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森と林業と田舎の本

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2019年11月

2019/11/30

倒木の森遭難

この秋は、ずっと風邪がぐずついていてトレーニングというか体力づくりができなかった。

さすがにヤバイと思って少しずつ復活しようと思う(でも風邪は完全に治っていない)。それで生駒山を歩きに出た。だが、快晴の日よりに土曜日となると、どこも人を見かける。人のいないところ……と思って選んだマイナールートは、過去歩くのに難儀した道。それを逆にたどるつもりだったのだが……当初は草ぼうぼうで体中に草の実がついて難儀した(^^;)。

が、いきなり陥ったのが沼。かつても湿地はあったのだが、そこが巨大化している。数メートルのぬかるみさえ突破すればよかったのに、数十メートルの泥沼を歩く羽目になった。足元に枯れ木などを投げ込んでその上に足を置くと、今度はまた別の枯れ木を持ち上げて次の足元に置く。それを繰り返して進む。

やっと抜けたかと思ってホッとしたら、なんと次の谷が抜けていた。大雨で削られて道は流されたらしい。そこに倒木が重なっている。

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もどれん。もう一度沼を渡るのはイヤだ。仕方ないので、倒木一本一本の下をくぐったり上を乗り越えたり。しかも急斜面。いつまで続くのよ(泣)。ほとんど遭難状態。

20191130_151044 ようやく抜けた。幸いそこから道は残っていた。

……と思ったら、すぐ道は消える。えぐれている。ここ数年、毎年台風などが来ていたが、その度に大雨と大風で被害を受けたのだろう。しかしマイナーな山道を修復することなく,放置が進んでいる模様。

日の高いうちに脱出できるだろうか……と心配になったところで、送電線の鉄塔が見えた。その下に行くと、やはり道があった。しばらく行くと、いきなり視界が広がる。

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なぜか皆伐現場。なぜ、ここだけ木を伐ったのかわからない。雑木林だろうに。しかも作業道はない……。でも歩きやすくてよかった。皆伐現場に出くわして喜んだのは初めてである。

そこを抜けて再び崩れた道をたどって行くと、行きたい方向に伸びていない。完全に草木で封鎖されている。かつてたどった道は消えたか。ブッシュをかき分けて進むのは危険なので、仕方なしに道跡のある方をたどると、自動車専用道(阪奈道路)に出てしまった。なんと、車の走る道を歩くことになる。

自動車とすれ違いながら歩くのは消耗する。少々めげながら、なんとか元の位置にたどり着いた。

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今年イチバンの紅葉が見られたことが慰めか……。

こんな1日があってもいい。風邪が治ったような気がした。

 

 

2019/11/29

君は「CSF」と「ASF」を知っているか

CSF、あるいはASFとは何かを知っているか。

ほとんど話題になっていないので、ここでちょっと農水省に代わって応援広報。

今、農業畜産分野で、非常に重要な名称として登場したCSFとASFを知っておいた方がよい。ひょっとしてCLTとかFSCより重要かもしれない……。

CSFは、「クラシカル・スワイン・フィーバ ー」、ASFは「アフリカン・スワイン・フィーバー」のこと。と言っても、よけいにわからないわな。それでは「ホッグ・コレラ」は。

そう、豚コレラのことだ。現在、猛威を奮っているブタの病気である。それが野生のイノシシにも蔓延して、大騒動になっている。治療法はないから、感染が見つかったら一定地域の養豚は全部処分してしまわないといけない。またイノシシにいかにワクチンを与えるかという悪戦苦闘もさることながら、獣害駆除やジビエ供給などにも波及しているからだ。

が、より恐ろしいのはASF。こちらはアフリカ豚コレラだ。豚コレラとは別の病気で、アフリカからヨーロッパ、そして中国へと拡散し続けている。しかも、こちらはワクチンも何もない。予防法も治療法もないのだ。これらが広がれば養豚は壊滅してしまう。

ただし、この2つの病気、人間がかかるコレラとは何の関係もない。たまたま1800年代にアメリカで人間のコレラが流行していたときにブタに発生したから名付けられたという。もちろん人間には移らないし、感染した豚肉を食べても人体にも影響がない。

そこで農水省は、「豚コレラ」の呼称を農水省は改名すると言い出したのだ。人間に移るように間違われたら困るから、ということで。すでに国際機関などでは 一般的に使われているという。まあ、狂牛病(牛海綿状脳症)を「BSE」と呼び換えたのと同じ。

まあ、反対するわけでみないが、余計に何の病気かわからなくなりそうだ。アルファベットを使うより新語を作れないのか。コレラ以外の症状をあらわす日本語で。豚ころりとか(^^;)。ころりはコレラの別名かあ。ブタ熱、アフリカブタ熱ではダメだろうか。

とにかく、この病気、人間に直接感染はしなくても重大問題なんだから、覚えておこう。

2019/11/28

漆採取は林業か農業か

最近、漆が話題になることが増えた(と、私的には思う)。何かと国産漆が記事になっている。

おそらく、文化庁が文化財の修復に使う漆は国産にしろ、と号令をかけて、増産が課題になっているからだろう。何しろ年間約2,2トンは必要なのに、現在の生産量は半分ほど。2014年は645キロと4分の1まで減ったのだ。

漆の増産と言っても、まずウルシノキの栽培が必要で、そのためには苗木の生産から始めなくてはならず、そして約15年かけて育てても、漆掻きをする職人を養成しなくてはならず……となかなか道は遠い。
実は、奈良県は日本の漆の原点らしく、かつては漆部(ぬるべ)があったとかで、再びウルシノキを栽培の話もあるが、全然進展していない。植えても枯れるし、住民はかぶれるからと反対するし……。ウルシノキの栽培は、なかなか難しいらしい。

日本でイチバンの産地である岩手県二戸市浄法寺町は「漆林フォレスター」を任命したという。この名称に惹かれたのだけど(^^;)。もっとも実態としては地域起こし協力隊の一人らしい。

ここで私がふと考えたのは、ウルシノキの栽培と、そこから漆(樹液)の採取する仕事は、林業なのか、という疑問だ。浄法寺町では森林組合が取り組んでいるようだし、フォレスターと名付けたのだから「林業」と位置づけているようだが。

まず生産物は樹液である。たしかにメープルシロップのような林業的な樹液生産もあるが、イメージ的には果樹園のような園芸に近くはないか。樹木としては15年だから、これも林業よりは果樹栽培に近い気がする。作業的にも、自然に任せて育てるというよりは毎年の世話が必要で、樹液の採取作業も農作業に近く感じる。

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林業か農業かという区分は端からするとどうでもいいように思うが、実は意外とやっかいだ。

なぜならウルシノキを植える場所をどこなのかという課題がある。樹液を採取する作業を考えると平地の方がよい。急斜面だと厳しいだろう。それに成長も土地が肥えている方がよいらしい。……そう考えると農地に植えるべきだ。ちょうど耕作放棄地も増えているし……。

が、ダメなのである。農地に林産樹木を植えるのは、法律違反らしい。地目が山林でなければいけないらしい。なんともくだらない話だが、これで栽培適地は一気に減ってしまう。

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これで増産しろというのは、根本的に手足を縛っているようなもんだ。

それに……文化庁は国産漆が欲しいと言いつつ、肝心の買取価格は上げていない。安いまま増産しろというのもおバカな話である。現行価格の3倍で買い取るぐらいのことを言って初めて、ではウルシノキの苗づくりをしよう、植林しよう、そして漆掻きを職業にしよう、という人が現れるのではないか。現場の待遇をよくせずに増産をめざす点も、林業的?である。

