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森と林業の本

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2020/06/29

クロモジのクラフトジン

私は酒類の中でも、ジン飲みである。なぜか若い頃からジンをよく飲む。昔は安酒でさっさと酔っぱらうための酒のイメージがあったが、むしろチビチビ味わって飲むのが好きだ。

だから、近年のクラフトジン・ブームは歓迎したい。手づくりというか、小規模で個性的なジンづくりが世界的に流行っているのである。一つには、ウイスキーのように長い年月寝かせる必要がなく、スピリッツにボタニカルと呼ぶ植物性のハーブを漬け込んで浸出させればジンになるという安直さ?のせいかもしれない。だから焼酎メーカーなど、醸造できて、蒸留設備を持っていたらアルコール度の高い蒸留酒をつくれる。あとは漬け込むボタニカルの選定……でできると考えるのだろう。そういやコロナ禍で、酒造メーカーが消毒用(にも使える)アルコールを生産し始めたが、工程は似ているのである(笑)。

日本産クラフトジンも増えた。それぞれ特徴を出そうと、ボタニカルにこだわる。日本的なボタニカルを加えるることが多い。そういや以前、「季の美」というクラフトジンを紹介したことがある。それはヒノキを使っているからだった。

で、今回私が手にしたのは、これ。

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養命酒株式会社がつくった「香の雫」。この特徴は何か。特徴的なボタニカルは……。

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クロモジだった。クロモジは、日本特産で、最近はちょっと人気だ。もともと高級楊枝に使われていたが、その爽やかな香りが気に入られたのか、アロマにもなっている。クロモジ茶も開発されている。さらに飴もある。なかなか人気者なのである。

そこにクロモジ・ジンか。

ま、それだけなら、新機軸かというだけだが、ちょっと驚いたのは、養命酒は薬草を浸出させた薬用酒だが、その主力の薬草はクロモジだったのだ。日本で利用されているクロモジの大半が養命酒で使われているとか! だからジンにもクロモジを使うのは当然と言えば当然の選択かもしれない。

木材だけでない林業を考えた際、クロモジというのは、今後ちょっとしたブームかも。クロモジはクスノキ科だから、樟脳に近いスッとした香りを持つ。畑で育てるより山地が向いているようだ。しかも数年で育つ低木だから、経営的にも回転は悪くない。

なお、新潟のろくもじ株式会社がクラフトジン「ROKUMOJI」を開発したそうだ。こちらはクラウドファンディングで資金を集めての挑戦だ。ここにもクロモジが使われている。ほかアテビ(ヒバ)や茶、ドライアップル、アンジェリカルートなどが使われているそう。


ちなみに私は国産ジンに対して言いたいのは、奇をてらうな、ということだろうか。生姜だけを入れたジンとかもあったが、それって生姜酒である。。。。ジンとは、ジュニパーベリーの香りが基本なのである。ヒノキやユズや茶もいいが、肝心のジュニパーの香りがしないのはジンじゃないよ。ジュニパーはヒノキ科のセイヨウネズの実だが、日本で近いのはやはりネズ(ムロ、ネズミサシ)かね。香りは違うのだろうか。
球果は杜松子(トショウシ)というそうで、漢方の原料とか。

クロモジとネズを国産にできないだろうか。

 

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