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2019/03/23

動物行動学者の本

最近、動物行動学者の出版、それも一般向き体験談が増えているんじゃないか、と感じる。
私も何気なく手にとった幾冊かの本がその筋のものだったりする。
  
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動物と言っても結構千差万別で、扱うのは鳥類からバッタ、ウナギまで動物と言っても哺乳類から魚類、深海生物、昆虫、ときに植物もあるがバラエティに富んでいる。単に自身の研究内容を記したのではなく、むしろ研究のために自分のとった行動を記している。単に動物を扱うだけなら研究室でもできるのだが、行動を追いかけるとフィールドに出るし、相手は動きがあるから、一種の紀行文的な部分もあり、とくに海外とか無人島とかが舞台だと想定外の出来事も多くてハラハラドキドキできる。加えて研究内容のトピックをわかりやすく紹介しつつ著者の人生の歩みをたどる点も一般人の共感を得やすく読みやすいのだろう。
   
私の読んだ中でも、爆笑ものから感動した本もあれば、ちょっと無理しすぎ・文章下手・話題オモロナイ……な本もあって玉石混淆。
だが、なかにはヒットした作品もある。『鳥類学者だから……』とか『バッタを倒しに……』は、ものすごく増刷されているもんなあ。ちょっとしたベストセラー。おそらく、編集者はそれに味をしめたんじゃないかと思う(笑)。
     
私自身は、学生時代からサル学者とか民族学者とかの本をたくさん読んできたから馴染みがある。どちらかというと学者の本というより探検の本的な感覚で読んでいたが。専門的な知識もあるから教養的であるものの、実は目的に達するための行動を学ぶ意味もあったように思う。
最近は、『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』を執筆のため、結構な動物、とくにシカ本を読んだが、多くは研究書だったので面白くなかった。書き手の人格が現れる文章が読みやすいよなあ。その点は狩猟系とか、獣害対策の本の方が面白かった。
   
この手の本自体は珍しいわけではない。昔から名著と言ってもよい本が出ている。たとえば野生のゴリラやチンパンジーを追いかける学者や、ときに幻の動物を探したり恐竜化石を探したり……という本もある。実は、私が学生時代にボルネオのジャングルに行ったきっかけも、「オランウータンの島」(岡野恒也著)を読んだからである。これはオランウータンそのものよりオランウータンを探しに独立間もないマラヤ連邦のボルネオ島を訪ねた話。 
ただ書き方は概して真面目である。それに対して最近の本は、最初から笑いを取りに来ているように感じるが……。
   
  
そういや昨秋のテレビドラマで「僕らは奇跡でできている」というのがあり、それが動物行動学者(主演・高橋一生)が主人公だった。これはよくできたドラマで、学者はちょっと変わった……というより発達障害を思わせる行動が繰り広げられ、それらに振り回される学生・同僚・家族など周囲の人々の驚きや苦悩まで描いていた。が、そこから何がよりよき人生なのかと考えさせられるのだ。残念ながら視聴率は取れなかったようで、あまり世間の話題にはならなかったが……。このドラマの企画も、動物行動学者の本が売れている影響でつくられたような気がする。
  
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『僕らは奇跡でできている』一場面
   
なんだか、世間が学者という面白い人種を発見したのではないか(笑)。  
   
   
ときに、こんなページもある。
  
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単に谷山浩子の世界の終末を描いた歌が脈絡なく登場している(笑)。(『カラス屋、カラスを食べる』)
  


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