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森と林業の本

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2020/03/11

生駒山にメガソーラー計画

生駒山を大きく切り開いてメガソーラーを設置する計画があると知って、現地を見てきた。

と言っても、正確にここの山林というほど詳しくないが、だいたいこの辺り、ぐらいのである。

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ここは生駒市南隣の平群町。肝心の山林は山腹というより、尾根に近く、かなり標高は高い土地だ。傾斜は急とは言えないが、細かな谷が多く入り起伏は細かく激しい。この山の斜面、約48ヘクタールの土地を削って、メガソーラーを設置するという。どんな造成の仕方かわからないが、木々を全部伐り払い平坦にならすのは間違いない。このところの気象変動を考えると、防災上かなりの疑念がある。

私は、ソーラー発電を比較的認めている。とりあえず原発よりはマシだし、そのためには電力供給を増やさないといけない。しかも一度つくれば燃料の購入がいらないうえ、メンテナンスも少なく、ランニングコストは安い。20年後のFITの期限が切れて買取価格が急減したとしても、コストが低ければ維持できる。仮に放棄しても、基本的にはソーラーパネルを撤去するだけなら、低コストで行える。巨大プラントの廃墟化よりよいだろう。少なくてもバイオマス発電よりはマシだと思っている。

ただ、メガソーラーは広大な森林破壊を引き起こす。本来、建物の屋上や遊休用地、耕作放棄地で行う想定だったのに、農地は法律上難しいので、簡単な山林を切り開く例が増えている。まったく不本意だ。規模も小さく、1ヘクタール以下で行うべきだろう。

地元に反対の声も高まっているようだが、本気で取り組めるかどうか。古くからの農家にニュータウンが混じった複雑な地域だ。

ちなみに傾斜地の造成には、排水法とか地滑り防止法とかいろいろ適用される。ほかにも自然公園法や鳥獣保護区や保安林指定とか、農地法、都市計画法とか、さまざまな省庁が勝手な法律をいっぱいつくっているからねえ。国交省、環境省、農水省、林野庁、その他いろいろ。
抵抗手段としては、立木法を利用して立木トラストを仕掛けるとか、3月末に成立予定の新森林条例も使えるかもしれない。

 

それにしても生駒山には、大阪側が木質バイオマス発電所を建ててしまったが、ここにメガソーラーとは。いっそ尾根沿いに風車を並べて風力発電もしたら、「再生可能エネルギー」の立地オンパレードになるかなあ。

追記・奈良県より情報提供があり、メガソーラー計画地48ヘクタールのうち15へクタールは残置森林だそうである。ソーラーパネルが設置されるのは16ヘクタール。残りは造成後に緑化したり調整池を設ける土地になる。そして、すでに開発許可が下りているとのことだ。

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コメント

農地上のソーラーシェアソアリング(パネルの下で日陰でも育つ野菜や花卉やキノコ等を栽培)同様、山林のソーラー化にも、パネル下の利活用を設置条件にすべきだ。例えば森の日陰で育つ山菜や貴重な植物の栽培、正月用の萬両・千両・百両等園芸種栽培。実生コンテナ苗生産は無理?)民有地の個人財産への束縛は、所有者に更なる収入をもたらす提案でないと受け入れられないところに難しさがあるように思う。

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