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森と林業の本

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2019/04/20

幻となった未踏峰……

私が家の裏山をよく歩いていることは幾度も記してきた。そして、道のないところに分け入るのが好みであることも。

今回も、いくつかある沢沿いの山道から逸れてみた。その奥にある尾根まで登ってみようという魂胆である。これまで尾根やら谷やら全部詰めてきたつもりだが、その一角は入っていない気がする……。実は2本の山道にはさまれた狭いエリアで、それゆえ見過ごしていたのかもしれない。ある意味穴場だ。そんなところにこそ見知らぬ景色が見られるのではないか、と期待する。

道から逸れること10メートル20メートル。それだけで道は見えなくなり、なにやら深山幽谷の世界に入り込んだ気持ちに浸れる。それなりにブッシュをかき分けて行くと、意外や一つの尾根だけでなく数本の尾根が折り重なっていた。当然、その間に谷があり、細かな襞のような微地形が見られるのだ。なんだか秘密基地になりそうな気分。

不意に平たい土地に出た。しかも立木が少ない。地面は少しぬかるんでいる。そしてイノシシの足跡もある。ここに水がたまって沼ができていたのだろうか。だから樹木は生えづらかったのかもしれない。そしてその奥にはスギが林立していた。

1_6

10本近くが密集している。結構太く育っているが、これは植えたものだろうか。人工林的な規則正しさがないから、たまたま飛んできた種子が芽吹いたのか。いやいや、もしかしてこの麓の植林の際に余った苗を放置して生えたのかもしれない。この辺りも植林する予定が途中で変更になったのか、とか想像している。

さて、いよいよ高い尾根に這い登る。狭い尾根だが、そこからより高い方へ進む。そうすれば、この地域のもっとも高い峰に行き当たるはず。ささやかな未踏峰(笑)を制覇しようという魂胆である。もちろん生駒山にほとんど木が生えていない時代もあったのだから、過去に誰かが登っているだろうが、道がないのだから近年は誰も訪れていないだろう。もしかして戦後50年ぐらいは人跡未踏?

尾根は木々があまり繁らないから進みやすい。ただこれが峰か、と思わせてすぐ奥により高い部分があるから厳密にもっとも高い峰を確認するのは注意がいる。偽ピークにご用心。

 

2_7

たどり着いた! ここが一番高い。未踏峰のピークだ……あれ?

なんで、木にビニールがくくられてあるのよ……。ビニール袋があるということは、間違いなく人が来たことがあることを意味する。しかもビニール袋となると、そんなに古くないだろう。

で、ビニール袋をよく見てみた。菓子パンの袋のよう。しかも、賞味期限が書かれてある。なんと2017年7月!たった2年前!

これでは未踏峰と言えませんなあ(泣)。同じようにここにたどり着いた奴がいた。それも比較的最近。ここで菓子パンを食ったのか。そしてゴミを木の枝に結びつけるなんて。。。

せっかくの妄想が醒めてしまったではないか。

 

 

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