのだが、その後混乱。ログインできなくなった。
なんか絵に描いたような展開で、あるある状態であった。
本日朝もログインできず、午後になってようやく正常化した……とのことであるが、ログインしてみて仰天。
全然デザインも何もかも変わってしまった。とくに写真のアップの仕方がよくわからん。
というわけで、本日もお休み。システムの正常化とともに、新管理画面の扱い方を丁寧に教えてくれ。
……この文も、アップできない可能性高し。

2019/03/18

一本の梅の源平咲き

生駒山の応接間、ラッキーガーデンでは梅が満開であった。 

 
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白い花に紅の花……あれ、同じ木から紅白の花が咲いている。全体は白だが、ある枝だけが赤い。
誰か、接ぎ木した? あるいは突然変異? たまに傷がついた枝だけ性質が変わることもあるが……。
 
実はこれ、源平咲きというのだそうだ。本来は紅梅だったのに、突然変異で色素が落ちて白梅になってしまったものの、一部に紅梅が残ったのだろう。
不思議であるが、面白くもある。梅だけでなく桃なとほかの木にもあるそう。
 
 
もっとも、こんな一角もあった。 
 
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バナナの中で水仙が咲いていた。バナナは一年草なんで、毎年茎を切り捨て、そこから春になると新芽が出るのだが、今年は先に水仙だったらしい(^o^)。バナナの方も、芯に少し新しい芽が見えていた。
 
ちなみにラッキーガーデンでは、バナナは葉が伸びると、スリランカ料理のお膳になる。

2019/03/17

檄レア!蜂蜜を入手

このところ、国産ハチミツが激減しているらしい。

 
おかげで仕入れも困難さを増しているというが……そんな中、超、超、檄レアなハチミツを入手した。 
 
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わかるだろうか、何のハチミツか。一応、採蜜されたのは北海道中頓別。
 
写真を拡大すれば読み取れるが、なんと「熊笹&あざみ」のハチミツなのだ。
 
養蜂家としては、アザミの蜜を採取するのが通常なのだが、すると何か違う蜜が採れたのだそうだ。
そんなのわかるんですか? と質問したら、一口食べたらわかるという。最初はアザミの匂いがするものの、すぐに別の蜜の味。それがクマザサとわかるの?
 
わかるんだそうである。何でも子供の頃、クマザサを食べていたから(笑)。
 
ともあれ、クマザサの蜜とはどんなものか想像つくかね? いや、その前に蜜が採れるということはクマザサの花が咲かないといけないのだが……。
 
クマザサは、いくつかの種類の大型の笹の総称だが、竹の仲間に近い。竹や笹は、いつ開花する?
 
滅多に花は咲かないのだよ。咲くのは数十年に一度。ときに40年とか60年、100年、120年に一度とさまざまな説および伝承がある。その間隔は何年かはともかく、たまたま昨年はクマザサが開花し、その蜜をミツバチが集めたのである。
 
もう次はいつ開花するかわからない。もしかしたら連鎖的に別の地域のクマザサが開花するかもしれないが、そこに養蜂家がいる確率は極めて少ない。とにかく滅多に手に入らないのは間違いないだろう。
 
そんなハチミツが、生駒にあったのだよ(^o^)。
 
さっそく味わう。
……なんだろ? 私はクマザサの蜜の味なんて知らないが、たしかに通常口にしているハチミツとは違う。なんか草の匂いがする。ちょっと枯れた感じ。ハチミツとしてはあっさり系だが、不思議な癖はある。これ、慣れるとハマるかも。
クマザサの葉は健康食品になっているが、蜜にも効能はあるだろうか。
 
 
ちなみにクマザサとはどんなものか。北海道の森の写真にはしっかり写っていた。
 
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国産ハチミツが採れなくなった理由については、今後調べていきたい。ちなみに養蜂家が扱うのはセイヨウミツバチだが、実はニホンミツバチの方がより危機だという。そして、ミツバチの大量死滅は世界中で起きている現象なので、決して日本だけの特異的な事情ではない。今後は海外からの輸入ハチミツもなかなか手に入らなくなるかもしれないよ。。。
 

2019/03/16

Yahoo!ニュース「サクラの寿命は?……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「サクラの寿命は? サクラ林業のススメ 」を執筆しました。

 
Yahoo!ニュースの執筆では、冬に薪ストーブ、初春に花粉症、そして春本番にはサクラの話題を書く、というのが定番となっている。私の扱うテーマは時事問題ばかりては限られてしまうので、ある程度、季節の話題を取り込むのである(^o^)。
 
で、そろそろサクラの開花日予想なんぞが語られるようになったので、サクラの話を探したわけだが、最初思いついたのは、サクラの生長は早い、大木だって意外と樹齢は若いよ、という話題だった。
ところが書いているうちに生長が早い? それって早生樹のこと? だったらセンダンとかコウヨウザンと張り合える? ……と連想ゲームのようになり、ならはサクラの木を植える林業があってもいいやん、そういやサクラ材というのはわりと木工用途ては重宝されて価格も高いはず、これは商品化できますぜ、とまで行き着いた。
 
