臭いで感じる橿原神宮の鳥居
台湾ショックのさめやらぬ今日、橿原神宮へお参り。コロナウイルス退散祈願をしてきたが、そこで見かけたのが、この鳥居。
おや、新しくなっている。さっそく顔をつけて臭いを嗅ぐ(^o^)。
うむ。このバタ臭い臭いはなんだ。ヒノキというよりマツ、いやもっと脂っぽい。それも日本にはない臭さ。以前来たときは、ヒノキチオールの香りがした。つまりタイワンヒノキ製だったのだが。
橿原神宮の創建は明治23年創建だが、その時は急ごしらえであり、その後幾度となく拡張されていく。そして紀元2300年を迎える1940年に向けて大きく改築された。その際に使われたのが、タイワンヒノキである。鳥居のほか、本殿など大きな建物の豪壮な柱などは、ほとんどタイワンヒノキで建てられたと言ってもよい。
だが、約80年経った昨年、ついに傷んできた一の鳥居、二の鳥居を新たに立て直したのだそうだ。
使われたのはカナダヒノキ。なるほど、バタ臭いはずだ(笑)。それでも樹齢1000年ものの大木だそうである。ただ、すべてが腐っていたわけではないので、柱の部分を使って横木(島木)に作り直したそうである。だから、島木は色が違う。台湾とカナダの合作であった\(^o^)/。
外国産木材を使ったというのはちと残念である。カナダだから違法伐採木材ではないと思うが……。明治神宮のように吉野杉でつくろうとは思わなかったか。やはりスギには抵抗あるのかもしれない。しかし、臭いではカナダヒノキよりスギの方が芳しいと思うよ。
なお手洗い所や南門、北門、そして本殿など全般はみなタイワンヒノキの建築が残っているようである。こちらを嗅いで、行けなかった台湾に思いを馳せよう……。
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コメント
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鳥居とは神社の入り口(玄関)を表す物と聞きますので、形・材質に決まりは無いでしょう。希少木を伐採したり環境破壊に繋がるのであれば、集製材でも合わせ柱でも良いと私は考えます。その時代の最新技術を後進に伝える意味で意義があるでしょう。後に尊敬されるか笑われるかは、今後の我々の導き方次第…(笑)
投稿: 山のオヤジ | 2020/03/20 11:13
集成材どころか、コンクリートの鳥居も、金属の鳥居も、塩ビパイプの鳥居もありますよ。
でも、どこか見栄を張るんでしょうね。やっぱり無垢の大木を使いたい……と。なるべく人為を嫌うのは神道の特性でしょうか。
投稿: 田中淳夫 | 2020/03/20 22:18