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2019/03/14

花の品種ははかなくて

大阪の中之島を歩いた。ここには大阪市庁のほか大阪府立図書館中之島分館や中之島中央公会堂……などが建ち並ぶが、さらに東の一角には中之島バラ園がある。 

 
ここには約310種、約4000株のバラが植えられている。大阪で一番、日本でも有数のバラ園だ。しかも無料。
 
とはいえ、この季節は剪定の真っ盛り……らしい。
 
20190313_135824  20190313_135948
 
このとおり短く刈り込まれている。バラは冬の手入れが欠かせない。さもないと5月に花を咲かせられない。
 
ただ、私が気になったのは、この左写真に写っている標識。「サラバンド」というフランス発祥の品種らしいが、誕生したのが1957年とある。 
 
これは相当古い。約60年前だ。ほかの品種の多くが1980年以降、いや2000年以降に誕生した品種が多数なのに。
 
バラは古くから栽培されていたが、現代的な大輪の花の咲く品種が誕生したのは1867年。ラ・フランスである。
ほかにも日本のノイバラを導入することによって多くの品種が生み出された。おかげで多数の品種が毎年開発されている。おそらく総数は数万種、いやもしかしたら累計十数万種に達するかもしれない。
 
もっとも、現在残っているのは、そのうちの1割ぐらいだろうか。2万種もあるかどうか。
なぜなら、新品種が生まれても流行らなかったら消えていくからだ。その遺伝子が残されることはあまりない。
 
これはバラに限らずほかの花も一緒である。
 
私はカーネーションの父・土倉龍治郎がカーネーションの新品種をいくつも生み出したと知って、その花を見られないかと思ったのだが、栽培どころかまったく記録に残っていなかった。大正時代の話である。
 
花は流行に左右され、その品種を求める人がいなくなれば栽培されずに消えていくのだ。その遺伝子を残すための栽培などはされない。せめて、何と何を掛け合わせて、どんな新たな特徴があるのか記録しておいてくれたらよいのだが、民間の品種づくりの現場では、そんな手間のかかることはしないみたい。
近年は遺伝資源に注目が集まっている。とくに野菜などの作物は種子会社や公的機関が保存のための栽培をする。だから種子法改正にも猛反対が起きた。が、果たして花の品種は記録されているだろうか。
 
 
では、樹木はどうだろう。スギは1万種以上の品種があるとされるが、果たしてデータバンクはあるのだろうか。樹木だから、一度植えて育てたら比較的長く保たれるようにも思うが、保存する意識があるかどうかは怪しい。
 
最近はエリートツリー(一昨日の項目参照。笑)づくりが盛んだから、もしかして細胞レベルで保存されているかもしれないが……。
 
 
はかなく消えていった幻の花の数々に、少しばかりのエールを送りたい。
 
2
 
野バラ、ならぬ野良バラ。種子が飛んできて勝手に映えたらしい。新品種?かも。

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