かくしてサクラ林業がテーマとなったのである。木材としては上手く収穫できない事情としては、直材が採れずに使いづらい、量が安定して採れない、傷口から菌が入って腐る、毛虫が大発生する……などを想定したが、調べてみると、そんなに致命的な欠点ではなさそうだ。
 
しかも、仮に木材生産という林業が上手く行かなくても、花が咲けば確実に観光ネタになる。そこで有料花園にすれば林業以上に儲かるのだ。これは副業としてもリスクヘッジとしても大きい。
 
かくして、不思議な記事が出来上がり(^o^)。もし、サクラ林業が厳しい理由をご存じだったら教えてほしい。

2019/03/15

ケボニーコンセプトブック!

少々宣伝ぼくなるが……。

 
本日送られてきたのが、「ケボニーコンセプトブック」。
 
Photo_2  
 
ケボニー化木材のカタログだ。これまでは、ノルウェーのケボニー
社の翻訳版しかなかったが、改めて日本独自のものを作ったもの。一部私も関わっている。
なお、ケボニー材を扱うための会社が立ち上がった。株式会社FOREVER WOOD JAPAN である。
 
これが、なかなかスマートというか美しいのだ。あくまでケボニー化木材という建材を紹介しているはずなのに、実は建築や風景を描いている。建物も千差万別だし、外観・内観さまざま。さらにヨットハーバーや海水浴場、キャンプ場、雪の山岳地帯、そして食器や家具……写真の多くはノルウェーの施工例だが、一部にアメリカ、日本の事例も含む。
なんだか北欧のアウトドアライフを覗いているような趣。
 
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20190315_204529  20190315_204552
 
表紙の下に入っている言葉は、
 
FOREVER  SUGI  FOREVER  HINOKI 
 
あくまで国産のスギ、ヒノキを対象にしている。ちなみにブックの紙はFSC MIX。
 
 
なかなか満足のいく出来だ。……と紹介しても、これ、販売しているわけではないからなあ。欲しい人はどうすればよいのか。もちろん、ケボニー化木材を使いたいという方は注文すればよいが。(社名で検索してくれ。)
 
 

2019/03/14

花の品種ははかなくて

大阪の中之島を歩いた。ここには大阪市庁のほか大阪府立図書館中之島分館や中之島中央公会堂……などが建ち並ぶが、さらに東の一角には中之島バラ園がある。 

 
ここには約310種、約4000株のバラが植えられている。大阪で一番、日本でも有数のバラ園だ。しかも無料。
 
とはいえ、この季節は剪定の真っ盛り……らしい。
 
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このとおり短く刈り込まれている。バラは冬の手入れが欠かせない。さもないと5月に花を咲かせられない。
 
ただ、私が気になったのは、この左写真に写っている標識。「サラバンド」というフランス発祥の品種らしいが、誕生したのが1957年とある。 
 
これは相当古い。約60年前だ。ほかの品種の多くが1980年以降、いや2000年以降に誕生した品種が多数なのに。
 
バラは古くから栽培されていたが、現代的な大輪の花の咲く品種が誕生したのは1867年。ラ・フランスである。
ほかにも日本のノイバラを導入することによって多くの品種が生み出された。おかげで多数の品種が毎年開発されている。おそらく総数は数万種、いやもしかしたら累計十数万種に達するかもしれない。
 
もっとも、現在残っているのは、そのうちの1割ぐらいだろうか。2万種もあるかどうか。
なぜなら、新品種が生まれても流行らなかったら消えていくからだ。その遺伝子が残されることはあまりない。
 
これはバラに限らずほかの花も一緒である。
 
私はカーネーションの父・土倉龍治郎がカーネーションの新品種をいくつも生み出したと知って、その花を見られないかと思ったのだが、栽培どころかまったく記録に残っていなかった。大正時代の話である。
 
花は流行に左右され、その品種を求める人がいなくなれば栽培されずに消えていくのだ。その遺伝子を残すための栽培などはされない。せめて、何と何を掛け合わせて、どんな新たな特徴があるのか記録しておいてくれたらよいのだが、民間の品種づくりの現場では、そんな手間のかかることはしないみたい。
近年は遺伝資源に注目が集まっている。とくに野菜などの作物は種子会社や公的機関が保存のための栽培をする。だから種子法改正にも猛反対が起きた。が、果たして花の品種は記録されているだろうか。
 
 
では、樹木はどうだろう。スギは1万種以上の品種があるとされるが、果たしてデータバンクはあるのだろうか。樹木だから、一度植えて育てたら比較的長く保たれるようにも思うが、保存する意識があるかどうかは怪しい。
 
