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森と林業と動物の本

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2019/06/18

宮崎県の盗伐現場1

先月に宮崎を訪れたのは、盗伐問題の取材であった。もちろん当地の林業事情を幅広く探ったが、あまりに盗伐現場のインパクトが強すぎてほかの情報が入ってこない(笑)。

その取材結果が、ようやくまとまった。掲載されるのはWedge7月号である。20日発売であるから、東海道・山陽新幹線を利用の際はグリーン席のポケットから抜いてください(^^;)\(-_-メ;)。いや、キオスクでお買い上げください。全国の大型書店でも扱っています。

ただ、記事にはスペースの関係で載せられなかった写真をここで紹介しておこう。

1_20

これは宮崎県国富町の現場。この小山が盗伐されたのだが……一見、緑なのだが、よつ見てほしい。スギ木立の間から赤茶けた土が透けて見えるだろう。これは、スギを1列だけ残して内部を伐っていた。おそらく発見を遅らせるためだろう。

3_11

その奥に入ると重機が走り回った無残な状況が広がっているのだが、これは作業道。昨年の夏に伐られたのだが、もうかなり崩れている。

3_10

作業道を登り切った向こう側。もう道路から見えないと思ったのか伐りたい放題。ざっと10ヘクタールほどを伐るつもりだったらしい。途中で見つかって止まったようだが、実はその後もこっそり伐っていた気配がある。ともかく荒っぽい。伐り方も道の入れ方も。枝条も、みんな谷に放り込んである。

2_22

これは切株の一つ。なんだか不思議な伐り方。受け口と追い口が同じ高さ? しかも斜めだし。

まだまだ写真はある。それにしても、こんな伐り方をしても「盗伐じゃない。誤伐」といい、「被害届は受理しない(警察)」「立件しても不起訴(検察)」なのが宮崎県である。行っているのは、素材生産業者だけでなく森林組合も。行政も止める動きが見えない。

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コメント

宮崎は、疾風怒濤の戦後の混乱期がまだ続いているのですな(大笑)

闇市林業ですか。。。ま、反社会的勢力が跋扈しているのは間違いありません。

すごいですね!盗伐しても売れるところがあるのが不思議。自分の県では考えづらいか?木材需要の拡大は一方でモラルを破壊していきますね。宮崎県林政の崩壊ですね。これは、境界情報の不明確の問題ではない。

闇崎……いや宮崎では、森林組合も木材市場も、さらにバイオマス発電所までみんな結託していますから、売り先に困らないようです。

当県でも盗木の疑いのある素材は市場が取り扱わない。
当然バイオマスも同じであろう。こうなると、原木すべてを森林認証材としなければならなくなる。皆がしんどくなるが、流れなのかも知れない。

宮崎県でも林業団体に盗伐材を扱っていないか質問書を送ったところ、ゼロだと言った直後に県森連の市場に流通していることがわかったそうです……。
誤伐材だからいい、と言い張る話もあるようですが、誤伐だって違法木材なのに。

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