ついでに栽培技術と樹液採取技術の再構築もすべきではないか。

現在は、15年間育てたウルシノキを一夏搔いたら、その木は切り倒す(殺し掻き)が、これはどう考えてももったいない。毎年樹液採取(養生掻き)すると、漆の品質が落ちるというのだが、それは樹木を休ませないからだろう。数年間休ませたら、またよい樹液を出すのではないか。たとえば3年間休ませるとしたら、4年毎に樹液採取ができることになる。それは苗を植えて15年後に一度採取してオシマイにするに比べて約4倍の生産にできるはず。……そんな研究は行っていないのだろうか。採取したら切り倒すというのは林業的だが、これも農業的生産方法に変えることで増産につながらないか。
さらに樹液の掻き取りも、自動化できないか研究の余地はある。あまりに原始的な採取方法が何百年も続いている。

まあ、素人考えであるが、現状のままの漆増産の掛け声は、あまりに絵空事ぽく感じてしまうのだ。

2019/11/27

「スズメバチサラバ」&『絶望の林業』5刷

ミツバチの次は、スズメバチの話題。

スズメハチを殺さずに短時間おとなしくさせるスプレーが開発されたそうだ。

高知大教授らのベンチャー企業「KINP」(高知県南国市)が開発した忌避剤スプレー「スズメバチサラバ」である。開発したのは、高知大農林海洋科学部の教授であり、この会社の社長を務める金哲史氏。

スズメバチが嫌うクヌギの樹液には「2-フェニルエタノール」という物質が含まれることを発見して、それの類似物の「ベンジルアルコール」をスプレーにしてスズメバチに噴射すると5~20分ほど飛べなくなったという。

スズメバチは農業に害虫を殺すから益虫でもあるのだから、なるべく殺さずに、おとなしくさせられたらその方がよいという発想のようだ。

実によい発想だ。スズメバチだって殺さない方が生態系を乱さないはず……でも、早ければ5分後にまた飛び始めるというのは恐い(^^;)。とりあえず人間の居住地近くに現れたスズメバチはやはり完全に駆除してほしいんじゃないだろうか……と、私は思いました(笑)。完全にいなくなってもらわないと困る。

とはいえ、記事には消防局の救急や学校が購入しているという。でも使い方としては、スズメバチが飛び交っているところから逃げ出す際に利用するべきだろう。となると、林業現場なんかでは重宝するんじゃないか。


さて、突然話題を変えるが、私の手元に届きました。

『絶望の林業』5刷目。そう、とうとう増刷もここまで行きました。

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ホント、久しぶりである。感謝。感謝。ちなみに発行は12月3日とあるが、もう配本されているはず。もし5刷を書店で見かけたら教えてください。

2019/11/26

北の国の養蜂異変を考える

先日、京都市の総合地球環境学研究所で開かれた「バイオリージョンに立脚した社会の実現と新たな農林漁業体系の構築」というワークショップに顔を出してきた。

なんか難しいタイトルなんで内容は省略(・_・?)。気になる人は、リンク先を見ていただきたい。

私は、10人の演者の中の一人、北海道中川町の高橋直樹さんの「少量多品種多用途の森づくり ~森の恵を分け合う仕組みづくり」に興味があったから参加したのである。(朝イチバンの発表だったので、私も早起きして、2時間かけて行きました。京都市と言っても北の端にあって遠い。。。)

中川町の展開する林業を、私は注目している。それは発表にもあったとおり、現在日本政府が推進している大規模化・画一化の流れから一線を画した戦略を展開しているからだ。その点は『絶望の林業』の中の「希望の林業」でもちょっとだけ触れたが、トップランナーに位置づけている。そこで具体的な現状を聞きたくて訪れたのだ。

ただ引っかかったのは、それらの構想全般ではなく、その一部、非木材林産物、養蜂の話である。
中川町は養蜂が盛んだ。「森の蜂蜜」として売り出している。正確に言えば、その周辺の中頓別から富良野までは北海道の養蜂の中心地と言ってもいいと思うのだが、そこに異変が起きているという。

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養蜂で食っていこうと移住してきた人が、上手く行かずに撤退せざるを得なくなっているというのだ。

具体的には、採蜜の量からは十分自活できると睨んでいたのに、肝心の蜜が高く売れなくなったから。そして、価格下落の原因は、蕎麦の蜜・花粉が混ざってしまうからだという。蕎麦の蜜は、日本では好まれないのだ。(海外では、むしろ蕎麦蜜は高い値がつく。)ほかの蜜に蕎麦が混ざるだけで価格が落ちてしまう。

そんな日本人の嗜好自体がオカシイとも思うのだが、由々しき事態である。

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その原因は、急激に蕎麦栽培が増えたこと。農政のプロジェクトが始まり、蕎麦に補助金が出るようになって栽培面積が激増しているらしい。

農業収入を上げるために始めた蕎麦栽培(補助金目当てだと意味ないが)が、養蜂を圧迫するというジレンマ。いやはや、人と森の生態系は複雑で何がどう影響するのか読みきれない。


私は養蜂に関心がある。銀座で養蜂をしている同姓同名の田中淳夫さんだけでなく、私自身も養蜂もしくは受粉昆虫としてのミツバチに注目している。それどころか来年2月には、なぜか無謀にも研究者と養蜂業者の集まりであるミツバチ科学研究会で講演することになってしまった。何を話すか今から悩んでいるのだが、この北国の養蜂事情も取り入れたいところである。

さて、午後はワークショップを抜け出して、日本生態学会の事務局へ向かった。……と言っても事務局に用事があるのではなく、家主とだべっていただけ(^^;)。そこに巣くう魔性のネコも見たかったのだが、姿を見せなかった。

 

 

 

 

2019/11/25

Y!ニュース「けものフレンズは絶滅動物を救う~」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「「けものフレンズ」は絶滅危惧動物を救う~動物アニメや動物園の意外な効能が見える化された」を執筆しました。

実はネタ探しの過程で、いくつかの研究ネタサイトを回った。そして「ネイチャー誌」の研究に一つ、森林環境関連のネタを見つけた。これで何か書くか……と考えたのだが、イマイチ面白みがない。

それで「日本の研究.com」を見ていると、この「けものフレンズ」ネタを発見。これはオモロイ、とあっさり決めた。研究規模だとネイチャーの方が大規模で国際的なのだが、ここではオモロイかオモロナイかが分かれ目。

日本の研究現場の疲弊がよく語られるが、こうした「けものフレンズ」アニメを研究テーマに取り上げることができたのは、まだ日本の現場に多少の余裕がある証拠だろうか。こうした研究をいっぱいすることが肝心だと思うのだ。さもないと、本当に重要な研究に近づけなくなる。
今回のは、結果は極めて順当というか当たり前の帰結だったが、そのうち仰天結果につながるかもしれない。その結果が、とてつもない理論を構築するきっかけになるかもしれない。

私は、ノーベル賞よりイグノーベル賞の方が好きだが、イグノーベル賞は日本人研究者が常連化している。欧米だと研究させてもらえないようなテーマに、わりと日本人は取り組んでいるのだ。もちろん現状を見ていると、どんどん窮屈になり、そのうちイグノーベル賞につながるようなオバカな研究ができなくなるかもしれない。その時こそ日本の没落の始まりだろう。

 

ちなみに、この記事のためのビジュアルを探した。「けものフレンズ」の画像が使えたらイチバンなのだが、著作権フリーの画像はなさそうだ。そこで動物園の写真を探したのだが、私はわりと各地の動物園に行っていることに気づく。手元には4つの動物園の写真があったよ。
ただ、動物だけの写真は面白くないね。それを見ている人間も一緒にいる写真はあんまり撮っていなかった。

ところで動物園を訪ねるのは、たいてい一人(^^;)。ちと寂しいというかみっともないから、誰がつきあってくれ。

 

2019/11/24

合板のお値段

ホームセンターを覗くと、合板が売っていた。ここは、プロの業者も仕入れに使っているらしいので、わりと工事現場で見かけるような建材も並んでいる。

ふと気になったのはお値段。

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違いはわかるだろうか。1枚1180円なのは、針葉樹合板。ま、スギなど国産材で作られた合板だ。
そして1350円なのは、ラワン合板。熱帯木材を原料とする合板だ。多くは違法木材使ってンじゃねえかと言われている。