最近はエリートツリー(一昨日の項目参照。笑)づくりが盛んだから、もしかして細胞レベルで保存されているかもしれないが……。
 
 
はかなく消えていった幻の花の数々に、少しばかりのエールを送りたい。
 
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野バラ、ならぬ野良バラ。種子が飛んできて勝手に映えたらしい。新品種?かも。

2019/03/13

生駒の山仕事は複合生業

生駒市には、「生駒ふるさとミュージアム」という小さな資料館がある。元町役場の建物を改造して作られたものだが、そこで「生命育む生駒山」というタイトルの企画展を行っていた。生駒山麓での生業の道具を紹介するという。

 
その中には山仕事の道具もあるというので、まあ見ておこうかなと訪れる。生駒は、今でこそ「都会(笑)」だが、そもそもは農山村なのである。
 
……まあ、想像通りで、さして意外感のない展示でした(^^;)。
 
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山道具……というか製材用の鋸や手斧、ヨキ(斧)などが並べられている。そして丸太をくり抜いて作られた水の導管。
 
説明文も、あまり詳しくないし、得るものはさほどなかった。山仕事の道具と言っても、実際に木を伐りだす仕事はあまり描かれていない。
実際は、結構な木材生産をしていたことは間違いない。私自身が「戦後すぐは山から丸太を橇に積んで牛に引っ張らせて出していた」話を聞いている。それに山には相当な面積の人工林がある。 
 
もう少し突っ込めば面白い展示にできたのに、と思う。
 
また山仕事の中に、生駒石の採掘、養蚕、茶栽培、そして寒氷(天然氷)出荷も行っていたことを示している。もちろん米の生産も大きかった。
 
それらの複合経営が山仕事だったのだろう。
そして、生駒に限らず各地の山村でも、実態としての林業は、おそらく木材生産だけではないはずだ。そういう意味では、戦前の農山村の生業の形がうかがえたかな。
 
どうも現代は、農村、山村と区分けして、その地区の生業は農業、林業、あるいは養蚕といったモノカルチャーを描きがちだが、そうではない産業構造をイメージした方がよいのだろう。
それは生駒山の植生や生態系を考える上でも大きな影響があったはず。
 
そういや、山の中に、いきなり野生化した茶の木を発見したり、生駒石を掘り出した痕跡があったり、ため池だらけだったり……と不思議な遺構を見つけることがある。それらの多くは、さまざまな生業の痕跡かもしれない。
 

2019/03/12

「早生樹・エリートツリー」と年々戦勝論

林野庁は伐る話ばかり、というと、「いや、植林も考えている」という中で、よく話題に出すのが「早生樹とエリートツリー」だ。
 
スギやヒノキなど従来の植林木に比べ、生長が早く植栽から収穫までの期間が短い木を植えようという発想だ。この場合、「早生樹」とは、生長が早い樹種のことであり、とくに推薦されているがコウヨウザンにセンダン、チャンチンモドキ……など。一方で「エリートツリー」とはスギやヒノキ、カラマツなどの品種の中でとくに生長のよいもの。
 
たとえばコウヨウザンなら20年~40年とスギの約半分、センダンも20年で直径30センチを超える。エリートツリーでも30~40年で収穫できる。 これなら、植えた人が生きているうちに収穫できる、というわけだ。 とくにコウヨウザンは、収穫(伐採)したら、萌芽が伸びるので、次の植樹をしなくても2世代目が育つから低コスト! とはしゃいでいる。
 
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コウヨウザン。根元からわさわさと映えているのが萌芽。伐採していないのに2世代目が映えている。
 
なんだかなあ、という気分になる。ものすごい大発見したような書き方をしているが、そんな樹種や品種は、大昔から取り上げられてきた。
 
コウヨウザンなんぞ、江戸時代に清国から持ち込まれて植えられている。明治になってからも幾度も導入された。東京の林試の森公園にも植えられているから、山林局(現在の林野庁)も導入したのだろう。
 
でも、根付かなかった。材質が日本人好みでない以外にも理由はあったのだろう。 
 
エリートツリーも、今から20年以上前に「3倍速のスギ苗」が生まれている。
 
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なんと植えて10年で直径30センチ近くなるのだ。
 
だが、広がらなかった……場所によってはそれほどの成長力を発揮できなかったこともあるし、10年を超えると急に生長が衰えたとも言われる。結局、普及しなかったのである。
 
そのほか林地肥培、つまり肥料を与えて早く太らせようとしたり、あの手この手を試しているがことごとく討ち死にしている。
 
今のブームは、そうした過去の失敗を振り返っているのかね。
 
 
そもそも「樹木を生長させるのは時間がかかるから採算に合わない」という言葉も、昔から言われたことだ。
三井物産の初代社長・益田孝もそう言って山林経営を忌避していたが、土倉庄三郎に「木は毎年生長している」と説得された。ここで「年々戦勝論」が出てくる。
 
