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森と林業と田舎の本

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2020年6月

2020/06/30

民間地の生物多様性認証制度の創設?

環境省が、景観や生物多様性などを長期的な観点で保全するための認証制度をつくろうとしているらしい。

ここでポイントなのは、対象は民間所有の森林・土地であること。国公有地はすでに保護制度をかぶせているところが多い。国立公園のほか森林生態系保護地域だの原生環境保全地域だの、いろいろある。だが、そうした法的な枠組に入っていない森林や里山を当てはめることを想定しているようだ。そのための認証の基準や選定方法などをこれから検討していくのだという。

今年度から候補となる森林や里山に関して動植物の生息や景観の実態を調査し、2022年度から運用を始める予定だ。

もっとも、まず民間所有の森林などが、どこに、どれくらいあるのか、その管理状況を把握するところからスタートするらしい。日本には企業や個人のほか神社や寺も森林などを所有しているところが多いし、共有地などもある。環境省としては、これまで目を向けなかったそうした地域の自然保護を強化したい考えだ。そして認証地をつなぐネットワークを構成して生物が移動できるようにし、健全な生態系を保存したいという。

しかし調査方法も難しいし、認証基準や選定方法についても決めねばならない。しかし民有地となると、私権の制限につながるのかどうかも大きな課題になるだろう。とくに林業地などはいかなる判断をするのか。仮に現在の環境が素晴らしいと認定した後に、伐採できるのか。あるいは里山のように、水田や畑を始めとする農業地も含むと、常に人の手を加えることで維持される自然となると、単に「保護する」では済まない。それこそ農薬や除草剤の使用方法まで考えねばならない。
さらには森林認証制度との兼ね合いも出てきそうだし……なかなか前途多難な様子が目に浮かぶ(^^;)。

有識者や海外の事例を元に決定するそうだが、そもそも民間所有者が積極的に認証を取りたい、と参加を促すには、メリットがないと進まないだろう。むしろ認証を取得できない森林は二流のレッテル張られるぐらいでないと前向きにならないのではないか。
ただ、トキやコウノトリの保護のために里山を保全する自治体の条例もあるわけで、不可能ではないだろう。むしろ市民の意識を高めなければ効果を生まなくなりそうだ。

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タンチョウヅルのいる里山の風景も候補、かも?


その背景を探ると、国際的にも、法的に保護された区域以外の場所でも動植物や景観を守らないと全体の生態系を維持できないという考え方が広がっているらしい。それを日本に取り入れようというわけだ。

実は、日本の愛知県で開かれた生物多様性条約会議では、2010年より10年間の目標を定めていた。いわゆる「愛知目標」である。20もあって複雑なので、リンク先で見てほしい。ただ今年が目標の最終年となっているため、次の締約国会議では、新たな目標が議論される。そこで民間所有の自然の保護を入れることになりそうなのだ。環境省は、先んじて認証制度を創設して、国際的にアピールしたいのだろう。

さて、どうなるか。民間であろうと森林は公共財であり、社会資本であるという見方に立てば、何らかの枠組は必要だ。それを認証制度の形で行うのが適切なのかどうか……イヤなら参加しないだけ、とはならないか。

ともあれ、環境省が意欲的に取り組むのなら期待して見守っていきたい。

 

 

2020/06/29

クロモジのクラフトジン

私は酒類の中でも、ジン飲みである。なぜか若い頃からジンをよく飲む。昔は安酒でさっさと酔っぱらうための酒のイメージがあったが、むしろチビチビ味わって飲むのが好きだ。

だから、近年のクラフトジン・ブームは歓迎したい。手づくりというか、小規模で個性的なジンづくりが世界的に流行っているのである。一つには、ウイスキーのように長い年月寝かせる必要がなく、スピリッツにボタニカルと呼ぶ植物性のハーブを漬け込んで浸出させればジンになるという安直さ?のせいかもしれない。だから焼酎メーカーなど、醸造できて、蒸留設備を持っていたらアルコール度の高い蒸留酒をつくれる。あとは漬け込むボタニカルの選定……でできると考えるのだろう。そういやコロナ禍で、酒造メーカーが消毒用(にも使える)アルコールを生産し始めたが、工程は似ているのである(笑)。

日本産クラフトジンも増えた。それぞれ特徴を出そうと、ボタニカルにこだわる。日本的なボタニカルを加えるることが多い。そういや以前、「季の美」というクラフトジンを紹介したことがある。それはヒノキを使っているからだった。

で、今回私が手にしたのは、これ。

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養命酒株式会社がつくった「香の雫」。この特徴は何か。特徴的なボタニカルは……。

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クロモジだった。クロモジは、日本特産で、最近はちょっと人気だ。もともと高級楊枝に使われていたが、その爽やかな香りが気に入られたのか、アロマにもなっている。クロモジ茶も開発されている。さらに飴もある。なかなか人気者なのである。

そこにクロモジ・ジンか。

ま、それだけなら、新機軸かというだけだが、ちょっと驚いたのは、養命酒は薬草を浸出させた薬用酒だが、その主力の薬草はクロモジだったのだ。日本で利用されているクロモジの大半が養命酒で使われているとか! だからジンにもクロモジを使うのは当然と言えば当然の選択かもしれない。

木材だけでない林業を考えた際、クロモジというのは、今後ちょっとしたブームかも。クロモジはクスノキ科だから、樟脳に近いスッとした香りを持つ。畑で育てるより山地が向いているようだ。しかも数年で育つ低木だから、経営的にも回転は悪くない。

なお、新潟のろくもじ株式会社がクラフトジン「ROKUMOJI」を開発したそうだ。こちらはクラウドファンディングで資金を集めての挑戦だ。ここにもクロモジが使われている。ほかアテビ(ヒバ)や茶、ドライアップル、アンジェリカルートなどが使われているそう。


ちなみに私は国産ジンに対して言いたいのは、奇をてらうな、ということだろうか。生姜だけを入れたジンとかもあったが、それって生姜酒である。。。。ジンとは、ジュニパーベリーの香りが基本なのである。ヒノキやユズや茶もいいが、肝心のジュニパーの香りがしないのはジンじゃないよ。ジュニパーはヒノキ科のセイヨウネズの実だが、日本で近いのはやはりネズ(ムロ、ネズミサシ)かね。香りは違うのだろうか。
球果は杜松子(トショウシ)というそうで、漢方の原料とか。

クロモジとネズを国産にできないだろうか。

 

2020/06/28

森林体験と離職率

森林・林業白書に、こんなコラムがあったのだけど……。

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ようは、社員を森林内の野外活動(これを森林セラピーと呼ぶのはどうか? 林野庁自らが定めた森林セラピーの定義とずれていないか)をさせたら、離職率が下がったというのだが……。

具体的には2005年から2007年までの3年以内の新入社員の離職率は12%あったが、2008年から2014年までの期間では1%まで下がったというのである。

なんか、うさん臭い(笑)。この手の数字は、機能性食品を摂取したらナンタラカンタラの効果が出ました、というのと同じだ。森林セラピー基地側の宣伝パンフなどで使う程度なら目をつぶるとしても、白書で記すことか。不当表示にならないか。かろうじて囲みのコラムに納めているが、少なくても数字を出すべきではない。
森林セラピーの医学的エビデンスそのものが、かなりいい加減であるが、離職率の減少と結びつけるのは反則技というかサギ的論法のように思う。偶然の結果を必然に見せかけるのは、サイコロの目で株式投資先を決めるようなものだろう。

だいたい2008年はリーマン・ショックがあった年であり、その後数年間は雇用環境が極度に悪化した時期だ。その時にようやく正社員として勤められた人は、簡単に離職しないのは当たり前だろう。仮に年間何十日間は森林体験させているから、とでもいうのならまだしも、入社時の数日間の研修くらいでストレス発散方法を身につけたというのも無理筋。

それなら林業界の離職率の高さはどう説明するんだ(笑)。森の中にいてもストレス発散できない、ストレスたまるからか。

本当に離職率へ直接的な影響を与える要素は、給与の額と休暇取得日数、そして職場の人間関係である。コロナ禍中のリモートワークのように、他の社員と合わない環境をつくったら離職率が下がるかも。

2020/06/27

岡山に木材研究の拠点?

