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森と林業と田舎の本

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2019/11/21

次は森林組合法?

ここ数年、森林経営管理法に国有林管理法改正、森林環境税(および森林環境譲与税)……と何やら森林関係の法律が次々と新設・改正が続く。中身はないけどクリーンウッド法もできた。もう打ち止めか、と思いきや、また出てきましたね。

森林組合法改正案が。

林野庁は、改正案のたたき台を自民党林政対策委員会に出したようだ。来年の次期通常国会へ法案提出をめざしているという。おそらく、たいして修正もないまま通るのだろう。野党にも、反対意見を出すほど林野政策に精通している議員は思い浮かばない。

目立った内容は、まず森林組合間で事業ごとの譲渡や分割をできるようにする点。そして事業の一部をほかの組合に譲渡したり、組合同士が特定の事業分野で広域連合体を新設したりできるようにする。

理事に経営能力のある人材を配置する、とある。具体的には組合理事会の中に販売や経営の能力を持つ理事を1人以上置く、年齢や性別が偏らないよう配慮することも明文化する……というものだ。

ようするに、新たな事業展開ができるよう経営の自由度を高め、「しっかり儲けろ」ということのようだ。森林経営管理法や森林環境譲与税絡みで新たな仕事が生まれるはずなのに、今の森林組合では受け皿になれるかどうか心もとないから改革しようというわけである。

……でも、なあ。経営能力のあるなしを、どこで決めるのよ。森林経営管理法のように、木材生産量を増やせたら経営能力あり、とみなすのか。経営感覚も大切だけど、森林の将来に対するビジョンを持った人材はどこにいるのか。
かつて某森林組合が、外から招き入れた参事が改革を唱えたものの、緑の雇用事業で雇い入れた移住者組を全部首切って裁判ざたにまでなったことがあった。そして、結果的に参事の使い込みがバレたこともあったな。

 

組合は全国に621あり、組合同士の合併はすでに可能だが、あまり進んでいない。たとえば奈良県では、農協が早い時期に全県単一になったのに、森林組合の合併はほとんど起きなかった。市町村が合併しても、組合は別のケースも多い。下手に合併したら、隠れ赤字を背負わされたり、逆に自分らが抱えるドル箱を奪われる恐れがあるので、疑心暗鬼状態なのだろう。

森林組合は、改革というより作業班を切り離して独立させた方がよいのではないか。培った森林整備の技術を新たなビジネスに活かせることもあるはずだ。販売事業も独立させて、森の商品化を進めて展開したら面白いと思う。組合は、窓口業務と調査業務、組合員の渉外だけに絞ったらどうか。まあ、新規事業を展開できる人材が見当たらないのが問題なわけだが。

決め手となるのは、補助金をどんどん減らすことだと思う。補助金に頼るからビジネス感覚が生まれない。頼れなくなったら、イヤでも改革しなければならない意識になる。そして切磋琢磨したら、残れるところは残るだろう。
これは実例があって、小泉内閣の時に補助金をどんどんカットしたら、森林組合も目の色変わって新しいことを始めたことを私は見ている。そして第1次安倍内閣になった途端に補助金が復活して、改革気運は雲散霧消したのである。

危機感がもっとも改革の原動力になる。危機感を持たせるには補助金カットが一番。

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