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森と林業と田舎の本

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2019年6月

2019/06/26

台湾へ行きます

ちょっとお知らせ。

明日早朝より、台湾に行ってきます。一応、取材。いや、完全に取材(^^;)。お仕事です。仕事だってば。

私にとっては初台湾になるはずです。夜市や屋台が楽しみだなあ……。いや、仕事です(キッパリ)。

滞在するのは台北だけですが、ちゃんと山も登ります。いえハイキングではなく、取材です。取材だって。

帰国は7月1日深夜。この5日間は、基本的にブログは休止する予定です。気が向いたら、SNSで投稿するかもしれないけれど、多分忙しいので余裕ないかもしれません。なんたって仕事ですから。

ちょうど大阪のG20の最中なんで、鬱陶しい日本を離れられる……と思っていのだけど、単なる梅雨入りの雨が台風へ変わるとか。その真っ盛りに空港まで行くだけで大変。いや飛行機だって飛ぶのか?

ま、不確定要素はありますが、では!

2019/06/25

岩手県住田町の仮設住宅

岩手県住田町が、東日本大震災で被災者向けに建設した木造仮設住宅は、今年度末で提供が終わるそうだ。そこで役場庁舎のエントランスに1棟を移設して展示しているという。

思えば、私が東日本大震災の現場に足を運び岩手~宮城~福島と回った際のスタート地点が住田町。まずは、この仮設住宅を見学したのだった。ちょうど建設の真っ盛りだった。

 

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この仮設住宅は、もともと町で地元木材を使った仮設住宅を国に提案しようと以前から準備を進めていたもの。ある意味、非常にタイミングがよかったわけだ。そこで町独自の判断で建設を進めたのである。当時は仮設住宅にも国の基準があって、木造は当てはまらないから補助金が出ないという問題があり、そこでモアツリーズが全国から寄付金を集める運動を行っていた。たしか3億円必要で、そのうち2億円ぐらいを寄付で賄ったのではなかったか。私も些少ながら寄付した思い出がある。

庁舎に展示している仮設住宅は木造平屋で約30平方メートル、間取りは2DK。震災直後の町や町民の対応、仮設住宅建設の経緯をパネルや映像で説明しているそうだ。

当時、見学に行ったメンバーの一人は「ここに住みたい!」と叫んで顰蹙?をかった(笑)。たしかに木がいっぱいの室内とペレットストーブまで付いていたのでオシャレだった。しかも独立した一戸建て。長屋形式の仮設住宅は、隣の声が聞こえてプライバシーがないことが問題になっていたから、非常にレベルの高い仮設住宅だった。実際、この仮設から転居した住民の中には、これを移設したいという要望もあって払い下げたと聞く。なお1戸当たりの建設費は約450万円で、国の基準の上限561万円より安く付いている。この点でも優秀である。

大災害に際して、こうした事業をいち早く取り組んだ住田町には、林業の町としての矜持を感じられた。林業だからできること、を考えたのではなかったか。……今や私は、どこぞで「林業の町」と聞くと、すぐに脳裏には大面積の皆伐風景が浮かび、ああ矜持のかけらもなく森林破壊している地域ね、思ってしまいがち(とくに宮崎県ね)なのだが。

展示は8月7日までとか。機会があったら、行ってみたいけどなあ。

 

Yahoo!ニュース「宮崎の山は無法地帯か……」書いた裏事情

ahoo!ニュースに「宮崎の山は無法地帯か。盗伐被害者の声を聞く」を執筆しました。

裏事情も何も、そのまんまなのだが、みっちり取材したわりにはWedgeに書ける記事分量に限界があったので、ここで吐き出したわけである。

ただ被害者側にとっての不満の一つは、あまりマスコミが記事にしてくれないことだ。実際、私も取材して気づいたのは、意外と地元では盗伐について知らないこと。業界関係者でもあんまり情報を持っていない。散発的に地元マスコミが取り上げても、継続しないと記憶に残らないのだろう。単なる個別の事件(盗伐?誤伐)と感じてしまう。

それを政治家の圧力などと考えがちなのだが(それがないとは言わない)、やはりマスコミ側の立場からとすると、裏取りが大変なことがある。一方の声だけ(この場合、被害者)を聞いて記事するな、というわけだ。実際、思い込みや自分の想像を事実として話してしまう傾向もある。私も、その波に飲まれそうになったが、しかし、事件も数あると共通の状況が浮かび上がり、そんな大きな間違いはないと確信できる点を拾い上げると、全体像が浮かび上がる。

だから今回は、被害者の声そのものを紹介しようと思ったわけである。

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まあ、見事な作業道の入れ方だこと。

2019/06/23

古典的探検を!

昨日は、関西大学で開かれた学術講演会「スリランカ密林遺跡調査報告~日本仏教の源流を求め、未知の遺跡を探して50年~」に参加してきた。2018年度の植村直己冒険賞を受賞した岡村隆さんの話である。

いやあ、面白かった。何がって、学術的な面はさておき、これが「古典的探検」であること。

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岡村さんは、法政大学探検部として1969年に訪れた当時セイロン島で、密林の中には知られざる仏教遺跡がたくさん眠っていることを聞き、その調査隊を結成。当初から30以上もの遺跡を発見する。それで味をしめて、請われて幾度も探検調査を行うようになり、各大学の合同チームや社会人も交えたNPOまでつくって現在に至るまで調査に通っているとか。そして今でも大発見が相次ぐのだからスゴイ。

ジャングルに分け入り、古代遺跡を発見するなんて、まさに古典的探検。エジプトだメソポタミアだ、いやインカだマヤだ、アンコールワットだと前世紀に流行った探検の理想的状況なのである。インディ・ジョーンズの映画で描かれる考古学と探検の合体と同じ。さらに遺跡だけでなく、消えゆく少数民族ヴェッダの岩絵まで発見するのだ。
面白いのは、あくまでボランティアで、やることも遺跡の発見まで。発掘はしない。測量などで終わるのだ。つまり学術的な部分は専門家に任せている。場所を確定すれば、スリランカ政府はもちろんだが、欧米の学術調査が行えるわけである。そして、発見と測量までなら素人でもできる。もちろんそれなりの技術や心構え、体力は必要だが。これって、探検部向き!

