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森と林業と田舎の本

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2020年2月

2020/02/29

日本に土地所有権はなかった

先日の会議でお会いした藤田達生・三重大学大学院教授の話は面白かった。藤田教授は日本近世国家成立史の研究を手がけて『藩とは何か』(中公新書)などを書いているが、日本における所有権の変遷について語られたのだ。

古代国家の成立時には、「公地公民」、つまり土地も民も天下(天皇)のものであった。時代が進むにつれて荘園などが発達し私有化が進むのだが、戦国時代から江戸幕府ができる過程で御破算になる。江戸幕府は土地の所有権を認めていないというのだ。だから大名の「国替え」なんてことが平気で行えた。江戸の大名屋敷も点々としていたらしい。位が上がると大きな屋敷に移るからだ。農民も、新田開発などをすると、集落中で土地の再配分などをするのが当たり前で、自分の土地を代々引き継ぐというものではなかったという。あくまで土地は天下のもの、それを使う権利を分割しているだけにすぎない。……この理屈は、現代の中国と同じである。
それが明治政府になって、欧米風の個人所有を認め、代わりに課税するのだが……。だから現在の土地所有権は、たかだか150年に満たない存在なのだ。

これを聞いて、私は、ピンと来た。江戸時代の吉野の山林所有について調べた際に、実は現代的意味による「山主」はいなかったのではないか、と気づいたからだ。つまり山主は森林の土地を所有していなかった。ただ、山に生えている林木に所有権があった。それが「立木一代限り」の制度で、吉野が借地林業と呼ばれる形態の元でもあるのだ。さらに立木の管理者として山守が登場して、所有と管理の権利が分離されていく。

明治になってから形だけの「山林所有」権も示されるものの、吉野では江戸時代的に立木権と土地所有権は別のものとしていたのだ。それが完全に崩れて山主=山林所有者になるのは戦後だろう。そして、立木権を保証するものとして「立木ニ関スル法律」がある。先に紹介した立木法だ。

このことは、もっと認識すべきではないか。本来森林は天下のものであり、個人(山主)が独占してよいものではない。現代の山主には扱う権利と義務が与えられている(発生する)だけだ、と捉えると森林(山)の扱い方が変わってくる。山主の一存で森を破壊してよいものなのか問われるだろう。

森林は天下のものと定義づけることで、所有権の壁をぶち破り、それを「預かっている」山主の権利と義務を明確化する。それを破壊的な無茶な施業を許さない理論的根拠にできないか。。。。もちろん、現在も「公的存在」という形で所有者の義務を規定しているのだけど、実質的には有名無実化というか、所有権の制限は極めて難しい。世界一強い所有権と言われるほどだ。

でも天下=国=政府=林野庁なんて発想で、しゃしゃり出る役所があったら困るけどね。
国有林をまるで自分のものとして、民間に樹木採取権を賦与する……という発想になるのは本末転倒だろう。

 

2020/02/28

トーキョーで奈良県会議の不思議

コロナウイルスの蔓延するトウキョウから無事帰還しました。オイオイ…。

地下鉄などはマスクマンだらけ、さすがにマスクの本場ですね……ということじゃなくて、私が危機感なさすぎ?

この時期に東京を訪れたのは会議に参加するためだったのだが、その内容は、奈良県の土地利用懇談会。

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当然、奈良が舞台なのだが、委員メンバーの多くが東京在住ということで、あえて奈良から東京にスタッフも含めて大移動して東京開催となったわけである。では、どんなメンバーかというと、元次官や元審議官、元某国大使……など官僚OBが多数。それに大学教授などもいる。ついでに言えば知事も元官僚・国会議員という経歴である。私は、一応森林地域の専門枠ではあるが、なんかアウェイ感がハンパない……。

でも、元官僚となると、奈良県の問題を考えるといっても国目線になりがちで、しかも硬くするんじゃないの、と気が重かった。

が、口を開くとみんな過激なこと。もう国の法律の悪口のオンパレードで、その問題点を抉りまくるし、さらにはそれらの法律を制定する時の官僚、政治家がどう動いたかなんて裏話も飛び出す。とうとう国が文句言ったら自治体と国の紛争委員会にかけたらいい、とまで……。

誰が何を言ったのかを記すのは遠慮しておくが、元次官がそこまでいうか! と穏健派の私がツッコミかけた。とはいえ、みんな練達のインサイド交渉人たちであるから、おそらくオトシドコロはわきまえているのだろう。いかに裏をかくか手練手管があるのだろう。

そんなわけで、予想に反して面白くなりそうである。ちなみに委員の出身省庁に林野庁は入っていない。

2020/02/27

神保町の地球温暖化対策

神田神保町を歩いていると見かけた「地球温暖化対策」。

いや、そう書いてあったのだよ。

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屋台かと思ったら、プランターが置いてあるだけなんだ。ちなみに使われた木材は多摩産なんだそうで。

2020/02/26

コロナウイルスと、旅のお供の本

明日から東京へ。会議出席やらラジオ出演やらがあるからだが……悩みはマスクをするべきか、否か。
世間はマスクをしないで出歩くと糾弾されるらしいじゃないか。乗ってる列車を止められたらどうしよう。会議室に入れてもらえなかったらどうしよう。ラジオで病原菌が広まったらどうしよう。

と言っても、実は答は出ている。なぜなら私はマスクを持っていないから(笑)。今更買いに行ってもないだろうし。

そもそもマスクは効果がないということは、専門家が繰り返し指摘していることである。マスクのスキマはウイルスよりはるかに大きいのだ。病気の人がすれば、少なくても唾を飛ばさないで済むかもしれないが、病原菌はすり抜けて飛び散る。病気じゃない人がマスクしても、すり抜けた病原菌を吸い込む。

そこで改めて考えてみた。なぜ新型コロナ肺炎は怖がられるのか。

まず未知であること。どんな性質か、何が治療に有効かわからない。

たしかに最初は人⇒人感染はないと言っていたのが起こることがわかり、それでも接触感染だけかと思っていたら飛沫感染も、さらにエアロゾル感染もあることになり、いよいよ空気感染も認められたら、手の打ちようがない。そして、どこまで広がるかわからない。
そして有効なワクチンも抗生物質も見つかっていないし、人体も免疫を持っていない。だから恐い。

そこまではわかる。しかし、発病しても80%は軽微で治るらしい。致死率も(今のところ)2%だとかでさほど高くない。
何より治療法がなく、できるのは対症療法だけというのは、実は大半の病気と同じだ。風邪も、インフルエンザも対症療法しかない。ウイルスに効く薬はほとんど開発されていないのだから。結局は体力・免疫力勝負ということになる。

未知の病原菌に対して恐れを抱くのは仕方ないかもしれないが、全員PCR検査しろとマスコミががなるのもどうかと思う。もともとこの検査の感度はよくて70%、悪いと30%という説もあるぐらいだし、さらに陽性だと言われても的中率は低いという。で、本物の陽性でも発病するとは限らない……。一方で陰性と出たのに、発病するケースもある。つまり検査しても全然安心できないわけだ。そんなことに医療の体力使うのはもったいない。