この際、合法か違法(グレー)かは別として、値段では国産材合板の方が安いんだねえ。

かつて南洋材は安い、というのが評判だった。そして国産材は高い、外材は安い、というイメージがあった。今でもそう思っている人は多いだろう。だが、原木価格で逆転が始まり、さらに製材品でもすでに国産材の方が安くなってきている。そして、合板でもはっきり示された。

もちろん、合板の値段は原木だけでなく製造をどこで行うか、そして市場での引き合い、流通、仕入れ量……など複数の要因が絡んでいるのだから、価格差もその度にどう動くのかわからないが。
ちなみに合板はラワン製の方が優れているのは間違いない。節も年輪もないから樹脂も出ないから。表面もきれいだ。

でも、国産材合板が安いのはよいことだ。それによって需要が国産材に流れるなら、南洋材合板は売れなくなる。グレーな木材の需要を減らすことになるのだから。

2019/11/23

紅葉とススキ野

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冒頭の写真を見ると、なんか深山の紅葉に包まれる隠れ寺ぽいが、実は私の地元の宝山寺。ほとんど歩いて行けます。ま、車で行ったけど。これは多宝塔だが、ちょうど紅葉の合間から見えるベストアングルを見つけた。

秋の風景といえば紅葉が定番だが、もう一つの見所はススキ野だろう。私は、白い穂が風になびく風景は一見の価値がある。

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奈良にもススキの風景はいくつかあるが、ここは意外と知られていない、しかも交通至便な名所。

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平城宮跡でした。大極殿や朱雀門の周りはススキ原なのだ。もちろん紅葉している木々もある。平坦でのんびり散策するにはもってこい。多少、工事中のところもあるが。
それにススキの原っぱの中では、ちゃんと発掘もやっているよ。今度は何が出るやら。

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発掘遺構館もあるし、古代史に触れながらススキや紅葉を目にするのは、なかなか楽しい。しかも人があんまりいないのも嬉しい(^^;)。

2019/11/22

セミ終活で捨てる資料

近頃、セミ終活、プレ終活を始めている。

まだ完全な終活をするには早すぎると思うが、少し身辺整理(^^;)をしようという意味だ。なにしろ自宅兼仕事場には、本などが溢れている。それを少しずつ片づけたい。最近はマスコミで孤独死などが取り上げられるようになったが、その場合に映し出される家は物があふれて遺族の片づけが大変という状況。自分はああはなりたくないな、と思いだしたのだ。いやいや生きていても、あんなゴチャゴチャの家には住みたくない。私も急死するかもしれないし、身の回りのブツを減らそうというわけ。断捨離、とは少し違う、身軽になりたい気分。

とりあえず本を減らすことにした。と言っても、当分仕事は続けるので、仕事にかかわる資料としての本は処分できない。そこで、まず読み返すことのなさそうな小説から片づける。段ボール箱30箱ほど出した。さらに読んでも中身の記憶に残らなかった本……。かれこれ何百冊を処分したことか。

次に手を付けたのが資料類。こちらは慎重に選ばなくてはならない。もう仕事にしないテーマを外していく。地域起こし系はもういらないと決めて大量処分した。雑誌も、自身の記事の掲載誌は複数送られてくることが多いが、1冊だけ残して残りは出す。さらに掲載ページだけを切り離して残りを処分。

そして今回は冊子類に手を付け始めた。仕事がらみではあるが、もう使わない・内容が古すぎる各種の紙資料が多すぎる。報告書だったり冊子だったり新聞の切り抜きだったり。じっくり読めば貴重な論考もあるだろうけど、それをチェックする余裕がないし、今から10年20年前の資料は、もう使えまい。また廃刊になった幻の雑誌、市販していなかった某専門誌なども10年分以上溜まっているが、目を通すことはないので処分することにした。

廃棄を決定する時は、若干惜しい気がするが、処分し終わると、意外と快感。過去を捨てるのは心地よい、て大袈裟か。

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でも、それらを段ボール箱に詰めていると、新しい雑誌や資料が届くんだよねえ(^^;)。結局、荷物を減らすというより増えないようにするのが精一杯か。来年からは、林業雑誌も講読を止めよう。

いつか本気の終活を意識したときは、私の森林関連資料を一括して寄付できるような図書館を探しておこう。

 

2019/11/21

次は森林組合法?

ここ数年、森林経営管理法に国有林管理法改正、森林環境税(および森林環境譲与税)……と何やら森林関係の法律が次々と新設・改正が続く。中身はないけどクリーンウッド法もできた。もう打ち止めか、と思いきや、また出てきましたね。

森林組合法改正案が。

林野庁は、改正案のたたき台を自民党林政対策委員会に出したようだ。来年の次期通常国会へ法案提出をめざしているという。おそらく、たいして修正もないまま通るのだろう。野党にも、反対意見を出すほど林野政策に精通している議員は思い浮かばない。

目立った内容は、まず森林組合間で事業ごとの譲渡や分割をできるようにする点。そして事業の一部をほかの組合に譲渡したり、組合同士が特定の事業分野で広域連合体を新設したりできるようにする。

理事に経営能力のある人材を配置する、とある。具体的には組合理事会の中に販売や経営の能力を持つ理事を1人以上置く、年齢や性別が偏らないよう配慮することも明文化する……というものだ。

ようするに、新たな事業展開ができるよう経営の自由度を高め、「しっかり儲けろ」ということのようだ。森林経営管理法や森林環境譲与税絡みで新たな仕事が生まれるはずなのに、今の森林組合では受け皿になれるかどうか心もとないから改革しようというわけである。

……でも、なあ。経営能力のあるなしを、どこで決めるのよ。森林経営管理法のように、木材生産量を増やせたら経営能力あり、とみなすのか。経営感覚も大切だけど、森林の将来に対するビジョンを持った人材はどこにいるのか。
かつて某森林組合が、外から招き入れた参事が改革を唱えたものの、緑の雇用事業で雇い入れた移住者組を全部首切って裁判ざたにまでなったことがあった。そして、結果的に参事の使い込みがバレたこともあったな。

 

組合は全国に621あり、組合同士の合併はすでに可能だが、あまり進んでいない。たとえば奈良県では、農協が早い時期に全県単一になったのに、森林組合の合併はほとんど起きなかった。市町村が合併しても、組合は別のケースも多い。下手に合併したら、隠れ赤字を背負わされたり、逆に自分らが抱えるドル箱を奪われる恐れがあるので、疑心暗鬼状態なのだろう。

森林組合は、改革というより作業班を切り離して独立させた方がよいのではないか。培った森林整備の技術を新たなビジネスに活かせることもあるはずだ。販売事業も独立させて、森の商品化を進めて展開したら面白いと思う。組合は、窓口業務と調査業務、組合員の渉外だけに絞ったらどうか。まあ、新規事業を展開できる人材が見当たらないのが問題なわけだが。

決め手となるのは、補助金をどんどん減らすことだと思う。補助金に頼るからビジネス感覚が生まれない。頼れなくなったら、イヤでも改革しなければならない意識になる。そして切磋琢磨したら、残れるところは残るだろう。
これは実例があって、小泉内閣の時に補助金をどんどんカットしたら、森林組合も目の色変わって新しいことを始めたことを私は見ている。そして第1次安倍内閣になった途端に補助金が復活して、改革気運は雲散霧消したのである。

危機感がもっとも改革の原動力になる。危機感を持たせるには補助金カットが一番。

2019/11/20

つわものどのの夢のあと……

風邪が長引いている。かれこれ1か月ばかり、熱こそ出ないが咳やくしゃみ、鼻水に悩まされている。それも波状攻撃みたいで、最初は咳だったのが、今や鼻水。
そのため安静にしていたのだが、治らないと、運動しないのがいけないのだ! と逆切れ?した。