なおスリランカの仏教は今では上座部だが、かつては大乗仏教時代もあり、それが日本に伝わって日本の仏教各宗派になった可能性にまでつながる。ここまで行くと、まさに学術的なのだが、会場ではそちらに質問が集中したが、私はあんまり気にしない(笑)。

私は、探検の形に「ああ、いいなあ」と憧れるばかりであった。

近年は探検だ冒険だと言っても、ちょっと方向性が変わっている。冒険は限りなくスポーツ、アスリート的な要素が増えているし、探検も地理的空白がなくなったからと政治的な閉鎖地・情報未知世界に挑む社会的な探検や、精神面からの思弁的探検へとシフトしてきている。

それが悪いというのではないけど、私がやりたいのは古典的探検なのだよ。単に森を分け入って、そこに怪しいものを発見して驚きたいのだよ。

生駒山でも、道のないところを進んで、ぶつかった巨岩に人間の加工した跡を見つけると結構興奮するもんな。梵字が刻まれていたり、仏らしき輪郭があったりすると、ここに石仏があったのか……と楽しめる。また土器を発掘することもある。
そんな興奮の10倍ぐらい楽しめそうだ。

もう林業は絶望するから、その後はそちらの路線に転向するかな。。。。

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私の探検的要素の含まれた著作(笑)。

 

2019/06/22

奈良にもあった! ジビエソーセージ

ふと見かけた商品。

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ジビエのソーセージ。イノシシ肉と、シカ肉を使った2種類。どちらも奈良のジビエだ。

シカは間違っても奈良公園のシカではないが、流通に乗せるまで製造できたのは頑張った。実際、安定供給はジビエの最大の強敵。これも扱う店は絞り込んでいると思うが、とりあえず店頭に並んでいるのだ。

そのうち味わおう。今は、買わないけれど(^^;)。

 

2019/06/21

アジサイと草刈り秘策

これまでタナカ山林の状態を折々に紹介してきたが、今はこんな感じ。

そもそも5年ほど前に皆伐をして、その後の植生遷移を見つめつつ、どの木を伸ばすか、どの木・どの草を刈り取るかと思案してきた。そしてアジサイの移植を続けている。これは数年前から移植を続けてきたものだが、ソコソコ大きくなって花もよく咲くようになってきた。雑木林にアジサイが咲くというのはちょっぴり不思議だが、悪くない。このままアジサイの森になったら有料花園にする構想\(^o^)/。

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実は、2週間前に草刈りをした。道沿いの部分はあえて残して内部を刈り取っておいたのだが、今やその痕跡がない(-_-;)。草ぼうぼう。

先に「除草剤のどこが悪い」をエントリーしたら、それなりに反響があったわけだが、たしかに草刈りはきつい。ただ楽しい面もあって、趣味の草刈りというのはありではないかと思っている。せっせと草を手鎌で刈っていると、気分がハイになる。これが林業となると、毎日夏の間はずっと草刈りになりかねないので悲鳴が上がるわけだが……。

 

ちなみに私は下草刈りの軽減方法の取材も数多くしている。

一つは、盗伐で叩いている最中の宮崎県(^^;)。ここでは林内放牧で草刈りをウシにさせる研究が行われていた。もともと宮崎県は焼畑や林内放牧が最近まで行われていて、今も技術としては残されているのだ。ほかにも隠岐や山口(長門市)など、各地の放牧を取材して回っている。

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結論としては、林内放牧は面白い(^o^)。そして下刈り効果も十分にある。なぜか雑草を食べても杉苗は食べないのだ。おそらく柔らかい雑草の方が美味しいのだろう。杉苗に巻きついた蔓植物をきれいに剥がして食べるのだ。舌刈りという言葉もあった。
実際、きれいになった林床を見ている。電気柵で囲えば逃げない。ただシステムが難しい。ウシを飼育するノウハウと、餌場移動、そしてウシの出荷までがセットだから。

さらにツリーシェルターによる下刈り軽減実験も取材していて、こちらもかなりの効果。ツリーシェルターをしておけば、下刈り回数は半分以下かそれ以下に落とせる。ツリーシェルターは設置に手間と金がかかるわけだが、獣害対策と下刈り軽減を組み合わせれば、十分にペイするのではないかと思えた。

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ま、こうした研究成果はなかなか現場に還元されて実行されることは少なく、除草剤を撒くのがもっとも楽なのね。それに、補助金がないとやらんのだろうけど。

私もアジサイ園にするために、タナカ山林にヤギを放そうかなあ、と思わないでもないのだが。ヤギはアジサイも食べちゃうかもしれん。

 

 

2019/06/20

宮崎県の盗伐現場3

誤伐か盗伐かどちらか見抜くのに、一つは現場の荒っぽさが基準になると思っている。

誤伐、つまり間違ったのなら合法的な伐採地と同じような伐り方になるはずだが、盗伐の場合は違法でバレないうちに伐って材を出そうとするから荒っぽくなる。何より跡地に責任を負うつもりもない。

結果として、その跡地は時とともに崩壊の可能性が高い。とくに宮崎は雨量も多いし台風の通り道でもある。

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谷から尾根まで無茶な作業道を切り開いているのだが、おかげで1年経たずに崩れている。もはや重機でさえ通れないのではないか。土砂は谷を下り、奥に見える溜め池に流れ込んでしまった。

さらに山自体の崩壊も始まっている。

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山の尾根部を皆伐して、下からは見えないようにしたつもりが、このように崩れて麓の水路を埋め、水田まで土砂が押し寄せている。そのため耕作法規となった。いや、大雨の時に道まで土砂はあふれたらしい。

恐ろしいのは、これが誤伐だと言い張り示談で済ませられたら、こうした崩壊の責任は所有者になることだ。伐採した業者はもう決着済みと逃げるだろう。木を伐られて盗まれ、さらに崩壊責任まで押しつけられる。

どちらにしても業者が治山や再造林を真面目にするとは思えないので、この後始末は誰がすることになるのか。行政も逃げ回っている。

県がどんな対応をしているかはWedge7月号をお読みいただきたい。

 

2019/06/19

宮崎県の盗伐現場2

宮崎県の盗伐現場写真、第2弾。

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これはスギの1列を残して伐採したところを内側から眺めたところ。いかにも意図的な伐採であることがわかる。それにしても、表土を引っかき回して道を入れたり伐採した酷い現場だった。それに、その後の大雨のせいか、倒木や土壌流出が多すぎる。

昨年9月に発見されてすぐに警察を呼んで止めに入った。その時は、伐採した木がまだまだ山積みだったのだが、その後なくなっている。こっそり持ち出したらしい。それでも誤伐なんだそうだ。

詳しい内容は、Wedge7月号をお読みいただきたいが、行政も関係者も「境界線がはっきりしないから起こる」という。

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ところがこの山は、地籍調査が済んでいたのだ。だから現場には、コンクリートの境界線を示す杭が打たれている。それでも誤伐なんだそうだ。

どこをどう間違ったのか。

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これは借り写真。現場に残されたグラップル?いや補助金一覧によると、ハーベスタらしい。しっかり補助金で購入しております。税金使って盗伐(泣)。

