国有林の研究現場のポータルサイト
林野庁のHPの中に、ひっそり?と「国有林野事業技術開発総合ポータルサイト」がつくられたのをご存じだろうか。
これまで国有林で研究されたものを以下の5つに分類して見られるようにまとめたものだ。
〇森林整備(造林・保育)
コンテナ苗、エリートツリー、一貫作業システム、下刈省力化等
〇素材生産
作業システム、林業専用道、生産性向上、利用間伐、皆伐、バイオマス等
〇経営管理(施業方法)
天然林施業、長伐期施業、天然更新、複層林等
〇森林資源調査
航空レーザ計測、ドローン、GIS、リモートセンシング等
〇森林保全
病虫獣害対策、生物多様性保全等
何も新たに研究開発した技術ではなく、これまで全国に7カ所ある森林技術・支援センターで各々行われた森林管理に関する研究成果を、直近5年間を一括して見ることができるようにしたものだ。これまでは7つ各センターのサイトをめぐって検索しなければ見つからなかった成果をポータルサイトで横断的に見つけられるようにしたのである。
民有林を保有する企業向けを意識しているようだが、もちろん個人の林業家でも参考になるだろう。
ふと気づいたのだが、これを担当するのは国有林野部なのだな。林野系の研究機関と言えば森林総合研究所を始めとする国立研究開発法人森林研究・整備機構を連想するが、それとは別に国有林内(森林管理局・署内)にも研究する部門があったのだった。
だから最後に「国有林野事業において実施した技術開発の成果です。これらは、開発した時期・場所・気候等の諸条件に基づく結果であり、必ずしも普遍的なものではありません。」という一文も付いている(^^;)。
こちらは意外と穴場? 私もネタ探しに森林研究現場のネットサーフィンをすることがあるが、各森林管理局・署は外れていた。一応、林野庁の報道発表されているのだが、おそらくマスコミはおろか林業専門誌の記事にもなっていないし、気づいた人は少ないのではないか。奥ゆかしいというか、相変わらす広報が下手? せめて森林総研などのサイトとリンクしておくべきだろう。
だから、私が細々とお知らせのお手伝いをして上げているのだよ(⌒ー⌒)。
今のところアップされている情報は大した数ではないが、今後増やしていく予定だそうだ。なおサイトは、PDF化したときに2ページに収まるようになっている。
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