このニュースをどのように読み取るか……。

岡山大学に新工学部を2021年4月に新設する計画があるそうだが、そこに森林保全から林業、木材加工、木造建築までを一体とした教育研究ゾーンづくりをつくるための検討委員会が発足するそうだ。

岡山大学に加えて、岡山県立大学や岡山理科大学(加計学園?)とも交流し、岡山県、真庭市、真庭地区木材組合、そして林野庁や銘建工業も協力するとか。建築家の隈研吾氏も委員になるみたい。

なんだか岡山県あげての計画に見えるが、ようするに県北地域で林業や木材製品、木造建築などを研究するというものである。だが、岡山県には森林科学系の大学はないはずだし、そもそも新設されるのは工学部なのだ。森林保全とはあるが、ようは木材を扱う研究だろう。森林生態系より、建築に重心があるのは想像できる。
ともかく、産官学で研究すると打ち上げたのだから、何か思うところはあるはず。

CLT以外のネタを探すのかな? CLTは国の研究機関がやってしまったし、CLT工場も全国に立ち上がったから、いまさら岡山県としての出番はないはずだ。ただ問題は、CLTが全然売れないことだろうねえ。。。。国産材を使用しているのかも怪しくなってきた。次の一手を考えておかないと、打ち上げ花火になってしまうから。
でも必要なのは、素材(CLTなど)の性質性能などの研究ではなくて、需要開拓だろう。それも高く売れる需要を見つけないと、安い欧米製にたちうちできない。果たして「教育研究ゾーン」の取組として、需要開拓に取り組めるか? それと、付け足しのように?森林保全とか林業も書き込んだのだから、山の現場のことも研究していただきたい。

そういやケボニー化木材(フラン樹脂化木材)の研究も岡山県と岡山経済界は関わり協議会を設立したはずなのだが、私の感触としては、ほとんどやる気なさそうだった(笑)。脱線するが、ケボニー化木材の国産化の研究はそれなりに進んでいますよ。そう遠くない時期に実用化されるんじゃないかな。(ケボニー化というと、ノルウェーのケボニー社のものになってしまうので、最近はフラン樹脂化という言葉を使うようになってきた。)

こちらは、まだ製造技術の研究段階だが、今から需要も発掘しておくべきだろう。これもバックキャストの発想で、まず最終的な使い道を描いて商品開発をしないと、先に「こんな性能の商品できました」と言っても、使い道がわからないのでは話にならない。まあ、日本のものづくり全体が陥っている罠なんだが……。


 

2020/06/26

Y!ニュース「アメリカで除草剤裁判の判決相次ぐ…」書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「アメリカで除草剤裁判の判決相次ぐ。びっくりの結果は……」を書きました。

気づいているだろうが、ブログに書いた「除草剤を巡るアレコレ」の発展版。

もともと、この記事の元になる「ジカンバ除草剤の裁判判決」はYahoo!ニュースには向いていないな、と思ってブログに書いたのだが、その後に、「グリホサート裁判」の判決を教えてくださる人がいた。こちらの判決も出たのか、しかも正反対?の結果。これは面白い、じゃあ、Yahoo!ニュースに書こうかな、と思いついたわけである。

こうして皆さんの情報提供によって成り立っているのだよ(^_^) 。

正直、除草剤のような化学物質にそんなに興味があるわけではないけれど、以前はゴルフ場に関して農薬について勉強したこともあるので、それなりにかじっている。それに、ちょうど林業の下刈りに使う除草剤の是非を調べる機会があり、その流れでもある。こちらの記事もそのうち出るだろう。

では、また皆さんの情報提供をお待ちしています。それを記事にできるかどうかは吟味させていただくが、貴重な機会である。

 

2020/06/25

ジュンク堂書店の棚

久しぶりにジュンク堂書店奈良店に行ってみた。たまには大型書店で本を探したい……て、奈良のジュンク堂はちょっとしょぼいのだけど……

と腐してはイケナイ。

森林・林業棚を見て驚いた。

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今も平積みだよ。発売後10か月以上経ってもこういう置きかたをしてくれることに感謝。いい店や~。

ただ、隣が某宮脇氏の本なのだが……。これは奇縁ですねえ。潜在自然植生のことを記事にしたばかりに皮肉か? 
ちょっと、アチラの本の方が出張っているのが気に食わん(笑)。

2020/06/24

除草剤を巡るアレコレ

私は、農薬や除草剤を嫌う人は、喫煙はもちろん胃薬も風邪薬も頭痛薬も飲むな、と言っているんだが、こんなニュースが飛び込んできた。

カリフォルニア州サンフランシスコの裁判所は、独バイエルなど3社が発売したジカンバを使った除草剤について、登録を無効とする決定を下した。多くの農家は、この除草剤の散布を前提に、ジカンバに耐性を持つ遺伝子組み換え作物の作付けを進めてきただけに、突然の決定に大混乱に陥っている。

こうした記事が世界中に配信されると、おそらく除草剤や遺伝子組み換え作物の反対派は「見ろ! アメリカも除草剤禁止に舵を切ったぞ」と狂喜乱舞するんだろう。ちゃんとニュースを読まずに……。ちなみにバイエル社は、モンサント社を吸収合併しているのだが、今はもう存在しないモンサントの名を連呼するのも反対派の特徴(笑)。

もともと、この除草剤は、スーパー雑草対策として開発された。アメリカでは、農家がグリホサート系の除草剤(だいたい「ラウンドアップ」ですな)を使ってきたことで、2000年代に入るとグリホサートに耐性を持つスーパー雑草が次々と出現していたのだ。
そこで「スーパー雑草」に対抗する「スーパー除草剤」としてジカンバ系の除草剤が登場したわけだが、この薬剤、周囲に飛散しやすい。そのため散布した周辺の農地で作物がどんどん枯らしてしまうという事件が多発したわけである。この被害に対する裁判となり、登録抹消、つまり新たに売買できないようにしたわけ。この除草剤が人体に危険なのかどうかは別問題で、私にもわからない。

ちなみに、ほかにもスーパー除草剤はいくつかあるので、そちらはどうなるかよくわからん。すでにほかの除草剤をつくっている会社の株価が高騰しているという情報もある。
むしろ問題は、アメリカ産農産物の収穫量に対する影響だろう。大豆や綿花のジカンバ耐性品種のシェアは約6割に達するそうで、その畑の雑草対策が上手くいかないと収穫量が目減りする恐れがある。今度は穀物メジャーの株価が変動するだろう。

付け加えておくと、私は除草剤を無害だ、危険性まったくなし、というつもりはない。ただ人体に対する影響や残留性の問題は、ほぼクリアされている。地下水にも浸透しないし、多くの種類は数週間で分解して効力がなくなる。
ただ憂慮すべきは、生態系への影響だろう。この点は、私も相当ていねいに対応すべきと思っている。今のところ目に見える被害は出ていないが、将来的に新しい危険性が出現する可能性がゼロとも言えない。だから慎重に使うのに越したことはない。風邪薬だって飲み間違えたら体調を悪化させるだろう。

以前、超微量の化学物質が、動植物にホルモン剤と同じように働くという「環境ホルモン」公害が一世風靡したことがあった。しかし、結果として事例のほとんどが否定された。今や死語になっているが、また同じことが指摘されるかもしれない。

林業地の造林後の下刈りでも、除草剤を使うことへの反対が強いが、日本以外の国では普通に使っている。それを嫌がるのはかまわないが、代わりに人力に頼り、過酷な労働を低賃金でさせることを前提に考えるのがよいことなんだろうか。人手が足りないから、外国人労働者を入れるという動きもイヤらしい。

ようは雑草の対策法の一つとして除草剤は、使う量や散布の仕方、時期……などを見極めるべきなのだ。アメリカのように飛行機やドローンで散布するのは、やっぱり気色悪いね。周囲に飛散するから必要量をはるかに越える量を撒くし、隣の作物を枯らすこともあるだろう。

さて、アメリカ産大豆や綿花の価格が、来年以降、高騰するかもしれない。文句言わないように。

2020/06/23

10分の1しか白くないハンゲショウ

テレビで尾瀬の湿原の秘密を紹介する番組を見たので、私も生駒山の湿原が気になって見に行ってきた。ちょうど、夏前なら半夏生(ハンゲショウ)が茂っているはず……ほかにもキンポウゲも咲いているかな……とか想像していたのだが。

あらら。半分どころか10分の1も白くない。ハンゲショウじゃなくなるぞ。

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全然白くない。どうした、まだ早すぎたか。ハンゲショウは少しずつ葉を白くしていくのか。それとも湿原の異変か。

ちなみに昨年の湿原は、こんな風。半分以上白い。また2年前にこの湿原のハンゲショウを記事にしていた。昨年は「半分、なつぞら」という記事にしている。ハンゲショウ、毎年紹介してるやん(笑)。でも、今年は……。

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実際、今年の湿原は、全体に樹木化が進んでいるように感じる。高さ2メートルぐらいの灌木がそこかしこに生えているのだ。

乾燥して陸地化きた? いや、地表に水分は十分にあるように見えるのだが……。昨年は生えていた草花があまり目に入らない。湿原の植生は移り変わるものだが、たった1年で様変わりというのも早すぎる。

なかなか目が離せないぞ。

 

