檜タイルマットの製造地は……
ホームセンターに寄ると、やはり木製品チェック。ホームセンターは消費者に直結しているから、イマドキの木製品動向を知るにはなかなかよろしい。
で、今回見つけたのは、檜タイルマットであった。
見た通り、ヒノキの板を正方形に張り合わせたものをタイルと呼んでいるようだが、これを並べると簡単にフローリングをヒノキにできます、という商品だ。裏に滑り止めのゴムも張られている。
これを見て、すぐに思い出すのか西粟倉村の「ユカハリ・タイル」だろう。スギのほかヒノキのタイルを売り出してヒット商品になっている。理屈は一緒。寸法などは比べていないが、ほぼ同サイズに見える。
西粟倉製は、パテント押さえていなかったのか。いや、簡単すぎてパテントにならなかったのかもしれないし、別の手法で張り合わせたり滑り止めを付けたら回避できるのかもしれない。
ともあれ、これを作っているのは……。裏のラベルを見る。
わはは。想定通りだった。ベトナム製。ヒノキは日本から輸出して、加工を向こうでやっているのだろう。
値段も、郵送料なども考えないといけないが、かなり安い。3分の1近く? 出来上がりは……私の目でチェックしたところは、遜色なかった。細かな加工も丁寧にやっている。ベトナムは木工王国だ。ぬかりはないと見た。
こういう事態は十分予想された。というか、私は日本のヒット(木工)商品は、遠からず海外で真似されて逆輸入される時代だと思っていた。もはや日本は、消費国であって、生産国としては落ち目なのだ。
では、これを防ぐ手だては? ないのである。特許を取れるものはよいが、単純な構造・発想の商品では該当しないし、特許を押さえる代金を支払い続けるのが厳しいケースもあるだろう。
いや、一つある。
それは、次々と新製品を出していくこと。常に流行の最先端を押さえ、同時に製造元をブランド化すること。真似する時間を与えない。似非商品が出たころには、次の商品に軸足を移していること。そのうち、次々と人気商品をつくる製造元そのものが価値がつく。それが差別化となる。
それしかないわなあ。製造品質や、価格で張り合っても勝てないよ。でも、肝心のアイデアとデザイン能力を失いつつあるのが日本の現実である。
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