2019/06/18

宮崎県の盗伐現場1

先月に宮崎を訪れたのは、盗伐問題の取材であった。もちろん当地の林業事情を幅広く探ったが、あまりに盗伐現場のインパクトが強すぎてほかの情報が入ってこない(笑)。

その取材結果が、ようやくまとまった。掲載されるのはWedge7月号である。20日発売であるから、東海道・山陽新幹線を利用の際はグリーン席のポケットから抜いてください(^^;)\(-_-メ;)。いや、キオスクでお買い上げください。全国の大型書店でも扱っています。

ただ、記事にはスペースの関係で載せられなかった写真をここで紹介しておこう。

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これは宮崎県国富町の現場。この小山が盗伐されたのだが……一見、緑なのだが、よつ見てほしい。スギ木立の間から赤茶けた土が透けて見えるだろう。これは、スギを1列だけ残して内部を伐っていた。おそらく発見を遅らせるためだろう。

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その奥に入ると重機が走り回った無残な状況が広がっているのだが、これは作業道。昨年の夏に伐られたのだが、もうかなり崩れている。

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作業道を登り切った向こう側。もう道路から見えないと思ったのか伐りたい放題。ざっと10ヘクタールほどを伐るつもりだったらしい。途中で見つかって止まったようだが、実はその後もこっそり伐っていた気配がある。ともかく荒っぽい。伐り方も道の入れ方も。枝条も、みんな谷に放り込んである。

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これは切株の一つ。なんだか不思議な伐り方。受け口と追い口が同じ高さ? しかも斜めだし。

まだまだ写真はある。それにしても、こんな伐り方をしても「盗伐じゃない。誤伐」といい、「被害届は受理しない(警察)」「立件しても不起訴(検察)」なのが宮崎県である。行っているのは、素材生産業者だけでなく森林組合も。行政も止める動きが見えない。

2019/06/17

除草剤のどこが悪い

このところ、林業で除草剤を使うことの是非が話題になっている。是非というか、批判・反対がほとんどだが……。

きっかけは、林業ボブマーリーさんのブログで「宮崎からオーガニックがなくなる?農薬林業と宮崎の未来」と訴えたことだろう。ようするに宮崎県で、下刈り作業を簡易化するために除草剤を使う(2020年より)動きが現れたことに反対を唱えたもの。

今のところ、除草剤は危険だからダメだ、というのと、下刈りのきつさを考えたら仕方ないという意見がある。下刈りが林業従事者を減らしているという声もある。

実は、私は先月ボブマーリーさんにお会いしていて、この話題でも話している。ただ、私はとくに反対に同意しなかった。だって、世界中の林業現場で除草剤は使われているし、日本でも使っているところはそこそこあるから。そして、私は、これらの薬品をさして危険と思っていない。我が家でもたまに庭で使う。タナカ山林でも使おうかと思ったこともある。

 

そもそも大前提をごっちゃにしているのが気になる。

まず肝心なのは、除草剤と農薬は違うこと。さらに殺虫剤と殺菌剤も違う。ここで、農薬とはなんぞや、除草剤とはなんぞやと解説するつもりはないが、化学薬品をすべて拒否することはできない。人体を含めて、すべての地球上の物質は化学物質でもある。
それに草を枯らす、虫を殺すから人体にも悪影響と短絡するのもよくない。まったく生体の機能が違っているのだから、<虫が死ぬ=人体にも危ない>連想は通用しない。(逆に言えば、虫にはまったく無害で、草の栄養になる成分が、人体に悪影響を与えるものだってある。)
また動植物の体内では、天然性農薬様物質もつくられている。虫にかじられた葉っぱは農薬様物質で虫を追い払おうとするのだ。それらは合成農薬と組成はたいして変わらない。もちろん天然物だから安心、なんてことはない。

いまだに農薬というと頭から拒否反応を示す人が多すぎてげんなりするのだが、危険な農薬があった時代は40年ぐらい前の話だ。レイチェル・カーソンの時代。その後は超速の進歩を遂げているのだ。それに最初は、残留農薬の危険性が問題だったが、その後散布者の被爆が課題となった。今も残るのは環境汚染の心配ぐらいだろう。

今や残留性の危険はほとんど払拭されている。この手の薬には一定期間で分解される構造を持たせている。つまり野外に散布しても、数カ月後、早ければ数週間でほとんど無害化する。ま、これは農業現場の話だが、林業ならもっと少量になるだろう。そして10センチくらいの厚さの土壌があれば吸着されるから、思っている以上に地下水には浸透しにくい。これは福島の森林に降り注いだ放射性物質と同じ。

散布時の被爆は、いかに本人が気をつけるかも重要だが、そもそも毒性の選択性が極めて高くなって、対象の害虫や雑草以外に利かないものが増えた。
最後の環境への影響は私も危惧するところだが、これも誤解とフェイクニュースが蔓延している。ミツバチが大量死した原因も、まだ解明されていない。すぐネオニコチノイドのせいにするが、異論も多いのである。そのほかの問題でも明確な生態系破壊の証拠は出揃ったとは言えない。ただ私は、予防原則としての危険性を感じるだけである。

それでも食品はイヤだというのは感情論としてはわかる。しかし、木材は食べないでしょ。農地よりはるかに薄く撒かれた除草剤は、地下水まで行き着くのは極めてわずかだ。そして下流に流れるまで数カ月~数年かかる。その間に分解されるだろう。

もちろん、だから農薬・除草剤はいくら使ってもよいとは言わない。むしろ地域ごとに適切な薬剤を選んで、成分量を減らすかが課題だ(成分量というのは、たいていの農薬が散布しやすくするため無害物質で増量しているからだ。本当の有効成分は全体の数%)。それはコストにも響く。

ようは、風邪を引いた時に風邪薬を飲むのも拒否するのか、ということである。もちろん風邪なのに下剤を飲んでも治らないし、市販の風邪薬であろうと1回に50錠を飲んだら危険だろう。しかし1回3錠1日3回……なんて基準を守れば、風邪の諸症状を抑えてくれる(はず)。

だから、農薬・除草剤を撒くことが危険なのではなくて、どれだけ・どこに・いつ撒くのかを研究しなければならない。今回の宮崎県も、そのための実験を行うというものだった。すぐに散布を始めるというわけではないようだ。

エビデンスを持って下刈りに有効なのか、どの雑草にはどんな薬剤を使うのか、その量は……厳密に研究して検証しているのだろうか。また下刈りをせずに苗を育てる方法の研究だってした方がよい。昔は放置が多かったはず。今だって草を繁らせた方がシカに食われないかもしれない。あるいはツリーシェルターを雑草対策にかぶせるのも可能性はあるんじゃないか。
1ヘクタールに3000本植えて、10年後に1000本くらい育っていれば下刈りしなくてはよいのではないか。

