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森と林業の本

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2020/04/12

ウイルスはシンプル方向に進化した

ウイルスが生命体かどうかは、よく問われている。

なぜならウイルスは遺伝物質である核酸、DNAかRNAを持っているものの、細胞膜も細胞小器官もなく、タンパク質を合成できず自己複製も自分でしないからだ。これでは生物とは言えない。ただ他者(生き物)を乗っかる形で複製する……ほかの生命体の細胞に入り込んで自身の遺伝子を組み込み複製づくりを依存して増えるという手段を取る。増殖できるという点では生命体に酷似している。

しかし、その起源をたどると生命体であったことは間違いないようで、それが進化する過程で“無駄”をそぎ落とし、遺伝情報だけの物質になったらしい。できるだけシンプルな形になろうとして、生命の根本原理である増殖に必要な器官までなくしてしまった。遺伝情報さえ持てば、そんなものはほかの生物から奪えばいいんだ、という戦略か。

なぜ、シンプルになろうとしたのか。もちろん意志を持って選んだ道ではないだろうが、その方がエネルギー効率がよいのかもしれない。

通常、生物の進化は簡素な形から複雑な形へ進むとされる。だから高等生物ほど形も内部器官も複雑になる。それにつれて体格も大きくなる……と思われている。たとえばコケからシダ、裸子植物……という流れで見ても、より複雑化している。動物も魚類から両生類、爬虫類、哺乳類と体内器官は複雑化した。だが、同時にそれは多くのエネルギー消費を求める。哺乳類は恒温動物であるがゆえに、常に体温を保つために非常に多くのエネルギーを必要とする。そのため食べる量も増え、より効率のよいデンプン・糖を求め、さらに肉食になる。

葉っぱを食べる動物より果実、あるいは肉を食べる動物の方が圧倒的に食べる量を少なくできて(餌探しに手間をかけない)、活発に動ける。人間の場合は、筋肉だけでなく大脳を発達させてものすごくエネルギー消費を増やした。

もちろん、そうした進化のおかげで多様な生命体が存在できたのだが、むしろ現代社会は複雑化、大規模化しすぎて行き詰まりを見せている。もしかして進化の方向にシンプルに変化するという選択肢もあるかもしれない。

最近では、ウイルスそのものが他種生物間を行き来することで遺伝子を運び、その生物を進化させる元にもなっているという仮説もあるから、根っからの進化のキー物質らしい。

ま、こんなことを考えたのは、やはりコロナウイルスという言葉が流行り、つい妄想に耽ってしまったからであるが……このシンプルな方向への進化というのが結構ハマッた。

ここからは生物の進化論ではなく人類の行動変化と社会進化論になってしまうが、人間も肉食を止めてベジタリアンになるとか、活動を縮小する方向もあるかもしれない。ナマケモノのごとく、動かず小食になり、ひたすら頭を働かせるだけの生き方。

経済が縮小した方が地球環境のためになるということも、現在のコロナ禍で試されている。移動の制限でエネルギー消費を落とすことが進んでいる。すると中国やインドの大気汚染が一気に好転したとか、石油など化石燃料の消費が激減し食品ロスも減ったとか。さらに経済の減速で収入が減れば生活も縮小させざるを得ないし、一方で忙しく働けなくなったおかげで、のんびりしたライフスタイルに染まりつつある人も現れているようだ。

ある意味、コロナウイルスが人間社会をシンプルな方向へと動くことを余儀なくしている。

そういや、インドネシアで発見されたフローレンス原人(ホモ・フローレシエンシス)も進化の逆転を見せたことで注目されている。体格も頭脳も大きく進化してきた霊長目ヒト属の中で、初めて小人化、脳容積を縮めるという方向を示したのだ。理由はわからないが、フローレス島という限られた空間に閉じ込められて食料も少なかったからではないか、という仮説がある。だが同時期に大型のジャワ原人もいたわけで、むしろ競争を避けた進化という面もあるかもしれない。

もしかしたら小人化したフローレンス原人は化石人類の中で19番目だろうか?小型化にコロナウイルスが関係しているのだろうか?……なぜってコビト化、コビット化……COVID-19!  \(^o^)/ヾ(- -;)。

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