それで森歩きを再開。森の中で空気を吸っていたら森林療法的に風邪も治らないかという希望的観測だ。

とはいえ、あまりきつい山登りとか道なき道を分け入るのは遠慮して、なだらかな道を選ぶ。人気がなく、木々に覆われているところを歩いて、ときおり深呼吸。
そんな道では、よく鉄塔に出くわすのだが、その周りの柵には、さまざまな植物が繁っている。それを刈り取る作業も定期的に行っているらしい。

で、こんな光景を目にした。

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木が食い込んで、全部撤去できなかったみたい。私など、つい木の側の気持ちになって、せっかくここまで柵に食い込んで成長したのに……と「もののあはれ」「つわものどもが夢のあと……」「諸行無常」の響きを感じてしまった。

 

2019/11/19

スタジアムの木の座席

ウノスタ、釜石鵜住居復興スタジアムがAgrio(電子農業誌)の記事になっている。私のYahoo!ニュース記事と似ている(^^;)。

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折しも、ウノスタの木の座席の写真をください! と現地を訪れた人に頼んだらたくさん撮影して送ってくれた。

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そうか、こんな座席か(^_^) 。早くも日焼けして、しっとりした色合いになっている。座り心地の評判も上々のようだ。

ところで気になるのは、先日誕生した東京オリ・パラで体操やボッチャの会場となる予定の有明体操競技場。ここにも木の座席が設えられたという。それについてのルポが、日刊スポーツに載っていた。

客席少々痛めクッション持参も/五輪体操会場体験記

この記事、いつまで読めるかわからないが、木の座席についての部分を引用しよう。

実際に客席にも座ってきたが、「少し痛い」が率直な感想だ。

10月25日に完成し、一番のウリは大屋根や内観に使用された木材。使用量は2300立方メートルで、20年大会に向け建設される競技施設では最大となる。1万2000人の客席は国産のスギが使用され、ベンチタイプ。大会後にはスタンドは撤収され展示場となるため、スポーツ観戦では珍しいタイプで、席は薄い板で約39センチ幅で仕切られている。

実際に座ってみた第一印象は「硬いな」。木材なので軟らかさはなく、長時間の観戦ではお尻が痛くなってきそう。肘掛けはベンチの端に設けられるため、ない席では寄り掛かって体重を逃がせない。クッションなどを持参してもよさそうだ。直角に据えられた背もたれは約20センチの高さだが、ちょうど腰骨に当たるため、もたれると背中が痛い。一昔前の深夜列車「ムーンライトながら」も直角の背もたれで、長時間の乗車では寝られずに苦労させられたが、そんな記憶を思い出した。

率直な感想だ。写真を見ても、これは「座りにくい」。座面と背もたれが垂直で、しかも高さがないからもたれられない。ウノスタのベンチは丸く成形されているし、若干の角度がつけられているから素直に座れるだろうが、これでは前かがみにならないといけない。

木をたっぷり使った競技場を売り物にしているのに、これでは興ざめだ。設計者はどんなつもりでこんな座席にしたのか。「どうせ木だから」とでも思ったか。

本丸の国立陸上競技場でも木のイスになるはずだが、果たしていかがなものか。

2019/11/18

日刊ゲンダイの『絶望の林業』書評

日刊ゲンダイに『絶望の林業』の書評が載ったようだ。(11月16日)

私の手元にはないが、ネットでも公開されたので読むことができた。最後は、このように締めくくられている。

「著者が繰り返し指摘するのは、森林という生態系を経済的効率でコントロールすることは不可能だということだ。もし、希望を託すとすれば、木材、動植物に限らず、水や空気といった森林空間が生み出す全体的な生産物を持続的に維持していくことだという。ここで問われているのは林業を超えて、日本社会が抱える構造的問題である。」

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夏前まで日刊ゲンダイに連載を持っていたうえに、出版時には社長宛に送ったので載らないかなあ、と思っていたのだが、11月になって載るとは(笑)。おそらく立て込んでいたのだろう。

実は、私は過去、日刊ゲンダイの大阪版で書評欄を担当していたことがある。当時はなんとか東京版との違いを出そうとしていた頃で、本の紹介も独自に、それも関西の出版社の本を紹介しようじゃないか! と志高く始めたのである。
なかなか大変だった。そもそも関西の出版社の出版した本がどこにあるのかわからない。取次店にお願いに行ったり、いろいろ工夫してようやく届くようになった。すると、大変。毎週1冊紹介するから月に10冊ぐらい来れば……と思っていたら、時に何十冊となり山積みになる。私一人で読むのも大変。どんどん発行日から掲載日までの月日が広がっていくのである。(もちろん全部紹介するわけではないが、選択と読解に時間がかかる。)

しかし書評用に読んだ本は、今でも内容を覚えているものが多い。当時は記憶力があった……いや、真摯に読んだからだろう(^^;)。

その際に感じたのは、関西の出版社はおとなしいところが多いことだった。大阪的にガツガツ来るか、グイグイ売り込んでくるかと思いきや、みんな引っ込み思案(もちろん京都や神戸の出版社も含めて)。書評に出版社の紹介も少し入れる構成だったが、訪れると小規模というより、なんか斜に構えた感じ。今風に言うとこじれてる(^_^) 。その点では、東京の出版社の方がよほどガツガツ、グイグイ来る。

現在の出版不況を考えると、当時の会社はと生き残っているかなあ、としみじみするのである。

あ、『絶望の林業』の書評からはすっかり離れてしまったね(^_^) 。

ちなみに同日に西日本新聞社の書評欄にも載った。こちらは過日、北海道新聞に掲載された書評と同じである。

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2019/11/17

NHK「木を伐る民」は何本大木を伐ったか?

これ、全国放送かどうか知らないが、今朝のNHK「小さな旅」という番組で「木を伐る民~奈良・吉野」があった。
実は奈良県内では昨夜も放送されたし、また再放送があるらしい。
再放送 毎週月曜 午前11時05分 (一部の地域を除く)
再放送 毎週土曜 午前5時15分

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短い素朴な旅番組だが、いきなり伐採シーンが続く。桶をつくるシーンもあるが、チョー大木の柾目の板ばかり。

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どれもこれも、大物揃い。150年生から200年越えの大木ばかりが登場する。最後は240年生のヒノキだった。直径も1メートル近くのものが多い。

こんなのを見ていると、首里城の再建に使う材は、ここに十分あるんじゃね? と思ってしまった(笑)。

 

 

2019/11/16

コンフォルト」171号は国産広葉樹の特集

本日届いたのはインテリア雑誌、隔月刊「CONFORT」171号

特集は、表紙に「インテリアには木を使いたい」とあるが、その中でも注目は「ほんとうは、もっと使える国産広葉樹」である。

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なかなか私好み。というか、私が『絶望の林業』も含めて幾度か唱えてきた「木を使うなら見た目」であり、広葉樹材こそ利益率が高く、本当の「儲かる林業」であることを示す事例が多く掲載されている。(目次は、リンク先へ。)

面白いのは、これまでなら使えないような穴あき材や虫食い、黒芯、そして里山の雑木などの材を、どうどうと「これがよい材」として紹介していることだ。

折しも今日は、某林業家から電話があって、先日伐ったトチの木の大木(長さ8メートル)が立米75万円で売れたよ、という報告をいただいたばかり(笑)。1本500万円超である。

何もこんな銘木ばかりを扱えというわけではないが、明らかに量の林業とは違う世界が広がっている。

 

2019/11/15

林野庁HP「森林の多面的機能に関するQ &A」

林野庁のHPに「森林の多面的機能に関するQ &A」なるページが作られていた。

よくある、森林に関する環境面に関する質問に対して、科学的な説明を一括して行ったと言ってよいだろうか。各種論文の要旨がずらりと並んでいる感じ。それぞれの項目の分量は膨大なので、本気で目を通そうとするときついよ。学者の文章だから覚悟がいるけど。