ただ、今回の宮崎県の除草剤散布実験は、単にとりあえず撒いてみようよ的な様子がかいま見れる。本気でやるなら試験地を決めて、何種類もの薬を時期と量を変えて散布方法も工夫を凝らして検証しないといけない。撒いた後数年間は土壌なり地下水なりの検査をすべきだろう。その上で是非や、種類、散布量、時期、そして方法などを科学的に論じてほしい。

 

 

 

2019/06/16

睡蓮

NHKスペシャルで、「モネ睡蓮 よみがえる“奇跡の一枚”」をやっていた。モネの幻の作品、それも半分ちぎれた巨大な「睡蓮」の絵を現代技術でよみがえらせる作業を追ったものだ。

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睡蓮なら、私もつい先日撮影した写真があるので紹介(^^;)。

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わざわざゴルフ場の池に侵入して撮りました。ゴルフ場と言っても、プレイヤーはコースから見ることができない場所にあるのだけど。

睡蓮の花は、今が盛りです。

 

2019/06/15

土倉山の売買証書

昨日、古文書の写しをいただいた。ちょっと興奮。

内容は、山林の売買書である。

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お分かりだろうか。山林を売ったのは、土倉庄三郎だ。日付が明治四拾参年六月弐拾八日になっている。

この年代ということは、土倉家が事実上の破産をして財産処分を始めた頃。ただ山林跡地とあるから、立木を伐採してからの売却だろうか。その後の立木一代かぎりの売り渡しのように読める。買い主は伏せておくが、今も所有している。

詳しく内容をチェックする余裕はないのだが、具体的な山林売買証書を目にすると、なかなか生々しい。署名は直筆かどうかもわからないが、私がこれまで見てきた庄三郎の筆跡と似ている気がする。

最近、結構貴重な土倉庄三郎関連の資料が次々と手に入ってきた。何かの因縁だろうか。これは何とかしないといけません。

来年は土倉庄三郎生誕180周年だ。(1840年生まれ)
それを記念する何かイベントを考えたいと思っているのだが、こうした文書も活かせたらと思っている。

 

2019/06/14

樹皮アート ?

樹木の幹を見ていると、不思議な?見事な?文様を見つけることがある。これなんかはどうだろう。

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見事な編み目模様に螺旋模様……樹幹に自然界が描いたアートか。え? 

もちろん、違うだろう。

これは春日山で見かけたものだが、おそらくシカに樹皮を剥がされないように金網で囲ったのだろう。ところが樹木が生長して小さな金網に圧迫され、こんな模様が着いたのではないか。螺旋の方は、金網ではなく針金でもグルグル巻きにしたのか。

気づいて外しても、遅すぎたらこんな模様が残るんだなあ。

ちょっと痛々しいけど、いっそ、樹皮アートとして案内板に記したら人気を呼ぶかもしれないよ。(^^;)\(-_-メ;)

 

2019/06/13

書評「森林未来会議」vs「〇〇」

「森林未来会議」(築地書館)が送られてきた。

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ありがたく読ませてもらう。ただし、今私は忙しさの佳境なのだよ(泣)。だから、みっちり読み込んだというにはほど遠いが、まずは感じたことを記してみよう。

一言で言えば、執筆者たちは日本の林業の未来を探し、理想状態へと導こうという意図を持っているのだな、と読めた。

まず【目次】を引用しよう。章タイトルだけだ。詳しくは、上記リンク先へ。


序章   豊かな森林経営を未来に引き継ぐ―林業家からの発信(速水 亨)
第1章 オーストリアとの比較から見た日本林業の可能性(久保山裕史)

第2章 小規模な林業経営と大規模な需要を繋ぐドイツの木材共同販売組織(堀 靖人)
第3章 森を有効に活かすアメリカの投資経営とフォレスターの役割(平野悠一郎・小野泰宏・大塚生美)
第4章 ドイツの森林官が持つ専門性と政府の役割(石崎涼子)
第5章 政策と現場を繋ぐ自治体フォレスターの可能性(中村幹広)
第6章 市町村フォレスターの挑戦(鈴木春彦)
第7章 多様な森林経営を実現させるための技術者育成(横井秀一)
第8章 科学に裏付けられた森づくり(正木 隆)
終 章  新しい「木の時代」がやってくる(熊崎 実)
あとがき(石崎涼子)

12人の著者が、それぞれの経験や研究テーマなどから日本の林業を分析し、未来に向けての処方箋をまとめている。

それぞれの書き方には強弱はあるが、現代の林業の問題点を指摘しつつ、その改善すべき点を模索している。時に自身の成功談もあれば、海外の事例もある。また歴史的な変遷にも触れられているから、戦後の林業の流れを読むこともできるだろう。欧米がいかにパラダイムシフトしたか、日本が出遅れたのはなぜか。……欧米の林業も近年まで苦しんできたし、今だって言われるほど上手く行っていないことも伝わってくる。外国を手本にすることの危険まで感じる。

もし、林業に関心があり、未来に希望を抱きたければ大いに参考になるだろう。ちなみに本ブログの左サイドにリンクを張ってあります。

 

ところで、私が今忙しさの佳境だというのは、実は7月に出版を予定している本の準備に追われているからだ。

その本のタイトルは、「絶望の林業」(新泉社)

こちらで私は、いかに日本の林業がダメダメであるか、救いようがないかを記した。まだ校正段階なので内容を紹介できないが、日本の林業は構造的なダメさ加減を抱えているから、何をやっても救われないよ、という本だ(⌒ー⌒)。
一応、最終章には「希望の林業」という項目も設けているが、これは私の考えた理想状態を描いたもので、「できるもんならこんな形に改革してみな(無理だろうけど)」という挑戦状(笑)。

どちらも林業界の問題点に指摘しつつ理想にも触れてはいるが、スタンスがまるで逆(笑)。

もちろん第一線の林業現場や研究現場で活躍する10人が手分けして記した「森林未来会議」と、部外者の私が一人で記した「絶望の林業」とを比べてもどうなるものではないが、どちらが林業クラスタの人々の琴線に触れるか。どちらが現実になるか。「未来」か「絶望」か。

2019/06/12

「大草原の小さな家」を見た

先日(土曜日の朝)、BSプレミアムで朝ドラの「なつぞら」を見て、そのままテレビをつけっぱなしにしていたら、なんと「大草原の小さな家」が始まった。デジタルリマスター版が、BS4Kに続いてプレミアムでも放映を始めたらしい。声優も一新している。

