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森と林業の本

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2020/05/10

研究:都市の緑は早死にを減らす?

アメリカのCNNによると、医学誌に「都市部に木々を植えることが早死にの抑制につながる」かもしれないという研究結果を発表したそうである。その研究チームとはどこか、なんという研究者なのかに触れていないのだが……。

医学者もコロナウイルスの研究ばかりで飽きたんじゃないのか、と不遜なことを想像してしまった(笑)。

ともあれ今回の研究によれば、ペンシルベニア州フィラデルフィアで木陰の量を5年以内に20%から30%に増やせば、最大403人の早死にを抑制できる可能性があるとしている。それは年間40億ドル近い経済効果を生み出すとか……。草木の種類は触れていないが、今回の研究では樹木の方が良い影響があるらしい。樹冠が覆うと日射を遮り気温を下げる効果のあるからかと記しているが、私は目の前で草木を見るよりも上から緑に包まれている感覚が精神的によいと私は解釈したい。

ちなみに昨年の研究では、7カ国の800万人に行った調査によって、近くに緑の空間がある都市部の住人は早死にする可能性が小さくなるという結果を出したそうである。その続編か。自然を取り込むことがストレスの低減や精神状態の改善につながる可能性があるという。


別にこうした結果が出たことを疑うつもりはないし、批判もしないが、アメリカぽい研究の仕方のように感じる。早死にの人数って、どんな計算の仕方をするのか。合理主義社会の裏には、ロマン主義というか自然に対する過剰な期待が隠されているよう。
でも、これって裏返せば(緑の少ない)都会は健康に悪いという前提で語っているのではなかろうか。コンクリートばかりが目に入るような場所では、ストレスもたまるし、早死にしやすい……それに対してと緑を持ち出すわけね。

となると、普段から緑いっぱいの田舎では早死にしにくいのか。樹冠の下で働いている人はどうかとか、ツッコミドコロがいろいろある。

というわけで、今日も私は山歩き。通常のときよりよく出歩く。雨が降りそうな空模様なので、ザックに雨具を入れて、今日こそ道から外れないぞ、という強い決意を持って出発。
生駒山を越えて大阪側に越境し、県外に出てしまった。天候のせいか、山を歩く人は少なめ。途中見かけた人影は、トレイルランをする人のほかはトライアルバイクの一団か。こいつらは、いつ行っても群れてバイクを噴かしている。自粛の言葉を知らない。

ともあれ1時間半ほど緑の中にいたから、早死にしにくいはずだ、多分。

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