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森と林業の本

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2020/05/29

生駒山のモミ

生駒山中腹にある宝山寺。いつも参拝に訪れる寺院だが、そのもっとも奥まったとところから山頂に連なる尾根に登るルートがある。急峻で滑りやすく、知る人の少ない登山コースだが、楽な道ではないものの、私は愛用?している。ここで他の登山客と会うことがないから。

それで、トレーニングがてらに登っていて、ふと気づいたのは、モミの木が目立つことだ。

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生駒山の植生はコナラ林が基本だが、それが徐々にシイ・カシなどの照葉樹林に成りつつある。おそらく照葉樹が潜在植生というか、元植生なのだろう。ところが、たまにモミが目に入るのだ。それも圧倒的に宝山寺の周辺に多い。

しかも、結構な大木がある。胸高直径で30センチを越す。これだけの木はスギやヒノキにはない。

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モミも生駒山の元植生なのだろうか。江戸時代は草山だった記録があるから、樹林はほとんどなかったはずなのに、そこにモミが残る余裕があったのか。もしかしたら宝山寺の境内ということで伐採を免れたのかもしれない。聖地扱いだ。

もしかしたら、植えた可能性だってある。モミの白い材質は卒塔婆に向いているから、お墓用に。

生駒山の歴史を、植生でたどって見られるかもしれない。

 

 

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生駒山中・身近な自然」カテゴリの記事

コメント

かなり昔から田中様の記事、拝読して一方的に共感しています。私は徳島県で林業と製材業を営んでいます。
モミの大木は、私の地区の山林にも散在しています。
大体80年生以上の杉山の中にそびえ立っていて、120年生
とかが多く、例外なく実生で、芯から緻密な木目です。
モミの需要は、四国では殆どなくて、高知の原木市場で
宮崎県の2業者が競争買いでせり上がります。
元木のみが高くて3~8万くらいの価格で平均が立方5万なんて事があったりします。杉大径木のながら伐採なのに
3倍になったりして。柾目挽きで塔婆や絵馬になるようで
安定需要に支えられてるみたいです。それに比べて、杉檜
は悲惨極まれりです。安定需要がない所に恒常的に流れる
補助金という麻薬が、森林組合と林業事業体を薬中患者にしました。最初はカンフル剤の筈が気がつくと中毒です。
副作用はすさまじく、需給を壊し原木価格を直撃です。
ワリを受け続ける林家です。農協と農家と同じです。
コロナ禍がキッカケで維新の会が、政権参加でもして、
補助金精査でもしてくれと、密かに思っています。
徳島県 平井賢治

モミがスギやヒノキ以上の価格になるのは有り難いようで痛し痒しですね。モミ材を扱うルートをしっかり握っておけば、チャンスになるかも。
吉野でも、スギやヒノキではなく、点在するマツを集めて扱う業者がいます。スキマに商機あり(^o^)。

補助金問題、抜本的に改革しないと将来に禍根を残します。みんな依存症患者になります。

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