ちなみに、冒頭にはこのように記されている。

このQ&Aは、学術的知見の検索を目的として作成したものです。引用されている文献は、平成28年度森林整備保全事業推進調査(受託者:一般財団法人林業経済研究所、文献収集期間:平成26年度~平成28年度)により取りまとめたものです。

Q&Aにおける回答内容は、限定された条件下における見解も含まれるため、回答内容を参照する場合は、必ず学術文献の原典の内容を確認するようお願い致します。

また、本Q&Aの著作権は林野庁に帰属しますが、Q&Aにおける回答内容は林野庁の公式見解として整理されたものではありませんので、取り扱いにはご注意をお願い致します

1. 森林の多面的機能の一般的事項 Q&A(PDF:314KB)
2. 水源涵養機能 Q&A(PDF:2,398KB)
3. 土砂災害防止/土壌保全機能 Q&A(PDF:1,521KB)
4. 快適環境形成機能 Q&A(PDF:1,843KB)
5. 生物多様性保全機能 Q&A(PDF:2,342KB)

Q&Aの作成体制

森林研究の結果を濃縮したようなものだから、もし森林の多面的機能を論じたいときは目を通すとよい。意外と世間の常識とは反対のことも書いてある。

ただ、それでも私は、一読してなんだか妙な気になった。大半の項目の質問は「間伐の実施は」で始まり、その後、「枝打ち」や「皆伐」なども登場するが、それぞれの実験結果の事実を羅列しているように見えて、その文章の読みにくさが「だからなんなんだ」と感じさせてしまうのだ。たとえば皆伐したらいいの?悪いの?という結論部分が両論併記で曖昧になっているからだろう。

もちろん科学的に計測されたデータ結果と結論を否定はしないが、いみじくも上記に「限定された条件下」など逃げ道も記してある。ただ現実には、いい加減な間伐が森林を傷つけ劣化させているケースも少なくない(そこは「良好に実施された間伐は」といった言葉遣いで逃げ道を作っている)し、間伐しなくてもよく育つ健全な人工林だっていっぱいある。
良好に実施された間伐と、現在増えているいい加減な定量的な間伐の違いを明確に示さないから机上の空論ぽく読めるのだ。

それでも一般的な常識に対する「否定的な事例」も紹介されているから、じっくり目を通すことをお勧めする。

 

2019/11/14

『絶望の林業』5刷へ

情報は自分から取りにいくものだが、有り難いことに最近は私の元にさまざまな情報がもたらされる。

林野庁の雑誌「RINYA」に、「釜石鵜住居復興スタジアム」が紹介されていますよ、という連絡も来た。

私は、Yahoo!ニュースに釜石スタジアムの木製座席は「第2の釜石の奇跡」だった

を書いたが、肝心のウノスタを見たことがないことを心配して(笑)教えてくれたのかもしれない。たしかに、どんな木造スタジアムか知らないのだが、これで全景がわかった。

そして、こんなサイトを教えてくれた人もいる。

日本最大の図書館検索カーリルである。ここで『絶望の林業』を検索したら、貸出中が多いですよ、という案内。

これ、なかなか面白い。貸出中かどうか以上に、どこの図書館が『絶望の林業』を置いてくれたかわかる。東京は81の図書館だ。ちなみに奈良県では9館。(ちょっとしょぼくねえ?)そのうち生駒市と川上村が含まれる(^o^)。

全国の図書館数は約3300。これらが1冊ずつ購入してくれるだけで、3000冊は売れることになる。林業の本というマニアックさを考えると、結構な影響力があるはず。

また初刷と4刷の背表紙を見てほしい。

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微妙に違うのがわかるだろうか。左が初刷、右が4刷である。

帯の文字が4刷の方がわずかに太い。なぜ変えたのかというと、書店で背表紙が棚に差してあっても、背表紙が目立たないという意見が寄せられたからである。だから、帯の色を赤くするか? と思ったのだが、デザイナーがさすがにイヤというので文字を太くしたとか。寄せられた意見が反映されることもあるのだ。

なお16日の西日本新聞に書評が載るという情報もある。まだしばらく広がっていくと信じたい。

というわけで、本日、『絶望の林業』5刷が決定しました! ありがとうございます。

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久しぶりに書影を張っておこう。

2019/11/13

女性に頼まれたら……「中島彩、テレビ出演」の件。

私、どうもある種の女性に弱いのである。何か言われたら断れない……そういう女性が何人かいるのである。

一人は、娘。娘が帰省時の送り迎えはもちろん、飲み会までもアッシー君を務める。さらに「チーズケーキ食べたい」と言われたら、朝から必死になってチーズケーキを売っている店を探して走り回る。

それから『絶望の林業』の担当者。「ここ、オカシイ」と指摘されたら、「はいはいはい」と言って、すぐ直す。「増刷するから、明日までに直しを」と言われれば必死に間に合わせる。

そして……中島彩さん。10年に及ぶおつきあいです。

今回、こんな要望が。
私事ですが30分のドキュメンタリー番組に出演致します。」とのこと。つまり

この番組を見なさいとな。そして「興味ありそうな方がおられれば、お伝え頂ければ」とな。……いやあ、そりゃブログで告知するのが一番早いでしょ(^o^)。

セブンルール
関テレ・フジテレビ系(全国放送)
11/19(火)23:30〜予定

中島彩偏

このサイトの予告編によると、フラダンスも踊るらしい(⌒ー⌒)。楽しみにしよう。まだ日があるので、忘れないように録画予約することをお勧めする。私はしましたぜ。


なお、この日サッカー放送の影響で試合が延長すると、23:30より遅くなる可能性もあるそう。

 

2019/11/12

四手井綱英氏を「殺した」……

四手井綱英・京都大学名誉教授の『森林はモリやハヤシではない』を、たまたま古書店で見つけた。94歳の時の出版である。

私が林学に興味を持ったのは四手井氏の本を読んだからなのだが、この本は知っていたが今まで読んでいなかった。それで手にとったののだが……。

その中に「私は二度殺された」というページがあった。短いエッセイだが、いやな予感がして、そのページを開いた。

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これ、一度は私のことだ……。

20年以上前に『「森を守れ」は森を殺す!』を出版した際、初版が上がってきてすぐに気づいた。四手井氏に触れた部分に「故」を付けてしまったのである。まだその頃は、80代始めではなかったか。すぐに謝りの手紙を書いて、謝罪にうかがった。ちょうど会った場所(イベント会場)が畳の部屋だったので土下座した(-_-;)。

実は、執筆中に中尾佐助氏が亡くなっていたのである。四手井氏と並ぶ「今西錦司のベンゼン核」と呼ばれた学者の一人。私も取材に行ってお会いしたことがあって気にかかっており、その影響か四手井氏に「故」を無意識に付けてしまったらしい。そして校正も通してしまった。

冷や汗の思い出であるが、それを本人がエッセイに書いているとは思わなかった。ああ、今も冷や汗が出る。
でも、この記事によると、朝日新聞も「殺していた」らしい。少し気が紛れる(^^;)。

もう四半世紀前の恥ずかしい思い出を今頃振り返ることになるとは思わなかった。はぁ~。

その四手井氏は2009年11月28日に亡くなった。ちょうど10年経つか。今は「故」を付けてもよいわけだが、もう付けません……。

 

 

2019/11/11

大台ヶ原の森林鉄道と土倉道

先週金曜日、8日のBS1の番組「大台ヶ原山 幻の森林鉄道跡を探せ」を見た。

これ、なかなか凄い番組だった。紀伊半島に広がる森林鉄道跡を追いかけたのだ。なんと大台ヶ原の山頂近くまで鉄道は伸びていたという。もちろん森林伐採と木材搬出のためである。

