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2019/03/31

労災隠しと永田林業の記憶

林業事故隠し事件が発覚。引用すると、

鹿児島・川内労働基準監督署は、労働者が4日以上休業する労働災害の報告を怠ったとして、㈱永田林業(鹿児島県出水市)と同社代表取締役を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の疑いで鹿児島地検に書類送検した。平成28年11月、同社労働者5人が負傷する労働災害が発生している。
労災は、出水市内の立木伐採現場で発生した。同社労働者7人が林業用機械であるフォワーダに乗り込んで作業をしていたところ、路肩から転落。荷台に乗っていた5人が負傷し、うち2人が打撲などで最長14日休業した。運転者と荷台に乗っていたうちの1人は無傷だった。
同社は、労災が発覚すると今後、伐採業務を発注者から受注できなくなると考え、労働者死傷病報告を提出しなかった。

 

実は、この株式会社永田林業の社長を私は知らないわけじゃない。と言っても今から10年くらい前に数度か会った程度だが。

彼は24歳で起業したという。それまで何をしていたかというと、「やんちゃしてまして」。
これは、暴走族の頭をやっていたことを意味する(笑)。でも、いつまでもやっていられないと目覚めたのが20歳くらいだったかな。それで林業だ、と狙いを定めて熊本の比較的大きな素材生産業者のところに修行に入った。

そして独立。幸い銀行の信用を得て、融資を取り付けて高性能林業機械を導入、派手に展開していた。当時、機械数は鹿児島一の規模ではなかったか。族出身者というのは、だいたいメカに強いというか、メカが好きな人材が豊富なので、林業機械を扱うのは得意だったのだろう。山仕事をメカがすきだからやるという新しいパターンのような気がした。仕事は国有林の入札を落とすのが中心。その入札の事前協議?の話も聞いたりしていたが。。。

社長は、鹿児島大学の社会人向け講座に通っており、非常に熱心に林業の勉強をしていた。私もそこで出会ったのだから、ある意味“同期”ということになるかな? 私自身は彼に好感を抱いた。新時代の林業家のように感じたのだ。だから、今回の事故というか事件は残念。


規模を大きくすれば仕事量も増やさないといけない。鹿児島は国有林が多いから、労災で入札に参加できなくなっては死活問題と思ったのだろう。しかし違法行為である。そもそもフォワーダの荷台に運転者以外に6人も乗っているというがおかしい。現場は規律が緩んでいたのではないか。

同時に、その怪我をした社員の処置はどうしたのか気になる。14日間も休業したというのはかなりの大怪我だろう。それに労災を適用しないのなら、治療費は誰が負担したのか。

 

こうした労災逃れの事故隠し、決して今回が例外とは思っていない。むしろ氷山の一角だ。以前も、被災者(移住者)が申請しようとしたら、「こんなものを申請するのは男じゃない」という理由?で拒否した組合長がいたのかで裁判にもなったのだっけ。ようは労災申請なんて前例はなく、事故を起こすのは恥ずかしいことだから隠せという意識が当たり前のなのだろう。

 

そういえば、日系ブラジル人が働く林業現場では、ブラジル人は国民年金保険や健康保険、失業保険に入っていないという。短期間の出稼ぎ感覚なので、そんなもらえるかどうかわからない保険に金を払いたくないのだろう。さっさと稼いで帰国するつもりだから。ただ、労働災害保険だけは入っていた。やはり現場で事故を起こした場合の心配はしていたようだ。それだけ必需なのに、肝心の怪我のときに適用しないなんて……。

 

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