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森と林業と動物の本

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2020/01/14

イギリスの森の価値指標はシカだった?

今、イギリスの森の歴史の本を読んでいる。

イギリスと言えば、森のイメージはあまりない。私は、若いころにイギリスの森林率が3%だとか知って、なんとまあ少ないことよ、と呆れたことがある。その後、森づくりが進んだが、おそらく今でも10%程度だろう。だから林業なんて発達するわけがない……と思ってしまう。

だが、そうでもないようだ。歴史的には大いに森が意味を持っていた。思えばロビンフッドから始まり、クマのプーさん、ピーターラビット、とイギリスの物語には森がつきものである。それに世界に覇を唱えた大艦隊を作れたのは、豊富なオークの森があったからだ。植林の歴史も意外と古い。1660年ごろから急速に広がったそうだ。日本の吉野の植林が1500年ごろとしているが、実際は1600年に入ってから広まったから、そんなにずれていない。しかも「植林は紳士の義務」とされたという。

私が面白いと感じたのは、「フォレスト」は王侯貴族の鹿狩り用禁猟区のことであったということ。日本的には御料林。シカが減ってくると、キツネ狩りやウサギ狩りに移っていくが、これらの話を抜きにイギリスの森は語れない(らしい。)キツネなどは輸入して放して狩りをしたというのだが、こうした動物が森の価値に結びついていたらしい。

そういえばフランスの森林史を読んだ際に、フランスでは森の価値をそこで採れる蜂蜜と飼えるブタの数で計ったとあった気がする。(いい加減だけど。)ドイツも養蜂官という役職があったと読んだ気がする。(いい加減だけど。)
どこまで正しいのかわからないが、森の価値を木材でなく、シカやキツネやブタやプーさんやミツバチで計るという発想は面白い。ほかにも鳥や採れる毛皮、ドングリ収穫量などもあったらしい。
今の日本には、木材しか森の物差しがないことが、問題なのではないか。木材は樹木そのもので、森林の物理的構成要素そのものだ。収穫したら森がなくなるのである。それよりも蜂蜜の採れる量だったら、もっとミツバチを増やして、花の咲く草木を増やそうという方向に行くではないか。

これは未来の森林評価方法として考えられないだろうか。現代なら何が指標になるか考えてもよい。二酸化炭素吸収量も悪くはないが、いっそ森を訪れる人の数なんてのもアリかもしれない。美しさとか生物多様性を指標化してもよい。

なおイギリスでは、自然景観としての森は「ウッドランド」を使う。ほかにも自然の森としては「シルヴァ」という言葉もあるそうだ。またドイツ語の「フォルスト」は、人工林であり、自然林は「ヴァルト」になる。
日本語でも、もっと森を意味別にいろいろ分けた言葉を考えてもいいじゃないかなあ。

 

 

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