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なんと総延長は150キロにも及び、その標高差は1000mを越える。もしかしたら日本一かもしれない。私も各地の森林鉄道は見たり資料で読んできたが,これほどの規模は聞いたことがない。なんと途中にインクラインで傾斜30度以上の谷を登り下りし、さらに索道をかけて山と山の間をつないでいる。大正年間につくられて、戦後の一時期まで使われたようだ。

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これほどまでに山を切り開いたのか、と別の意味でも感心する。そして、現在歩く人の背景に、チラリと皆伐跡が映るのだが、それは現在も伐採していることを示している。

ところで気になるのは、こんな鉄路跡。

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なんか、記憶のある……そう、これは土倉道そっくりではないか。

実は吉野から大台ヶ原と大杉谷を抜けて三重の船津まで続く道を開いたのは土倉庄三郎だ。そして牛を使って木材を運んだ。つまり、大台ヶ原周辺の森林開発を始めたのは庄三郎であって、それを船津街道と呼び、完成後は国に寄付している。番組で紹介した大杉谷森林鉄道も船津から大台ヶ原への道だった。おそらく大部分は土倉道を利用して作られたのだろう。番組では触れていなかったが、まったくゼロから鉄路を開いたのではなく、先人の木馬道などを改築したのだ。

土倉道研究、やりたいと思いつつ手つかずだが、三重県側も含めて誰か挑戦しないか。

 

なお番組は明日12日午前10時と17日午前11時から再放送があるようだ。気になる人は要録画。(この「奇跡の絶景ストーリー」シリーズは、どれも身体張って作っていて面白い。)

 

2019/11/10

Y!ニュース「首里城復元に使うべき木材はスギだ…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「首里城復元に使うべき木材はスギだ。琉球の歴史をひもとけば見えてくる木材事情」を書きました。

いやあ、まいった。首里城復元の方法が議論されているので、私もイッチョカミしようと、「CLTでいいやん?」とか書いてやろうかな、と思いつつ念のため、琉球王国当時の木材事情を確認しようと、江戸時代初期の宰相・蔡温と「林政八書」の内容を調べだしたら、いやはやハマってしまった。そして薩摩が原木2万本提供というネタまで見つけてしまった。これは面倒になった、と感じた(^^;)。

おかげで方針転換。復元木材はスギ! と決めつけたのである。(タイトルにそう書いたのは失敗した。)

とはいえ、直径1メートル級のスギだって、そんじょそこらにはない。全国では屋久杉並の天然スギか、神社のご神木クラスだろう。日光の杉並木とか、伊勢神宮の境内林とか。。。。だが、ある。吉野にはある。樹齢200~300年のスギ(ヒノキも少し)がごまんとある。いまだに見渡す限り巨木が並ぶ森がそこここにある。もちろん人工林だ。つまり伐って使うために植えられた木々。トレーサビリティも環境負荷も心配しないでよい。スギの大径木をまとまった量を出せるのは吉野ぐらいのはずである。

 

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吉野で見かけた切株。直径1mを優に越えていた。

つまりスギ材で首里城復元をうたえば、業者は吉野に原木調達に走るだろう。私も可能なら空売りしたいぐらいだ(笑)。
もちろん所有者が伐採を了解するかどうかは別。しかし、最近では川上村の300年生のスギ林を伐っている。その一部は明治神宮の鳥居をつくるために使われるそうである。この林地は立木一代限りの契約だったらしく、伐らねばならなかったようだが…。(伐った後の跡地の再造林が決まっていないと聞く。こちらも気になるが、まさか放置はしないだろう。)

もっともスギばかりではなく、沖縄のイヌマキも一部でよいから使ってほしいものである。

そして、地震にも火災にも強いCLTもよろしく。

 

 

 

2019/11/09

日経新聞に『絶望の林業』書評!

昨日の本欄に、もう「書評は出尽くした」と書いたばかりなんだが、「日経新聞に書評が出ているよ」というお知らせが。

あわてて図書館に走りました(^o^)。そしてコピー。

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これはこれは、わりとデカいスペースではないか。ちなみにネットでも公開されている。

一読、なかなか難解(^o^)。何回も読み直す。(しゃれではない)

しかし、日経読者はその難解さをものともせず読み解き、購入に走ってくださっている。その証拠に、Amazonの順位がいきなり上がった。

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このところ2000番台だったのが、いきなり167位だよ。ノンフィクションで30位とは、最高記録かもしれない☆。

さて内容は、日経だけあって?経済的用語が多い上、評者は岡田秀二岩手大学名誉教授とあって、目のつけどころが違う。

私が前書きで一度だけ使った「バックキャスト」という言葉に注目したようだ。それがタイトルにもなっている。ようは、理想の形を描いて、そこに到達する道筋を遡って考えるという意味だ。現在の状況から改革を積み上げて行くのではない。

もともとは、現状を知れば知るほど絶望するしかなく、現在の林業に何を積み上げても無駄、という私の諦観から来るのだが。そして道筋は一つではなく、各地の林業事情に合わせて自分で考えなさい、という意味も込めた。現在の林業関係者が、あまりにも自分で考えずに、他者が少し上手く行った事例を探したり、海外の指揮者の意見に飛びついて真似るだけ(そうして失敗するだけ)であることを皮肉っている。真似るのではなく、新たなアイデアを創出すること。それがイノベーションだ。

これからは、「ウォームハートの森林ジャーナリスト」を名乗ろう\(^o^)/。

 

2019/11/08

『絶望の林業』平積み店

今日は大阪に出る用事があった。

用事は早々に済んだので、それからやること。……久しぶりの書店周り。そこでの目的は、『絶望の林業』を平積み店を探せ! だ。

実は、『絶望の林業』が出版されてから、私は書店で見つけることはできても1冊、せいぜい2冊までで、それは棚に背表紙を見せているだけだった。表紙が見えるように置くことを書店用語で「平積み」という。棚に表紙を見せて立てる場合もあれば、棚前の台に積み上げることもある。

これを私は見ていないのだ。東京ではあるというのだが……。

最初はマイナーなテーマの本だし……(泣)と諦めていたのだが、増刷を重ねているんだから、そろそろ平積みされてもいいんじゃね? と思っているのに、私の行く範囲の店では見当たらない。

そこで今日は満を持して(^o^)、紀伊国屋書店梅田店に行く。ここは全国でもっとも売上の大きな書店とされる。ここでなければ……。

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ありました! それも書店子の手書きポップ付き。「再入荷」とあるのは、多分2度3度と品切れて発注をかけてくれた証拠。もしかしたら客注文かもしれない。ぜひ、書店でなければ店員に声をかけよう。その声が再入荷を実現する。(と言ってる私は、店員に声をかけられずにウジウジしつつ一人にんまりしていたのだが。)

次に難波のジュンク堂書店に行く。

ありました。ほっ。

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こちらは、部数が多いぞ。この書店は、規模はデカいが、あるのは駅前(四つ橋線難波駅)だけど繁華街というより穴場のようなビルの3階。1、2階はホームセンターなのだ。みんな押しかけてほしい。

ともあれ、書評は出尽くしたようだから、今後は口コミが頼りです。

2019/11/07

ダイハツ・ロッキーの思い出

ダイハツからロッキーという小型SUVが発表された。

1471619 ダイハツHPより

ダイハツの車としては、テリオス、ビーゴに続くSUVという位置づけだろうか。私的には小型SUVというのは好みのカテゴリーなので気になるところだが、それが今回の趣旨ではない。私の脳裏に引っかかったのは、ロッキーという車名である。

実は、ダイハツは過去に同じくロッキーという小型クロスカントリー車を発売している。位置づけはスズキのエスクードと張り合うつもりだったのか。初代ロッギーの外観は、むしろジムニーに似ている。性能的にも本格的なクロカン車だった。(馬力はないけど……。)

