無料ブログはココログ

森と林業と動物の本

« 2019年度の林業遺産が決定 | トップページ | 露天風呂と山猫軒 »

2020/06/06

つまようじ屋の「非接触棒」?

国産の爪楊枝をつくっている数少ない会社、大阪・河内長野市の菊水産業が、「非接触棒」なるものを作ったという。

これは……苦笑を通り越して、あっぱれ!と声援を送りたい。

コロナ禍の中、公共の場で誰が触ったかわからないものに触れるのがイヤ、という人のために登場だ。具体的には、エレベーターの階数ボタンとか、キャッシュディスペンサー、クレジットカードのの入力ボタン……などを押すときだ。

たしかにCOVID-19がもっとも流行っていたとき、中国では爪楊枝でエレベーターのボタンを押している映像があったが……これを商品化してしまうか。なんたって国産シラカバ材でつくったもの。

まあ、これからどれほど売れるか私には読めないが、とりあえずマジに商品化した腰の軽さが素晴らしい。林業界でもっとも欠けている点だろう(笑)。爪楊枝屋を見習うがよい。

Img_4639

もう一つ、この記事で気にかかったのは、材料が国産シラカバ材であること。

私は『割り箸はもったいない?』を執筆する際に、国産割り箸だけでなく爪楊枝の取材もした。国産シラカバから作るものとして共通点があるからだ。結果的には、爪楊枝の部分を記事にするのは断念したというか、書いたけど削除したのである。

7_20200605161601

シラカバ材による爪楊枝製造行程の一部。

私が取材に行った会社は、「爪楊枝資料館」まで立ち上げていて、見学を申し出ると社長自ら付きっ切りで案内・説明をしてくれるのである。面白かったから、原稿から削除したのは断腸の思い。

シラカバ材、日本では使い道のない扱いで、せいぜい割り箸に爪楊枝なんだが、欧米ではよいシラカバ材は木工材料や家具材料として人気だ。
それにチェンソーアートの素材にもなる。私が北海道で見たときは、チェンソーで削ると、水しぶきが飛んだ。

木質が柔らかくてきめ細かいので、削 りやすく繊細な造りができるからだ。

230

こうした商品、スキマのスキマにある。しかし生長は早いから早生樹とも言えるし、もっと利用法を開発したらどうだろう。

 

 

 

« 2019年度の林業遺産が決定 | トップページ | 露天風呂と山猫軒 »

木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 2019年度の林業遺産が決定 | トップページ | 露天風呂と山猫軒 »

February 2025
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  

森と筆者の関連リンク先

  • Yahoo!ニュース エキスパート
    Yahoo!ニュースに執筆した記事一覧。テーマは森林、林業、野生動物……自然科学に第一次産業など。速報性や時事性より、長く読まれることを期待している。
  • Wedge ONLINE執筆記事
    WedgeおよびWedge on lineに執筆した記事一覧。扱うテーマはYahoo!ニュースより幅広く、森林、林業、野生動物、地域おこし……なんだ、変わらんか。
  • 林業ニュース
    日々、森林・林業関係のニュースがずらり。
  • 森林ジャーナリストの裏ブログ
    本ブログの前身。裏ブログとして、どーでもよい話題が満載(^o^)
  • 森林ジャーナリストの仕事館
    田中淳夫の公式ホームページ。著作紹介のほか、エッセイ、日記、幻の記事、著作も掲載。