そう考えると、実はできることは限られている。体力を温存して、まさかの感染の際に自身の免疫力に期待するしかないだろう。ちなみに私は、日々森を歩いて免疫力を高めている( ̄^ ̄)。

まあ私は、病原菌のない生駒に住んでいる(^^;)し、日常的に他人と接触するのが極端に少ない。フリーランスの宿命だが、それが今まで感染する可能性を抑えていたことは間違いないだろう。

ただ東京に行ったら、やはり多くの人と接触することになりそうだ。まあ、アルコール消毒はする。体内にもアルコールで消毒?しておく。
それと旅のお供を考えた。行き帰りに読む本だ。仕事の資料を読むのも必要だが……購入しておきながら読んでいない本は山ほどある。そこから適当なのを探した。どれを持参するか。

……ぴったりの本を見つけた。

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随分前にかったのに、積ン読になっていた。この日のために備えていたのだろうv(^0^)。

2020/02/25

日本の養蜂事始と日本の文化を救った男

先日のミツバチ科学研究会では、私以外に講演が2つあったのだが、気になったのは「日本のセイヨウミツバチ普及のルーツ」だった。

日本の養蜂と言えば、古事記にミツバチを野に放した記述からあるから飛鳥時代の奈良……なんていう話もあるが、いわゆる職業としての養蜂はニホンミツバチでは無理でセイヨウミツバチの導入である。そして、それは明治時代になる。その研究発表があったのだが、これが興味深かった。

名の残っているのは、武田昌次という人物で、アメリカで近代養蜂を見て、明治9年にアメリカから6群を買いつけて日本に持ち込んだ、とされる。ところが、この武田という実物が謎だったのだ。

発表者、貝瀬収一氏および干場英弘氏によると、武田の正体は、幕臣・塚原昌義だという。

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塚原は旗本の出身で、外国奉行も勤め、遣米使節にも参加した秀才だったが、幕府が倒れ戊辰戦争で破れると姿を消す。そして忘れられた人物だったのだが、実は名を武田に変えていたのだ。そして明治政府に就職もしていた。その殖産興業の一環として養蜂を始めたらしい。

こうした歴史の襞に隠れた人物と事象はいろいろあるんだろうな、と思う。


先日、気づいたのは、明治期に日本の文化を救ったとされる岡倉天心だ。「文明開化」の名の元に打ち捨てられる古社古や仏像などを救うことに尽力したことで知られるが、彼の運動が実を結んで「国宝」指定につなが古社寺保存法の制定が、明治30年だった。
一方で、土倉庄三郎が「古社寺保存ノ誓願」を政府に出したのが明治29年なのだ。

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絶対に連動している(⌒ー⌒)。庄三郎と天心はつながっているはずだ。天心は法隆寺を始めとして奈良の古社寺を回っているのだから。

こうした人脈も追跡したいものである。

2020/02/24

『破滅の王』細菌兵器R2v

上田早夕里著『破滅の王』読了。ようやくだ。小説の紹介文は以下の通り。

1943年、魔都・上海。ひとりの科学者の絶望が産みだした治療法皆無の細菌兵器。
その論文は分割され、英・仏・独・米・日の大使館に届けられた。
手を取り合わなければ、人類に待っているのは、破滅。
世界大戦のさなかに突きつけられた究極の選択に、答えはでるのか <第159回直木賞候補作>

一九四三年、上海。「魔都」と呼ばれるほど繁栄を誇ったこの地も日本軍に占領され、かつての輝きを失っていた。上海自然科学研究所で細菌学科の研究員として働く宮本は、日本総領事館からある重要機密文書の精査を依頼される。驚くべきことにその内容は、「キング」と暗号名で呼ばれる治療法皆無の細菌兵器の論文であり、しかも前後が失われた不完全なものだった。宮本は、陸軍武官補佐官の灰塚少佐の下で治療薬の製造を任されるものの、即ちそれは、自らの手で究極の細菌兵器を完成させるということを意味していた―。

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これは、科学者のドラマだ。科学者は研究だけすればよいのか。結果に何の責任もないのか。そして研究を通して持つ使命とは何か……。

通称731部隊と呼ばれる石井四郎陸軍軍医中将の率いる関東軍防疫給水部本部の下部組織で見つけられた謎の細菌。それは細菌を食う細菌として、当時はまだ未発見のものだった。そこから生み出された強い毒性を持つ暗号名<キング>と名付けられた病原菌R2vは、コレラに似た症状をもたらすが、治療法はまだ見つかっていない。
しかし細菌兵器は、治療法がなければ使えない。敵だけでなく味方も殺すからだ。一方で、研究室の中で生まれた細菌がいくら強力でも、自然界に出すと意外や生存できないこともある。さらに変異を繰り返し人の免疫機能の網をすり抜けると、味方のための治療法も消える。

それを開発した科学者は、世界の状況に絶望し、あえてばらまく選択をする。それで人類が滅ぶもよし、全世界が手を結んで治療法を開発するもよし。しかし、果たして戦争相手と手を結んで治療法を開発できるのか。敵は日本軍、ドイツ軍の中にも、味方は中国、英米仏の中にもいる……。罹患した病人のいる地域を爆撃で焼き払ったかと思えば、菌株を奪い合い殺し合う。個人は国や軍の意志を超えて、何ができるか……研究者、医師としての良心と陰謀。すでに撒かれた病原菌にどう対抗するか。。。という話です。

描かれる戦前の上海は、ノンフィクションのようにリアルだ。さらに満州。そして陥落直前のベルリン。まるで戦中秘史的なノンフィクションかとさえ感じさせる緻密な世界が構築されている。ここに描かれた恐怖を読むと、新型コロナ肺炎なんぞ、かわいいものと思わせる。同時にパンデミックがいかに起こるか疑似体験できるだろう。

未知の細菌がどのように振る舞うのか想像するのは、現実でも難しい。政府の不手際を攻めるのもよいが、常に想定は外れると思ってよいだろう。新型肺炎だって、最初は獣⇒人だけと思われたのが、人⇒人感染が明らかになり、それも接触感染だけかと思われていたのが飛沫感染もするとわかり、今は空気感染さえ疑われている。そのたびに対策は変えざるを得ない。そして後手に回る。思えば人は、長い歴史を通して常に病原菌と寄り添って生きてきたのだから、オタオタしても無駄だ。

しかし……最大のショックは、最後の1行だった。未知の病原菌が蔓延する世界は、虚構ではなかったのか。慄然とする。

 

2020/02/23

水天宮の供え物

今日の風は、なんだか生暖かい寒風だった。一応冷たく寒いと感じるのだが、何か不思議な、肌に温みのある風だ。もう春だと言ってよいのだろうか。関西は青空だ。まだ山に新たな緑は芽吹いていないのだが、そろそろフキノトウが採れないか……と思っている。

