気になる辺境~ブーゲンビル島独立へ…
今、もっとも気になる国際ニュースは、イギリスEU離脱か。米中貿易摩擦、いやアメリカ大統領選挙か。。。いや、私の場合は、これだ。
先日、テレビで山本五十六を取り上げた番組が放映されていた(BSプレミアム『英雄たちの選択』)が、日本人にとって、ブーゲンビル島と聞いてもっとも知られているのは、山本五十六が撃墜戦死した場所としてだろう。だが、注目すべきは独立戦争である。
この島は、地勢的にはソロモン諸島の最北部であり最大の島だが、行政的にはパプア・ニューギニアの一部。一時期は世界最大級と言われる銅鉱山があり、パプア・ニューギニアの財政はこの鉱山によって支えられていると言われていた。しかし、あまりに酷い自然破壊とそれに伴う住民生活の破壊が進んで、採掘を止める運動から襲撃となり、さらに独立運動となった。BRA(ブーゲンビル独立軍)が結成され鉱山(オーストラリア系)を破壊して島を閉鎖したのだ。その際に使った武器は、日本軍の残したものだという……。
……それが1990年代なんだから、長い長い闘争期間が続いて、とうとう独立を巡る投票が行われることになったのだ。そして、その結果が、これ。投票率が90%を超え、そのうち独立賛成が97・7%。もうなんと言っていいか、圧倒的だ。
私は紛争前の島に渡ったことがあって、その時は鉱山の一部を目にしたし、また(ソロモンに比べれば)豊かなブーゲンビルを目にしたが、あまりの物価高に逃げ出した。そして次にソロモンに行った際は紛争真っ只中で、島は閉鎖されていたが、私は潜入を試みてブーゲンビル島の一歩手前の島まで行った。が、そこで私は病気に倒れて断念するのである……。まあ、渡らなくてよかった。渡っていたらもどれなかったかもしれん。
この件については、
ブーゲンビル・クライシス1
ブーゲンビル・クライシス2
ちなみに、こんな新聞記事もある。BRAはブラック魔術を使うらしい……。
現地から手紙が届いたこともある。
よく読めないけと(^^;)、ソロモン諸島側にも戦火が広がった様子が書かれている。幸い、21世紀に入って停戦にはなったが、結着は着いていなかった。
そこが、ついに独立か。まだ紆余曲折はありそうだが……。
あのすさまじかった鉱山の自然破壊も、30年間も閉鎖されていたら、また緑に包まれているだろうなあ。
一方でソロモン諸島国でも、島ごとに次々と分離して独立州になっている。イギリスのEU離脱とか、各地で独立紛争が広がっているが、分離・独立の動きは辺境でも進んでいる。否、辺境こそ世界の縮図、世界のトレンドが真っ先に現れる地域なのかもしれない。
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