2020/06/22

「ご神木」の伐採は是か非か

八王子市の神社が、境内からはみ出て通行を邪魔するケヤキなどの木を伐らないで困っている、という話題をワイドショーでやっていた。

とうとう八王子市と国土交通省の関東地方整備局が、行政代執行を行ったそうだ。はみ出した木の枝の伐採と撤去したのである。最長9メートルもはみ出ていたらしい。信号は見えないわ、道を越えて向かいの児童館の敷地まで伸びていた……とか。

代執行でご神木伐採

問題は、神社側が22回にもおよぶ市などの撤去を求める指導に応じなかった点。「この木は、ご神木だ」という主張をしていたらしい。本当にご神木だったのか怪しくて、私もテレビで見たかぎりでは、なんか宮司が依怙地なだけのように思えたのだが……そもそも神木とは何か、神木は伐ってはいけないのか、ということが気にかかる。

そもそも私は、神社の「鎮守の森」が禁足地で、太古の自然が残っている、潜在自然植生だ……という言説を信じていない。

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これ、某神社のご神木である。スギの大木だ。ただ、私が総代に話を聞いたところ、境内はヒノキ林で、その中には大木も多いものの、もっとも太かったのがこのスギだったから「神木」に選んだという。選んだ……総代が直接経験しているらしい。わりと新しいのである。

ついでに言えば、奈良県の大神神社。神社の中の神社というほど古く、三輪山を御神体にしていることで知られている。1_20200622164502 三輪山

11_20200622225901大神神社のご神木?

三輪山は、登ることはできるが、写真禁止などいろいろ厳しい。ただ、山が禁足になったのはどうやら江戸時代らしい。古代には、木を伐っていたから林業発症の地ではないか、と私は思っているのだが、その後もマツタケの名所だった(^o^)。みんなマツタケを採りに入っていたのである。また古い絵図にもマツが描かれているが、マツが生えているのだから土壌は貧弱なのだろう。木や草を採りすぎて荒れていたに違いない。

ほかの有名な神社でも、木材を得るため鎮守の森に植林していた記録がある。本殿など神社のお堂建て直しのための木材なのか、あるいは売って金に変えたのか。そしてマツタケだけでなく、落葉や下草も肥料として周辺の農民に販売していたらしい。それを止めたのは、一部は明治、多くは戦後のようだ。「潜在植生」というのも、戦後手を入れなくなって成立した鎮守の森なんだろう。

だからなあ、ご神木というのは、もっとも太くて高く売れる木だという意味だと思うよ(^_^) 。

2020/06/21

スポルティッドなギター

先日見た「美の壺」で取り上げた「ギター」。

美術品としてギターを見ると、その魅力のほとんどが使用する木材に左右されることがわかってくるのだが、こんなのも登場した。

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全面が杢の出た板。スポルティドメイプルなんだそうだ。て、そんな樹木は知らないから調べてみた。すると樹種ではなく、スポルテッドとは樹木が傷ついた際に雨水等とともに侵入した菌やカビによって出来た帯状の黒い筋のことらしい。とくにメイプルは多いとか。樹液を採取するために傷つけることが多いからだろうか。ある意味、病気?奇形?なのだが、ギターのトップには人気なんだそう。

たしかに杢としては面白い。ただ、菌に侵されて変質したわけだから、木材としては強度が落ちるし、そもそもひび割れがあったわけで、音としてはどうなんだろう。それがより面白い音になるのかもしれないが、正統派楽器ではないように思う。いや、二次的な木目の模様なのだから、本来の杢でさえないのかもしれない。

そういや、先日訪れた岩手の小友木材店で見かけた杢の板。

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これは何の木かな。この板からギターはつくれるだろうか。社長とこちらのカメラマンは、ギターの話で盛り上がっていたが(笑)。

2020/06/20

薪の価格は……どうなった?

先日、森林・林業白書で「特用林産物」、とくに漆について紹介した。

もう一つ大きな特用林産物(キノコ以外)と言えば、薪がある。燃料としたらバイオマス燃料が急速に拡大しているが、薪はそこには含めないんだ。木炭も大きいが、こちらはむしろ輸入が目立つ。しかし、薪はほぼ国産と言ってよいのだろう。

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生産量は、急減して2006年がボトムで、そこからじわじわと増えてきたようだ。(震災で落ち込んだ点は除く。)

2018年には4.8万㎥(丸太換算)となり、近年は5万㎥程度で推移している。生産量を都道府県別にみると、多い順に鹿児島県(8964㎥)、
長野県(8459㎥)、北海道(7932㎥)……。北海道はその広さと寒さからもっと多いと思ったが、そうでもないらしい。鹿児島が多いのは、カツオ節製造用かな。と考えると、薪ストーブ需要は長野県が一番多いのかもしれない。もっとも北海道は自給の割合が多そうだし、長野は首都圏など遠くまで販売している可能性もある。

ところが驚くべきは価格だ。長期的に上昇していると言えるだろう。とくに震災で生産量が落ちたときに急騰している。ということは、震災でむしろ需要は増えたのに、生産が滞ったということか。2018年は層積立米単価で2万6100円だ。(1層積㎥を丸太0.625㎥に換算)。
そういやホームセンターで見かけた薪も、ひどく高かった。一束760円などとある。同じホームセンターでも、数年前と比べて2倍になっているのではないか。それほど足りないのか。こちらはキャンプ用だろうが、高くてもイットキのレジャーなら買う人はいるだろう。

しかし、こんなに高止まりしているのなら、もっと生産に新規参入してもよいと思うのだが、そうもいかないのだろうか。

やはり薪にする木を伐りだして、割って、さらに乾燥……という工程はなかなか大変なんだろう。それに、たいてい配達が必要だろうし。

と思っていたら、本日の発見。

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これ、なんの木かわからない。剪定木だろうか。とにかく山積みなんだが、そこの看板に注意。

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「薪、無料」だった(゚д゚)。「自由にお持ち帰りください」だと。ようするに薪を生産しているのではなく、廃棄物処理か。ほかに堆肥もいいらしい。

こんな業者がいたら、せっせと薪を生産している業者はあがったりだな(笑)。

2020/06/19

人類は脳を小さく進化させた

最近、改めて人類の進化に関する本をよく読むようになった。

改めて、というのは、10年20年前に同じマイブームがあったから。アウストラロピテクスからホモ・サピエンスにつながる進化の歴史が面白くていろいろ読みあさったのだ。

満足してしばらく離れていたが、ここ10数年の間に人類史の研究はすばらしく進んだ。新化石の発見が相次ぎ、新種もは続々と。単に形態だけでなく、生活や知恵までわかる遺跡も見つかっている。
そしてインドネシアのフローレンス島で、ホモ・フロレシエンシスが見つかった。これは、いわば小人種だ。身長1メートルあまり。一貫して身体を大きく進化させてきた人類が、いきなり小さくなった!という新種発見に私は驚いた。人類進化の根幹が変わる。そこでまたも関連書を読み込んだわけである。

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いずれの本もそれぞれ興味深かったのだが、とくに「絶滅の人類史」で驚くべきことを知った。

それは脳味噌の容量の変化だ。

たとえばチンパンジーは、約390ccだ。

初の直立二足歩行をして人類へと分岐したとされるサヘラントロプス・チャデンシスは約350㏄。むしろ小さくなっている。が、これぐらいなら誤差範囲か。

アウストラルピテクス・ガルヒは、約450㏄。少し後のアウストラロピテクス・ボイセイは約500㏄
同じ頃のホモ・ハビリスは509~680㏄
ホモ・ルドルフェンシスは790㏄
ホモ・エレクトゥスは時代によって変異が大きいが約1000㏄とされる。

そして、ホモ・エレクトゥスから生まれたホモ・ハイデルベルゲンシスは約1100~1400㏄となった。
そこからヨーロッパに渡って進化したホモ・ネアンデルタールは、平均で約1550㏄に達している。なかには1740㏄を越える個体もある。これは人類史上、最大の脳を持つ。
ところが、アフリカに残ったホモ・ハイデルベルゲンシスから誕生した我等がホモ・サピエンスの古い時代は、約1450㏄だ。つまり、ネアンデルタール人より小さい。そしてそして、現在の人類の平均は1350㏄なのである! 