東京では、たまたま出会った水天宮にお参りした。地下鉄の駅名にもなっているが、実際の水天宮はコンクリート仕立てで2階にある。

そこで見かけた脇の社。寳生辨財天というそうだが、学業・芸能、財福に御利益があるという。

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お供え物がアートになっていた。フラワーアレンジメントならぬアグリアレンジメントである。

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そしてフキノトウが盛られていた。供え物にフキノトウとは。東京ものではないだろう。どこの地方だろうか。西日本なら、すでにフキノトウが膨らんでいてもおかしくない。供え物も、生け花か料理のツマモノのように、季節を彩る。少し早い春の見立てだろうか。
ただパプリカとオクラ、それにナガイモはなんだろ(^^;)。

 

 

2020/02/22

ネコは害獣?ペットか野生動物か

今日は(日本の)ネコの日らしい。なんや、それ?と思うのだが、愛猫家は喜んでいるのだろう。

実は、私もネコについて考えていることがある。それはネコはペット・家畜か、野生動物か、という点である。もう少し突っ込めば、なぜ人はネコを好きなのか、ということにもなる。

実は、世界中でネコが野生動物を殺し、一部は絶滅に追い込んでいることが研究の結果わかってきたのだ。

ナショナルジオグラフィックによると、アメリカでは、毎年、鳥が14億~37億羽、哺乳類が69億~207億匹にのぼると推定されている。それは主に野良猫やノネコによるものだが、飼い猫も放し飼いが多くを占めるため、無実ではないだろう。

実際に、小笠原諸島や沖縄、奄美諸島では、ネコ(ノネコおよび飼い猫)が、絶滅危惧種のアカガシラカラスバトやヤンバルクイナ、アマミノクロウサギといった野生動物を殺して食べているらしい。私も、Yahoo!ニュースでそれに近い記事を書いた。

ネコの「可愛さ」はずるい。駆除される動物について考える

おそらく、本土でも相当な数の野良猫および放浪する飼い猫は、世間でなにがしかの獲物をとっているはずである。もしかしたらそれで数を減らしている鳥類や哺乳類もいるかもしれない。

そもそもネコは、イヌおよびその他の家畜とは決定的に違う点がある。それは人が飼い馴らしたのではないこと。むしろネコが人間社会に近づいて人間を手なずけたらしい(笑)。いや、本当に人間の住む集落には穀物を貯蔵しており、そこにネズミが発生するから、それを獲物とするためにやって来たらしいのだ。そしてねずみを捕ると人も喜ぶので、一緒に住むようになった……。だから、対等なのだ。決して囲い込まれて人に懐いたのではなく、人と一緒にいたら都合がいいからいる。だって、人はせっせと食べ物を運んでくれるから。ネコは人を手なずけた気持ちでいる、と。だから、ペットではなく野生動物なのだ。

まあ、そんなことを唱える学者もいます(笑)。

ともあれ、獣害といった場合、シカだイノシシだというだけでなく、ネコ被害も計算に入れるべきではないか。そして被害が大きくなれば、頭数制限、つまり駆除すべきだと思うよ。

と、ネコの日に愛猫家を煽ってみたのでした(⌒ー⌒)。

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以前、我が家に居ついていたネコ。当時、私はネコに飼われていたのか?

 

 

2020/02/21

Y!ニュース「史実に忠実? 工期に追われる名古屋城……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「史実に忠実?工期に追われる名古屋城天守閣の復元案の現実」を執筆しました。

これ書いて、ほんの数分後にツイッターで竹中工務店がシェアしたのは凄い。チェックしているんだ。そう、この名古屋城天守閣を手がけることになっているのは竹中工務店なのである。もっとも、議会では復元するかどうかも含めて、発注先や予算など何も決まっていないはずなのだが。それでも動いているのである。

実は、ここで紹介した「技術提案書」は結構以前に入手していた。某氏より提供されたのである。だからネットなどで手に入るものではないはずだ。ただ、格別秘密のものとは思えず、一般への説明用だろう。もしかしたら市議会議員説得用かもしれない。とはいえ、4年前だから、現在ではどこまで応用が効くのか。また作り直しているかも。その度に技術が上がるのならよいけど、工期が短くなるのなら……(´_`)。

せっかくの情報なので何らかの形で紹介しようと思っていたが、どのように記すか迷いもあった。中空乾燥法について、もっとツッコみたい気持ちもあるが、イマイチ情報不足。絶対によいとも、よろしくないとも断言できない。

結局は、提案書に関しては内容紹介に留めたが、もっと精査すれば面白い部分もあっただろう。たとえば工事開始を止めた石垣に関しても、現状保存から積み直しまでさまざまなパターンを説明しているし、行政手続まで早く進める方法を提案している。

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ユニバーサルデザインなんぞの説明もこんな感じ。

伝統的工法による復元と、現代社会の要求をいかに取り入れるか苦心している様子がうかがわれる。

でも結局、本当に復元されるのかね? 市長が代わったりしたら、御破算になりかねない。その時、集めた大径木材はどうするのか……ちょっと心配である。あ、首里城に回せばいいか\(^o^)/。

2020/02/20

「樹木採取権」から「立木法」を思い出す

林野庁が、「樹木採取権」のガイドラインについてのパブリックコメントを募集し始めた。

樹木採取権制度ガイドライン(案)への意見・情報の募集について

樹木採取権についてはいまさら説明はいらないだろうが、昨年成立した国有林管理経営法改正にともなって生まれた制度と概念だ。「国有林材の一部について、現行の入札に加え、一定の区域(樹木採取区)において、一定期間・安定的に樹木を採取できる樹木採取権制度を創設」とある。それを実施するに当たってのガイドラインをつくったわけだ。それに対するパブコメである。

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で、私も勉強しようと思ったわけですよ。ガイドラインというより、樹木採取権そのものを。

とりあえず概要に目を通す。……わからん。というよりめんどくさい。国有林だから国に所有権のある土地で、その上に育つ立木を概ね10年間の間に伐らせるわけだから、所有権の移転をせずに権利を与えなくてはならないという理屈はあるのだが、無理やり感が漂っている。

この際、法律的な位置づけはおいといて、立木を伐る権利とは何かという根本を考えてしまう。そこで思い出したのが立木法である。

 

吉野林業で行われている「立木一代限り」という伝統的な権利を法的に認めるために「立木法」(立木ニ関スル法律、明治42年法律第22号) が設けられた。土地ではなく立木を所有する権利で、登記もできる。立木を不動産のように扱うことができ、樹木を財産とできたのである。土地と分離して譲渡したり、抵当権を設定したりできる。土地所有権または地上権を処分しても、その効力は登記を受けた立木に及ばない。

