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森と林業と田舎の本

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2019/04/05

サバイバルな大木

夕方のニュースを見ていると、京都府の桂川河畔にあるサクラに注目が集まっていた。

それは、昨秋の台風で倒れて根も剥き出しになっているのだが、そのままの状態で花が満開になったのだ。それでカワイソウといいつつも、花を見る人が集まっている。そのうち幹ごと立ち上げる計画もあるようだ。

ま、根っこが剥き出しなのは厳しいが、そこを土で覆うぐらいで、倒れたまま咲かせた方が名所になるのに、と思う。おそらく下手にいじるよりいまのまま根を晴らせた方が樹木の負担も少ないのではないだろうか。

 

で、思い出したのが、こちら。

2_3

これは十津川村の玉置山山頂付近で見かけたスギ。この当たりは巨樹が林立しているのだが、そのうちの一本が倒れているのだ。ただし隣の木に引っかかったおかげで丹前に倒伏せずに済んでいる。そして枯れずに枝が上方に葉を繁らせている。

その根っこはこんな具合。

3_2

結構、えぐれている。根も半分以上が剥き出し。だが、命脈を保っていた。直径は50センチ以上かな。

こういう状態も、サバイバル植物の一つと位置づけよう。(悪条件で生き長らえている植物のこと。ど根性植物、虐待植物、隙間植物、戦う植物……とその度に命名を変えているが、今のところサバイバル植物にしておく。)
このスギが倒れたのは数年前だそうだから、すでに落ち着いているのだろう。もちろん支えてくれている隣の木あってのことかもしれないが、このまま長生きしそう。

 

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コメント

同じくテレビで聞いた話ですが、花瓶に指した枝と同じように幹に水分が残っている間は咲くそうです。
それにしても台風から半年も経っているのに花を咲かせるだけの水分が残っているものなんでしょうか?
やはりサバイバルですね。

たしかに伐られて倒されたサクラに花が咲いたのを見たことがあります。丸太になったイチョウから新葉が萌えていたことも。
 
でも桂川のサクラや玉置山のスギは、根っこの一部が生きているように思います。しぶとく生きているのですよ。

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