庄三郎は日清戦争後に「戦争なんて、莫大な戦費を費やして有為な人材を死なしめるだけ。木を植えたら毎年育って、毎年戦争に勝っているも同然」と喝破した。
つまり一本の木の生長を見るから遅い、年数がかかると思うが、山全体を見て順々に木を育て順々に収穫すれば、毎年収益を上げられると唱えたのだ。
 
それを期に山を買いだした三井物産は、今や日本第4の山主である。
 
樹木の生長速度を早めようという姑息な発想をせず、経営システムで補うのが王道なのではないか。
 
 
私自身は、植栽する樹種・品種の多様性を作る点では早生樹もエリートツリーも試してみる価値はあると思っているが、植栽する適地や採算性などわからないことが少なくない。早く生長する分、どこかにしわ寄せが行くように思うが、それが何かつかめない。
 
何より早く育つと言いつつも、20年もかかるんだぜ。これが5年ぐらいならなんとかなるが、20年後の経済状況や社会事情、そして流行り廃りが読めるわけない。木材が気嫌いされているかもしれないし、コウヨウザンの花粉症が登場しているかもしれない(笑)。
 

2019/03/11

「撤退の林業計画」再び

昨日は「森と環境保全活動の10年」というテーマのシンポジウムに顔を出してきた。演者は川北秀人氏。(人と組織と地球のための国際研究所代表)

 
てっきり森林ボランティアとか木育、環境教育などに関わる団体の10年間の変遷を語るのかと思いきや、もっと広い分野から切り込む。それは日本の人口減と年齢構成である。
そう書けば想像できるとおり、今後猛烈な勢いで日本の人口は減少し高齢化が恐怖を感じるスピードで進行する。
……こうした点は、すでに一般の社会でもよく語られる話題なのだが、これまでとこれからの差は大きい。なぜならイマドキの高齢者は元気、といっていられるのは75歳まで(前期高齢者)で、その年をすぎる(後期高齢者)と多くが要介護に陥るからだ。そして今後は前期高齢者さえ減少して後期高齢者が激増する。
 
当然、林業で働く人も減る。現在の担い手(4万5000人)を維持しようとすると、毎年1万2000人以上の新規就労がないと無理だそうだ。これもアマアマの計算だと思うが、現在は3000人程度であるから、絶対不可能。
当然ながら趣味的な森林ボランティアも減少する。むしろ今後は介護ボランティアに模様替えも必要かも。。。
 
 
……そんな話を聞いていて私は思い出した。かつてYahoo!ニュースで「撤退の林業計画 」を論じたことを。(2013年2月)
この時の世間の反応は批判ばかりだったが、再び論じるべきだろう。 
 
簡単に論点を言えば、「日本の林業は、絶対に現状を維持できない」「絶対に活性化できない」を前提にする。
ただし、この場合の維持とか活性化というのは林野庁のお好きな「量の林業」である。数字で測る発想では、林業は絶対に崩壊する。木材生産量は増やせないし、就業者は激減する。
だが質で捉えると、山主は少ない生産で十分な収入を得られるとか、市民の暮らしの場に木材がいっぱい目に入る社会を築くことはできるだろう。
 
まず林業からの撤退、規模の縮小を前提に考える。木材生産林の面積も就業者数も半分以下を目安にしたい。木材生産量は効率化によって3割減ぐらいに留められるかな。一方で、林業を続ける山主の収益を2倍になるようめざす。木材の供給過剰を消し価格を上昇安定させれば不可能ではないはずだ。
またスギ・ヒノキの一辺倒から針広混交林化することで広葉樹材の生産も見込む。
 
 
問題は、まず森林所有者の振り分けと、林業から撤退を決意した所有者の処遇がある。
次に林業をしない人工林の植生をどのように誘導するか。基本的には、手を入れずに防災機能を保てる森になるまでの移行期の管理だろうか。
 
それらを真剣に研究していくべきだ。全国の有意の人々よ、「撤退の林業計画」研究会を立ち上げないか(⌒ー⌒)。
また全国から矢が飛んできそうだな。。。

2019/03/10

フェルメールから動物園へ

大阪に出たついでに、大阪市立美術館で開かれているフェルメール展に行ってきた。

 
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混んでいたら止めようかな。。。と思っていたが、かろうじて並ばずに見られそうなので入る。(オープン時は時間制限があったそう。)
 
なお、知らない人向きに紹介しておくが、フェルメールの絵は6点のみ。後は同時代の周辺画家の作品である。フェルメールに堪能できるわけでみない。それに有名な「真珠の耳飾りの少女」や「牛乳を注ぐ女」など「青」の名画はない。とはいえ、やはり絵の前には人だかり。残念ながら私の好みの絵は少なかった。
それに番人がうるさい。なんだかんだと注意能書きを垂れている。やれ鞄は前で持てだの、近づきすぎるなだの、うるさいわい。何か注意をしないと仕事していないと思われると強迫観念でもあるのか。
 