なんと、ホモ・サピエンスは、脳を小さくしたのである。また身体もネアンデルタール人より華奢だ。

ちなみにホモ・フロレシエンシスは、ホモ・エレクトゥス(ジャワ原人)から進化したようだが、脳は400㏄とチンパンジー並。ジャワ原人の半分以下だ。知能がどうだったかはまだわからないが、少なくても5万年前までは生き延びていた。ほとんどホモ・サピエンスが誕生して広がった時代と重なっているのだ。人類は大きくなるばかりではなかったのである。

仮説として、脳はエネルギーを使いすぎるからではないか、と推測がある。脳は、ほかの器官より圧倒的にカロリーを食う。そのカロリーを得るためにはのべつなしに餌を探して摂取しないといけない。植物質を食べる動物(シカなど)は起きている間中餌を食べている。

ところが肉を食べることになると、短時間に栄養摂取が可能になったことで動きを俊敏にしたという。それが脳を大きくしてもよい下地ができた。
人類も、枝葉から木の実・豆・芋などでんぷん質やタンパク質を取るようになり、そして動物質の餌を得て脳を大きくすることができた。ところがネアンデルタール人ほど脳を大きくすると、やはり栄養摂取が大変になる。しかも身体も筋肉質だった。筋肉もカロリーを消費する。これでは食物探しに時間が取られて、文化・文明を発達させる余裕がない。事実、ネアンデルタール人は、初期の頃につくった石器を絶滅近くの時代までに、ほとんど改良することがなかったという。

そこでホモ・サピエンスは、脳を小さく身体も華奢にしたんじゃないか……。そんな仮説を立ててみる。食物を探す時間が短くてすめば、生活を工夫する余裕もある。打製石器から摩製石器、さらに刃物のような鋭利な切れ味を持つ細片石器を発明し、さらに使い方も棒に尖った石器をつけることで槍を生み出した。獲物を取るのが格段に効率的になる。

一方で、脳が小さくても効率的に思考できるようにした。その手段は、まず言語だ。言語を獲得することで抽象的概念を描けるようになり、脳が小さくても思考力が高まったわけである。言語はコミュニケーション能力を高め、共同作業をより高度にする。かくしてネアンデルタール人などを圧倒するようになった……。

まあ、これは仮説だ。何の証拠もない。しかし、脳が大きければ知能も高くなるとは限らないようだ。量より質、なのである。脳を大きくする進化は、もうピークをすぎて、今後は小さくしていくのがトレンドかもしれない。それでも思考力を高める方向に進化するだろう。

ひたすら脳を大きくして、エネルギーを大消費する動物は、結果的に小回りが効かず、未来は危ういかもしれない。何事も、みかけの大きさ、量よりも、いかに効率のよい肉体・思考力を持つかが決め手ではなかろうか。

今後は、もっと頭を小さくしていくかもしれない。思考は言語を越えたイメージで行うようになり、足りない部分はAIなどで補って生きていく未来人を想像してしまう。たとえば記憶データの蓄積や、データの検索・比較なんぞはAIに任せて、小さな脳の人間は、示された結果から最終判断だけを担う……そんな未来図を描くと、果たして人間にとって幸福なのか、不幸なのか。

もはや仮説や考察というより、想像の世界ではあるが、あまり明るい未来が浮かばない。

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ホモ・フロレシエンシス(国立科学博物館)

 

2020/06/18

森林・林業白書~特用林産物・漆で考えた

令和元年度森林・林業白書が発表された。

 私も一応ざっと目を通しているのだが、あんまり興味をそそる項目はなく……相変わらずの林業事情と林業政策。

そこで、つい目を向けたのは、特用林産物の項目。木材一辺倒の林業の中では、あまり注目されないが、産出額で言えば全体の半分を締めているのだから、特用という言葉が間違っているかもしれない。具体的には、食用のきのこ類、樹実類、山菜類、漆や木蝋など工芸品の原材料、竹材、桐材、木炭など……である。まあ、その中でも売上の大半、8割はきのこ類だ。

残りの中で比較的力を入れているのは、漆である。

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こんなグラフを見ると、生産量が減り続けてきたものの、ここ数年は少しだけ伸びている。が、面白いのは量(1・8トン)より自給率で、急回復を見せている。とはいえ、5%なのであるが。ただ、1980年前半は6トン以上生産していたのに、自給率は1%程度。
ようするに漆そのものの需要が激減したのだろう。何が減ったのかね。文化財は増えこそすれ減らないだろうから、民需がなくなったのか。

そして国宝・重要文化財用をすべて国産にするには2・2トン必要だそうだから、最近になって増産が叫ばれているのだ。

ここで、ふと思ったこと。

現在の漆は、ウルシノキを「殺し掻き」している。樹齢10数年程度のウルシノキをひと夏、漆を掻いたあと木を伐採する方法だ。中国が、毎年漆掻きをする「養生掻き」をするのと比べて、国産漆はこの方法だから質がよい……といった言い方をされている。が、それは嘘だろう。理由はその年の採取量を増やすために行われたのだ。つまり先のことを考えなかった。

だいたい日本も昔は、養生掻きをしていたのだ。1度採取したら数年休ませて、樹勢が回復したらまた掻く。たしか明治時代に目先の生産量を増やすため殺し掻きに変えたんじゃなかったか。しかし、ウルシノキを植えて10年~15年育てて、たった1年漆液を採取したら伐り捨てるなんてもったいない。仮に3年に1度の養生掻きにすれば、ものすごく生産効率を上げられるように思える。

それにウルシの実からは、をとることができる。江戸時代は、この実から蝋をとるための実の収穫もやっていた。木蝋はハゼの実などから取るが、ウルシの実からも取れたのだ。これは和ろうそくの材料として重宝した。この実の収穫のためにも、養生掻きだった。現在の木蝋の需要はどれほどあるのかわからないが、これも特用林産物なんだから。
現在なら、ウルシの花で養蜂をやることも考えられる。意外とウルシの蜜はよろしい。by 養蜂ジャーナリスト
そして太くなったウルシノキの材も使い道を考えたい。

ある意味、漆産業は林業の縮図だな。木材の生産も、目先の量の増加に走って持続性と長期展望を失い、木材以外の森林の多様な資源利用を捨ててしまった。結果、行き詰まる。

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とまあ、白書を見て、ここまで妄想を膨らませたのである。

2020/06/17

Y!ニュース「潜在自然植生の森を人がつくる危うさ……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに『「潜在自然植生」の森を人がつくる危うさを橿原神宮で感じる』を執筆しました。

これは知っている人は知っている、毎日新聞奈良県版で連載している「大和森林物語」で取り上げたテーマを整理して、改めて考えてみたもの。

連載では5回かけて橿原神宮の森(58~60)と神武天皇陵(61)、そして畝傍山(62)の植生を成り立ちも含めて紹介した。ようするに、いずれも人がつくったもの、それも明治時代に行ったものであり、太古の自然のままじゃないよ、ということだ。

もともとの意図は、奈良にだって明治神宮みたいな人工でつくった豊かな森がある、ということを知らしめようというテーマであった。ところが取材で現地を訪れて驚いた。橿原神宮の森、大丈夫? 状態だったのである。そして隣の御陵の森を覗くと、あら意外や豊かじゃないの。同じ時期に同じようにつくったはずなのに……と疑問を持った。それを連載の記事に記したのである。

このシリーズの連載は今日で終わったわけだが、改めて感じたのは、人が森をつくる際の樹種の選定の危険性。

明治神宮は本多清六を始めとする林学界の錚々たるメンバーが参画してプランニングしたが、橿原神宮を手がけたのは、その下で働いた造園家の田坂美徳だった。政界からも「早く万葉の森を」という要求があった(たった2年半で作れ、だった)。本多が大隈重信首相の意見に逆らってまでつくった森とは違う。

そして「理想とする森の形を最初からつくるために植える樹種を選ぶ」という発想は、アノ「潜在自然植生」の植林と同じじゃない? ということだ。たしかに、潜在自然植生の木を最初から植えた土地では、みんな不健全な森になって……いや、森にもなっていなかったりする。

はっきり言って、宮脇昭にケンカを売っている(笑)。

 

さて、来週からの新シリーズ、何を書くか? 取材も急がねばならんのになあ。

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2020/06/16

新生活?新緑浴? という新言葉

今日は、群馬の高崎市に日帰りで行ってきた。

仕事ではない。葬儀への参列である。大学の後輩が闘病の末亡くなった。59歳、早すぎる死だった。

ここで彼のことには触れないが、群馬の葬式で知った新しい言葉を紹介する。

「新生活」。知っている人は知っている(主にグンマー人)、知らない人は知らない、予想もつかない言葉。

受付で香典を出そうとすると、親族・友人、会社関係などとは別に新生活という範疇があったのである。へ? 何? 県外人には想像もつかない。故人が「新生活なんちゃら運動」なんてのに参画していて、そこからの列席者がいるとか? コロナ禍後の「新しい生活様式」と関係あるのか? しかも、その場で受付は香典の中身を確かめる。ヒヤッとするではないか。県外人の間でざわざわする……。