Daihatsu_rocky_001 Wikipediaより

あまり売れずに姿を消したので、知っている人は少ないと思う。しかし、私にとっては思い出の車なのだ。

と言っても私の車だったわけではない。運転したこともない。助手席に乗ったのも、パプア・ニューギニアのニューブリテン島(ラバウルのある島)タラセアという小さな町だ。

ここを訪れたのはもはや30年以上前になるが、タラセアから舟(乗合カヌー)で半島先のブルムリという村に向かおうとしたのだ。そして舟便探しで何泊かした。
と言ってもホテルなどない町である。案内されたのがよろず屋的商店。売店の店主にお願いしたら、そこの裏の空き家に泊めてもらえることになった。舟は数日後に出るとのことだった。

その日、そしてその夜はいろいろあったのだが、翌朝、店に行くと昨日の店主とは別の男がいた。彼はルカス・ワカ。なんでも昨日の男の兄で、彼こそ店のオーナーだったのだ。しかもフォレスト・ミニスターだという。ちょっと戸惑ったが、林業大臣ということ? こんな田舎町に住んでいるのだから、州か県か、自治体の役職かと思った。

挨拶したら、昨夜、ポートモレスビーからもどってきたという。パプア・ニューギニア政府の林業大臣であった。なんと、知らずに大臣の実家に泊めてもらっていたわけだ。実際、その日の英字新聞を開くと、彼の写真が載っていて「ワカ大臣は、将来のために森林資源を保全するため伐採制限を設けることにした」なんて記されているではないか。

それだけでも驚いたのだが、大臣は町を案内しようという。

そこで乗せてもらった彼の車がロッキーだったのだ。(私は当時はこの車種を知らず、ダイハツがジムニーみたいな車を出しているんだな、と思った。)で、大臣の運転でアチコチ走り回る。

まず、大臣のタロイモ畑に寄った。そこでイモ堀りをする。

Photo_20191107161001 林業大臣

次に山の上に悪路を登った。そこに戦時中は飛行場があったという。日本軍がつくったのだ。そして米軍が占領したらしい。もっとも、すでに背丈以上の草ぼうぼうになっている。滑走路跡なのか道なのか、ロッキーでぐいぐい走った。かなりの速度であった。
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そこで撮った写真。この機体はツインテールの尾翼から、アメリカ軍のB25(もしくはB24)爆撃機だと思う。飛行場に放置されているのだ。

日本人はB29しか知らないが、実は戦時中にもっとも多く製造されて活躍したのはB24と25だ。(B25は、日本を初空襲であるドーリットル空襲に使われた機体として有名だろう。これにあわてて日本軍はミッドウェーに出撃、大敗を被るのだが……。)

そして写真左下に写っているのがロッキー。だから思い出深い車となった。そしてダイハツ・ロッキーの名は、私にはニューギニアの思い出を想起するのである。

このあと、私は沈みそうなカヌーに乗ってブルムリ村へ行き、ダカタウア湖を探検した。

大臣とはいろいろ話したと思うのだが、あまり記憶していない。ただダカタウア湖の森林保護を訴えた記憶はある。この湖で何をしたかについては、『森は怪しいワンダーランド』(サイドバー参照)を参照のこと。

 

2019/11/06

診察前に、ちょっと森歩きを

朝から生駒駅前にある行きつけの医院に行った。高血圧の薬をもらうためである。近頃高いんだよね……。

ところが、ついて仰天。診察開始時間にすでに満員というか行列。これまで開始前に並ぶ人は5、6人くらいだったのだが、今日は20人近い。もはや座る席もない。「多分、1時間半以上かかります」と受付に言われて、医院を出た。

1時間半、どうして時間をつぶそうか。駅前を放浪しても仕方ない。百貨店は10時にならないと開かないし、喫茶店も空いているところは少ない。いや喫茶店で1時間半も座っているのは窮屈だ。最初は気になる近くの美術館に行ってみようかと思ったのだが、調べると開館時間は11時だった。それでは話にならない。そこで向かったのは山手である。

久しぶりに森の中歩くか、と思ったのである。ちょっと最近は森歩きをする余裕を失っていた。これを機会としよう。なんたって百貨店前から徒歩5分で森に入れるのは生駒の特権だね(⌒ー⌒)。

まずは公園などを抜けて、某お寺の境内に。そこでものんびりできるのだが、子供の声が響く。そこでさらに奥へと足を進める。ちょっと山道を歩くと滝が見えてくる。それを眺めつつ滝上に出て、さらに奥のキャンプ場にもなる森の広場へ。ここを舞台にして「森のようちえん」も行われているのだが、今日は人気がない。別の場所に行っているか。
そこからルートは無数にある。昔は全部把握していたのだが、最近来ていないので、ちょっと迷う。この小道を進むとどこに出るんだっけ。まあ、いいやと進む。さすがに道を外れるのは止めといたが、廃道ぽいところもあるし、結構な傾斜。

ぐいぐい登り、草をかき分け進む。ああ、森の中を歩いているんだな、という気持ちになる。汗ばみ、心拍数は上がるが、心地よい。

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医者に会う前に森を歩く、森林療法を施す。これで血圧下がってくれないか。そもそも血圧は心的ストレスの影響が大きい。森歩きは、その点セラピー効果が大きいのだ。

結局、1時間以上森の中をさまよった。その上で、また駅前に下りてきて医院にもどる。

なんと前より満員だわ。。。「あと30分くらい」と言われてしまった(´_`)。

その後、なんとか診察を受け、血圧を測る。これで下がっていてくれたら……期待もむなしく、イマイチであった。やっぱ、1時間ぐらいではダメか。毎日歩こう。

医院を出て思った。今日はこんなに並んで待ったのだから……「正倉院展に行こう」。

多分、混んでいると思うけど、もう並ぶのは慣れたぞ。今日は歩いて「待つ」日なのだ。

 

2019/11/05

正倉院展あきらめて、正倉院へ

ならどっとFMのライブ出演を終えて、せっかく奈良に来たんだから、現在開催中の正倉院展に行こうかと思った。

が、悪い予感はしていたのだ。なんたって町中がごった返している。そりゃ3連休の最終日だし、イマドキは外国人観光客が激増しているし。

しかし、この人の波の一部は、奈良国立博物館に向かっているのは間違いない。令和初の正倉院展は大人気、という評判だったからだ。アサイチで入場まで30分待ちの行列とか。。。

そこで、あっさり正倉院展を諦めることにした。そして奈良博横を通りすぎて向かったのは……正倉院である。

意外と知られていないが、正倉院展の開催中は、正倉院そのものも開放されている。と言っても中には入れないよ。あくまで外観を眺めるだけだけど、門戸を開放して敷地内に無料で入れるのだ。これまで塀の隙間から覗くぐらいしかできなかった正倉院を、目にするのもよいだろう。

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正倉院(正確には正倉。正倉があるところが正倉院)、思っていた以上にデカいよ。カメラのファインダーに入らない。そこでパノラマ撮影したので、少し歪んでしまった。

床下は高さ3メートルぐらいあって、直径60センチ級の丸柱が40本ある。そして上部は言わずと知れた校倉造り。三角形に製材された建材による、いわばログハウスだ。木を立てて使わず横に寝かし積み上げる発想とどこから生まれたのだろうか。

この正倉院は奈良時代から残っているのだから、奈良時代の木材だろう。正倉院そのものが巨大木造建築物であることを感じる。今、これと同じものを建設しようとしても、なかなか難しいだろう。

やはり見る価値はあった。ただし、午後に行くと日射しが逆光になることを知る。まぶしくて十分に眺められないし、写真も撮りにくい。また広角レンズでないと入らない。どうせなら午前中がオススメだ。

 

さて、正倉院展は11月14日まで。やっぱり行こうかな。並ぶ覚悟で。館内に入れても、人だかりで宝物をゆっくり見られるかどうかはわからないけれど。でも平日だったら、もう少し行列は減るだろう。地元なりの強みで時間はなんとでもなる。

誰か、つきあおうという奇特な方、いる? 

