知らなかった!「世界森林白書」の2020年版
いやあ、忘れていた。「世界森林白書」があった。
その2020年版が出ているのだが、その骨子を拾い出すと、こんな感じ。
●世界の森林面積は40億6000ヘクタールで、全陸地面積の31%。半分以上はロシア、ブラジル、カナダ、米国、中国の5カ国に集中。45%は熱帯に存在
●森林には両生類の80%、鳥類の75%、ほ乳類の68%が生息
●1990年以降、4億2000万ヘクタールの森林が消失。 2015~20年の減少面積は年1000万ヘクタールと、90年代の1600万ヘクタールから鈍化
●増加分を差し引いた森林の純消失面積は90年以降で1億7800万ヘクタール。10~20年は年470万ヘクタールと、90年代の780万ヘクタールから鈍化
●熱帯雨林消失の主因は、畜産や大豆、パーム油など大規模農業の推進
●森林は8600万人に雇用(グリーンジョブ)を提供
とまあ、こんなところだ。森林消失面積というのが、私にはちと怪しく感じるが……。正確には定義の問題だが、一般に消失と言われれば、その土地は木一本残さずなくなったイメージだろう。しかし、それはどうだろうか。それに地球上の緑地面積は増えている、という研究もあるから、それぞれが指す森林とか緑地が何を指すのか、もう少し詳しく知りたい。
ただ森林消失の原因は、はっきり農業だと打ち出しているところが目新しいかもしれない。これも一般には林業(伐採)だと思われがちだから。
ちなみに来年から「国連生態系回復 の10年」(21~30年)が始まる。気候変動危機対策や食糧安全保障、水供給、生物多様性の強化のため、劣化または破壊された生態系を回復する取組を推進する10年目標だ。 すでに2030年までに劣化した土地を3500万ヘクタール回復させる計画をスタートさせている。
なお昨年から「家族農業の10年」も始まっている。この家族農業には林業や水産業も含まれるのだが、小規模な農林漁業経営の推進である。
国連は、いろいろキャンペーンを仕掛けてくれるが、もっと宣伝しないとね。
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