インスタとカッティングボード
飛騨で見かけた木工品。
カッティングボードである。何人もの木工家の作品が並べられている。これこそが、今の売れ筋とか。
近年は高い家具はあんまり売れず小物に人気が移っている。まず器。次にカトラリー(フォークやスプーン、箸など)だった。そして、今の売れ筋はカッティングボードなのだそう。ようは、まな板なのだが……。
どんどん加工度が減っていき、ほとんど「板」やん、と思ってしまった。把手が付いているところに新味があるというか、わずかな腕の見せ所?
だが、ちょっと違った。そもそも使い道も単なる食材を切るまな板ではなくなっているのだ。
そう、この売り場の写真のように、カッティングボードの上に料理を乗せて「見せる」ものになっているのだ。従来の皿やトレイ、あるいはランチョンマットの役割を果たしている。もちろんアウトドアなどで持ち運びのできるまな板としての使い道もあるのだろうが、切った食材ををそのまま並べて食べるわけだ。
これが流行る一因が、インスタグラムらしい。つまり、カッティングボードの上に並べた料理を写真に撮るとインスタ映えするというわけ。実は切るのは別のまな板で、盛りつけだけがカッティングボードになりつつある。
だから木工家も、板に把手を付けるだけでは失格。料理を盛りやすく若干の窪みを持たせるとかの工夫もいるし、何よりデザイン的要素が重要となる。わざと樹皮や節を残したり、木目や色もこだわる。形も四角ではなくナチュラルな曲線にしたり……。センスが問われる。飛騨、高山では木工を学ぶ場が多く、そこから巣立って独立する木工家も多いわけだが、彼らにとって日常的に売れる貴重な商品アイテムになっていた。
まな板でなくカッティングボードと名を変え、役割も変え……もはや商品としても新たな存在になっている。インスタというか、画像で他人に見てもらいたい欲求が新たな商品を生み出すのか。
見習わなくてはならん業界は多いはずだ。
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