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森と林業の本

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2019/07/04

タピオカミルクティとストロー

台湾では、タピオカミルクティーを飲んできた。日本で流行っているが、やはり原産地で味わわねば。ただし、私の頼んだのはチーズ味(^^;)。ちょいと変則か。

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タピオカを吸うには、この太いストローが必要だ。ただ、それでも詰まるから勢いよく吸引すると、ポコッとタピオカが口の中に飛び込んで喉に激突して痛かった(-_-;)。やはりタピオカはスプーンですくう方がよいと思う。

と、台湾グルメの感想を書きたいのではない。気になるのはストローだ。

このところ、ストローに対する風当たりが強い。マイクロプラスチック問題が世界的課題として取り上げられたかと思うと、なぜか矛先はストローに向いたのだ。これ、いかにもおかしい。世に出回るプラスチックのうちストローなんて、何千万分の1だろうが。あえて世間の目をそらそうとしたとしか思えない。

それに飛びついたのが、環境ジャーナリストの竹 田有里さんだ。水害被災地を取材して、間伐遅れが危険と聞き、間伐推進のために間伐材を使う商品をと考え、飛びついたのがストロー。木造注文住宅を手掛ける「アキュラホーム」に話を持ちかけ、間伐材を使用した「ウッドストロー」を開発させてしまった。
製法は、スギ材をかんな屑のように0.15ミリまで削り斜めに筒状に巻いたもの。手作業でつくっており、なんと1本50円。

本気か? 誰が使い捨てのストローに50円出すんだ。だが、いたよ。

東京・永田町の「ザ・キャピトルホテル東急」と共同で「ウッドストロープロジェクト」 として事業を立ち上げ、レストランで木のストローの使用を始めたというのだ。しかも木のストローを発表したら中央官庁や有名ホテルなどから問い合わせが殺到したという。世の中、50円のストローを使っても平気な顧客を抱える店がたくさんあったのか。官庁は税金だから痛みはもともと感じないのかもしれないが。

それにしても、一体ストロー何本分で1立米の木になるのか考えたことはあるのか。本気で間伐材の新たな使い道がストローと思っているのか。これで間伐が進むと考えているのか。いや、そもそも間伐材が売れないと誰が言った? いまや引っ張りだこではないか。バイオマス燃料として足りずに困っている。

ようするに、単に流行のストローに乗っかっただけとしか思えない。(その流行も恣意的につくられたものだろうが。)

ストローゴミをなんとかしたいのなら、回収システムを確立する方がよいだろう。多くが店で出すのだから、しっかり回収するだけで、巷に捨てられるストローは激減させられる。あるいはタピオカ、つまりキャッサバ澱粉から、生分解性プラスチックをつくり、それでストローにした方が意味あるんじゃないか。タピオカストローで、タピオカを吸い上げるのは話題にもなるし。

 

ちなみに本気で木材用途を考えるなら、国産材割り箸に力を入れるべきだ。国産材の高級箸でも原価は6円ぐらい。箸袋をオシャレにつけても20円程度だろう。そして機械化もできている。木材消費量も、ストローなどよりよっぽど多い。50円のストローをつくるぐらいなら国産割り箸をもっと増やすことこそ、新たな使い道となるだろう。新しくないのだけど。

マイクロプラスチック問題を真面目に考えるなら、ストローではなく、まともな実効性のあるものから取り組むべきだろう。

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こちらは台北のスーパーで買い物したときに購入したレジ袋。高いのだよ。6元した。20円を超える。今や台湾は全面的にレジ袋有料化を行っている。

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コメント

ストロー1本が50円。5円程度と考えていたから、驚くというよりか笑ってしまいます。
ストローが悪者になったのは亀の鼻に突き刺さっていた映像が影響しているのでしょう。レジ袋はやっている感でまずの対象として取り上げられているのでしょう。
数値でその影響を全く検証もしない単に感覚だけの思いつきだけの結果ではないかと。
これらを看板としてあげておいて、その影でより重要な規制が行われているのが本来の政策ですが、今のこの国ではこのなんの役にも立たない看板だけをそれが全てとして行う無策体制。
何か木材を利用した製品が作られたらすぐに間伐材の有効利用としてマスコミが取り上げます。どれだけの木材量が利用されるのかも検証せずに、殆どが付加価値の低い燃料としてのみ利用されている現状を問題ともしないマスコミ、どうしようもありません。

なるほど、ウミガメの映像はインパクトありましたね。

本気でプラスチックの削減をしたら困る業界がありますからね。
でも、木のストローなんて、普及することなく消えていくでしょう。ストロー自体がなくても済ませられるグッズですからね。

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