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2019/05/17

信用する?されど検証する

書きたくないが、やはり書いておこう。国有林野経営管理法の改正案が、衆議院の委員会を通過した。
与党以外では、維新の会(これは、ほぼ与党)と国民民主党が賛成している。なんか、わりと分かりやすい色分け。

この調子で6月には通過するのだろう。

実は、この法案に関しては多くの人から問い合わせがあった。議員関係者からも、研究者、一般の憂える人からも。
私なりの意見は言ったが、それがどのように反映したのか、理解してもらったのかはわからない。Yahoo!ニュースには、疑問点の中の「再造林の申し入れ」部分に特化して書いたが、ほかにもツッコみたいところは多い。

一応、整理しておくと、国有林を民間業者に原則10年(~50年)の伐採期間で伐採させるわけで、それを樹木採取権と名付けている。分かりやすく言えば伐採権である。つまり、あくまで伐採の権利を販売するわけだ。だから再造林の義務はない。ならば、再造林は国が責任を持って別の業者に発注するというのならわかる。だが、そうではなく、伐採業者に「申し入れをする」。この中途半端さはなんだ? なぜ、どちらかに限定して義務化しないのか。業者の義務にするか、国の義務にするか。

逆に考えれば、樹木採取権しか持たない業者は、伐採以外の作業をしてはいけないことになる。皆伐以外の方法も許されない。植林や育林をするのは違法行為である、と記せばいい……なんて皮肉を言いたくなる。

 

結局、この法案賛成・反対は、林野庁を信用できるのか、という点に絞られる。さらに言えば参入する業者をどこまで信用できるのか。
法案の文面を子細に見たら、巧妙に理屈を捏ねて「仕方がない」風を装うが、逃げ道をつくっていることがわかる。私は性悪説に立つので、担保をとることが絶対に必要だと考える。業者でも国でも、再造林は義務化すべきだし、第三者の検査機関も設けるべきだ。必ず現地に足を運んでチェックし、伐採面積や方法を契約どおりにしているか確認する。そうでなかったら罰則を設ける。もちろん国も同じだ。国だから守るだろうなんて、過去の事例を見てきたらとても言えない。

日本の法律は、罰則のないものが多い。いかにも決めておいたら当然守ってくれるという前提で社会が成り立っている。だが、近年は契約を違えても、法律を破っても罰せられないのなら、やりたい放題……という人が増えてきたように感じる。タガの外れた人が目立つ。

よく国際条約の交渉でよく言われるのは「信用する。されど検証する」だ。たとえば核兵器の削減交渉などで、相手国を信用して条約を結ぶが、それでも条約の内容を守ることを相互に検証する項目を設ける。査察も入る。さもないと実効性の担保がない。
私は「林野庁も業者も信用できないから、検証しなければならない」だけどね。そんな原則に基づいて法律をつくってほしい。

 

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コメント

国有林って、ほとんど保安林ですよね。
という事は、かならず再造林しなければならない(法で決まっている)はずだと思っていたんですが、この法案はそこんとこどうなっているのでしょう。

なので、個人的には、再造林の担保より、成林の担保(必ず成林させられるのか)の方が難しい(問題な)のではないかと思ってました。

かならず再造林はする、と国会の答弁などでも言っているんです。業者にそう「申し入れ」したし、それでもしなかったら林野庁が自身でやる、と。
だったら、そのように義務化する条文を入れたらいいのに、入れないんです。やっぱりしていないケースが出てきたら責任負わされるから(笑)。最初から逃げ道を作ってあるんですね。

そして、まさに成林するかしないかも重要ですね。仮に業者が再造林しても、気合の入っていない植え方したら活着しないで枯れる可能性高いし、獣害で食われてしまうこともあるだろうし。その場合、誰が補植するのかも決めていないし、責任追わないんです。

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