だからゴルフ場反対運動の際には、「立ち木トラスト」として土地ではなく立木を反対者に分散して売り払い、事実上土地の開発を不可能にする作戦が取られた。いくらディベロッパーが山林(土地)を買い占めても、その上にある樹木に手を出せなくてはゴルフ場の建設は不可能だからである。

ただし、その立木一代の間なので、その木がなくなったら(伐るか、枯れるか)消滅する。その点で、山林所有者にとっては安心できる。

 

今回も新たに樹木採取権なんてのを設けなくても立木法を援用か改正する手もあったのではないか、と思ったのである。もっとも国有林担当者も立木法の存在を知らなかった可能性はあるかもしれない。だいたい国有林に立木法を設定したら、ヤバイことになるか。

最近、訳あって土地利用の法的な事例についての勉強をしているのだが、土地の利用を制限したり規制する条文はいっぱいあるが、同時に抜け道もいろいろあることを知った。たとえば放棄農地を山林として見なすとか、宅地の地目を農地に変えてしまうとか、その気になればできるらしい。ただほとんど眠っている方法なり条文なのである。

もう少し行政も運用を風通しよくすれば、あの手この手でできることはいろいろある。「法解釈を変える」のは、現政権の得意技だし。

 

 

2020/02/19

街の緑に土はいらない?

東京ではアチコチ歩き回ったわけだが、そこで、つい目にしてしまう緑がある。

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喫茶店前の緑。2階に届くほどの木が生えている。カポックかな?

路上園芸観察会……とでもしゃれこめばよいのだが、私の場合は別のところに目が向く。すぐ気づくのだが、これは地面から生えているのではない。舗装道路の上だから。当然、プランターか鉢植えだ。

で、下を覗き込むと……いやはや、いずれの植物も小さな鉢であった。写真に写っているものとほぼ同じ。ここから伸びて、これほど枝葉を広げ、2階まで梢を伸ばしているのだ。これは……植物虐待というより、むしろど根性ダイコンなみに評価すべきではないか。いや地面のひび割れから生えているのなら、まだ舗装の下の奥に根を伸ばせる可能性があるが、鉢植えならば完全に限界がある。ほとんど根を伸ばす余地はないだろう。いや、根がいっぱいに伸びたら土さえなくなる。

それでも、これほど育つのだね。植物にとって、土は必ずしもいらないんじゃないのか。ふと、そう思った。

もちろん水耕栽培やロックウールなどのような土を使わない栽培法はたくさんあるのだが、それは土に変わる培地があって、当然栄養も水も(人為的に)与えるというのが前提だ。ここにあるのは……水やりはそれなりにしているのかもしれないが、栄養分の供給はどうしているか。地上部を支える物理的な支柱としての根の役割も怪しい。重心はどこにある。よく倒れないかと心配になる。

 

ついでに、こんな街路樹も。

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街路樹を植える植樹枡はかなり狭い。見た目も幅がないが、多分深さもないのだろう。そこでも樹木(桜)はこんなに太く育っている。根はほとんど地面に盛り上がっている。

大地に根を下ろす……なんて言葉は使えなくなる。植物の生き方を改めて見直したくなった。

 

2020/02/18

週刊朝日の「最後の読書」

東京でトークショーを開いた「平井の本棚」とは、古書と新刊書の両方を扱う小さな書店である。そこに招かれたわけだが、舞台が書店だけに話していると出版業界や書店業の話題になる。しかも『絶望の林業』の版元の編集者も来ている(というか司会)。

そのためか終了後の打ち上げでは、読書論になりがちだったのだが、そこで「つまんない本も読まないとよい本に当たらない」という意見が出た。そう、ある意味、読書は数打たなきゃ当たらない。しかし……。

昨日発行された「週刊朝日」(2・28号)の「週刊図書館」の中の『最後の読書」コーナーに記事を書いた。人生最後に読む本についてのエッセイを頼まれたのだ。そこで私は出だしを以下のように書いた。

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最後の読書なのに外したくない、という思い(笑)。では、何を選んだのか、というのはこの週刊誌を読んでいただきたいが、過去に読んだ本から選ぶとすると、やはり感動した、影響を受けた本になる。私の場合は、なぜか空飛ぶ本であった。それが、いかにしてジャングルに行き着くか。なんだか自らの人生を振り返る気分。そういや、トークショーでも、自己紹介代わりに見せたパワポでは、探検部から始まって、私の行動履歴と執筆遍歴を紹介してしまった。ちょうど会場には大学の同輩・後輩も来ていたのである。

改めて振り返ると、自分の読みたい本が、書きたい本である。そう考えると、『絶望の林業』は……(以下、自粛)。

それに私自身もだんだん読む力が衰えているから、読みにくい本は敬遠しがちだ。最後の読書に行き着く前に、もう一度読書力を鍛え直したいと思う。

 

 

2020/02/17

「ワールド・ウッド・デイ」の開催中止の裏事情?

3月17日から21日まで東京都内で開催する予定だった「ワールド・ウッド・デイ2020」を知っているだろうか。もう開催まで1か月を切っているのに、そして世界最大のイベントだと謳っているのに、全然知られていない……。

この「ワールド・ウッド・デイ」の中止が決まったようだ。

少し説明すると、このイベントは、国際木文化学会(IWCS)とワールド・ウッド・デイ基金(WWDF)が主催し、ウッドレガシー推進議員連盟・同協議会と連携して東京五輪にあわせて“木の総合文化”を世界に発信するイベント……ということだった。結構、規模の大きな話なのである。日本では初めてだが、各国で開かれている。

だが、新型コロナ肺炎が流行していることを理由に取りやめることにしたというのだ。

 

これは、かなり怪しい。むしろ当事者は中止理由に「新型肺炎が使える」とホッとしているのではないか。その裏側のゴタゴタを私は耳にしていたからである。

なんなら「ワールド・ウッド・デイ」で検索してほしい。結構多くのサイトが登場するが、中身を読もうとすると、ほとんどがない。なかには「準備中」のままだったりする。作りかけで止まったようなサイトばかりなのだ。

趣旨などを書いている(実は家具新聞の記事)サイト

もう一つ準備中の(PR会社)サイト

空っぽの「ワールド・ウッド・デイ」サイト。

主導したはずの建具組合のサイト。(リンク切れ)

 

だいたい、これほど大きな大会なのに、協賛にも後援にも林野庁はおろか全森連や全木連など大きな団体が全然登場しない。結局、家具新聞や建具組合が紹介しているように、林業・木材産業サイドではなく家具業界が主導権をとった(それに広告代理店がノッタ?)。もっとも主導権争いというより、誰も主導権をとりたがらなかったのかもしれない。とにかくバラバラ状態で、建具組合だけでは何もできず、ほとんど準備が進んでいなかったのではないか。

そこで、新型コロナ肺炎が大変だ!とこじつけて中止した、というのが私の見立てである。日本への誘致には、台湾の篤志家が力を注いだということだが、それを無にしてしまって残念である。

さあ、どうかな?反論というか、もっと内実を知っている人は教えてくださいませ(⌒ー⌒)。

 

ちなみに「ワールド・ウッド・デイ」自体は、これまでも世界で開催されていて、真っ当なイベントである。日本が悪いのだ。

2020/02/16

本屋のトークショー、その前に。

本日は東京「平井の本棚」というところでトークショーの予定である。だが、それまで時間がある。そこで娘を呼び出してデート。

なぜかTENQミュージアムというところで宇宙体験することになる。娘は火星に行った(@_@)。

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空気は薄いが、しっかりマスクでインフルエンザもコロナ肺炎もカバーしていたから大丈夫だろう……。

2020/02/15

玉川大学のアスレチック?