まあ、詳しいことは「新生活 群馬」とでも検索していただきたい。秘密のケンミンショー的な謎の風習なのであった。極めて端折っていうと、香典返しはいらない人の区分け……のよう。それが新生活かあ~。新しい生活ならぬ言葉を作っている。

そして告別式が終わると、引換券とともに香典返しが渡されるのだが、そこになんとサージカルマスクがついてきた。さらに終了後、同窓生と食事に行ったのだが、そこでもマスクが。マスクが増殖する。日々マスクの在庫が増えそうだ。そういや彼の死亡の知らせが入った日に、アベノマスクも届いた。遅すぎる到着だった。

新しい言葉と言えば、京都に着いて目に入ったのが、以下のポスター。

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奈良観光のポスターであり、わりと私のお気に入り。京都より奈良だよなあ。奈良はシカだよなあ。が、そこで気づいた。上にある文字は、よく見れば森林浴ではなく「新緑浴」となっているではないか。
なるほど、写真に映っているようにシカのいるのは森林というより草原の新緑の上なのである。しかし、「新緑浴」とはこれまでにない言葉。コピーライターが作ったのだろう。だが森より広く、でも萌え出る植物に浴する気分が伝わる。

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ともあれ、朝5時に家を出て、往復10時間をかけた旅だけに疲れた。明日晴れたら、新緑に浴そう。

2020/06/15

グリーンリカバリー~日本の気候危機宣言とEU生物多様性戦略

ほとんどベタ記事で、世間的にも注目されていないが、環境省が「気候危機宣言」を出したことを知っているだろうか。
地球温暖化が進み、より激甚な豪雨災害が頻発すると予想したのだ。環境各所にも「気候危機」という言葉が使われている。

で、どうするの? という具体策が見えてこないのが残念だが……。締めくくりは、排出される二酸化炭素の6割は生活用品の生産だから「生活の低炭素化」を図りましょう、ということらしい。

しかし、地球温暖化対策は焦眉の急だ。グレタさんが注目を浴びてさほど年月は経っていないのに、世間の目はコロナウイルスに向かってしまった。しかし、コロナ後の「新しい生活様式」にも二酸化炭素排出削減を加えるべきだろう。
すでに世界ではグリーンリカバリーという言葉が使われており、この危機から環境に配慮した経済回復をめざす動きが目立ち始めた。「コロナ後の経済復活策に気候変動対策を据えて、経済のパラダイムを変えよう」というのだ。

そんなときに目についたのが、欧州委員会(EC)の発表した「2030年に向けたEU生物多様性戦略」。
私は概要を読んだだけだが、なかなかすごい目標が並んでいる。

ヨーロッパの土地の30%、海の30%を保護区にして、棄損している生態系を回復させる。
自然に流れる河川の少なくとも2万5000kmを回復させる(自然護岸にするということか?)
30億本の植林をするというのもある。これは、どれだけの面積になるか。ヘクタール3000本植えだったら、100万ヘクタールの森林化ということになる。ヘクタールあたり1000本の植林ならば300万ヘクタール。

農業面でも、さまざまな目標が並ぶ。たとえば有機農業や生物多様性の豊かな景観を増やす。
授粉媒介者(昆虫)の減少を食い止め増加に転じさせる。
殺虫剤の使用やそのリスクを半減させる……。
こうした政策によって、最大50万人分の新しい雇用、グリーンジョブを生み出す。

これも「グリーンリカバリー戦略」の一環だろう。転んでもタダで起きないというか、ヨーロッパは、コロナ禍の痛手を経済戦略の転換にも利用しようとしているようだ。すでに脱炭素化を目標に掲げて、石炭発電などに金融やビジネス面から締めつけを強めている。

日本も宣言だけでなく、壮大な目標を掲げてほしい。かろうじて小泉環境省は、地球温暖化防止の情報をオンラインで世界中で共有しようという提案をしているが、具体的に動き出しているのだろうか。

 

 

2020/06/14

東北の土産と、土産話

東北旅行の落ち穂拾い的、お土産の数々。

まず訪れた「磐城高箸」でいただいたのが、これ。

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木のストラップであるが、このように書かれると……。ちと持ち歩けない(^^;)。レーザー印刷したものだ。

一方で、昨日の「山猫」を開発している和同産業で、こんなものも見かけた。

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草原のルンバ♫ じゃない、草刈り機。まったく自動で草地を走り回って刈り取っていく。周りは微弱電流を流す電線で囲ってあり、そこから出ることはない。そのうえ何かに衝突したら、しっかりバックして向きを変える。電池が切れてきたら、ちゃんとソーパーパネルのところへもどって自分で充電。

そして、やっぱり温泉。掛け流しであった。

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ともあれ、楽しかった東北旅行。もしかしたら、今夏また行けるかもしれない。とはいえコロナ禍が収まっていたら、であるが。

 

2020/06/13

「山猫」の実験場、求む

 岩手の花巻市で取材したのは、小友木材店。ここで何を取材したのかはおいといてヾ(- -;)マタカ こちらを紹介しよう。

正確に言えば、これも取材の一部ではあるのだが、まったく別の扱いなのである。

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これ、何かわかるだろうか。一応は木材運搬機。丸太の片方を乗せて、引っ張るのである。人呼んでデジタル馬搬「山猫」という。馬搬というより山猫搬かもしれないが。。。

岩手では、馬搬がまだ残っているというか再興している。ウマならば作業道を入れていない山からでも木材が出せるし、山を傷めないですむという点から注目を集めているからだ。ただしウマを飼育するのはなかなか大変だから、それを機械化したものだ。動力は充電式電池。ベースマシンが除雪機というのは、さすが岩手である……。そして「山猫」という命名が、いかにも岩手らしい。賢治の故郷だねえ。

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ともあれ、通常4メートル材1本を引っ張って出せる力がある。道のない山の斜面を引きずっていける。見たところ下りは強そうだが、登りは斜度次第といったところか。搬出は基本的に下りだが、部分的に登りもあるだろうから、そこをいかにクリアするか。

これを使うのは、一般的な林業家ではなく、副業、それもたまに少量の木材を搬出したい林家だろうか。少量だけに道を入れるほどではない、しかし、出したい木がある。それは銘木級で高く売れる……などの状況が考えられるか。
といっても、用途はそれほど絞り込まなくてもよいはずだ。むしろ伐採現場に燃料、植林現場に苗木などの資材とか弁当を運ぶのはどうだろう。あるいは自家用の薪や椎茸原木にする木を伐って搬出するのも使える。私は、有害駆除したシカやイノシシを運ぶのに使えるのではないかと感じた。山中で倒しても、それを道路まで運ぶのは大変だからである。

開発者によると、これを全国のさまざまな実地で試してデータを取りたいとの意向である。どんな山でどんな用途に使えるか、あるいは使えないか。まさに提案によって改良も進む。

林業以外の用途でも使いたい人がいたら声を上げてほしい。道なき山中で何を採取する仕事や、ハンターに向いていると思うが。もともと4月以降に実験するはずだったが、コロナ禍で止まっていた。しかし、そろそろ動き出したいところ。今なら間に合うよ。

私も何軒かに声をかけたが、あまり乗ってくれる人がいない。とりあえず吉野の某山主にOKをいただいたが、林業関係者の引っ込み思案というか、新しいものへのとっつきの悪さを感じるのだが、もっとフレキシブルに動こうよ。

 

2020/06/12

限界集落に人を呼ぶ方法

福島で訪れたのは、旧・いわき市立田人第2小学校南大平分校。旧とつけている通り、廃校になっていて、現在は㈱磐城高箸が入っている。

ここで何を取材したのかはおいといて(^^;)オイオイ、こんな風景を目にした。

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なんと、ウマが。朝から乗馬体験が行われていたのである。近くに乗馬クラブがあって、そこの主催なのだが、旧小学校の木造校舎と校庭に似合うこと。青空だっただけに、余計に絵になる。

といっても、この地区ははっきり言って限界集落に近いだろう。分校の維持もできなくなり、人口は100人を切っていると思う。その点は、先に訪れた愛知県岡崎市の千万町町と同じぐらいなのだが、そこに乗馬の客が集まって来るのである。

私は、客がいなくなったら、挑戦するつもりで構えていたのだが、なんと途切れることがなかった。久しぶりにウマに乗ってみたかったのに。

告知は乗馬グラブと磐城高箸のSNSで行った程度だそうだが、意外や遠くからも集まってきていた。なかには、車で通りがかって「乗馬体験」の看板を目にして飛び込んできた人もいた。多くは子供連れだが、カップルもいる。乗るのはほぼ女と子供で、男の姿はなかった……。

そして、もう一つ校庭に開かれたのは……移動カフェ。

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軽自動車改造?のカフェである。しかも幟には「野生のコーヒー」とか。エチオピアの森に自生するコーヒー豆を使っているらしい。なんでも近くでカレーの店を開いているらしいが、このほど移動カフェに挑戦したとのこと。

