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森と林業の本

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2020/05/17

「焼畑の手順書」公開!

コロナ禍で「外出自粛」「巣籠もり」が“要請”されて、みんな自宅にこもる生活が続く。そのため娯楽はおろか職場も学校も行けなくなるわけだが、そこで頼りにされたのがインターネットを利用した情報のやり取りだ。リモートワークやオンライン授業はもちろん、自宅でも気持ちよく過ごせるようエンターテイメントまで多くのコンテンツが提供されるようになった。そこには多くの人々・法人が、これまで秘蔵、もしくは有償だったコンテンツまでネットに無料開放している。これって、すごいことだ。

私も、おかげさまで結構無料で映画などを見ているし、意外な情報を得たりもしている。

その中で、こんなものもある。

「椎葉の焼畑 手順書」

宮崎県椎葉村農林振興課の製作のようだが、おそらく通常はパンフレットとして配布しているものだろう。それをネットでも見られるようにしたものだ。(これがコロナ禍のために開放したのか、もともと開放するつもりだったのがこの時期になったのかは知らないけど。)

ともあれ、私のような「焼畑マニア」には楽しい。

ちゃんと、焼畑が「森を育てる循環農法」として「誤解」を説明しているし、「自然の理にかなった農法」であることも記している。この点に関しては農業からの視点だが、後半には「森づくりの手順」も説明する。広葉樹林の育て方もある。
改めて考えるに、焼畑には森と畑の循環がある。木を伐って燃やしても、また森にもどる。その点は常畑・水田のように一度農地にしてしまったら二度と森にもどさない農法とは違うのだ。

私は、スギ、ヒノキも含めて人工林を育てる育成林業の出発点は焼畑だろう、という視点で見ているので、この森づくりの伝統技術を手軽に手にすることができるのは有り難い。

ちなみに椎葉村と言えば、椎葉くに子・秀行さんの焼畑が有名なのだが、実は椎葉村内でも多くの焼畑があって、それぞれ手法が違っていることは、あまり知られていない。本当に伝統的な焼畑技術はどれか、というのは難しいのだが、ともあれ記録に残さないことには消滅してしまう。こうした試みは結構なことだ。

4_20200517170601 私が訪れたときの焼畑。

 

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