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玉川大学ミツバチ科学研究会、終わりました。何がウケたかと言えば、やっぱり「私は銀座で養蜂やってません」かな。。。

さて、私的に気になったのは玉川学園の広さだが、遠くに見えた巨大アスレチック?

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丸太が立ちならび、結構過激な施設。冒険の森を思い出す。

近くの学生に聞くと、玉川学園初等部にあるアドベンチャープログラムの施設らしい。大学生も体育会系の部の部長当たりがやらされる?らしい。ま、細かなプログラムはわからんが、私もやってみたいぞ(笑)。


2020/02/14

曲がる木製の名刺入れ?

名刺入れを紛失した。どこで落としたのかもわからない。ただ谷山浩子のコンサートに行く途中に、ポケットにあるはずの名刺入れがないことに気づく。中には名刺10枚以上が残っていたはずだし、ICOKAを入れてあったのがイタイ。まあ、もらった名刺は前日に回収していたのが救いか。

とはいえ、明日より東京だ。また多くの名刺交換しそうなのに困る。

そこで古い名刺入れを出す。そのうちの一つが木製名刺入れ。職業柄、木製を使うのは話題的にもよいのだが、近年は使わなくなった。やはり使いにくいのだ。硬いからポケットに入れておくとガサつくし、開くのも少し手間。そして触り心地がよくない。話題性だけで使うのは飽きたので、直し込んでいたのだが、今回は改めて引っ張りだすことにした。ともあれ東京滞在時はこれでしのごう……。

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が、木製名刺に対するちょっとした不満を思い出したところに、こんなサイトを目にした。

“曲がる木”の名刺入れ

木が曲がる? アイリグノス名刺入れというらしい。クラウドファンディングで金を集めたか。

この曲がる木は、”LIGNOFLEX(リグノフレックス)と名付けたらしい。が、サイトのどこを読んでも、なぜ木が曲がるのか書いていない。「名古屋木材が特許を取得した木材圧縮技術によって柔軟性を付加した素材です。」とあるが……。「化学薬品を一切使用せず、水蒸気と熱とプレスの力だけ」ともある。全然説明になっていない。むしろ薬品を使っていないのなら曲がらないだろう、と思ってしまう。以前、木材に糖質を浸透させることで柔かく曲がるようになる発明を目にしているが……。

吉野杉を使っているようだが、イマイチ謎だ。単に圧縮したというより細かな破片にしてから圧縮したのか。価格はそんなに安くないが、まあ買えなくもない値段。考えようかな……と思っていた。

そこに奈良西警察署から電話。「名刺入れが落とし物として届いています」。

わっ。すぐに受取りに行く。とうやら近鉄電車の中に落ちていたのを拾って、駅から警察署に回ってきたらしい。ありがたや。

さて、どうする?どちらを持っていく?

 

2020/02/13

Y!ニュース「バイオマス発電の輸入燃料が急増……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「バイオマス発電の輸入燃料が急増。日本の電力料金の海外流出は増えるばかり」を書きました。

いやあ、書くつもりはなかったのよ。今日は何かと雑用多かったし。

でも、ふと以前届いた情報(木材新聞記事)を再び読み返して書きたくなったんだよね。こんな日もある(^o^)。

よくよく記事を読むと、単に増えただけでなく、輸入先が大きく変わっているなど注目すべき点も多い。ベトナムの台頭、アメリカとの長期契約。そして莫大なPKSの輸入が世界的な船舶流通にまで影響を与えかねない点。何やら世界経済の潮流の分岐点も見えてくる。ただし、日本はその新たな潮流には乗れていないのだけど。
折しも政府も、FITの審議会などを開いていて、そこでもバイオマス発電の問題点が指摘されていたらしい。このままじゃイカンというのは識者も指摘しているのだけど、行政は動こうとしていないのが実情ではないか。

ちなみに記事で困ったのは、木質ペレットかPKSの写真がなかなか見つからなかったことかな。ペレットはともかくPKSはどんな形をしているのか、意外とわからないのが難点だったなあ。

 

2020/02/12

6刷決定!(その前に……)

昨日は、谷山浩子のコンサートだった。ところは奈良で開かれたのだ。30年ぶりぐらいとか。

いやあ……なんというか……凄すぎる……絶句するコンサートであった(笑)。ここで、どうすごいのか書いてもファンではない人には伝わらないので(> <;)、それは裏ブログにでも書くとして、ただ一言いわせて。
コンサートはオールリクエスト大会だったのだよ。全曲、会場からのリクエストに応えるのだ。チケットの半券をくじ引きのように引いて、当てるという趣向であるが、「お別れの曲」で当たったのが、私の隣の人なのだよ。それがまた……なのだが、終わった、と思いつつアンコールとなって、本当の最後の曲として指名されたのが、おおお、私なのであった。隣同士で連続して当たるなんて、奇跡的。そして私がアンコール曲をリクエストできたなんて。その歌は……一応、樹の文字が入っている曲にしたよ(笑)。

大満足。v(^0^)。

さて、もう一つの吉報を。

『絶望の林業』、6刷決定しました。

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有り難いことである。と言っても、世間のいうベストセラーとはほど遠いけどね。ただ林業関係の書籍(新書、文庫を除く)で万を超えることは滅多にないことなのだ。

ここで感じたのは、タイトル。私も出版社も、これまで「林業とタイトルに付けたら売れない」と無理に「森林」とか「森」にしていた。しかも今流行りのタイトルは長文だ……と文章みたいなタイトルが多かった。それが、今回はあえて「林業」と付けた。そしてシンプルに5文字。そうしたら売れた。世の中、読み間違っていたなあと思うのであった。

 

2020/02/11

ネコ的雑草ハコベ

ベランダのプランターにハコベが生えていた。それもびっしり。もちろん勝手に。種まきするわけない。幾度か抜いた、というより剥がしたのだが、すぐに復活する。

ハコベは最強の雑草のような気がする。とにかく抜いても抜いても生えてくるからだ。そのくせ柔らかく背も低いから、そんなに邪魔にならずに憎まれることもないだろう。小さな花も可愛さらしい。「憎まれっ子世に憚る」というが、生存戦略的には「カワイイ」と見逃されて、さらに栽培もしてもらう方が有利ではないか。しかも、ハコベ(ハコベラ)は「春の七草」一つであり、食べることもできるのだ。人に役立つことで生態的地位を得ているようなところもある。