そうか、こうしたアイテムを幾つか備えて、月に何回か開くだけでも結構な集客は可能なのだ。入れ代わり変化がある方がさまざまな客を集めるにはよいかもしれない。ネパール喫茶のようにその地に根付いて、じっくりファン層をつくるのもよいが、いくつものアイテムを組み合わせる手もいいかもなあ。

もちろん、こうしたお客は、木造校舎の中も覗くだろうから、そこで割り箸やら鉛筆やらを目にするはず。相乗効果を生み出すはず。

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こんな「おがべこ」と、「木粉(こふん)さま」も待っているし。

 

 

 

 

2020/06/11

春日杉のお値段

ふらりと寄ったディスカウント店。ここには中古やバッタもんの品が格安で並べられているのだが、こんなものを発見した。

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春日杉の一枚板。書かれているところをアップしてみようか。

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春日杉とは、奈良の春日大社の境内か春日山に生えている杉のこと、とある。それに間違いないが、実は意味かかなり違う。春日大社の境内にある春日杉は、たまに枯れたり倒木、あるいは工事の支障木として出るだけで、基本的に世間に流通しない。

だが春日山は、原始林とか天然記念物指定とかはされているが、一部に民有林もある。そこに生える春日杉は、たまに出荷される。ここに出展されているのは、どちらかと言えば……。

ただ春日杉自体は、単にスギではなく、その中でも直径1メートルを越えるような大木を主にそう呼ぶ。樹齢にして数百年は経っているだろう。もっとも、中腐れしやすいので、なかなか幅広の板にはならないのだが、これは1メートルを優に越える大木だったのだろう。

そして、お値段。ここには、購入時100万円以上した品で、それが流れて、なんと9万8000円(^o^)。安い! と喜んでいいのかどうか。給付金10万円入ったら、買えますぜ(⌒ー⌒)。
木目は細かいが、傷もあるし完璧と私には思えないが、春日の神様の木という価値もあるのだろう。

それに、今どき、この木を何にするかねえ。テーブルの天板というのも、イマイチだからデザイン的に似合う使い道に困りそう。売れるかな。

2020/06/10

木材の表面に光の文字が浮かぶ?

今朝から、パソコンが上手く動かない。動きが鈍く、何度もフリーズする。何かウイルスでも入ったのかのかと疑う。

おかげで東北取材の原稿が書けない。時間がないというのに……。で、この時間に改めて立ち上げたのだが、その最初に原稿ではなく、ブログを書くというのはどんなもんか(´Д`)。イヤな性だね。

 

「mui lab」という会社を知っているだろうか。京都のベンチャーなのだが、不思議なmuiと名付けられたインターフェイスを発明している。パソコンの周辺機器として、入力や出力を行う部分だ。

この写真は会社のHPから拝借したものだが、単なる木片に、文字が浮かびディスプレーとして使えるのだ。それもタッチパネルのように。

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木材に似せたディスプレー、ではない。本物の木材を用いている。ただ、指で触れるとタッチパネルのようにLEDディスプレーが現れ、文字や線画が現れるのだ。家電の一挙操作から、天気予報、テキスト/音声メッセージの送受信までこなせるそうだ。そして操作後はディスプレイが自然に消えて一枚の木の状態に戻るという。

その原理は、説明していない。なんでも、タッチスクリーンとLEDが内蔵されていると記されているというのだが、まったくわからん。どんな仕掛けがあるのか。それを記さないのは、特許の関係かね。しかし、読者のもやもや感はよろしくないぞ。もう少し説明したらどうか。
タッチするということは、その振動、圧力、熱……などが伝わらねばならないから、たとえば0,1ミリぐらいの薄い木の膜の下に埋め込んであるのか。木材の表面を電気的に変化させるのは無理だろうし。ちょっと実物を目にしてみたい。

ただ、別に木材でなくてもよいらしい。素材は、人工大理石やハーフミラーガラス、ファブリックなども候補だったという。ただ実験的に各種を制作して、展示会の来場者の感想を聞くと、圧倒的に人気が高かったのは木だったという。「冷たいイメージのあるテクノロジーに、柔らかさや温もりのような要素を入れることで、自然な関係性を生み出せる」わけだ。

そこで木材によるインターフェイスを採用したものの、天然の木は品質や表面の状態にばらつきがあり、湿度によって収縮するし、耐熱性や耐火性においても都合のよい素材ではない。

そこでヒダクマこと「飛騨の森でクマは踊る」社に行き、メンバー全員で合宿をしたという。そして林業関係者や家具職人、木育活動をする人にヒアリングや意見交換を行い、木材という素材の性質やデザインコンセプトを検討した。
そして「人が木に魅力や価値を感じるのは、第一に見た目に温もりのある質感、次に触感だとわかり、インテリアの中での佇まいや手で触れて情報にアクセスするmuiの機能が最大限に生きる素材だと確信できました」。


まあ、私には技術的な理論が全然わからないのだが、ようは木材にはそんな魅力があることを再確認したわけだ。そして木材をこんな形に利用することもできる可能性を示してくれた。木材業界も、ぼやぼやしていられない。それに私は、ヒダクマの仕事がいまいちわからなかったのだが、こうした役割を果たしていることを知ったのである(^o^)。

ちなみに製品名の「mui」とは、「無為」から取ったとか。muiは、年内販売を予定しているとか。

2020/06/09

巨木が枯れると何が起こるか

ナショナルジオグラフィック誌に「世界で巨木が死んでいる、115年間で原生林の3分の1超が消失」という記事が出ていた。元ネタは、5月29日付けの科学誌「サイエンス」に発表された論文とのこと。

これによると、現在は、世界中の森で木々が枯死するペースは年々速くなっており、特に大きい木、古い木ほどその傾向が著しいというのだ。

まず伐採ではなく、枯死であることに留意。直接的にはキクイムシなどの虫害や病害らしいが、樹木が枯死する間接的原因に、気温の上昇と化石燃料による二酸化炭素濃度の増加を挙げている。また森林開発によって起こる干ばつや、壊滅的な森林火災の発生も挙げている。

巨木とは、ようするに老木であり高齢樹だから、枯れるのは仕方ない。むしろ「老害」をなくすためにもある程度は枯れてなくなる方が若木が増えるし、森の生態系にダイナミズムを取り戻せるのではないか……と思っていたのだが、どうもそれほど前向きには考えられないらしい。

たとえば森林火災には、森林の更新を進め次世代の木々の芽生えを誘発する役割が知られている。また環境を変えることで生物多様性を増したりもする。しかし、最近の森林火災は規模が大きくて次世代になるべき種子まで焼いてしまい、更新できない可能性があるらしい。森林火災が、森の成長を阻害するようになってしまった。
仮に森林が若返りできても、生物多様性が損なわれ、重要な植物や動物の生息地が失われてしまうという。

さらに炭素を貯蔵する能力も低下してしまう。林野庁は森林の伐採(開発)を進める理由として「森林の若返り」をよく上げる。だが、この記事によると、若返りさせれば、炭素の固定に重大な影響を与えるようだ。なぜなら、地上の炭素の多くは古い巨木が蓄えているからである。たとえば熱帯雨林の樹木の質量の大部分は、大きさの上位1%の巨木によるものだそうだ。「1本の巨木が枯れると、多くの小さな木が生えますが、こうした木が蓄える炭素量の合計は、はるかに少なくなってしまうのです」という言葉もある。

言われてみれば、そのとおりだ。若い木が再び巨木に育つまでは数百年かかる、それも長期間生きて大きくなるのは何百本に1本だけ……のだから、どう見ても炭素の貯蔵量は減る。カーボンオフセットの怪しさを説明するのにこの視点は使えるかも。

では、なぜ枯死が増えているのか。それは地球温暖化などの気象変動で、樹木の抵抗力が落ちているためと考えられる。あまりに急速度の変化で、今の森には適応できなくなりつつあるというのだ。とくに大木は老木だから (゚o゚;) 。

さらにさらに、一般には二酸化炭素の濃度が高くなると樹木はよく成長すると考えている。しかし地球が温暖化すると、大気は植物や動物から水分を吸い上げようとし、対して樹木は葉を落としたり気孔を閉じたりして水分を取られまいとする。結果的にどちらも二酸化炭素の吸収を抑えてしまうのだそう。

知らなかった。地球温暖化の見方にもいろいろある。

森林には、人が読み切れない複雑な要素の相互作用があり、そのうちの一つの要素が変わると、全体が連鎖的に変化する可能性がある。そして生き物間のバランスが崩れたら、大量絶滅も有り得る。

それもいつしか落ち着いてバランスを取り直すのだろうが、それまで何百年何千年かかることやら。それを人間は、じっと見守ることができるだろうか。

 

2020/06/08

旅のテーマは「再生」!

