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森と林業と田舎の本

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2020/05/24

環境ストレスを迎え撃つ?新肥料

私は、かつて土壌ジャーナリストを名乗っていた。これは2015年の国際土壌年に合わせた肩書であるが、年が明けてから返上した記憶はないので、今も土壌ジャーナリストでもあるはず、だ。

そこで、久々の土壌、それも肥料の話題を。

バイオスティミュラント生物刺激剤・BS)」をご存じだろうか。農業ではまったく新しい発想の資材として注目されていて、とくに欧米を中心に広まりつつある。簡単に言えば、環境変異におけるダメージを軽減できる植物に育てる資材のことだ。

そもそも農業資材には、まず「肥料」がある。いうまでもないが、植物(作物)への栄養供給と土壌を化学的に変化させて植物を育ちやすくする。無機・有機に関わらず、植物の生長に必要な物質を補給してやるものだ。

次に「農薬」がある。こちらは害虫や病気、雑草(ライバル植物)といった生物が作物に与えるストレスを除去する役割がある。殺虫剤、殺菌剤、除草剤などだ。こちらも化学物質が主流だが、生物農薬と呼ばれるものもある。

さてBSは、これらとは違って、高温や霜、日照り、塩害、冷害、霜害、活性酸素、雹や風、さらに農薬による薬害などの環境ストレスを和らげる素材だ。非生物ストレス対策とも言えるだろう。そうしたストレスを軽減することで、作物が本来持っていた力を発揮させる。それで収穫量だけでなく品質もよくする。ストレス耐性を身につけさせる。さらに収穫後の農地の状態もよくして次の作付けにもよい影響を与える。
具体的な資材は、海藻やアミノ酸、タンパク質、腐植質、微量ミネラル、微生物など多種多様だそうだ。とはいえ、まったく新規なものではなく、日本ではボカシ肥料(油粕や米ぬか)がそれに相当する。日本の農業には、昔からBSの発想があったのだろう。

Photo_20200524165401 ※ボカシ肥料。イメージです

ちょっと飛躍して人間に例えると、病気を治す医薬品でもなければ、ビタミンなどの栄養剤や補助食品でもない。アロマとかお酒とか温泉とかヨガとか……ストレス発散に使われる消費みたいなものか。森林サービス産業という名で立ち上げようとしている「新たな林業」もその一種で、人間用のバイオスティミュラントか。
こちらも今流行っている。その代わり、怪しげなのも一緒(笑)。実際の効果は見えにくいし、肝心の植物の個性?によって効果も揺れ動く。

それでも、すでにバイオスティミュラントの世界市場は2014年に約1400億円、それが18年に約2400億円に達した。今後数年間の成長率は年10%前後と推測されているのだから有望かも。食料危機に備えるために作物の収穫量を上げるのに必要と訴えられている。そうしたセールストークも、人間に心地よい生活を与えるという森林サービス産業と一緒\(^o^)/。今ならコロナ禍に耐える身体づくりに必要と宣伝しているのではないだろうか。

日本バイオスティミュラント協議会も設立された。もはや農薬などの資材の売れ行きが今以上に伸びないと見た企業が参入し始めたのだろう。その点も、木材売上が伸びない林業に「サービス産業」を持ち込んでいるのと同じか。

でも、こうした資材を生産するのには森林はちょうどよいと思うよ。

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