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森と林業の本

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2020/04/16

東西のタンポポの生存戦略から我が道を考える

昨日に続いての野の草木草花の話になってしまうが、散歩がてらで歩いた畑地の畔で見かけたタンポポ。

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どれもニホンタンポポ(カンサイタンポポ?)のようだ。一時期、セイヨウタンポポに押されて絶滅を心配されていたが、ちゃんと生えるところには生える。侵略的外来種というと、何やら生命力の強い生命体を想像するが、タンポポに限れば、むしろニホンタンポポの方が強いという。それなのに、なぜ圧されてきたのか。

セイヨウタンポポは無性生殖で増えられるし(ニホンタンポポは有性のみ)、開発で土壌が剥がされた痩せ地にも強いため急速に分布を拡大する勢いがあった。そのため侵略的外来種100にも入れられていたのだが、最近は落ち着いてきたようだ。もともと種としてはひ弱く、生存競争に弱いのだそう。だから、ライバルの少ない都市部で繁殖していたらしい。敵のいないところで繁殖するいわゆるブルーオーシャン戦略か。

一方で、ニホンタンポポは花粉を受粉しないと種子がつくれないし、その数も少ないから一見セイヨウ勢に押さそうに見えるが、実は生命力は旺盛で、ほかの草花が咲く中で頑張って生き延びられる。しかも春の早いうちに種子を綿毛の乗せて飛ばし、早く子孫をつくる。ほかの草が繁る夏の間はおとなしくして秋に伸びるのだそう。こちらは激しい戦いを繰り広げ勝ち残りをめざすレッドオーシャン戦略……というより、もっとはしこく立ち回って多くのライバルのスキマを縫うように勢力を拡大する生き方ではなかろうか。

 

この生存戦略の違い、生き方としてはどちらが自分に向いているだろう。私は基本的にブルーオーシャンをめざしてきたのだけどね(^o^)。
本当は「棲み分け」をしたいところですな。

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