思わず見てしまう。

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昔、よく見たなあ。。。インガルス一家のアメリカ開拓時代の話だが、ちょうど「なつぞら」には北海道の開拓話が含まれているから重なるところがある。

しかも、私の過去の記憶では、すでに移住して移り住んでからの話ばかりだったのだが、今回目にしたのは、第1回目で移住を始めたところだった。森の中の家を発って、馬車で一家は大草原を旅する。そして、ここは、と思う場所に小屋を建てる。

それが、まさに伐ってきたばかりの丸太を皮も剥かずにそのまま積み上げるログハウスだ。隙間だらけで土間のまま。屋根は馬車の幌。
そうか、こんなスタートだったのか。しかも予告編からすると、どうやら、その地は安住できずにまた場所を移すらしい。何度もログハウスを建て直すのである。

もちろん現代の視点で見たらアメリカ先住民(インディアン)の土地を奪う話なのだが(それは「なつぞら」も一緒だろう。拓いた牧場は、アイヌの土地を奪ったのかもしれない……)、その時代にとっては汗の臭いのする開拓なのだ。ほんの少し前にあった「たくましい人々」の世界である。こんな人々から見ると、今の日本の田舎暮らしが児戯に見える(^^;)。

時代は、日本の明治維新の頃とほぼ重なる。当時のアメリカは、一方で日本に黒船を送り込んでいるのだが、西部に暮らす人々はこんな状態だったのだろう。意外と気づかない同時代の多面性。

ともあれ、今後もちょくちょく見そうな予感。

2019/06/11

外資が買収した森林よりも

また林野庁が「外国資本による森林買収に関する調査の結果について」を発表している。

昨年1年間に外資が購入した地目・山林を集計したようだが、30件・373haだったそう。平成18年からの合計で223件、2076haという。(ちなみに平成18年とは2006年だ。来年から平成~令和なんてまたがった発表されたらわからんようになる。)

毎度ながら、この調査結果がしょぼく感じるのは、取得した森林面積が0,003ha~0,006haという物件が結構多いこと。これ、どれぐらいの面積だ?

0,1haは10アール、0,01haは1アール、1アールは10メートル四方。0,003haとは、その3分の1以下。たとえば10メートル×3メートルの土地ということになる。何坪か。。。ああ、もう換算するのが嫌になった。

ともあれ下手な宅地面積より狭い。木が何本生育しているのか。これを計上することの虚しさよ。

 そもそも一時に「外資が日本の森を奪う」と狂奔した輩がいて、その対策に始まった調査である。しかし、今やまったく声が聞こえてこない。どんな結果が出ても興味がなくなったようだ。

 

一方で、国有林法改正の審議では、「外国資本の参入の可能性」が問われていた。それに対して「外資は、日本の森なんかに興味ないでしょ」という答弁が出ている。おい!

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この記事では、かつて外資(中国)が、日本の離島の森林資源を購入した例を上げている。その中国人は、しっかり協議に応じて紳士的であったようだ。日本の議員も、もう少し真摯に答弁しようよ。

2019/06/10

世代交代杉とシカガール

春日大社の境内を歩くと、何かと発見がある。

今回見つけたのは、こんなもの。

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春日大社、春日山に生えているスギを春日杉と呼ぶ。実は吉野杉の元になったとも言われているのだが、こちらは天然杉だ。その大木がたくさんあるわけだが、なかには枯れるものも出る。とくに近年は台風の大風で倒れるものが多く出ている。

そうなれば伐って処理せざるを得ないわけだが……その切株に次世代が育っていた。

太い親スギ(の切株)と、その切株の中から生えてきた次世代杉が、ここまで見事な対比を見せるのも面白い。小スギは何年生だろうか。10年も経っていないように思える。切株は腐って栄養たっぷりに見えるから生長がよいかもしれない。

ちなみに春日杉はわりとウロをつくりやすく、とくに大木は早くから内部が腐るから、この子スギも早くから生えていたのかもしれないなあ。

 

ほかにも、こんな観光客も見所。最近は、ナラシカより観光客観察の方が面白いと感じるのであった。

Dsc02105

多分、中国人旅行者と思うが……ちゃんと角を生やしているよ。
ただ、この角はニホンジカじゃないね。トナカイだ。おそらく近くの土産物店・コンビニや百均ショップで売っているもの。通常はクリスマスだけの商品だが、奈良では年中売ってます(笑)。

 

2019/06/09

農産物輸出1兆円の大嘘

ここ数日、自衛隊がイージス・アショアの導入で、設置場所の選定でとんでもないミスが見つかったというニュースが騒がれている。
果たして本当にミスなのか、最初から秋田にしようという心づもりで揃えた資料に無理があったのか。なんとなく、後者ぽい臭いがする。

というのも、同じことが幾つもあるからだ。

たとえば「林業の成長産業化」の一環でよく唱えられるのは、輸出である。昨年の木材輸出は、前年比7%増の351億円とまた増えた、と誇らしげに白書に書かれている。

同じように「農業の成長産業化」も唱えられている。そして輸出額の目標は1兆円なのだ。それが伸びている。2012年に4497億円だった農産物・食品の輸出額は昨年に9068億円まで増えたという。1目標の1兆円が見えてきた、これもアベノミクスの成果だ、世界中に日本食レストランができ、和食そのものが世界無形遺産に指定されたおかげで日本の農産物の優秀さがよく知られるようになった、と安倍総理の演説の得意部分でもある。 

普通、日本の農産物や食品の輸出が伸びていると聞けば、何を想像するだろうか。米や野菜は無理だな。流行りは和牛に日本酒やワイン? リンゴやイチゴなど果物? 
ところが日本農業新聞の記事によると、政府が発表する統計では何が輸出されているのかわからない、というトンデモな事実が判明した。 粘り強く日本農業新聞の記者たちは追いかけたのだ。渾身の調査報道だろう。


ようやく判明した品目で、トップを占めたのは798億円の「その他の調整 食品のその他」なのだ。その他のその他???

せっかくだからランキングを並べよう。

1 その他の調製食品のその他 798 
2 パン、ケーキなどのその他 300 
3 清酒 222
4 ソース用の調整品などのその他 194 
5 紙巻きたばこ 160 
6 ウイスキー 150 
7 水のその他 146 
8 リンゴ 140 
9 ビール 129 
10 スープなど 115 

末尾の数字は輸出額。億円単位である。

清酒とウイスキー、ビール、リンゴ以外、なんだ???とハテナマークのつくものばかり。だいたい上位に「その他」が多すぎる。パンの材料の小麦などは輸入品だし、調整品というのは原材料は輸入しているものだろう。調味料も同じ。タバコはかろうじて日本で栽培しているのかもしれないが(輸入も多いはず)、ウイスキー、ビールだって大麦やホップには輸入も多い。「水のその他」なんてなんだ? ミネラルウォーターとかジュース類だろうか。これが農産物なの?