この3日間、福島~岩手と駆け足で回る旅行は、終了した。イチオウシゴトですよ。でも、コロナ禍の閉じ籠もりから脱して、日常生活の再生と起動に役立つ旅だった。

まず、初日は福島県いわき市。そこで訪れたのは、旧・いわき市立田人第二小学校南大平分校。ここを改造して何に生まれ変わったかは、そのうち改めて紹介したい。

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花巻では、かの有名な?マルカンビル大食堂の十段重ねソフトクリームを食べる。このソフトクリームとマルカン百貨店再生の物語に興味のある人は一度調べてみるといいよ。エリア・リノベーションの好事例だから。

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帰りは恐怖の新幹線8時間帰宅コースを逃れて空路を取ることができた。ただし、花巻-大阪便はまだ回復していないので仙台空港から飛ぶ。こちらも減便されていて、しかも空港も店の多くが閉まっている。かなり質素な空旅になってしまったが、おかげで6時間帰宅コースであった。

そして空からは夕日の猪苗代湖が見えた。

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そして、乗ったのはJALなのだが、途中で配られたのは、CA手づくりのこんなルートマップ。

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今どこを飛んでいて、窓の外に何が見えるか教えてくれる。こーゆーサービスは、LCCによくある、金をかけずに行う乗客の関心に寄り添う方法なのだが、JALもナショナルフラッグの地位から倒産して転げ落ちて変わろうとしている事例だろうか。これも会社リノベーションの事例かもしれない。

ともあれ、コロナ禍の中、エチケットマスクをつけて行動するのは疲れた……。腰が痛いし、体力もたない……私の身体も再生しなければ。

2020/06/07

露天風呂と山猫軒

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本日は、福島のいわきから一路北上して岩手をめざす。車窓の景色を眺めていると、改めて夏の東北は豊穣の大地というフレーズが浮かぶ。

なだらかでたおやかな曲線を描く山々と、広がる田園地帯。水も木々も生命力を感じさせる。

ま、冬の東北は知らんけど(笑)。

ともあれ今晩は、宮沢賢治ゆかりの温泉へ。

さっそく露天風呂につかる。ちと、熱い。熱すぎて長くは入れんでした(^o^;)。でも、「山猫軒」のTシャツを買ってしまったよ。これから花巻市街に飲みに出るが、きっと注文の多い料理店、ではないはずだ。

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2020/06/06

つまようじ屋の「非接触棒」?

国産の爪楊枝をつくっている数少ない会社、大阪・河内長野市の菊水産業が、「非接触棒」なるものを作ったという。

これは……苦笑を通り越して、あっぱれ!と声援を送りたい。

コロナ禍の中、公共の場で誰が触ったかわからないものに触れるのがイヤ、という人のために登場だ。具体的には、エレベーターの階数ボタンとか、キャッシュディスペンサー、クレジットカードのの入力ボタン……などを押すときだ。

たしかにCOVID-19がもっとも流行っていたとき、中国では爪楊枝でエレベーターのボタンを押している映像があったが……これを商品化してしまうか。なんたって国産シラカバ材でつくったもの。

まあ、これからどれほど売れるか私には読めないが、とりあえずマジに商品化した腰の軽さが素晴らしい。林業界でもっとも欠けている点だろう(笑)。爪楊枝屋を見習うがよい。

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もう一つ、この記事で気にかかったのは、材料が国産シラカバ材であること。

私は『割り箸はもったいない?』を執筆する際に、国産割り箸だけでなく爪楊枝の取材もした。国産シラカバから作るものとして共通点があるからだ。結果的には、爪楊枝の部分を記事にするのは断念したというか、書いたけど削除したのである。

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シラカバ材による爪楊枝製造行程の一部。

私が取材に行った会社は、「爪楊枝資料館」まで立ち上げていて、見学を申し出ると社長自ら付きっ切りで案内・説明をしてくれるのである。面白かったから、原稿から削除したのは断腸の思い。

シラカバ材、日本では使い道のない扱いで、せいぜい割り箸に爪楊枝なんだが、欧米ではよいシラカバ材は木工材料や家具材料として人気だ。
それにチェンソーアートの素材にもなる。私が北海道で見たときは、チェンソーで削ると、水しぶきが飛んだ。

木質が柔らかくてきめ細かいので、削 りやすく繊細な造りができるからだ。

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こうした商品、スキマのスキマにある。しかし生長は早いから早生樹とも言えるし、もっと利用法を開発したらどうだろう。

 

 

 

2020/06/05

2019年度の林業遺産が決定

毎年、5月には林業遺産が発表されているが、今年はまだ出ていない。コロナ禍で遅れるか、なくなるか……と思っていたが、6月になって発表相成った。

林業遺産選定一覧(2019年度)

今年は6カ所である。うち東北が3つをしめる。これで41になった。なかには大日本山林会の林業文献センターなんてのもあるが……これは個人の蔵書を元にしているから、単なる図書館的な文献の収蔵とは意味が違うだろう。

それにしても、今までのものも含めてだが、正直「林業遺産」って地味なんだよね(笑)。一般の人、いや林業関係者でも、聞いてすぐピンと来るものは少ないだろう。多少有名なものは出尽くしたのかもしれない。あえて言えば、地味なものに林業遺産と名付けることで注目を集めて再認識してもらう戦略かもしれない。
もともと推薦方式だから、地元の人が「これを林業遺産に」と思って申請しないと、審査もされない。ということは、地元に過去の林業に詳しい人がいなくてはならないし、それを推薦したいというパッションも書類作成能力も必要だ。

 

私的に目を引いたのは、山形の「草木塔群」と、兵庫の「再度山の植林」だろうか。

草木塔に関しては、私も幾度かブログで紹介している。「草木塔を、今」「草木塔を建てよう
ようは好きなんだ(笑)。

全国の9割が山形県置賜地方にあるし、ほかのものは戦後建てたものが多いから、やはり起源は、置賜地方なのだろう。草や樹木と植物まで弔う発想は独特だから、もうちょっと注目してもよいかと思う。

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金沢大学内の「角間の里」に建てられた草木塔。まだ新しい。

そして明治時代に行われた再度山の植林は、近代的な砂防緑化工事として価値があるのだろう。本多清六も関わっているし、六甲アルプスなんて呼ばれるのも、はげ山時代に山が削れて険しい地形となり、その後の緑化があってこそ。
ただ、砂防緑化と聞いて先に思い出すのは、滋賀県の田上山である。奈良時代から伐採が続いてはげ山になってしまったが、明治以降の砂防工事で緑の山にもどしたという点では、再度山以上に価値あると思うのだが、推薦する人はいなかったのか。やはり、推薦人の有無も条件になるか。

Photo_20200605110501 六甲山の砂防緑化。

 ともあれ、地元にこれは、というものがあるのなら、飽和状態にならないうちに推薦することをお勧めする。

 

 

2020/06/04

ロボットのプロトタイプはSFにあり

最近、NHKの深夜でアニメ「未来少年コナン」が再放送している。1978年放映のテレビアニメだが、宮崎俊が演出をしていたことから改めて注目を集めているようだ。

さて、それを見ていて気がついた。当時、乗用型の土木機械、いやロボットが登場していたのだ。

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ようは人間が乗って操縦して動かすロボット。鉄腕アトムのような人工知能AIによって自分で考えて動くロボットではなく、また鉄人28号のような遠隔操作でもなく、人間が乗るものの車両型の重機ではなく二足歩行し、人間のように腕を動かすことで、現場の複雑な条件にも対応できるという設定。

この手のより具体的なロボットとして登場するのは、映画『エイリアン2』のパワーローダーだろう。コナン版とよく似て乗用で操縦する人間型重機といったところか。これでエイリアンと戦った。さらに映画『アバター』にも登場していた。

このパワーローダーを映画で見て、実際に作ってみようとした人たちがいる。それが株式会社ATOUN。そこで林業にも使える「着るロボット」を作っていることは、私も記事にした。これは山登りが楽にできるものだ。

この会社の発表会があったので行ってきた。

そこで見たのは、こんなもの。まずはプロトタイプNIO。パワーローダーそのものだ。まだコクピットはないけれど。こちらは「着る」のではなく、まさに装着してロボットに歩かせ人間のパワーを増大させる機械だ。これは100キロの荷物を持ち上げることもできる。巨大重量物を運搬できるから、建設現場だけでなく、災害現場でも使えそう。ただし操縦は難しくて、ニュータイプでないとなかなか習熟できないというのだが……。こちらはガンダムの影響? 

