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2020/06/27

岡山に木材研究の拠点?

このニュースをどのように読み取るか……。

岡山大学に新工学部を2021年4月に新設する計画があるそうだが、そこに森林保全から林業、木材加工、木造建築までを一体とした教育研究ゾーンづくりをつくるための検討委員会が発足するそうだ。

岡山大学に加えて、岡山県立大学や岡山理科大学(加計学園?)とも交流し、岡山県、真庭市、真庭地区木材組合、そして林野庁や銘建工業も協力するとか。建築家の隈研吾氏も委員になるみたい。

なんだか岡山県あげての計画に見えるが、ようするに県北地域で林業や木材製品、木造建築などを研究するというものである。だが、岡山県には森林科学系の大学はないはずだし、そもそも新設されるのは工学部なのだ。森林保全とはあるが、ようは木材を扱う研究だろう。森林生態系より、建築に重心があるのは想像できる。
ともかく、産官学で研究すると打ち上げたのだから、何か思うところはあるはず。

CLT以外のネタを探すのかな? CLTは国の研究機関がやってしまったし、CLT工場も全国に立ち上がったから、いまさら岡山県としての出番はないはずだ。ただ問題は、CLTが全然売れないことだろうねえ。。。。国産材を使用しているのかも怪しくなってきた。次の一手を考えておかないと、打ち上げ花火になってしまうから。
でも必要なのは、素材(CLTなど)の性質性能などの研究ではなくて、需要開拓だろう。それも高く売れる需要を見つけないと、安い欧米製にたちうちできない。果たして「教育研究ゾーン」の取組として、需要開拓に取り組めるか? それと、付け足しのように?森林保全とか林業も書き込んだのだから、山の現場のことも研究していただきたい。

そういやケボニー化木材(フラン樹脂化木材)の研究も岡山県と岡山経済界は関わり協議会を設立したはずなのだが、私の感触としては、ほとんどやる気なさそうだった(笑)。脱線するが、ケボニー化木材の国産化の研究はそれなりに進んでいますよ。そう遠くない時期に実用化されるんじゃないかな。(ケボニー化というと、ノルウェーのケボニー社のものになってしまうので、最近はフラン樹脂化という言葉を使うようになってきた。)

こちらは、まだ製造技術の研究段階だが、今から需要も発掘しておくべきだろう。これもバックキャストの発想で、まず最終的な使い道を描いて商品開発をしないと、先に「こんな性能の商品できました」と言っても、使い道がわからないのでは話にならない。まあ、日本のものづくり全体が陥っている罠なんだが……。


 

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

お、いいですね。
国産化できたら、アジアの主要都市への売込み、担当したいです。

おお、視線は海外へ。そうでないと。
ケボニー化木材も、まず需要から押さえましょう。

数ヶ月前に真庭の関係者の方とディスカッションをしました。
木材(CLTを含む)の新規需要創出が第一目的のようです。
さらに、真庭林業の特殊性(川上から川下までが協力関係にあること)を生かして、森林保全の方向に持っていきたいのだと思います。
(研究所を作ることで、少子高齢化対策もあるとのこと)

私は木材研究者の視点でディスカッションをしましたので、林業ジャーナリスト・田中さんのレポートも期待しています。

おや、この計画の当事者ですか。ありがとうございます。
新規需要の創出を大学の研究として行うのですか。それはマーケティングみたいで、工学部というのはちょっと不思議です。私企業の営業テーマのようにも思えますね……。
ともあれ期待しておきます。

そういえば、コロナで動けなくなる直前、ノルウェーに行ってきました。ケボニー社には伺えませんでしたが、オスロの空港にしてもショッピングモールにしても、大胆な木遣いで感心しました。
民俗博物館も見に行きましたが、昔から木造建築の文化が豊かな国なんですね。木造の教会や農家の客間が立派な木造建築で、歴史を感じました。
日本も、歴史的な木造建築の文化を、もっと上手く現代の特に公共建築に活かして行きたいですね。

ノルウェーか。また行きたいですが、もう機会はないかな。
たしかに空港から街の中の各所まで大胆な木造つかいが見られますね。現代日本の「木の文化」が貧弱になるくらい。

当事者ではありませんが、真庭訪問の話があったので伺った次第です。
2000年代前半から真庭の若手が話し合って現在の真庭の産業に至るようです。研究所もその流れの一つになるとのことです。私は林業の専門家ではありませんので、専門家の方の分析をお願いしたいところです。

山陽新聞の記事でhttps://www.sanyonews.jp/article/1027199?rct=syuyo
真庭市が主導していることが分かりました。
以前、真庭市にある集成材工場を外から見る機会がありましたが、屋外に積み上げられていた木材原料は横文字で包装されていた輸入材でした。県南の港から内陸部まで輸送した木材です。ヨーロッパからのラミナー材と思われますが、県北の木材集積地であるのに遠い国の木材を使うことに何か不思議な感覚を覚えた経験があります。
集成材、CLTにしても国産材に切り替えるには価格の問題が当初からあるのですから、それを林業にしわ寄せすることになれば意味はなく、新たな技術開発が本当に林業に役立つのか考える必要があると思います。

真庭の集成材と言えば、銘建工業でしょうが、こちらの集成材の9割以上がヨーロッパ材のラミナによります。だからCLTもヨーロッパ産ラミナでつくるんじゃないかと言われています。
価格以上に、スギ材をこうした大規模工場を切れ目なく動かすための安定供給が難しいようです。
そうなれば、CLTが日本の林業に貢献することはほぼなくなるでしょう。
「里山資本主義」の見本のように取り上げられましたが、喜ぶのはヨーロッパの里山ですね。

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