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森と林業の本

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2020/03/09

フリーランスの森林生態系的経営

コロナ肺炎の蔓延で、学校などの休校、イベント中止、お出かけそのものを自粛……を受けて経済的に苦境に陥る人々や会社が続出すると想像されている。おそらく日本だけでも経済的損失は数千億円になるだろう。つくづく経済は、人と物が動いて成り立つものだと思う。そこに移動学を提唱するのだが……。だから補償問題が持ち上がっている。政府も補償をする旨のコメントを出している。

一瞬、私にも補償があるのか?と思ったりもしたが、フリーランス、つまり自営業者にはない。せいぜいつなぎ融資をする……程度だ。融資って、借金だよね。。。就業時間も損害額も計算できないからだ。

まあ、大変な人たちが多いのは実感する。ここは堪えどき……。私も、取材も行けず静かに暮らしているよ(笑)。

私自身は、フリーになったときから心がけていた経営哲学?がある。それは、森林生態系的経営だ。一言で言えば、多様性経営。難しく聞こえるが、ようは仕事の幅を広げておくこと。それも仕事先・仕事内容の多様性だ。加えて短期収益と中期収益、長期収益に分けて仕事を考えること。書籍出版は長期収益。連載記事は中期収益。単発記事や講演は短期収益

具体的に言えば、まず仕事を発注してくれる場をできるだけ分散多様化すること。どこかの編集部に専属にならない。当初は5社7雑誌をめざした。しゃにむに営業をかけて、それを達成したこともあるのだが、ある時期、なんと半年で半分が消えてしまった。担当編集者の異動、雑誌の休刊、方針転換……などのために、次々と仕事が消えたのである。仕事先の多様性だけではダメだ、と痛感した。

そこで書籍出版に切り換えた。目安は1年1冊の出版。本を出すと、付随して雑誌の仕事、講演の仕事も来ることがわかった。これで落ち着く。

ちなみに昨年は、『絶望の林業』がヒットしたので長期収益を膨らますことができたのだが、見事に講演が消えた(笑)。短期収益は減損したことになる。講演依頼は、従来林業系が多かったのだが、あの本の内容ではなあ。でも、委員会出席が入った。これはそこそこ連続するので中期収益か。金額は小さいけどね……。
ここに、長期展望を持った投資も必要になる。ようは将来出版・記事にする可能性のあるものへの先取り取材である。報われるかどうかはわからないが、情報とアイデアを持続的に生み出すためには絶対必要である。

いやあ、このように考えると、経営って面白いですね(⌒ー⌒)。実は、この考え方を敷衍したのが、『絶望の林業』の中の「希望の林業」の中の、ポートフォリオとしての林業経営である。

そんなわけで、自粛ムードの中、わりとのんびり暮らしているが、このところ他人との接触がほとんどない。出会いがない。話し相手もいない。このまだと投資が滞る。寂しい。それに客が減って困っている店が多い。彼らを支援するつもりで、誰か飲みに行きませんか……。(イマココ)

 

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