ちょっとネコ的存在。野生本能が強いのに、カワイイと世話されて駆除もされず、ネズミを獲るなど人の役にも立つ。そしていつのまにやら増えていく。実は完全なペットや家畜にならずに人を利用して増えているのがネコだ。それによく似ているから、ハコベはネコ的雑草。


いつのまにか種子が飛んだのか別のプランターや植木鉢、庭先にも生え始める。種子に小さなトゲがあって、簡単に靴や服について移動・拡散するらしい。

しかも受粉は虫に頼るだけでなく、自家受粉もできる。送粉者がいないと勝手に花が閉じて受粉してしまうのだ。

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さらに気温変化に強い。この写真を撮ったのは、今冬一番の寒気が来て、同じくベランダに置いたバケツの水が凍っていた日だ。

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でも、あまり増えすぎると、やっぱり引き抜くよ。ネコが増えすぎて駆除されるのと一緒。

ネコは最強のペットになれるか?

 

 

2020/02/10

ホームセンターでスギの薪

ホームセンターに行くと何か面白いものはないかと探す趣味を持っているのだが、今回はアウトドアグッズ売り場に。

この季節でも、あるのだね。オフシーズンこそ、グッズを選ぶのかもしれない。

なかにはワンタッチ、数秒で広がるテントなんてのもあって、しかも価格がン千円程度。ちょいと買ってみるかと思わせる。袋から出してポンと広げるだけでテントになる。まあ、本格的な野営には厳しいかもしれないが、休憩時の風よけとか日除け用テントなら十分かもしれない。思わず、現実逃避したい時に使ってみたくなった。

が、今回私が注目したのはこちらだ。

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薪なのだが、これはスギ材である。それも木っ端ではなく製材屑。「アウトドア用薪」と名付けているが、ようは火付きがよい・すぐ燃え尽きることを売り物にしているのか。長くキャンプファイヤーするには向かないが、調理時間だけ燃えたらよい場合にはちょうどよい。それに素人が焚き火するには燃えやすいはず。一方で売る側からすれば、調達に苦労しない。製材所で簡単につくれる。割るのも簡単。
これまでスギ材の薪といえば馬鹿にされがち?だったが、これは価格もそこそこの値段を付けている。通好みのナラ材の薪なんかと価格は変わらない(か少し高いように感じる)。量も少なめ。

なんでも能書きを工夫すれば売れるし、高くできる(^^;)と感じたのであった。

ちなみに上に誰かの足元が写っているかのようだが、これは、こんなディスプレイなのである。ちょっと不気味。

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2020/02/09

『絶望の林業』改訂に寄せて

『絶望の林業』版元より、そろそろ次の重版の可能性が出てきたので用意するように、という厳命が下った。

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そんでもって、ボチボチと見直しを行っているのだが、このところ読者からメール等で間違いの指摘が次々と行われている。それがかなり専門的なのである。木材の乾燥における細胞とかセメントの硬化とか、詳しく知らない点で不用意な表現をしていると、「そこ、オカシイ」とツッこまれるのである。

いやあ、こういうのは有り難い。私も詳しくない分野では資料を読んで安易に理解して記すことがあるわけだが、それが正確ではないこともあるだろう。そこを指摘してくださることについては感謝しているのである。ま、そんな細かいこと言わんでもという気持ちがなくはない……いや、感謝しているのである! ありがとう!!!と何度繰り返してもいい。どんどんお願いします(^^;)。 

もっとも、そうした好意的な指摘とは違って、書評とかネット上では、実につまらんツッコミがある。たとえば自身が林業関係の仕事をしている上で、自らが希望を持って取り組む方策とかルーティンな仕事を否定的に記されたからと噛みついてくる輩もいるわけだ。そうした場合は、基本的に無視することにしている。くだらねえから。

ただ難癖付けたくて重箱の隅をつついたり、見当違いの文句も少なくない。ときに「自分は林業に詳しくないので、ここに記されていることが本当かどうかわからないが」みたいな、知らなかったら書くなよ、とコッチが突っ込みたくなるような文言もある。すると「反論の余地を与えない」のがケシカラン的なトンチンカンな言い分まで出てくる。

そして明確な間違いを見つけられなかったからなのか、「情報源がどこか記していない」というアホな指摘も多い。だから本当かどうかわからない、検証できない、と言いたいらしい。

こうした批判的な問題提起をするのに、情報源の秘匿は絶対だ。それとも、どこそこの地域の、役所とか森林組合とか林業事業体のどんな役職に就いている誰それ……とまで記してほしいのかね。そんなことしたら当の本人がいかなる目に合うか想像してほしい。おそらく当事者は「そんなこと言っていない!」と必死に否定するのか関の山だろうが……。
それに30年近くの取材の中で目にしたり聞き止めた発言や事象・事件・事故をここでバクロすることに意味はない。事例は事例であり、そこから導き出される内容に関して論評をすべきだろう。

なんだか、とにかく不愉快だから腐してやろうみたいな反応がわいてくるのは、いわゆる「グレタ症候群」に近いのだろうか。

ちなみによいケースの場合は名前を出すことも考えたが、それはそれで想定外のハレーションを起こす可能性もあるし、よほど公の事実とか近々の取材で記しても大丈夫と思える場合以外は、やはり匿名にしている。

私もそれなりに情報を扱う仕事をしている中で、そうした可能性には慎重に対処している。まあ、そういいつつ炎上覚悟であえて記すこともあるけど(^^;)。それは私が一手に責任を負う覚悟で書いているのである。

わかったかな?

2020/02/08

湿原の獣害被害額 in生駒山

ほとんど定点観測的に通っている生駒山の湿原。

先日訪れると、こんな有様だった。

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白いのは、ここに生えてくるべき植物の標識。

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ミズバショウが見所(3~4月。尾瀬のような高原は初夏なのだろうが、こちらは早春である)のはずが、イノシシがいたるところを掘り返している。おそらく地下茎を狙ったのだろう。冬の餌になるはずだ。もともと冬は地下水位が落ちるらしく、湿原もかなり乾燥している。イノシシにとっては入りやすい。

イノシシ害が拡大している。昨年の春には、こんな具合にミズバショウが咲いていたのだが……。

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ただいま、獣害について調べ直しているが、まずは足元の生駒山から。イノシシのほかにサルも出た。ほかアライグマもいる。
結構な被害量なんだが、多分、国の統計の獣害被害額には入っていないだろう。なぜなら、統計では被害学を算定できるのは農作物などだから。しかも申告しないといけないし、保険適用なども条件だから。

森林被害、ましてや湿原のミズバショウ被害は被害額には算定されないのだ。

 

 