すっかり気が削がれて、次に入ったのは隣の天王寺動物園(^o^)。
 
いやあ、動物園なんて久しぶりだわ。しかも男一人だもんな。。。。うちの娘は小さいとき、動物園行かない? と誘ったら、かならず断りやがった。私が行きたかったのに。
 
最後に動物園に行ったのはいつだろうか……。と考えて、思い出した。なんだ、数年前に北海道旭川の旭山動物園に行っているし、昨年は帯広動物園に入ったじゃないか(ブログにも記した)。意外と各地で時間があると動物園に行っているのである。それに身近なところでは、生駒山のラッキーガーデンでヤギやヒツジに餌やってるしなあ。
 
天王寺動物園は、改修中が多かったのだが、それでもコアラやレッサーパンダもいる。ライオンにトラにサイもいる。 
 
でも、私が注目したのは、こんなものであった。。。 
 
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いつから植物に意趣替えしたのだろう?
 

2019/03/09

Yahoo!ニュース個人筆者の書籍コーナー

今、書店で「Yahoo!ニュース 個人」書籍フェアが行われている。
 
これはYahoo!ニュース個人に執筆している筆者(オーサー)が出版した本を一同に介するという試み。
 
開いている書店は、東京と大阪だ。
 
▽東京
・丸善丸の内本店 → 2F新刊・話題書付近
・ジュンク堂池袋本店 →5Fビジネス新刊付近
・M&J渋谷店 → レジ前の新刊・話題書付近
▽大阪
・ジュンク堂大阪本店 → 2Fレジ横付近
・M&J梅田店 → エレベーター横、新刊・話題書付近
・ジュンク堂三宮店 → 5Fエスカレーター横付近
※ジュンク堂池袋店、三宮店では一部の書籍
 
 
さっそく覗いてきました。私が訪れたのは、大阪の丸善&ジュンク堂書店である。 
意外とわかりにくい。1階の入口付近なんだけど、導線から少し外れているからか。
 
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さて、このどこに拙著があるか。。。。
意外と?わかりにくい(笑)。映えていないなあ。
 
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アップです。背表紙だけだし、タイトルも地味。もっとも近著なんだが、こーゆーイベント時に合わせて、背表紙の装丁をもっと派手にすることを考えてもよいなあ。
3月1日に始まり3月31日まで各店舗で実施中。ご確認ください。 
 
せっかくだから、ヤフージャパンの大阪事務所からの夜景を紹介しよう。
グランフロント大阪 タワーA 37階である。
 
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日没直前のマジックアワーである。淀川も見えるんだなあ。
 

2019/03/08

「カンブリア宮殿」にワイスワイス

昨夜、テレビ東京系のビジネス番組「カンブリア宮殿 」で、家具会社「ワイス・ワイス」が紹介された。

 
テーマは第3の家具メーカーとして、高級路線でも激安路線でもない、合法木材、国産木材による家具づくりをめざすというもの。
 
ちょうど私がこのところこだわっている「合法性」=違法木材の追放と、「木材は建築材から家具・内装材に」という主張と重なるところがあって興味深かった。
ベトナムの木工、ルーマニアの違法木材。どちらとも重なる。
 
私は佐藤岳利社長を以前より知っており、そのカタログなどに登場したこともあるのだが、最初は「合法木材による家具」づくりだった。それが最近は「国産材による家具」づくりへと進み、番組によると、今や家具だけでなく伝統工芸系のセレクトショップ、それも開発プロデュースまで手がけているよう。
 
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とくに驚いたのは、宮城県の栗駒杉による家具もプロデュースしていたこと。震災で廃業寸前の製材所に話を持ちかけて椅子づくりに乗り出したというのだが、そもそもスギ材で椅子ですか、というハードルに加えて相手が製材所だったことだ。
 
製材所で家具をつくるというのは面白い。下手に広葉樹材で家具づくりをしている工房より既成概念がなくてよいのかもしれない。それに針葉樹材の扱いを知っている。
 
そして、2年間で達成しているのだ。失礼ながら「やればできる」と思ってしまった。
もし早くから全国の製材関係者が、国産材による家具や内装材加工の技術を磨いておけば、日本の林業も今とは違う進む方向があったのに、と思ってしまう。
 
 

2019/03/07

Yahoo!ニュース「ルーマニアの木材…」書いた裏事情

 
これは1月30日に東京で行われたセミナーの内容を受けている。私はセミナーに行けなかったが、何かと気にかけていたのである。……なぜなら、ルーマニア材には以前から注目していたから。
 
その昔もブログの記事にしたはず……と思って探してみると、見つかった。
 
なんと2009年8月の記事だ。長く書いていると、ちょっとした資料庫になっている。
 
 
 
