カルピスの日に思う台湾総統選
7月7日は、カルピスの日だそうである。とくに今年は、カルピス発売100周年。1919年7月7日に発売が始まったのである。
そして、カルピス誕生には土倉龍治郎が大きく関わっている。
その点については、2年前のYahoo!ニュースに『カルピスの日に思い出す、二人の「カルピスの父」』という記事を書いたので、ここでは触れない。ただ、台湾のコンビニでもカルピス飲料が販売されていたなあ、と思い出された。買わなかったけど(笑)。
土倉龍治郎は、台湾に大きな足跡を残している。というと、また誤解があるかもしれない。今の台湾では日本以上に忘れられているからだ。ただ確実に(見えない)足跡はある。私も、その足跡の痕跡を探して歩いた。その成果については、そのうち改めて紹介したい。
龍治郎は、台湾で林業に樟脳生産に電力開発に……と大きな事業をいくつも展開していたが、結果的にそれらを売り払って帰国せざるを得なくなった。その事情については、まだ不明確な点が多々あって、単に本家の経済的危機を救うためだけなのか疑問もあるのだが、とにかく日本の(土倉家の)莫大な資金が領有間もない台湾に投入されたことは間違いない。
そして龍治郎が、それらをすべて放棄して帰国したことが、実は三島海雲のカルピス開発・販売に手を貸すことにつながっている。妙な縁である。
台湾で留まっていたホテルの近くに、こんな車が停まっていた。
選挙カーである。日本だけでなく、台湾も選挙戦の真っ盛りだった。総統選が始まっているのだ(投票は来年だけど)。テレビを見ていると、各候補者の討論会ばかり開かれていた。この車の写真の人物は、鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘元会長だ。日本的には、シャープを買収したというか、経営危機を救った人物。彼も国民党の予備選に出ている。
せっかくだから私も見てみようと思ってしばらく待ってみたが、登場するのはまだ先のようで諦めた。別に郭氏に特別な関心があるわけではないのだが、実は私のかつての住まいの大家さんがシャープ最後の社長だったのだよ(^o^)。言い換えれば、シャープを経営危機に陥れて、鴻海に資金援助を頼む元をつくった人(⌒ー⌒)。そうした妙な縁があるから肉眼で見てみたいと思ったのだ。
そういや、富士通の半導体部門も台湾の聯華電子に売却された。日本の税金を注ぎ込んで建て直そうとしたジャパンディスプレイも台湾・中国資本に投げ売りされている。
時代は移り変わって、台湾資本が日本を買い支える……買い漁る時代になったのは、皮肉である。
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