2020/02/07

「着るロボット」によるウォーキングツアー募集

これまでいくつかのメディアで紹介してきた「着るロボット」。パワードウェアを林業にも応用しようという動きがある。

そこに「着るロボット」を身にまとってのツアーが企画されている。開発した奈良の株式会社ATOUNと旅行会社が組んだのだ。

京都での実証実験ツアー
KNT-CTホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区、社長 米田 昭正:以下、KNT-CT)とグループ会社のクラブツーリズム株式会社(本社:東京都新宿区、社長 小山 佳延:以下、CT)と株式会社ATOUN(本社:奈良県奈良市、社長 藤本 弘道:以下、ATOUN)は、ロボティクス技術を活用した歩行支援用の「着るロボット」=パワードウェア プロトタイプHIMICO(ATOUN提供)を用いた歩行サポートツアーを正式にコースラインアップに追加し、本日より発売いたします。

すでに「ツーリズムEXPOジャパン2019(2019年10月)」で「着るロボット」体験会や、10名限定で募集した実証実験を兼ねたツアーを京都で実施していたが、正式にツアー商品として販売することにしたのだそうだ。
そして第1弾は「世界遺産・宇治上神社と宇治のまちなみウォーキング」

<ツアー概要>
■コース名:「着るロボット」で歩行をサポートする体験ツアー 世界遺産・宇治上神社と宇治のまちなみウォーキング
■出発日:2020年3月3日
■旅行代金(お一人):2,500円
■申込受付:コース番号:B0910-981(10:00集合)/B0911-981(13:30集合)
■集合・解散】京阪宇治駅(集合)/宇治公園(解散)
■旅行企画実施:クラブツーリズム株式会社 関西テーマ旅行センター
https://tour.club-t.com/tour/relation?r=KAN99487
*WEBにてコースの詳細をご覧になってお申込みください。
*サポートスタッフが同行いたします。

ちなみに使われる機器は

<使用機器 パワードウェア プロトタイプHIMICO(ATOUN) 詳細>
日々の歩行を支えるパワードウェア。歩行支援用パワードウェアのHIMICOは、坂道歩行で最大19.0%、階段の上りでは最大17.8%、砂地の歩行では最大30.7%の支援効果。快適な着心地を目指して、歩く姿勢や癖などの個人差を意識したアシスト制御手法の開発、および、さらなる小型軽量化に取り組んでいます。

■プロトタイプ仕様
想定装着者:身長155 cm~190 cm、腰回り100 cm以下(服を着た状態での寸法)
重量:2.5 kg
(仕様および外観は、予告なく変更されることがあります)

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私が着用した様子。

なお参加対象者は、高齢者や体力に少し自信がない人のほか、最先端のテクノロジーの体験をしてみたい人も歓迎だそうだ。実際、このパワードウェアを応用して、山登りがどこまで楽になるかを考察するのもよいだろう。いつか林業にも応用が効くようになるかもしれない。

ただしパワードウェアによるサポートは、あくまで歩行のアシストであり、まったく歩行ができない方が歩けたり階段を昇り降りができるようになったり……するものではないのでその点は理解のほどを。

 

2020/02/06

Y!ニュース「先読み・植林面積世界一……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュース「先読み・植林面積世界一。中国は巨大な木材輸出国になる!」を執筆しました。

まあ、以前より温めていたネタを整理してみたもの。頭の中でさまざまな情報整理をしながら将来を考えていると、中国が日本の後追いをしていることに気づいた。というのは、大造林政策を行い、木材輸入を拡大し、気がついたら森林は飽和し、木材蓄積は莫大。そして高齢化の進展、少子化からの人口減少、木材需要の縮小。。。

日本が歩んだ道を中国もなぞっているわけだ。否応なしに中国が輸入国から輸出国に転換するという予想が出た。

では、なぜ今書いたか。武漢型肺炎(私の命名)の話題ばかりで多分注目されないだろうな、と思いつつ。。。

実はYahoo!ニュースも、毎月何本か書かないと、ペナルティはないけど、忘れられてしまうからね(⌒ー⌒)。最初のころは月に4本だったのが、3本になり2本になってきている。すると自分自身の心構えが消えてしまう。

というわけで、頭の隅にため込んでいたネタを放出しているのである(^o^)。オイオイ

それにしても、この手の「中国が世界一」というフレーズを記すと、内容関係なしに「また未知のウイルスをばらまくぞ」とか「悪逆非道な中国ガー」とか、ネトウヨが湧いてくるのはなんとかならんか。

2020/02/05

「平井の本棚」トークショー

世間はマスク姿ばかり、武漢発新型コロナ肺炎のおかげでめっきり人の多いところに出るのは億劫になっているが、そんな皆さんに告知。1か月前にも紹介したが、10日前になったもんでして(^^;)。

東京都江戸川区の「平井の本棚」という書店でトークショー行います。この書店は新刊と古書の両方を扱っていて、何やら不思議?怪しげ?な雰囲気(笑)。  ※平井5-15-10 平井駅北口駅前ビル1F (Google Map)

森はワンダーランドではなかった?『絶望の林業』に至ったワケ

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話は『森は怪しいワンダーランド』が中心なのか、『絶望の林業』が中心になるのかわからない。娘からは「面白そうな要素がない」とばっさり切られて、「関東と関西の笑いのとり方は違うから」と忠告を受けた。うむ。笑いの研究をしなければ。

日曜日の夕方だが、あまりに参加者が少ないとトークが弾まない気がする。お暇な方は顔を出してください。マスク着用OK。ただし出演者はマスクしないと思います、多分。

 

2020/02/04

林業機械がアバターになる時代

最近は、通信環境の5Gだとかで医療現場や災害救助・復興現場、そして建築現場の遠隔操作が可能になるんじゃないか、とか言われているが、どうやら林業の世界にもその流れは始まっているようだ。

【RSKイブニングニュース】

先に林業や木工のスマホゲームを紹介したが、そこで「これはゲームではなく、現実の仕事現場に応用されるかも」というコメントが付いた。

で、調べたら本当にそうなっていた(笑)。コーワテックという会社が無人というか、遠隔操作の重機操縦機器を開発しているが、それを林業にも取り入れる動きがある。

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アクティブSAM。コーワテック株式会社のホームページより拝借。


実は、私は20年以上前に長崎県の雲仙普賢岳火砕流災害現場の復旧に無人重機が実験的に使われているのを取材したことがある。それは国交省だったが、いよいよ実用化に進んでいるようだ。(その取材時の資料などは探してみようと思う。どこかに残っているはずだ……。)

林業現場で、全方向カメラと遠隔操作で木を伐ったり運び出す作業ができたら……ハーベスタやグラップル、フォワーダを動かせたら、一気に作業の安全性が増す。もしかしたらゲーム好きが参入するかもしれないし、肢体不自由な人が街のオフィスで操縦しつつ「林業」する時代が来るかもしれない。そうなれば労働力不足も解消するかもね。

映画「アバター」では、足の不自由な主人公が、異世界でアバター(分身)に精神を乗り移らせて自在に活躍するという設定だったが、それとよく似た時代が来るのかもしれない。

その時、「いや、人間が自分の足で山を登って、その目で確かめながら木を選び、伐らなかったらどうするんだ。全身で体感しないと林業はわからんよ!」と思った人、はい、貴方は時代遅れです(笑)。

むしろ、現場に足を運ばないとできない林業の仕事とは何か、それを考えて仕事を見つけていかないと失業するだろう。よほどの高級材の採材とか細かな作業だろうか。それらは現場に行ってもできない人はできないだろうけど。

いや、一つ仕事があった。この無人機械をセッティングする役割だ。つまり、ロボットのお守り役。いやロボットの下働き? 林業人、そして林業技術に対する正念場ではなかろうか。

 

2020/02/03

密漁と盗伐、止める気のあるのはどちらか?