ともあれ、10年経って、こんな記事になるとは。以前は、安い木材が輸入されるかも、という危惧だったのが、違法伐採問題に化けてしまった。
単に違法伐採というだけでなく、森林認証を取得していてもこんな有り様というところが肝だ。いったい何を信じたらよいのやら。
 
なんとなくヨーロッパ(ルーマニアもEUに加盟しているから、EUと一括りにして輸入されたら原産国がわからなくなる。)の木材だから合法じゃないの? と思いがちだが、現場はこんな状態なのだな。シュバイクホファー社もオーストリア最大の木材会社で優良企業ぽいが、他国ではやりたい放題やっている。
 
ドイツだって、皆伐原則禁止と言いつつ、巨大木材会社はルーマニアのほかポーランドやウクライナから輸入していると聞く。そこでどんな伐採しているか把握できない。
 
やはりトレーサビリティをしっかりした上で、現地事情を常に把握しておくことが大切だろう。もっとも、それを保つのは、森林への愛があるかということだが。

2019/03/06

宇治茶の認証制度をつくる前に

宇治茶の認証制度が創設される、というニュースを知った。
 
ようやく、宇治茶の中身をちゃんと審査してまがい物と区別することになったのか、と思った。なぜなら、今の宇治茶は極めて怪しい。その点は、以前にブログに記したが、我が家にあった宇治茶のパッケージをよく見ると、このようになっていたからだ。 
 
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読めるだろうか。原材料名のところを見てほしい。
緑茶のほか、「アミノ酸等」と「重炭酸アンモニウム」が添加されている。
なるほど、宇治茶の玉露の旨味はアミノ酸のおかげだったのか、重炭酸アンモニウムによって緑色をよくしていたのか。宇治茶って、アミノ酸の味だったのね……と私はことあるごとに京都府民に申し上げている(^^;)。
 
なお、こうした添加物は合法的なもので、だからパッケージにも記載しているわけである。私も遠慮なく紹介できる。しかし、県によっては緑茶への添加物を禁止しているところもある。だから京都府も、ようやく規制に乗り出したのかと思ったのだ。
 
ところが認証制度の中身はこうしたものではなかった。 
 
宇治茶の品質の高さを保証する「プレミアム宇治茶認証制度」というのだそうだが、京都府と公益社団法人京都府茶業会議所が創設したもの。商品の袋などに銀色のシンボルマークを付ける。なお手摘みの茶葉を100%使用した「プレミアム手摘み玉露」は金色のシンボルマークになる。 
 
玉露の認証審査会が開かれたのだが、認証要件 は、
◎京都府内産の一番茶葉のみを使用
◎生産履歴の写しの提出
◎棚掛けによる被覆栽培で生産
◎品質審査会で一 定水準以上の評価の獲得
……の4点である。ちなみに認証期間は1年間。
 
なんだ、アミノ酸の添加の有無は問わないのか。我が家の取り寄せ宇治茶が認証を取れたかどうかは知らないけれど。
 
プレミアムなんて付ける前に、まず全宇治茶の底上げというか、もっと基本を守って品質保証をすべきだと思うけどね。 
 
 
先日、静岡でいただいたお茶は、農家が自家用につくったお茶のおすそ分けだった。それが抜群に美味かった。もちろん添加物の表示はなかったけど。
 
 

2019/03/05

ウッド・チェンジって何?

林野庁の「官民で連携して木材利用の推進方策を検討する懇談会」(通称ウッド・チェンジ・ネットワーク)とやらを立ち上げて、初会合を2月27日に開いたという。
 
合い言葉は「ウッド・チェンジ!」だそうだ。これがどーゆー意味かというと、「燃えやすいという木造のイメージのチェンジ、鉄筋の建物を木造にチェンジ、 持続可能な社会へチェンジ」の三つのチェンジを込めているとか。
 
これは英語ではないが、訳せば「木材に変えよう」になるか? ウッドに持続可能な社会という意味まで込められてしまった。ただし正確に言えば、国産材に変えようであり、外材を使われても困るだろうな。それこそ「外材から国産材から変えよう」なのだけど、「木材を鉄筋コンクリートに変えよう」にならないようにね。
 
ともあれ、このウッド……という言葉は何か聞いたことがあると思い記憶をたどると、まず数年前に「ウッド・ファースト」という言葉があったなあ。次に「ウッド・スタート」も使われた。
それぞれ誰が言い出したのかはっきり覚えていないが、前者はまず木材を使うことを検討しようであり、後者は幼児に木製玩具を与えて木材に触れさせる木育を施そうという運動の合い言葉ではなかったか。
 
そして今度はウッド・チェンジ……。ウッドの後ろをチェンジばかりしている(^^;)。 
 
 
会合には、林野庁の幹部のほか、大林組や住友林業、三菱地所のほか、セブン-イレブン・ジャパンや東京海上日動火災保険などの企業、そしてオブザーバーとして東京都や高知県、国土交通省も参加したらしい。
ようは建築分野に木材(国産材ね)を使ってくれというわけだ。(高知県はどんな経緯があるのだろう。)
 
大林組とか住友林業には木造住宅や木造ビルを作ってもらいたいが、結構大変。セブンイレブンさんよ、コンビニの店舗なら簡単に木造でできるんじゃね? という推し付合いがあったのかも。
 
別に悪いことではないのだけど、なんか大袈裟な懇談会をつくって行う運動かと思ってしまう。あんまり声高に運動されるとウッドうしい……。
 

2019/03/04

木工大国・ベトナム!