実は細かく見ると、野菜種子、小麦粉、みそ、ごま油、ゼラチンなどの加工品も大半が輸入農産物が原料。メントールなどの有機化学品(76億円)や化学工業生産品(17億円)、さらにゴム製品やココア・同調製品などもはいっているそうだ。加工食品の多くは輸入原料だから、日本の農業とはまったく関係ない。

まるで統計偽装である。農産物を可能な限り拡大解釈して、輸出額を増えるように見せかけたのか。そもそも財務省の貿易統計の数字をいじっただけで中身に興味がなかったのか。

実は林産物にも似たケースは聞く。製材や合板には原料が外材のものもあるのではないか。また中国やベトナムに輸出した国産材が、向こうで加工して木工品(家具や建具など)になって日本にもどってくるケースもあるはずだ。それも輸出統計に入れてしまうと、日本の木材が世界で欲せられているように勘違いする。逆に漆やコウゾ・ミツマタなど和紙原料はほとんど輸入だが、林産物扱いだし。

本当は、こうした調査をするのが業界紙の真骨頂であるべきなのだが、はたして林業界の業界紙は……?

農業も林業も、全然、成長産業になっていない。偽装統計もここまで来ると、国力の実態を偽装する国家になってしまう。

 

 

2019/06/08

イオンのトレーサビリティ・ウナギ

イオンが、2019年6月8日より新しいウナギ商品を発売したというニュースがあった。名付けて「静岡県浜名湖産うなぎ蒲焼」。

どこが新しいんや! と突っ込んだ人も多いだろう(笑)。

実は、ウナギ養殖に欠かせないシラスウナギを、正式許可を得た採捕団体が浜名湖で採捕した正規ルートで購入し、それを指定養殖業者が他のルートから仕入れたシラスウナギと混ざらないように育てたウナギだという。いわばトレーサビリティのあるウナギなのだ。ちなみに種としてはニホンウナギ。一時期増えていたヨーロッパウナギではない。

なぜこれが新商品になるのか。知っている人は知っている、ウナギは今や世界的な絶滅危惧種なのだ。それも、ほとんと日本が採りまくったせいだ。ウナギをこれほど好きで、高値で取引する国民に日本しかない。絶滅危惧されるほど減ると、より価格が上がって、それを狙って採りまくるという情けないことをしている。その中には、かなり違法性の高いものが混ざっている。

2015年漁期の場合、国内の養殖場に入ったシラスウナギは18.3トン、そのうち輸入された量が3.0トンなので、国内の採捕量は15.3トン。ところが適切な採捕と報告された量は全国総計で5.7トンにすぎない。さらに輸入された3.0トンのシラスウナギは、ほとんどが香港から。香港で採れるわけないので、台湾や中国本土から香港へと密輸された疑いが非常に強い。

こうした事実をまとめると、2015年漁期に国内の養殖池に入れられたシラスウナギ18.3トンのうち、約7割にあたる12.6トンが、密輸、密漁、無報告漁獲などの違法ウナギなのだ。

だから、今回のイオンが合法であることをトレーサビリティをつけた商品を開発したのは、大変な努力をしたことになる。おそらく日本で初めてだろう。

……とは言っても、結局は絶滅危惧されている種であることに違いはない。それに、イオンではこの商品以外にも多くの違法性の高いウナギ商品を販売している。そこで2023年までに販売するウナギを、100%トレーサビリティのあるクリーンなウナギにすると発表している。

まあ、ザル法のクリーンウッド法ででたらめし放題の木材よりましか。イオンに木材の流通も扱わせた方がいいんじゃないの。

 

そこで私もイオンに直行(^^;)。さて、「静岡県浜名湖産うなぎ蒲焼」は売っているか。探したのである。

だが……あったのは、鹿児島産やら愛知産やら、いかにもグレー産地ばかり。

あげくに見つけたのがこれ。

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なんと! インドネシア産ではないか。ただ、下に小さくシラスウナギょき採補、養殖、加工まで一元管理しているとトレーサビリティを売り物にしている。でも、これ……インドネシアのウナギというのはビカーラ種という、また別のウナギを使っているのではないか。これまで養殖に成功していなかったウナギで、ニホンウナギやヨーロッパウナギが絶滅危惧状態になったため、新たに目をつけられて乱獲が始まっている種である。

なんかローズウッド(紫檀)が取引禁止になったから、アマゾン・ローズウッドを扱いだしたどこかの業界と似ている……。



2019/06/07

蔓の巻きついた?欄干

裏山の遊歩道にかかる小さな橋。

その欄干に妙な模様を見つけた。

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なんと。藤の蔓でも巻きついたか。こんなに欄干に食い込むなんて。蔓はその後枯れて落ちたが、木の欄干には跡が残ったのか……。

……と思ってよく見たら、この欄干、というか橋そのものがコンクリート製だった。。。

つまり、いかにも蔓が巻きついたように溝が刻んであるのは、最初から模様としてつくったのか?
なんともオタクぽい施工をしたもんだ。まあ、一瞬騙されたし、この皺のおかげか苔がよく生えて雰囲気いいから悪くない造りだと思うが。

2019/06/06

「改正国有林野管理経営法」の目的は何か

国有林野管理経営法の改正案が参議院で可決して成立した。

これまでの林業関係の政策としては、この改正法に対する反応はわりと大きくて、一般紙の一面や大きな特集紙面で記事となった。で、私のところにもいろいろな声が届く。

私はすでに記事化もしたとおり意見は述べているが、改めて考えるところもある。これまでアチコチから得られた情報を元に、何を狙っているのか考えてみた。(裏情報もあるから、厳密な証拠は示せないよ。)

まず、業者視点で見ればこの“改正”は喜ばしい。民間業者が国有林に参入して大規模に伐採できるようになったのだから。
これまでの短期契約で面倒な書類をいっぱいつくって入札することを考えれば、一度契約してしまえば格段に楽になる。しかも長期だから経営の目算が立ちやすい。この場合、1年で20ヘクタールずつ皆伐させる(10年で200ヘクタール皆伐する)計画らしい。

次に林野庁側は、最初嫌がっていた。森林経営管理法は民有林を伐採業者に開放する手だてだったが、庁の管理下の国有林は手を付けさせない思いではなかったか。それを未来投資会議の鶴の一声?で開放させられたように感じる。何とか骨抜きにしようとしていたように思う。

