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森と林業の本

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2020/01/08

平城の世の巨木の森を夢見る

近頃、平城宮跡の国営公園によく行く。

何しろだだっぴろい。130ヘクタールだったっけ。しかも平坦。坂道しかない生駒の街からすると、その平坦さが憎らしいほど(笑)。一周走っても、息が乱れない。しかもススキ原の中を走っていると遺跡が現れたりと、見所も多い。

今回目にしたのは、こんな井戸だった。

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これは醸造所(造酒司)の井戸なんだそうだ。ここでくみ上げた水で、お酒を作っていたらしい。平城宮跡には、こんな井戸がいくつか発見されている。周りに石を敷きつめてあるが、井戸は直径140センチ級のスギの大木をくり抜いたもの。板を張り合わせたのではなく、くり抜いたという点が凄い。この遺跡はレプリカだろうが、なかなかの大木を使ったことが想像できる。
酒のため? 井戸を掘ることになって、巨木を伐採したのか? 罪深い酒飲み(笑)。

思えば、平城の時代(平成じゃないよ。土が付いている)は、まだ直径1メートル、2メートル級の大木がゴロゴロしていたらしい。多分3メートルの木だってあっただろう。それが森を作っていたのだ。それを各地で伐りだした記録が残る。大仏と大仏殿も、そうした木で作り出したのだろう。

残念ながら、そんな景色を今の日本で見ることは叶わない。よく似たところは、アメリカのセコイアの森か、台湾の阿里山などの巨木林だろう。
そんな森に入ったら、きっと精神を揺さぶられる気がする。現在の日本人が森を見て、まったく違う感覚を覚えてたのではないか。森という言葉は同じでも、存在が違う。たとえて見れば、「もののけ姫」のししがみ様の森と、それが破壊された跡に再生する雑木林の差かもしれない。

……ま、そんな妄想に耽ったのでした(^^;)。

 

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