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2020/05/20

書き替え疑惑・木材自給率の最低値

以前から気になっていたのだが、木材自給率について調べたら、2018年は前年より0.4ポイントアップの36,6%だという。2011年から8年連続の上昇になる。総需要量も8,247万8,000m3と3年連続で増加したそうな。ま、それはドーデモいい。

気にしているのは、次の点だ。その記事の説明に、「木材自給率は2002年に18.8%と最低値を記録した」とある。
実際、昨年の森林林業白書には、こんなグラフが付いている。

2019

この中の2002年のところに18,8%と記されているのが読み取れるだろう。

さて、ここで疑問。かつて木材自給率のボトムは18%とか、18,2%と言っていた。私が本を執筆の際に白書などを確認・引用しているのだから間違いない。その本にも当然、その数字を記した。

そこで過去の白書から取り込んだグラフを張り付けておこう。

 Photo_2020052016430125

どちらも18,2%と記している。まあ、ほかにも20%だという数値を示すものもあるのだが、それは大雑把に示したのだろうということにしておく。いずれにしても、最近になって18,8%に変えられているのだ。母数(総量)をいじったとしか思えない。

もしかして現在の統計がバイオマス燃料材も含めるようになったからか? しかし2000年頃にバイオマス発電はほとんどなかったから、それを外したら自給率を引き下げるほどの量があったのかなあ。こんなのもあった。

Photo_20200520164901 

いつから、どのように計算式を変えたのか。その理由はなんなのか。その説明はどこかに載っているのだろうか。それともこっそり書き換えたのか。政府資料の破棄や書き換えが得意な現政権だけに、油断ならない。誰か説明してほしい。

過去の白書を調べても、そもそも木材自給率を毎年同じところに載せてないことに気づいた。わざと見つけにくくしているのだろうか。グラフも各年代に数字を入れていないものがある。ちなみに25年度の白書は18,2%だった。そして29年の白書は18,8%になっている。

困るんだよ~。私が昔の記憶で18,2%の数字を使ってしまった場合、私の間違いにされてしまいかねない。何より、白書が信用ならないことを示してしまうだけだろう。

 

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コメント

18.2%は用材自給率で、18.8%は用材のほかに燃料材としいたけ原木なんかを加えた自給率ではないでしょうか。

平成15年木材需給表で確認できました。平成14年の用材自給率は、18.2%。しいたけ原木、薪炭材を含む自給率は、18.8%でした。

なるほど。ご確認ありがとうございました。
ただ白書もグラフも「木材自給率」としか書いていないのだから、不親切ですね。なぜ、この時期に計算式を変えたのか。

それに薪炭材の量は、バイオマス発電が広がる前はそんなに多くなかったはずだし、椎茸原木も東日本大震災後は相当需要が縮んだはずで、そんなに統計に影響力あるのかなあ。

すでにご指摘にあるとおり、18.2%は用材、18.8%は木材全体で、過去の木材需給表もずっとその2本立てになっているようです。

なぜ、この時期に計算式を変えたのか、勝手な想像ですが、私なりの解釈をお示しします。

ご自身おっしゃっているとおり「2000年頃にバイオマス発電はほとんどなかった」ため、この頃は用材が限りなく木材とイコールであって、別にどっちでもよかった。これもご自身がおっしゃっているように、薪炭材に市場性が失われていた中で、自給的生産や市場外流通が多く、正確な需給量の把握が困難な薪炭材を分母・分子から外した。

ところがその後、FITの後押しもあって膨大な量の薪炭材あらため燃料材需要が生じたため、分母・分子から除外することはかえって実態を反映しないことになった。

そうはいっても、その木材自給率が「用材」なのか「木材(全体)」なのかによって大きく文脈が書き換わるほどの影響はないと考え、また、「数字が書き換わる前の例」としてお示しの3っつのグラフにはいずれも、凡例なり注釈なりできちんと「用材」である旨注記されているため、あえてアナウンスをするほどのことでもないと判断した。

そもそも、よくご存じかと思いますが、木材関連統計のコンマ数パーセントの違いなど、誤差の範囲でしょう。

私は役所も役人も大嫌いですし、おっしゃるように森林経営管理法の際のアンケートの読み方など怒りを通り越して呆れるしかありませんでしたが、なんでもかんでも役人=悪、役所=悪のような見方というのもあまりみていて気持ちよいものでなく、ついコメントさせていただきました。

ご無礼の段、ご海容ください。

考察をありがとうございます。
ただ、役人=悪、ということではないです。むしろ悪意なきお役所論理で一般人は困らされる、という感じでしょうか。

実際に公的文書の中にも、18,2%と36,6%を比べて説明しているものを見かけます。20年経たずに自給率は2倍になったとか説明するわけです。途中で計算方法を変えたことが伝わっていない。多分、知っているのは極めて内輪だけと思います。
いや木材需給表に「用材」と記しているから間違う奴が悪い、というのは担当者の言い分でしょう。誰にでも伝わるようにしないと。

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