昨秋のことだが、女子大生からメールが来た。
 
今、ベトナムの企業にインターンとして滞在しているというのだ。そして森林認証制度をテーマに研究しようとしているとのことだった。そこで私に問いかけがあり私もそれなりの返信をしたのだが、その件は置いておく。もう彼女も帰国したかもしれないが、報告は届いていないので、どうなったのかわからない(^o^)。
 
ただ、ベトナムでは森林認証が進んでいることが印象的だった。
 
と言っても、おそらくCoC認証だろう。木材および木材製品の流通に関わる点で森林認証が重要になっているのだ。なぜなら、ベトナムは木工王国だからである。(正確には、木工人民民主主義共和国?)
 
最近の発表(農業農村開発省)によると、2018年におけるベトナムの木材および林産物輸出額は約1兆円に上っているという。それは農林水産物の輸出額の25%以上を占めるほどだ。
 
ベトナムは現在、世界120か国・地域に林産物を輸出しており、世界で5位、アジアで2位、東南アジアで1位である。ベトナムの林産業は過去10年で800%以上の成長率を記録したそうだ。2019年の林産物輸出額は約1兆2200億円を見込む
とくに家具や木工品の一大産地となっているのだ。国内には4500社の林産加工企業輸出業者は1800社以上。2000万人以上が同分野に従事している。設備も最新式で、中国より立派。そして技術力も非常に高い。
いわゆるアジアン家具ではなく、北欧のデザイナーと提携しているからスマートでスタイリッシュなデザインが売り物だ。
 
輸出先は、以前は日本、台湾、韓国だったが、今はアメリカやヨーロッパ、オーストラリアが増えてきた。イケヤの家具だってベトナム製。
 
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日本でもニトリの家具にゴムノキ製が多いが、おそらくベトナム製だろう。たしかベトナムに工場を建てていたはずだ。
 
その素材となる木材は、需要の80%以上をまかなっている。質も年々向上しているという。もっともベトナム戦争でジャングルはかなり焼かれたので、原生林からの収奪ではなく植林木だ。とくにゴムノキかアカシアだ。昔は紫檀、黒檀、白檀の産地だったはずだが、すっかり変わったのだ。
 
ところが面白いことに、ベトナムの木工産業が昔から盛んであったわけではないらしい。いわゆるドイモイ政策以後に、海外から資金を取り入れ、フランスと中国が持ち込んだ木の家具を作る技術を活かしているのだ。
もちろん、それに対応できる器用さと勤勉さがあり、賃金も安い。これらが合わさって家具産業が勃興したのだろう。
 
市場は海外、とくに欧米だから、木材にも森林認証が必要となっている。ゴムとかアカシア林も取得しているのだろうか。日本からベトナムへの木材輸出は増えているが、認証材はほとんどないだろうから、そのうち頭打ちになるのではないか。加工してまた日本にUターンさせるのならいらないけれど。
 
私は、日本の林業を立て直す肝は家具や内装材にあると10年以上前から唱えてきたが、残念ながらそれを実行・達成してみせたのは日本ではなくベトナムであった。
いまだに建築構造材にしがみついている日本の林業・林産業は先細り感しかない。認証を取っていないから原木輸出さえも期待できない。海外視察に行くのなら、もはや欧米ではなくベトナムに行った方がいいかも。

2019/03/03

林業用トラック開発の現場

昨年、一昨年だったか、林業用2トントラック(ダンプ)の危機がネット上で盛り上がったことがあった。

 
ようは林業に向いた悪路走行ができ、通常道路も走れる2トントラックの製造が中止され、危機に陥っている……という話だ。そして、その問題がネットで広がった結果、日野自動車が動き出したという話。
詳しいことは,、私もYahoo!ニュースに記した。
 
 
 
この開発物語はまだ続いていて、いよいよ最終局面。
 
実は、最近この件について、架装についての意見交換会 がもたれたのだ。そしてその現場に、なぜか私もいた(笑)。
もちろん私は、何か意見をいうわけではなく取材という立場。詳しくは、リンク先のブログへ。
 
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この4月に日野自動車から新型四駆トラックが発表される。それを林業用に改良する話が進んでいる。まだ内容はオープンにできないのだが、開発担当者も来られている中で、トラック開発の実情に触れることができた。 
 