だができあがった法案の条項をよくよく読むと、実は全然管理を手放していないわけだ。細かく施業内容を国側で決めて契約を結ばせる。つまり、骨抜きに成功したのではないか。民間に国有林を自由に経営させるのではなかった。むしろ国の労働力としての民間業者の囲い込みのように見える国の森林保育管理部門の労力は減少の一途で消滅寸前。そのため使える労働力を確保するという労務対策だ。民間でも林業就業者は減り続けているのだから、先に長期契約で縛りつけるのだ。

……というのが私の読み。

森林経営管理法では、委託を受ける民間業者は、わりとその森林をどのようにするか自分で決定できる要素があるから、もし性善説に立てば、業者が理想の森林経営を行うことができる。しかし今回の国有林の場合は、そんな自由度がない。

これで国有林周辺の民有林を手がけられる業者はますます人手不足になるだろう。

とはいえ、国には管理の手が足りないということは、監視もあまりできないということで、少々暴走してもバレないかな? 10年後に返すときにどんな状態になったか初めて目にするケースも出てくるだろう。

 

これで国有林の借金を返せるという声もあるが、無理だろう。そもそも国有林の借金は3兆円を超えたのを、全部一般会計に付け替えている。その時点で借金は消えたのも同然だ。1兆3000億円だけは国有林野からの収入を当てにしているというが、これも嘘くさい。返す気などないと見た方がよい。
なんなら林野庁の返済計画を見たらよい。年々、あり得ないほどの金額を債務返済額に繰り入れている。平成29年度まで90億円だったのが、30年度からいきなり200億円に跳ね上がり、その後も増額。平成60年には470億円まで増やせて返済が終了するという見込み(夢物語)だ。まあ令和に変わったから御破算かな?

いずれにしろ、今後は政策的に国有林も民有林も伐られて、全国にはげ山が増えるだろう。本当に林業の振興を考えるのなら、その時に森林が残っている地域こそ可能性がある。森が木材がなくなった、と言われ出した時代に、森林資源を保存していた山こそ、本当の意味で宝の山となる。

 

 

 

 

2019/06/05

外国人が見た奄美と蝦夷地

奄美諸島は、鹿児島と琉球諸島に挟まれた地域である。沖縄の南国リゾートイメージ より弱く、なんとなく影の薄い存在。世界遺産認定も今のところ足踏み状態。

そんな日本でもイマイチ注目度の低い奄美諸島が、なんと明治時代にドイツ圏で非常に注目されていた、訪れる人もたくさんいた、という記録を目にした。

ドイツの園芸専門家やお雇い外国人、一般旅行者まで押しかけたのである。当時の世界旅行は船旅だったし、開国間もない日本から、さらに交通も宿泊も整備されていない奄美への旅の難易度は非常に高い。
それは1880~1890年代にかけてである。この時期、ドイツ人学者やプラントハンターが相次いで奄美諸島を訪問している。さらに観光客?いわゆる冒険的旅行者もいたようだ。当時の日本政府より熱心だったのではないか。本土では奄美の存在はほとんど意識されていなかった。
琉球王国は、フランス艦隊、次いでペリー艦隊が浦賀来航前に上陸している。が、奄美に関しては触れられていない。奄美は独立した王国であった時期はないし、長く薩摩の支配下にあった。それなのに、なぜ有名になったのか。

実は明治政府のお雇い外国人の一人である、ドイツ人動物学者ドゥーダーラインが、1881年(明治13年)に奄美諸島を訪問したことがきっかけとなった。彼の目的は、まだ世界にその実態がほとんど知られていない動物相、特に海の動物相についての研究であった。
しかし、報告内容はその分野に留まらず、広く奄美大島の地理、地質、植生、歴史に始まり、農業、林業、漁業、商業等々の産業、さらに言語、宗教、祭祀、風俗習慣、建築と多岐にわたっているそうだ。ちゃんと読んでいないけど(^^;)。

1894年に奄美大島の島司に笹森儀助が任命されているが、琉球に関する著書『南島探検』を残した彼も、奄美ではさしたる記録を残していない。むしろこの時期行ったトカラ列島視察の方が業績とされている。結局、明治時代の奄美の記録はあまりなく、日本人のものよりドゥーダーラインの記録が重要となっている。

言い換えると、科学的な報告書がガイドブックの役割を果たしたわけである。優れた報告は、世界中で注目される。それが100年以上前から得られる教訓か。
もう一つ、まったく方向的には反対の蝦夷地において、ヨーロッパ人の記録を見つけた。1618、21年のポルトガル人宣教師の報告である。おそらく蝦夷地のもっとも古い記録ではないか。これより古い日本人による蝦夷地を調べた文献があるのかないのか私は知らない。

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著者は、イエスズ会のジェロニモ・デ・アンジェリスとディオゴ・カルワーリョ。
何も学術的な調査をしたわけではなく、布教の可能性を探って旅した記録なのだが、各地の地誌や、アイヌ人の民俗の記録として貴重だ。
海外の文献に日本の古い姿を知るというのも一興。
この文献、つい購入してしまったが、結構高くついた。いつか、活かせることもあるだろう……なければならん(泣)。
ただ、まだちゃんと読んでいない(^^;)。

2019/06/04

ヤドリギが絶滅危惧種?

ニュースによると、京都市伏見区に群生していた「ヤドリギ」を、京都土木事務所が除去したところ、これが京都府では絶滅危惧種に指定をされていたことがわかって問題になっているという。

え、ヤドリギが絶滅危惧……? 

ちょっと驚いた。奈良では吉野山のサクラに多く寄生して問題になっているし、各所でヤドリギを見かけているからだ。それが京都ではレッドデータブックに載っていたとは。

除去したのは宇治川派流沿いの土手に並ぶ樹木に多数寄生していたもの。住民から「寄生した枝が道路に覆いかぶさり危険」「エノキが枯れる」「みっともない」などと除去の要望があったので寄生する一帯の落葉樹の枝を全て切り落としたとか。

それを組織の「縦割り」のため「環境の部署と連携がとれていない」と非難されているが、なんかカワイソウ。。。もちろん京都府という地域限定で絶滅危惧種になることはあリえるだろうが、私でもそんな珍しい植物とは思えない。

Photo_19 サクラの枝のヤドリギ

なお寄生とはいうものの、自ら光合成も行うから、正確には自立している。常緑だから宿っているのが落葉樹の場合は、冬には逆に栄養を供給しているんじゃないかとも言われている。単に宿る場所として多種の枝を借りているだけ……らしい。
それにヤドリギの実が鳥の餌になるので、生物多様性の維持にもなかなか寄与しているのだ。

もっとも、落葉した木のそこここに緑の塊があるのは、景観としてはよろしくない。また親木の光合成を邪魔しているとも見立てることもできる。実際、ヤドリギの除去はアチコチで行われているはず。

大阪の野間のオオケヤキは、ヤドリギだらけで有名だ。何度も除去しているのに枝に食い込んだ根からしつこく再生するらしい。

私は、そんなに無理せず、生やしておいてもいいじゃないか、仮にケヤキがそれで枯れたらそれも巨樹の運命よ、と書いたら噛みついてきた地元のアホがいたが、ヤドリギの葉でも煎じて飲んでほしい(笑)。ヤドリギは、そんなに悪者ではないし、巨樹は何がなんでも神聖なわけでもない。

しかし、京都府内はそんなにヤドリギがないのかなあ。移植して上げたくなる(^^;)。

1_18 野間のオオケヤキの冬景色

7_3 ヤドリギの塊

 

2019/06/03

スズメバチは人類より上位?

