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森と林業と田舎の本

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2019/12/28

女子大生と自衛官

年末に面会したのは、女子大生と自衛官であった。

私は若者には優しい。とくに学生には優しい。とくに女子には……(以下、略)。自衛官は男だが20代の若者である。

女子大生は、大学のジャーナリズム・ゼミに属していて、卒業制作にルポルタージュを書くことになり、「台風と林業」をテーマにすることにした、それで私の意見を聞きたい、取材したいということであった。

優しい私は、彼女の質問に一つ一つ、ていねいに応えていく。話題がわりと飛んで台風被害(15号)かと思えば林業全般だったりするのだが、優しい私はていねいに応えていく。

が、ふと彼女の問題意識がぶれているように思えて、どんなテーマ性と構成を予定しているのか聞き返した。

……その答は。。。なんだ、それでは今秋に千葉を襲った15号台風の後に私のところに殺到したテレビ局や新聞社のコメント依頼と同じではないか。彼らは即時性が必要で、今起きていることを解説するためにそうなるんだろうけど、君のルポは来年の提出でしょ? そんな予定調和のルポでいいの? 何の新味もなければ意外性もないよ。

あああ。私の中のオヤジ的お節介さと、人生長く生きただけの上から目線が出てしまった。これも優しいゆえなのだが。

思わず彼女を逆取材。何を問題意識として持っているのか。これまで取材してきたのは何なのか。そもそもなんでこれをテーマに選んだのか。本当に興味のあるのはどの部分か。

それなら、こんな切り口でこんな構成にしてはどうか。いや、こーゆー構成もあるな。テーマはこうしてああして、アレを描けばいいのではないか。冒頭はあのエピソードで読者を惹きつけて、次に取材で聞き出したあのコメントを使う。テーマは林業に縛られずに君が本当に関心のあるべきこちらを中心とすべきで……。取材は誰それをすべきである。……もう、指導教官ブッタ切っての卒業制作指導(^^;)。

そのうちルポルタージュとは何か、ノンフィクションとは何か、読者の理解力に訴える手法は何か……。とうとう文章塾か記者講座になってしまったよ。これも優しさゆえ、、、のはず。

まあ、押しつけてはイケマセン。あくまで提案であって、自らに向き合って決めてください(⌒ー⌒)。

 

そして自衛官。相談は自衛隊を止めて林業に転職したい、というものであった。自衛隊と言っても航空自衛隊所属なんで、訓練で体力を鍛えて自信あるわけではないそうが、社会の役に立つ仕事がしたいと考えた際に、第1次産業、なかでも林業が浮かんだそうである。聞けば出世コースに乗っているようでもある。それなのに、今の仕事に自分が向いているように思えず、辞めたいという。

大学では社会学、哲学を専攻したようで、私に会うまで結構な林業関係書を読んで勉強してきている。しかし『絶望の林業』を読んで林業に就職したい考えたというのは奇特な人だ(笑)。質問は、林業という職業というよりは、林業そのものの可能性である。今の林業を改革したいというのなら林野庁か県庁で林業職に就くか。いや政治家になった方がいいだろう。現場で何ができるのか。

思っていたより深く考えているようだ。とはいえ、まだ机上の林業に留まっている。私には、いきなり林業現場で働くことを勧める気になれなかった。
それに、自衛官は退職するのに、だいたい1年以上かかるそうである。簡単に辞めさせてくれないのだ。ばっくれる……失踪するならともかく、円満退職には上官の許可がいる。それなら今から林業の就職先を探すよりは、その期間を利用して現場を訪ね歩き見て聞いて、自分なりに林業がいかなるものかを知り、本当にそこが自分の居場所になるか考えてみたらどうだ、と提案した。職場を探すのではなく、林業を知る中で、自分ができることも見えてくるのではないか。

思えば自衛官から林業に転職する人は、私の知っているだけでもわりと数多い。航空自衛官の中には戦闘機乗りもいた。なぜ、憧れの?戦闘機に乗れて、給与もいいだろうに、そんな職場を辞めて劣悪な待遇?の林業現場で働きたがるのか。もしかしたら、そのメンタリティの中に林業の魅力が読み取れるのかもしれないが……。

見て歩くべき林業現場は、必要なら紹介すると約束した。というわけで、もしかしたら林業界にいる読者の皆さんのところに彼が訪ねて行くかもしれないが、(私のように)優しくていねいに対応してあげてほしい。

ちなみに、私が彼から聞き出した自衛隊内の日常も、それなりに面白かったよ。こんなところで雑学を身につける(^o^)。

 

思えば私も、若者にエラそうな口をたたける立場になったもんだ。私も若い頃はさまざまな人々を訪ねたり手紙などで教えを乞うてきたから、今はその恩返しの時期でもあるのだろう。

ま、私もまだ枯れておりませんので、先に進むためにも、これまで身につけたものは他者にいくらでも教えます。そして私は新たな分野を身につけていく。来年は絶望しない分野に手を出したい。同じ世界に留まっていると滅びるのだよ。

というわけで、今年のブログ更新は、ここまでとする。今夜は娘が帰ってくるし(^o^)、年末年始はブログに縛られないで沈思黙考するのだ。

 

 

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コメント

転職を考える方には、学校で学んでから職に就くという道もあることを選択肢の一つとして教えていただけると嬉しいです。

学んでいる間に自分のやりたい、あるいは自分に向いている仕事が何かを考えられるし、ここで働きたいという職場に出会えるかもしれません。

はい、林業大学校の話もしました。それなりに関心はあるようでしたが、やはり2年間在籍すると、その間の生活費も考えないといけないし、まずは辞めるまでの1年~の間にいかに過ごすか、ですね。

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