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森と林業の本

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2020/05/02

なぜ池に鯉がいる ?

相変わらず、毎日出かけている。外出自粛なんぞどこ吹く風、と出かける。

めざすは他人に会わない山。まあ、完全に誰もいない道は少ないのだけど、人のいないマイナールートを探す。これが毎日になると大変なのだ。メジャーな生駒山登山ルートや幾つかの森林公園内ルートは、常にハイカーが行き来している。まあ濃厚接触というにはほど遠いから気にしなくてもよいのだが、私自身が他人に会わないで歩きたい。結局、道のないところを歩くのが一番てっとり早いのだが……。

今回選んだのは、山というには低すぎて、しかも範囲も狭い矢田丘陵の北の端。標高は200メートル程度なのだが、結構谷が細かく、溜め池多い。そんな麓に隠れてある小さな寺の裏側から谷ををよじ登り、細い尾根をかき分けて行く。尾根には山道があったのだが、それが迷路のように枝分かれしている。でも、人影はゼロだった。

そんな山中をぐるぐる歩いて出くわした小さな溜め池。…そこで撮った写真がこれ。なかなかモネっぽくて水面の反射が美しい。

Photo_20200502232701

注目してほしいのは、中央付近に何か赤いものである。水面が新緑を写す中で赤いアクセントとなる影……。

これヒゴイ、つまりニシキゴイである。池野恋、じゃなく池の鯉なのである。少なくても2匹いた。かなり大物。体長は50センチ級だ。こんな小さな池(奥行き20メートル程度)にコイが複数いて、餌に困らないだろうか。もっとも、放されたのは今日昨日ではなく何年も生きているのだろうが。

しかし、この溜め池には川はなく、そこに魚類がいるのは当然人間が持ち込んだわけだろう。とくにニシキゴイだから自然界にいるわけではなく、誰かが放流したと思われる。自宅では飼えなくなって放したのだろうな。
ただ、この池にたどり着くのは、結構大変だ。かろうじて道はあるのだが狭い山道で、それも枝道だから、誰もが通るところではない。わざわざ、池に放そうと持ち込んだとしか考えられないだろう。

ちなみにコイは、基本的には外来種とされる。最も縄文遺跡でも骨が見つかっているから、ほとんど在来、自生と言ってよいのだろう。
ただ、コイは日本の自然を破壊していると言われる存在だ。外来種だからというより、非常に貪欲な食欲でなんでも食べるからだ。在来魚類はもちろん、水棲昆虫も食べてしまう。狭い水域に放すと生態系を破壊すると言われている。

ただ赤い色は目立つので、よく鳥に狙われる。我が家の庭の池に話していた大型の金魚は全部サギにやられてしまった。しかしこのぐらいの大きさのニシキゴイは、大きすぎて狙われないのだろうか。

小さな山の、小さな池の生態系。このニシキゴイは池の主になれただろうか。

 

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