明治時代のナラシカ
連休と言っても、何の動きもなくて話題も少ない……。
ここは秘蔵?写真を紹介しておこう。
まずは、川上村の成瀬氏からいただいた明治時代の奈良公園、おそらく東大寺の参道の写真だ。
奈良のシカ、ナラシカは、今と変わらぬ姿でいたことになんか微笑ましい(笑)。
この写真は明治30~40年ごろと思われるが、実はこの直前までナラシカは酷い目にあっていた。明治になって赴任した県令が、ナラシカを撃ってすき焼きにしたり、馬車を牽かせたり、あげくは柵に閉じ込めて大量餓死に追いこまれたりしています。38頭まで減ってしまったとか。
ようやくナラシカ保護策が立てられたのは明治10年、そして12年に奈良公園が設立される。そこから徐々に数を増やして元の「町中をたむろするシカ」状態にもどっていったのだろう。写真の頃はナラシカの数も元にもどり、蛇の目をさす人の手から鹿せんべいを受け取るまでになっている。写真の左隅には、鹿せんべいが売られている模様だ。
このころは日本の歴史上、もっとも獣害が問題にならなかった時代だ。正確に言えば、明治30年~昭和40年ぐらいの間か。もっとも獣害が極端に減ったのは、野生動物が減ったからだけど。その中で保護されたナラシカは、もっとも平和な時代だったのかもしれない。
さて今の奈良公園、観光客がいなくなって鹿せんべいをもらえないから狂暴化しているという噂が飛び交っている。まあ、おやつがなくて苛立っているかもしれないけれど(笑)、今は草木がもっとも新芽を出す時期。食べるものに困ることはない。むしろ少し野性味を取り戻しているかもしれない。最近のナラシカは、ちょっと人に馴れすぎだったから。
ちょうど今年初の子鹿も生まれた。
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