ホームセンターをぶらついて目についたのが、これ。

スズメバチ捕獲器。

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最近は、こういうのも商品化しているのか。以前は、自作しろとか言われたのだけど。

誘引するのは発酵臭らしい。が、好みがあるそう。地域によっては焼酎がいいのか酒がいいのか。あるいは醤油とか(^^;)。

ただスズメバチというのは、今や日本の生態系のトップだという。肉食獣はほぼいなく、人間が君臨しているように見えて、その人間を襲って苦しめるスズメバチこそ、生態系ピラミッド(があるとして)の頂上に位置する……らしい。それにハチ類は社会性昆虫だから、ある意味人類以上の社会性を示している。

それに対する捕獲に挑むのは、人間が万物の霊長の座を取り戻す戦い(笑)。頑張ってください。

2019/06/02

「田植え」の生物的最適時期

ぶらりと寄った土地。その近くにイオンタウンがあって、そこに車を置いて周辺を散歩していたのである。

田園地帯に入ると目に止まったのが、一面代かきの風景。

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あれ、今頃水を張って何を植えるのだろう。水田なら5月の連休時分にたいてい終わっているはずだが……野菜でこんなに水を入れる作物ってあっただろうか。

とか考えていると、田植えもやっていた(^^;)。やはり水田であった。

6in-4

この辺りは、みんな6月に入って田植えのようだ。植えるのが晩生品種のイネなのだろうと思ったが、よくよく考えれば関西の本来の田植えは6月初旬ではないのか? 梅雨の前に行うものだからだ。ただ、生駒ではほとんどが5月上旬に行われている。標高の高い棚田でもそうだ。あれば早稲を植えているのだろうか。

20190529_151640 生駒山暗峠付近の棚田(先月)

結局、兼業農家になると勤め人の休みに行うことが多くなり、やはり日程を取りやすい連休になるのだろう。人の都合で田植え時期が決まってしまう。だから早稲品種が持て囃される……。

ただ、この場所(正確には大和郡山市)はみんな晩生というか本来の時期を守っているらしい。しかも見かけたのは平日だが、みんな植えていたから農業優先の仕事ぶりなのだ。専業農家なのか、第1種兼業農家なのか。やはり早稲の米より、この時期に植える方が育ちがよくなる・美味い米が採れると考えているからではないか。

ふと気づいた。作物は人が必要な形に育てるものとはいうものの、植物にとっての最適時期はいつなのか。苗がもっとも活着しやすい時期は。さらに肥料の与える時期・量、その後のさまざまな手入れ、そして収穫。苗を植える時期がずれると、気温・日照などが合わず苗にストレスがかかる。肥料が少なくてもいじけるし、多すぎればぶよぶよに不健康に育つ。
大袈裟に言えば、生物的にも、生態系にも、もっともよい状態の育て方をすべきだ。それが健康的な成長ならば、食べ物だったら美味しくなるし、素材としても品質はよいと言えるのではないか。

……と、イネにかこつけて記してきたが、何が言いたいのかわかるかな?

2019/06/01

草原ジャーナリストになろう

誰もおぼえていないと思うが、私はかつて「草原ジャーナリスト」だった。いや、草原ジャーナリストになろうとしていた。いつまでも森林ばかりやってられんと思ったからである(^o^)。

でも、実際に草原生態系関係の取材や勉強ばかりしていて、それは焼畑や放牧畜産にも広がっていた。また森林とつなげて林蓄複合、混牧林業なんぞもかじったのである。草原は、生物多様性の観点からは森林より一部で高いし、実は生物生産量も森林より多い可能性がある。そして草がびっしり繁っていれば土壌流出だって起きない。災害の心配は少ないのである。

ま、イマイチ広がりが足りず、仕事も草原をテーマではあまりなく……下火になったが。
しかし、その後は「土壌ジャーナリスト」にもなった。こちらは世界土壌年に合わせて1年限定だったが、草原ともつながっていた。日本列島に広く分布している黒色土、黒木ぼく土を生み出したのは、草原の野焼きではないか、と言われたからである。土壌を見れば森林も草原も海も山も、人間の生活だってわかるのだ。。。

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というわけで、前書きが長いが、
森林の国・日本で草地は10万年以上維持されてきた ―近年の草地の激減は地質学的時間スケールで大きな出来事―

という研究が発表されている。森林総研によるものだ。

ポイントとして、以下のようにまとめられている。

日本では最近100年間で草地が90%以上消失した結果、多くの草地性生物が絶滅の危機に直面
全国的な遺伝子解析の結果、日本人になじみの深い草地性植物4種は過去10万年間にわたって国内で個体数を安定的に維持してきたことが示された
近年の草地と草地性生物の減少は、千年~万年を単位とする地質学的時間スケールでも大きな出来事

大きく意外感はない。かつて草原は国土の1割以上あったとあるが、あれ、縄文時代は2~3割が草原じゃなかったの? と思ったぐらいである(2~3割というのは、私の記憶。正しいかどうかは別)。

ともあれ10万年前からというと、あまり人為とは考えづらく、気候や火山噴火のような自然要因で草原が多かったのかもしれない。だが縄文人の居住地が広がると、森を切り開き野焼き⇒焼畑を始めたから継続したのだろうか。温暖になった西日本にも落葉樹林が残る元にもなった
そして100年前から急に草原が減ったとあるが、戦前~戦争直後は、まだはげ山が多く焼畑・野焼きも盛んだったことを考えると、本当に減ったのは戦後70年くらいかもしれない。当時の造林熱が草原を奪ったのだ。

 

私も再び草原ジャーナリストをめざそうかな。森林はともかく今の林業はつまらんし。林野庁よ、どんどん皆伐を進めろ、再造林はわざと失敗しろ、あるいはしたことにして放置しろ。天然更新に挑め(失敗するから)、そうして草原を増やすことこそ、長期視点による真の国家的生物多様性維持の深慮遠謀だ! と主張しようかな。

 

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森と林業と田舎