まず、排ガス規制はますます厳しくなっているので、昔と同じような高床・直結型四駆・副変速器付きの高トルクなダンプ車はつくれないという現実がある。加えて高床式の自動車をつくる製造ラインがすでにないという。完全な新車を設計し、ラインから用意するのは採算から考えても不可能だった。
ちなみにヒノノニトンの生産は年間約2万台だそうだが、そのうち林業用というか、悪路走行用の需要はせいぜい数百台しか見込めない。
 
ならば国外需要は。発展途上国ではまだまだ悪路走行用トラックが求められているはず。輸出需要も見込めば、それなりの台数は確保できないのか……と思うのだが、そうなると排ガス規制が緩やかな国々であり、しかも価格も相当下げないと購入は見込めないとか。
 
それに求められるのは、単に悪路に強い馬力・車高ではなかった。たとえば下り坂を極低速で下りられるエンジンブレーキも必要なのだそうだ。
一方で、単に山で丸太を積んで走るだけでなく、通勤用にもできることが条件としている。また積むのは必ず丸太と限らず、土砂を積載することもあるが、これが荷台の条件にいろいろ影響がある。
 
まあ、このように並べると悪条件ばかりで、なかなか開発は難しそうだったが、それをある程度はクリアできる見通しになったのだ。4月以降に新型トラックを吉野の山でモニターを繰り返して、改良と微調整を行い、十分な林業向きのダンプに仕上げる予定とか。
 
とはいえ、よい面もある。現行の問題点が改善されるだけでなく、環境性能はもちろん燃費もよくなるはず。それに低床ならば重心が低くて運転性能も上がるだろうし、乗り心地もよくなるだろう。
新しい2トントラックを購入を考えている林業関係者は、今しばらく見守った方がいいかも。
 
しかし、マニアックな話題と思った林業用ダンプの問題が、これほど世間の関心を呼び、それが会社を動かしたことは今更ながら驚く。
 
ちなみに日野自動車としては、「奈良案件」だそうです(笑)。 

2019/03/02

ナラ枯れの空

生駒山を歩くと、以前と空が広がった気がする。

 
明るいのだ。そして頭上を覆っていた大木が消えている。
 
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これまでコナラの大木が増えて林内が暗くなり、生態的には多様性が減ってきたのではないかと言われていた。これが単に照葉樹林への遷移ならよいのだが、実は照葉樹もあまり育っていない。大木の下に小さくなっている……だから、いわゆる里山の雑木林を元に戻すには、伐採を進めないといけないという。 それも皆伐なみに伐らないと落葉樹林の里山にならないというのだ。
 
私は納得しながらも、イマイチ人為がないと生態系が健全にならないというのもおかしいね、と思っていた。
 
そこへナラ枯れが大発生。コナラの大木が次々と枯れる。これぞ、自然の摂理。大木を除いてくれるのか、と思ったのだが、実はナラ枯れで大木が枯れても間伐ぐらいの効果しかなくて、十分に林床に光が入らない。だから次の木が育ってこない。中低木のソヨゴやヒサカキばかりになってしまう、という。 
 
ところが、昨秋の台風で一変した。ナラ枯れ木がボキボキ折れて倒れたほか、多くの中低木もなぎ倒し、すっかり明るくなった。
 
これこそ、自然の摂理かな? と思う。ナラ枯れプラス台風によって遷移は大きくもどって落葉樹の生える里山になるかもしれない。
 
 
おまけ。倒れて、葉も全部むしられたツバキが、花だけ咲かせていた。
 
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2019/03/01

サバイバル植物!復活編

以前、ど根性植物とかスキマ植物とか虐待される植物、戦う植物……と名前はその度に変わっていたが、各地で見つけた頑張っている植物シリーズを続けていたことを、一昨日の「倒れてもタダでは起きない樹木たち」で思い出した。

 
そこで、復活アゲイン! 今回はサバイバル植物と名付けた(^o^)。
 
ということで、本日の紹介は、こちら。
 
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生駒山には、昨秋の台風で倒れた木がたくさんある。多くは根こそぎ倒れているから枯れていくんだろうけど、なかには頑張ってサバイバルしている木もあるよ。 
 
これはソヨゴだろうが、写真の左上に根っこごと倒れたことが写っている。が、しっかり、その後は上向きに伸びだした枝が葉をつけている。
 
2019301_8
 
これが新たに若葉を芽吹かせたアップ。冬なのに、結構な若葉が出ていたのは、倒れたり折れたりしたために活性化したのか、あるいは暖冬のおかげか。
 
 
ちなみに、「切株の上の生態系」シリーズというのもあったなあ。
 
そこでサービスショット?
 
2019301_6
 
切株の上にヒノキの実が落ちたようだが、芽吹くだろうか?
 

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