 

 

2019/11/04

奈良図書情報館の『鹿と日本人』

奈良県立図書情報館へ行った。資料探しである。

調べたかった本はすぐ見つかり、コピーをとった。その一冊は、「ふるさとコーナー」という奈良に関係した書籍を集めた一角なのだが、私の探していた本のすく近くに、『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』を発見。それも2冊。

おお、この本が奈良の本、つまり主に「奈良の鹿」について書かれた本であることを確認して書架に入れたのか、と喜ぶ。

実は『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』、書店に行くと、いつも「生き物」「動物」ときに「農林業」の棚に分類されている。これは版元が、あえてタイトルに「奈良」の文字を入れなかったためだろう。その分類も間違いではないのだが、少なくても奈良県内の書店では一般のニホンジカではなくナラシカ、つまり奈良の鹿に重きを置いて執筆されているのだから奈良の本コーナーにもおいてほしいのだ。

さすが図書館では、ちゃんと内容を確かめたのか。とそれで嬉しくなっている(^o^)。

さて、館内には企画展示コーナーもあって、ちょうど「本のヌード展」が行われていた。ようするに本のカバーを外し、本当の表紙と見比べようという企画なのだ。

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そこを眺めていたら……。

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ン? この右手にある本は……。

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鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』ではないか\(^o^)/。

しかも添えられた司書の言葉がいい。奈良の人ならではの、ナラシカへの思いを感じてくれ。

 

 

2019/11/03

最新宮崎盗伐事情。ヤバイのは森林組合か

このところあまり触れなくなった盗伐問題。決して忘れているわけではなく、しつこく追い続けていくつもりだ。そこでイッパツ。

やはり入ってくる情報の多くは宮崎県だ。

6月7月と摘発が相次いだので、少しはおとなしくしているかと思いきや、まだ盗伐は納まっていない模様。(発見された盗伐現場は伐られたのは1、2年前だろうということで、摘発後に伐ったかどうかははっきりしないものも多い。)

まず詳しいレポートとして、FoE JAPANのレポート「日本にもあった違法伐採! 波紋広がる宮崎県の盗伐事件」を紹介しておく。現在まで3回続いているが、今後も出るだろう。私が取材した場所や話もあるが、こちらの方が詳しい。(私の場合は掲載誌の都合もあったし……取材が手抜き(^^;)だったって? いや、まあ、そう思ってくれ。)

FoE JAPANHは、これまで基本的に海外の違法伐採問題を追求してきた団体だが、日本国内にも目を向けたことは大きい。なぜなら即世界に発信されるからだ。今後は、日本の木材に違法伐採の可能性が高いことを世界中で知れ渡るだろう。

そして私が最近得ている情報で目立つのは、森林組合の盗伐である。これまでは森林組合の名が出ることはあっても、やはり中心は民間の素材生産業者だった。それが、このところ森林組合に勤めていた人から「うちもやっていたよ」という証言が出るようになってきたのだ。

森林組合が無謬だというつもりはサラサラないし、私もそれなりに批判してきたが、少なくても森林所有者の集まりであり公的な役割も持っていた。しかも造林・育林も担当することが多い組織である。それが、かなり大規模な盗伐を繰り返しているようなのだ。まだ詳細は明らかになっていないが、すでに動き出したメディアもある。そのうちガツンと大きな記事が出るのではないか。

それに、これは全国に通じる問題だが、造林補助金の詐取も指摘されている。(合法的な)伐採跡地に再造林するため支出される補助金だが、この金を受け取りつつまったく植えずに放置しているケースがあまたあることが知られだした。山奥の現場なんか誰も調べに行かないと思っての犯行だろう。事実、所有者だけでなく、再造林を前提に伐採届を受理した自治体も、誰も伐採後にその山に足を運ばない。そして数年後言ってみたら、何も生えていなかった……。

そういう際の言い訳は「シカやイノシシが食べてしまった」だ。いや「植えたけど根付かずに枯れた」と言っても、その嘘を証明するのは難しい。その場合、一度は植えたから罪にはならない。補植する義務もない。私自身は、そんな誤魔化しが全国の皆伐現場に蔓延していると想像している。

なお、当たり前だが、盗伐現場でも再造林が行われていない。こうしてはげ山が増えていく。

 

やはり、今の林業現場に必要なのは、伐採届の受理時と伐採終了後に現場に足を運んでチェックする検査体制の確立だ。そして再造林の終了を届けられても現地に足を運び確認するべきだ。もちろん担当者は、フォレスター的な森林知識と権限を持っていること。残念ながら林業関係者に性善説は通じない。徹底的に性悪説に則って巡検すべきではないか。

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宮崎県某所をグーグルマップで見ると、道から奥に分け入って広く伐採した現場が多い。こういうところは世間から見られずに伐りたい放題なんだろうな、と思わせる。

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道沿いに、ここまで山をズタズタにしている現場は、逆に合法的なんだろうな、と思わせる(笑)。いや、(泣)。

 

 

2019/11/02

森でフェスに遭遇

天気もいいし、森を歩いて沈思黙考するか。私にとって森は書斎なのだ……と思って生駒山の山麓公園に行ったのだが……まず、入口がやたら渋滞しとる。車を停めるのも大変。さすがに快晴で3連休か、まあ少し森の奥に入ったら、すぐに人影は消える。日本人は実は森が嫌いで木々に囲まれるような奥には入らない、という私の持論がある( ̄^ ̄)。

と、ところが。

なんとフェスをやっていた。

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ここまで行くと、もう静かに歩くのは諦めた。

なかには、私の知っている店も出ている。夜の行きつけのバーとか(笑)。マスターはちゃんと蝶ネクタイしてるし。こんな明るいところで店出しているんすか、と話しかける。アルコール飲めないし、やっぱり夜行くと約束。私の“応接室”ラッキーガーデンのカレーナンもありました。でもスリランカ料理店なんだが。ナンでいいのか?

イベント的にツリークライミングや(プールで)カヌー秘密基地づくりもやっている。もはやごった返しているといってよい。
あては外れたが、まあ、こんなことがあってもよいだろう。もっとも、私は早々に退散しましたがね。

考えごとは、スーパーマーケットを歩きながらすることにした。

 

2019/11/01

告知・ならどっとFMに出演

ちょっと告知。

来週4日(月)、ラジオに出演する。と言っても、奈良のFMラジオだから、あんまり聞ける人は少ないと思うが、少ないだろうから告知(笑)。

ならどっとFMというコミュニティFM(78.4MHz)で、月曜午前12時半からの(ゴンザレス井原の)「PROFESS SALON」。もちろんパーソナリティは日本人です(^o^)。餅井戸商店街の中にスタジオがある、いかにも地元密着の局ですね。ちなみに電波の届くのは奈良市周辺だけ。京都南部に若干かかるが、大和郡山市まで行けば、多分電波が弱くなると思う。

そこで夏前から出演依頼があったのだが、ずっと日程(月イチ番組)が合わなくて、ようやく11月に実現するという……。テーマは何にするか迷うところだが、リスナーの特性を考えると『絶望の林業』の話は向かないと思って、ナラシカにした。奈良の鹿なら外さないでしょ。林業のことは、来年動きがあるから、その時にしようということになった。

これまで幾度か出演したことはあるが、今回はライブ。しかも台本なし、打ち合わせなし。ぶっつけです(笑)。
ネタ本は『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』だ。今から読み返さないと……。こちらの本もてこ入れだ。そしてナラシカをもっとブームにしたいと目論んでいる。意外と奈良市民は、あんまり身近すぎてナラシカのことを知らない。

実は、全然別に、私のYahoo!ニュースの記事を読んで「獣害に関する本を書きませんか」という依頼も来ている。が、『鹿と日本人』て、基本は獣害問題の本だからなあ。もう書いちゃったわけですよ。

そのうち、このFM番組の常連になろうかと目論んでいる。

Dsc03260

 

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森と林業と田舎