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さらに見つけてしまった。林業用ロボットTABITOを。

Tabito-2

急斜面をすいすい登り、重量物を運搬できるのだ。実は林野庁と組んで開発中。甲冑みたいに身につけ、足の力を増大させて急斜面を登れる。しかも背中の荷物の重みも下に逃がすから重くない。
ただTABITOくんは、まだ18キロあるらしくて、凸凹斜面を歩いたらバランスをとるのが難しいらしい。。。。ここにもニュータイプ人材が必要だ。ロボットより人間を進化させねば。

ATOUNでは、SCI-FIプロトタイピングという理念を打ち出している。サイエンスフィクション(SF)のアイデアを現実に、という発想だ。まさにコナンやエイリアン2で出たアイデアの実現を目指しているわけである。

これは、現在の科学技術を少しずつ改良したり進展させて新しいものを発明する(フォアキャスト)ではなく、先に遠い目標を設定してから、そこにたどり着くように今を進むバックキャストの手法である。その目標にSFを採用するのだ。

 

そこで、はたと思いだした。実は、60年前に同じことをやった科学者がいたことを。アメリカのラルフ・モシャーだ。軍用ロボットを作っていた男である。ちょうどテレビでも紹介されていた。

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1960年代に、装着型ロボットを開発し、人が重いものを持ち上げられるようにしたのだ。アイデアは古くからあったわけだ。現実はSFよりも早かったのか。モシャーのアイデアの元に何かSFがあるのかもしれないが、最初に思いついたのは誰なのか今となってはわからない。

ただし、モシャーのロボットはものにならなかった。巨大な腕は700キロもあって、とても装着して動けないから。当時の技術では軽量化も馬力増もできなかったのだ。しかし今なら……強力な電池と軽量マテリアルを駆使したら、かなりの線まで行くかもしれない。

とはいえSFの世界の実現をめざすのなら、もっとエネルギー源と素材を革新する必要がある。現在のリチウム電池では、まだまだ力足らずのように思えるし、もっと小さく長持ちさせてほしい。常温核融合による原子力電池……とかなんとか(笑)。素材もチタン以上に軽いものが求められるかも。炭素繊維やセルロースナノファイバーも候補だろう。SFだったら、架空の技術や素材が登場させられるのだが。

大風呂敷を広げないと、革新的イノベーションは起こらない。

 

2020/06/03

知らなかった!「世界森林白書」の2020年版

いやあ、忘れていた。「世界森林白書」があった。

その2020年版が出ているのだが、その骨子を拾い出すと、こんな感じ。

●世界の森林面積は40億6000ヘクタールで、全陸地面積の31%。半分以上はロシア、ブラジル、カナダ、米国、中国の5カ国に集中。45%は熱帯に存在
●森林には両生類の80%、鳥類の75%、ほ乳類の68%が生息
●1990年以降、4億2000万ヘクタールの森林が消失。 2015~20年の減少面積は年1000万ヘクタールと、90年代の1600万ヘクタールから鈍化
●増加分を差し引いた森林の純消失面積は90年以降で1億7800万ヘクタール。10~20年は年470万ヘクタールと、90年代の780万ヘクタールから鈍化
熱帯雨林消失の主因は、畜産や大豆、パーム油など大規模農業の推進
●森林は8600万人に雇用(グリーンジョブ)を提供

とまあ、こんなところだ。森林消失面積というのが、私にはちと怪しく感じるが……。正確には定義の問題だが、一般に消失と言われれば、その土地は木一本残さずなくなったイメージだろう。しかし、それはどうだろうか。それに地球上の緑地面積は増えている、という研究もあるから、それぞれが指す森林とか緑地が何を指すのか、もう少し詳しく知りたい。

ただ森林消失の原因は、はっきり農業だと打ち出しているところが目新しいかもしれない。これも一般には林業(伐採)だと思われがちだから。

 

ちなみに来年から「国連生態系回復 の10年」(21~30年)が始まる。気候変動危機対策や食糧安全保障、水供給、生物多様性の強化のため、劣化または破壊された生態系を回復する取組を推進する10年目標だ。 すでに2030年までに劣化した土地を3500万ヘクタール回復させる計画をスタートさせている。
なお昨年から「家族農業の10年」も始まっている。この家族農業には林業や水産業も含まれるのだが、小規模な農林漁業経営の推進である。

国連は、いろいろキャンペーンを仕掛けてくれるが、もっと宣伝しないとね。

 

 

2020/06/02

所有者不明土地に関する「管理措置請求制度」って何?

妙な制度を目にした。「管理措置請求制度」。知っている人はいるか?

所有者不明土地に関する項目で、民法の改正に向けて法務省が新設を目論んでいるらしい。現在はまだパプコメ対応しているところだが、そんなに遠くないうちに現実に決まるのではないか。

所有者不明土地問題は全国の悩みだが、とくに山林に関してはやっかいだ。宅地や農地以上に持ち主も、境界線もはっきりしない有様だから、今後の施業などに大きな影響がある。そこで考えられている「管理措置請求」とは何か。

中間試案はこんなもの。

例に上げられているのは、現在使用されていない隣地における崖崩れ、土砂の流出、工作物の倒壊、汚液の漏出、悪臭の発生その他……などにより、自分の土地に損害が及びそうなときは、隣地の所有者にその問題事由の原因を除去させ、または予防工事をさせることができる、というもの。で、やらないとこちらでやってしまうよ、という規定らしい。

適用するのは、隣地の所有者に対して問題原因の除去または予防工事をしろと通知したにもかかわらず相当の期間内に異議がないとき、あるいは隣地の所有者が誰かわからず、その所在も知ることができない場合、公告をしてそれでも相当の期間内に異議がないとき……だ。

一方で「急迫の事情があるとき」という項目もある。この時はさっさと問題撤去ができてしまう。

この急迫の定義がわかりにくい。典型的事例として挙げているのは、暴風により高い位置にある隣に繁る樹木が傾いて、自分の土地に向けて倒れそうになっているなど危険な状態になっているとき……などが考えられるているようだ。裁判などの手続きを踏む余裕がない場合である。

問題は、その措置をとる費用だ。これは、隣地所有者の負担とするとしつつ、条件次第で減額する可能性とか、そもそも折半する……などの案が出ている状態でどんな形にするか、試案では決まっていないみたい。ただし、所有者が不明だったのなら、実質的に費用を支払わすことは無理ではないか。見方を変えると、全部費用を自分が被る覚悟があれば、隣地を勝手にいじってもよいということを法律で認める制度と理解することもできる。

いずれにしろ、山林の所有者不明土地では、この制度、何かと使えそうだ。逆に言えば、勝手に使われてしまいそうな山林所有者にとっては恐いかもしれない。何十年ぶりに山を訪ねたら「急迫の事態だった」という理由で伐採されているかもしれない。本当に所有者不明、連絡先がわからなかったのか、ちゃんと調べたのか、ということを証明するのも大変だが。

現在の所有者不明土地問題を多少とも解決するためには、こんな制度も必要なのかもしれない。でも、役人(おそらく市町村)がこの制度を知るのに時間がかかりそうだし、内容を熟知して適切に運用するのは大変だろう。わからぬまま許諾をだしたら恐い。

またまた現場に負担をかけそうだ。やはり専門家を置かないとなあ。

 

 

2020/06/01

コロナ明けの仕事始めはネパール喫茶「茶流香」

6月になった。ようやく学校も再開、店も仕事も動き始めたところは多いので見なかろうか。

で、私もようやく長距離の取材に出ることになった。

その第1弾は……愛知県岡崎市の千万町町(ぜまんぢょうちょう)である。そして訪れたのは「茶流香」(ちゃるか)という名のネパール喫茶。この難読地名の集落は、人口がおそらく100人を切っているはず。いわば限界集落だ。そこにネパール喫茶? 

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店主の藤井さん、なんでもネパールの日本料理店で夫婦で働いていたとかで、帰国したから今度は日本にネパール料理店(^o^)。
でも、実はオープンが先週末というが、事実上今日か。いや、まだオープンしていないのかも。だって、私が飲んだチャイの代金を受け取るのに躊躇していたから\(^o^)/。オイオイ

とにかくグーグルマップにも、もちろん食べログにも載っていない。そもそも店の看板がない。空き家を改造したというが、幹線道路にも面していないし、近づいても店とはわからない。今行きつけたら自慢できる。なお、この店を紹介してくれたのが、会ってみると大学の後輩、それも探検部出身というのも何かの縁。

ちなみに私は限界集落カフェ評論家だ( ̄^ ̄)。いや限界集落カフェ・ジャーナリストを名乗ろうか。
カフェが田舎を救う? その集客力は地域づくりの力になる」なんて記事も書いている。

それにしても、片道車で約4時間。帰りは5時間かけてしまったが、なかなかコタエますよ。。。日帰りにはちときつい(笑)。

 

 

 

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