日経新聞に『絶望の林業』書評!
昨日の本欄に、もう「書評は出尽くした」と書いたばかりなんだが、「日経新聞に書評が出ているよ」というお知らせが。
あわてて図書館に走りました(^o^)。そしてコピー。
これはこれは、わりとデカいスペースではないか。ちなみにネットでも公開されている。
一読、なかなか難解(^o^)。何回も読み直す。(しゃれではない)
しかし、日経読者はその難解さをものともせず読み解き、購入に走ってくださっている。その証拠に、Amazonの順位がいきなり上がった。
このところ2000番台だったのが、いきなり167位だよ。ノンフィクションで30位とは、最高記録かもしれない☆。
さて内容は、日経だけあって?経済的用語が多い上、評者は岡田秀二岩手大学名誉教授とあって、目のつけどころが違う。
私が前書きで一度だけ使った「バックキャスト」という言葉に注目したようだ。それがタイトルにもなっている。ようは、理想の形を描いて、そこに到達する道筋を遡って考えるという意味だ。現在の状況から改革を積み上げて行くのではない。
もともとは、現状を知れば知るほど絶望するしかなく、現在の林業に何を積み上げても無駄、という私の諦観から来るのだが。そして道筋は一つではなく、各地の林業事情に合わせて自分で考えなさい、という意味も込めた。現在の林業関係者が、あまりにも自分で考えずに、他者が少し上手く行った事例を探したり、海外の指揮者の意見に飛びついて真似るだけ(そうして失敗するだけ)であることを皮肉っている。真似るのではなく、新たなアイデアを創出すること。それがイノベーションだ。
これからは、「ウォームハートの森林ジャーナリスト」を名乗ろう\(^o^)/。
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先ずは日経の書評に載りましたこと何よりと存じます。
経済紙に林業分野での本の紹介は少なく、それだけに反響も大きいもの拝察いたします。
益々のご活躍を陰ながら、応援しています。
投稿: 仁藤浪 | 2019/11/10 14:30
ありがとうございます。たしかに経済紙に紹介されたことは林業的には画期的?かもしれません(笑)。
林業も産業の一つであり、経済的視点(ただし長期経営)を持たないといけませんね。
投稿: 田中淳夫 | 2019/11/11 09:42
日経新聞でも見ましたが、けさの日本農業新聞書評欄右上角の目立つところで文字数も多く紹介しています。北海学園大の濱田武士さんが書いています。
投稿: とだ-k | 2020/01/12 20:13
日経記事にはこのブログに紹介されていないすばらしい下記のような評価が見えます。>>破壊と創造の両面を含む動的思考と、具体的な現場から離れることなく、参加と実践の姿勢を貫く。輻湊(ふくそう)する期待や課題に分析的・科学的でありながら、パッショネイトに迫っている。--略--
本書は、日本再生・地方創生に通底する産業的林業の再構築を提示したもので、書名が与える印象とは真逆の、ウォームハートに貫かれた森林ジャーナリスト渾身(こんしん)の書である。
《評》岩手大学名誉教授 岡田 秀二
投稿: とだ-k | 2020/01/12 20:23
日本農業新聞にも掲載されたんですか?
それは確認していません。残念ながら農業新聞を読む手立てがない(近くに購入している人も、置いている図書館もない)のですが、読む方法はありませんか。
投稿: 田中淳夫 | 2020/01/13 00:31