ウナギの稚魚(シラスウナギ)の密漁に関するニュースで、水産庁は罰金を上げる方針(23年度より)というのを目にした。現在は「10万円以下」なのを一気に「3000万円以下」まで上げるという。ウナギのぼり……というより、ロケット並の急上昇だろう。

現在料理店や販売店に出回っているウナギは、いずれもシラスウナギを採取して養殖しているものだ。しかし、肝心のシラスウナギは、もはや絶滅危惧種に指定されるほど減少しているのだ。

だから、そもそも食べちゃイカンだろう状態なのだが、それでもウナギ好きの消費者とウナギ産業(養鰻業)は止められない。おかげで流通しているうちの3分の2は非合法だろうという推定もされている。当然ながらシラスウナギ漁も規制が強まっている。だが、そうなるとシラスウナギの価格は上がる。それこそウナギのぼりだ。キロ当たりの価格は2000年代は100万円以下だったのが、今や200万円を超えている。「白いダイヤ」と呼ばれており、採ったら大儲けできると、今度は密漁がはびこる有様だ。その多くが暴力団絡みの資金源になっているという。

昨年末には憂慮ル産地である高知県では、県警が密漁者の潜む「アジト」を摘発し、 男11人を逮捕した。水産庁によると、全国のシラスウナギ密漁の検挙件数は、2016年度までの5年間で計278件だが、高知県は今年度だけですでに18人を逮捕している。 

しかし罰金が「10万円以下」では、密漁業者にとっては痛くもかゆくもないわけだ。そこで「3000万円以下」に引き上げておいそれとは払えない額にしようというのだから、なかなかの英断ではなかろうか。これなら効果もあるだろう。シラスウナギ以外にも、アワビやナマコなど密漁は多いが、それが資源枯渇を招いているのだ。
もっとも、違法な輸入シラスウナギや密漁以外の横流し、そして過少申告もあるから、もっと厳密に密漁の定義をしておかねばならないだろう。ちなみに2017年の漁業関係法令違反の送致件数は2629件にものぼる。

翻って林業だが……密漁に相当するのが、盗伐だ。他人の山に育っている木々を勝手に伐ってしまうのである。環境に与える悪影響は密漁の比ではない。知らぬうちにはげ山にされたら、山崩れを引き起こしかねない。当然、その山に生息していた生物にも多大な影響を与える。実は、これが近年頻発している。木材価格が下がっているので、とにかく量を出して儲けようという業者が暗躍しているだ。
盗伐そのものは窃盗なので刑事罰だが、それを認めず誤伐、つまり「間違って伐ってしまった」ことで済まそうとしている。誤伐なら民事であり被害者に賠償すればOKとなる。ところが、この賠償額が低すぎる。現状では1ヘクタール伐っても10万、20万円程度の賠償金で済ませている。これには山主が伐られた木材の価値をよくわからないという点もあるのだが、こわもて業者が脅すように示談してしまうのだ。

とにかく伐り得になるから盗伐も治まらない。本当は木材価格ではなく、罰則としての額に伐採経費と再造林経費も含めて1ヘクタール伐ったら3000万円ぐらいにしなくてはいけないだろう。それに誤伐と盗伐の境もなくすべきだ。明確に他人の山を勝手に伐ったら罰則があることを示すべきだと思う。

問題は、所管する林野庁がやる気のないこと……。罰金額を引き上げるどころか摘発の意志さえない。警察も、盗伐を立件したがらない。非常に手間がかかるからだというが、林野庁がやるべきことはまだまだある。水産庁を見習え、と言いたくなるのである。

 

 

 

2020/02/02

AFCフォーラムの林業特集「国産材促進の方策を追う」

AFCフォーラムという雑誌というか機関誌がある。発行元は日本政策金融公庫農林水産事業本部。
だから農林水産業に関する専門誌と言ってもよいのだが、そのうち林業は毎年2月号だけである(やっぱり大半は農業……)。

今年は「国産材促進の方策を追う」がテーマ。私にも時折依頼が来るのだが……今回も1本書いた。

ただし、特集ではなく「主張・多論百出」のコーナーであった。

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……そりゃそうだろうね。特集で「公共事業に木材を!」とか「土木分野に国産材を」「CLTで明るい未来!」なんて書いているところに、私が「そんなもん、役に立つか!」と書きそうだから(笑)。いや、事実書いたのだけど。

公共事業なんて建築需要のせいぜい2割だし、税金で無理に木材使わせても波及効果弱いし、土木用もCLTも、その原木価格はどうなるんだ。安く買いたたくに決まってるだろう。それで需要を生み出しても山元には全然還元されないという単純なことをわからんのかね、官僚も学者も。アホか、ボケ!(とは書いていないよ)

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多分、記事は月遅れでネットに公開されるはずであるから、今は冒頭だけ。

ちなみに、このAFCフォーラムには、農水省の三省堂書店の売れている本ランキングが載せられている。12月は……『絶望の林業』は2位。前月と比べて足踏みだけど、いやむしろ、よく踏ん張ったと褒めて上げたい(^o^)。

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2020/02/01

旋盤で木を削るヘンなスマホゲーム

「Woodturning 3D」というヘンなスマホゲームがあった。木工旋盤を使って丸太からアートを削り出すゲームアプリ、「Woodturning 3D」(Android版iOS版)である。

よくわからんが、「削り出し」「ヤスリがけ」「塗装」の3工程で木工品を製作するゲームのようだ。最初にお題を与えられて、回転する丸太にドラッグの操作でノミやヤスリをあてがい、削っていくわけである。形ができ上がったら塗装もする。色は自分好みに選べるようだ。完成したら、全体の精度に見合った報酬(スコア)を獲得でき、次の題材があてがわれる……。

木工家志望者は挑戦してください(^o^)。最近はプロでもノミを使うことも減っているようだが。しかし、いくら上手く削れても本物のノミを扱えるわけじゃないよなあ。。。。

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 ちなみに私はやりません。というか、そもそも私はスマホゲーム(PCも)をやらない。それでも、林業や木工がゲームになる時代だということは感じておこう。

 

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森と林業と田舎