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森と林業の本

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2019/06/04

ヤドリギが絶滅危惧種?

ニュースによると、京都市伏見区に群生していた「ヤドリギ」を、京都土木事務所が除去したところ、これが京都府では絶滅危惧種に指定をされていたことがわかって問題になっているという。

え、ヤドリギが絶滅危惧……? 

ちょっと驚いた。奈良では吉野山のサクラに多く寄生して問題になっているし、各所でヤドリギを見かけているからだ。それが京都ではレッドデータブックに載っていたとは。

除去したのは宇治川派流沿いの土手に並ぶ樹木に多数寄生していたもの。住民から「寄生した枝が道路に覆いかぶさり危険」「エノキが枯れる」「みっともない」などと除去の要望があったので寄生する一帯の落葉樹の枝を全て切り落としたとか。

それを組織の「縦割り」のため「環境の部署と連携がとれていない」と非難されているが、なんかカワイソウ。。。もちろん京都府という地域限定で絶滅危惧種になることはあリえるだろうが、私でもそんな珍しい植物とは思えない。

Photo_19 サクラの枝のヤドリギ

なお寄生とはいうものの、自ら光合成も行うから、正確には自立している。常緑だから宿っているのが落葉樹の場合は、冬には逆に栄養を供給しているんじゃないかとも言われている。単に宿る場所として多種の枝を借りているだけ……らしい。
それにヤドリギの実が鳥の餌になるので、生物多様性の維持にもなかなか寄与しているのだ。

もっとも、落葉した木のそこここに緑の塊があるのは、景観としてはよろしくない。また親木の光合成を邪魔しているとも見立てることもできる。実際、ヤドリギの除去はアチコチで行われているはず。

大阪の野間のオオケヤキは、ヤドリギだらけで有名だ。何度も除去しているのに枝に食い込んだ根からしつこく再生するらしい。

私は、そんなに無理せず、生やしておいてもいいじゃないか、仮にケヤキがそれで枯れたらそれも巨樹の運命よ、と書いたら噛みついてきた地元のアホがいたが、ヤドリギの葉でも煎じて飲んでほしい(笑)。ヤドリギは、そんなに悪者ではないし、巨樹は何がなんでも神聖なわけでもない。

しかし、京都府内はそんなにヤドリギがないのかなあ。移植して上げたくなる(^^;)。

1_18 野間のオオケヤキの冬景色

7_3 ヤドリギの塊

 

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