限界集落に人を呼ぶ方法
福島で訪れたのは、旧・いわき市立田人第2小学校南大平分校。旧とつけている通り、廃校になっていて、現在は㈱磐城高箸が入っている。
ここで何を取材したのかはおいといて(^^;)オイオイ、こんな風景を目にした。
なんと、ウマが。朝から乗馬体験が行われていたのである。近くに乗馬クラブがあって、そこの主催なのだが、旧小学校の木造校舎と校庭に似合うこと。青空だっただけに、余計に絵になる。
といっても、この地区ははっきり言って限界集落に近いだろう。分校の維持もできなくなり、人口は100人を切っていると思う。その点は、先に訪れた愛知県岡崎市の千万町町と同じぐらいなのだが、そこに乗馬の客が集まって来るのである。
私は、客がいなくなったら、挑戦するつもりで構えていたのだが、なんと途切れることがなかった。久しぶりにウマに乗ってみたかったのに。
告知は乗馬グラブと磐城高箸のSNSで行った程度だそうだが、意外や遠くからも集まってきていた。なかには、車で通りがかって「乗馬体験」の看板を目にして飛び込んできた人もいた。多くは子供連れだが、カップルもいる。乗るのはほぼ女と子供で、男の姿はなかった……。
そして、もう一つ校庭に開かれたのは……移動カフェ。
軽自動車改造?のカフェである。しかも幟には「野生のコーヒー」とか。エチオピアの森に自生するコーヒー豆を使っているらしい。なんでも近くでカレーの店を開いているらしいが、このほど移動カフェに挑戦したとのこと。
そうか、こうしたアイテムを幾つか備えて、月に何回か開くだけでも結構な集客は可能なのだ。入れ代わり変化がある方がさまざまな客を集めるにはよいかもしれない。ネパール喫茶のようにその地に根付いて、じっくりファン層をつくるのもよいが、いくつものアイテムを組み合わせる手もいいかもなあ。
もちろん、こうしたお客は、木造校舎の中も覗くだろうから、そこで割り箸やら鉛筆やらを目にするはず。相乗効果を生み出すはず。
こんな「おがべこ」と、「木粉(こふん)さま」も待っているし。
« 春日杉のお値段 | トップページ | 「山猫」の実験場、求む »
「地域・田舎暮らし」カテゴリの記事
- 流行る田舎のパン屋の秘密(2024.07.11)
- “秘境”よりの帰還(2024.07.10)
- 山村で海を見た(2024.07.09)
- ツチノコの村(2024.07.08)
- 山村で消える店、新たに誕生した店(2024.04.11)
いわき市田人町にようこそ。差し入れもしませんで失礼!
高箸さんの動きは、よく地元紙に載るんですが、エチオピアのコーヒーは知りませんでした。異動でいわきにいた時のボスが農業土木の専門家で、毎年11月になるとエチオピアにボランティアに出かけていました。そしてお土産がなんとエチオピアのコーヒー。とてもおいしいのですが、入りびたりの豆屋は買い負けして中々揃いません。
ところで、貴兄の著書は、本日も郡山の書店で「絶望」と「怪しい」が平積みになっていました。売れているんですね。
投稿: F爺.@福島 | 2020/06/13 20:08
こちらこそ、挨拶できませんで。
移動カフェを始めたのは、高箸さんではなく、近くでインドカレー屋を開いている人とか。でも自動車を改造して(それが木質なのがイイ)、初めての挑戦だそうです。その人とエチオピアの関係は聞かなかったのですが、そのボランティアと関係あるのかな。
それにしても、いまだに『絶望の林業』と『森は怪しいワンダーランド』が平積み! ええ書店や(泣)。こちらも挨拶行くべきだったなあ。
投稿: 田中淳夫 | 2020/06/13 23:34