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森と林業と田舎の本

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2019/07/21

ICTもAIも、日本林業にはいらない?

フィンランドのコレクティブ・クランチという企業が、AI(人工知能)を活用した林業マネジメントシステム「Linda Forest(リンダ・フォレスト)」の開発に取り組んでいるという。

「Linda Forest」は、GISをベースにAIによって衛星画像データやセンシングデータ、気象データ、地理データなどを解析して、林業地における森林資源の樹種とその質、量を精緻に予測する仕組み。森林資源の精緻な予測が簡単に得られたら、現地調査をする手間や費用を削減でき、効率よく木材生産をその需要に結びつけられるから、材価も上がり無駄が出なくなる可能性がある。

……というニュースがあった。フィンランドの林業産出額は年間750億ユーロ(約9兆1400億円)で、GDPの4%以上。そんな基幹産業だから、最先端技術が惜しみなく投入されているなあ、という感想を持った。
ただし、ここでAIによって林業がどのように変わるかと予測するつもりはない。

先日、テレビで久しぶりに「サマー・ウォーズ」を見て~世界を網羅するネット上のOZシステムを暴走したAIが破壊する~設定に感心した。実は、初めてこのアニメを見たとき(10年前)は、OZシステムやらAIがしっくり来なかった記憶がある。現在(2009年)からかけ離れた設定だったからである。それが今回はすっかり馴染んでいた。まだ現実世界が追いついたとまでは行かないけど、それなりに「あり得る世界」と認識できるようになったからだろう。

世界の林業は、すでにICTの時代となった。情報通信技術で生産と消費が結ばれている。ハーベスタに乗りながら、木材の市況を聞いて高く売れそうな寸法に造材することも行われている。そしてAIへと進歩しつつあるわけだ。

そこでハッとした。ICTの導入どころか、日本の林業はいまだに重厚長大な巨大林業機械を信奉しているのだ。ようやく今後はドローンを活用して……なんて言っている状態。ICTの輪郭に触れた程度か。いや、ドローン活用なども研究レベルで実用的に使われている現場はほとんどない。スマホで材積計算! なんて技術も全然普及していない。一時は登場したネットの木材市場も低調なまま。

だからAIを林業に……なんて言えるレベルに達していない。入れたって使えない。いや、AIだって入力すべき情報はあるが、それさえ揃っていないいのだから、AIも匙を投げるか。境界線未確定なのは、AIでも解決してくれないよ。
だから日本の林業現場は人間力で勝負している……のではなく、現場の人間は何も考えず(考えさせられず?)お上の言われたとおりに動かされているのが現在の林業だろう。しかしお上だって、単に思いつき?勘?で計画をつくっている。

私は、そのうちパーソナルAIの時代がくるんじゃないかと思っている。パーソナルコンピュータ(PC)のように個人が自分専用のAIで情報提供や助言を受けて判断をゆだねる時代。それが日本の林業に応用するなら、たとえば林業人に個別の林業AIをセットして人が見た現場やその土地のデータを読み込んで最適の判断をしてもらう。人間は言われるがまま。人間のお上に従うよりましな林業になるかもしれない。

ちなみに小松左京の遺作「虚無回廊」(未完)には、AE(人工実存)が登場する。「実存(Existence)」である。AIをさらに発展させて、自ら「魂を持つAI」となるのだ。もう、人間いらない(笑)。

 

 

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