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森と林業と田舎の本

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2020年7月

2020/07/31

驚異! ガチャガチャの世界

娘の要求……要望で、某ショッピングモールを巡ることになり、私はアッシーくんを勤める。この時期にショッピングモールなんて、と思ったが、混んでいないように開店間近を狙う。が、ガラすきであった。

狙うはクレーンゲームなのだが、そこよりも目についたのは「ガチャガチャの森」という店だった。ようするにガチャガチャ、ガチャポンと呼ぶ、お金を入れてガチャッと回して取り出すおもちゃ。これだけの店ができているのだね。

ちょっと圧倒されたが、そこであったのが金髪の女子店員。ふと話しかけてしまったのだが、店舗に常時800種、在庫も入れると1000種のガチャガチャがあるそうだ。そして「私、ガチャガチャが好きで好きで、この店に勤めたんです!」という告白(笑)。そして熱く、熱く、ガチャガチャの魅力を語りだした。

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それにしても、凄いラインナップなのだ。一般に思うガチャガチャは、人気マンガなどのフィギアなどだが、そんなレベルではない。信じられん商品が並ぶ。とくに驚いたのは、こんなもの。

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セミの脱け殻…… (@_@)。

「これ今日入ったばかりの新商品です! 芋虫は子どもたちに大人気で。でも、お母さん方は止めて!と嫌がります」

なんでも、今やガチャガチャは大人の世界なのだそうだ。子ども向きなのは一部で、顧客は大人。それに合わせた精巧なフィギアが増えているのだそう。決してあなどれんレベルなのだ。

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そして発見してしまった、こんなもの。天童木工????これがフィギアになるのか。

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さらに別の店ではカリモクも。

ガチャガチャの世界は進化していた。

「私、ほぼ毎日店に出ていますから、金髪を見かけたら声かけてくださいね」

あああ、引き寄せられるかもしれん……。毎週通うかもしれん……。恐るべき吸引力。いえ、ガチャガチャの魅力ですよ。金髪の女の子ではありませんからね。

2020/07/30

娘の帰省と8月の仕事

娘が帰省するという。今晩、生駒に帰ってきた。娘の住まいは東京である。

私は、打診があったときに「東京もコロナ感染者が増えて大変だねえ。生駒も、最近は次々と感染者が出ているんだよ」とやんわり?返信した。

このニュアンス、わかるかな~。わかってくれよ、娘も京都住まいしていた時期もあるのだから(´Д`)。

ま、強行突破、強行帰省となった。娘の住むのは東京と言っても郊外で、都心には出ていないというのだが、安全第一だよ……。もちろん親としては歓迎だけど、ちょっとヒヤヒヤ。

一方で、ようやく再開しつつある仕事の一つとして、8月に講演が入っている。が、どうも怪しげな雲行きが……会場となる会館で中止を求める動きがあるらしい。人数を当初の予定の3分の1にして、徹底的な対策を施しての開催予定なのだが……。主催者ではなく、お役所(会館)側の腰がどんどん引けているという。まだ結論は出ていないけどね。

8月下旬にもいろいろ入っているのだが、大丈夫かなあ。

でも、明るい話題も一つ。rakutenブックスに、こんな告知が出た。

ツイッターで見つけたのだよ。

獣害列島(仮) 増えすぎた日本の野生動物たち(仮) (イースト新書)

あまりに早い告知にびっくり。まだ脱稿していません(笑)。でも、私は3月からこの本の執筆に取りかかったので、コロナ禍の自粛の際も、あんまりヒマではなかった。おそらく8月いっぱいがもっとも忙しくなる。

ともあれ、「新しい生活」は始まっている。

2020/07/29

村尾行一先生、逝去

村尾行一先生(愛媛大学客員教授、ほか)が昨日亡くなったという報が入った。御年85~86歳である。

9月頃に愛媛に行く予定があるから、会える時間は作れるかな……とぼんやり考えていたのだが。突然の報に呆然としている。

本ブログでも、村尾行一氏に関しては、幾度となく記してきた。一つは著作の紹介だが、私にとって林業学の師である。もっとも影響を受けて、森林ジャーナリストへの道を歩むきっかけを作ってくださったと言ってもよい。

村尾氏と丁々発止?

書評『間違いだらけの日本林業』

村尾行一著『森林業』は、森林文化論である

同じことを語りつつ正反対?『森と人間と林業』

調べただけで、これだけ。ほかにも、いろいろな話題で村尾行一氏には登場いただいているはずだ。

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代表的にして、私がもっとも影響を受けた2冊。

改めて私との関わりを少し紹介すると、私は大学を卒業してから『山村のルネサンス』を読んだ。ショックだった。学生時代、林業の何を学んでいたのだ? と思うほど。林業とは森林生態学と社会学、そして経済学を統合して実学化したものなのだと悟った。すでに社会人になって、当時の仕事は林業とも森林とも縁遠かったが、いきなり(精神的に)時代を遡って、改めて森林学を学び返す決心させるものがあった。

この本(山村のルネサンス)で語られている中でも、ガツンときたのは焼畑だ。一般には熱帯雨林の破壊を進める原始的農法とされていたが、非常に精緻な技術体系であり、アグロフォレストリーであり、焼畑が林業をつくった第一歩……などと知った。そこで私は焼畑を見て聞いて体験するために、日本に限らずボルネオまで歩いたのである。

初めてお会いしたのは、私はすでに森林ジャーナリストとして独立してからだ。(当時、この肩書は使っていなかったけれど。)
宮崎県が中国に木材輸出する様子を取材するために日向を訪れて、そこで出会った。実は木材輸出の仕掛け人の一人が、村尾氏だったのである。相互造林という会社と組んで現地調査を行っていたのだ。

初の出会いは緊張したが、「山村のルネサンス」の話を持ち出すと「あれは悪書ですよ」と言われてしまった(笑)。
それでも、いろいろ林業に関して質問をしたが、ズバリズバリと返され、こてんぱんにやられた。村尾節というか毒舌に巻かれるがごとくの洗礼である。それでも、不思議と腹が立たなかったというか心地よかったのである。

その後も幾度かお会いしたと思うが、本格的に再会したのは、上記のリンク先にもある谷林業の勉強会である。

そして2018年に、奈良県知事の肝入りでつくられた新条例づくりの検討委員会で同席した。そもそもこの委員会は、知事が『森林業』を読んで奈良県の森を根本的に変えたいと組織したもの。そして私も委員に加えていただいたのだが、村尾氏と席を並べることになるとは思いもしなかった。

実は『森林業』の出版に関しては、私が版元につないでお手伝いした経緯がある。ともあれ、委員会のおかげで2か月に1度くらいの割合でお会いするようになり、しかも委員会は延長されて2年間も続いたから、わりと会う回数を重ねたことになる。

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委員会後の懇親会の席にて

この頃には、村尾氏は毒舌は吐くが、なぜか私に関しては優しくなった。それどころか褒めちぎる。思わず「それって褒め殺しですか」と言い返すほどであった……(^^;)。

ともあれ、委員会は昨年末に条例案を出して終わり、懸案の新条例は今春成立した。いよいよ本番なのである。奈良県フォレスターアカデミーも来年より始動する。改めて指針を考えようじゃないか、という話もあった。その矢先の訃報である。

思わず書きなぐってしまったが、村尾氏についての記憶と語りたいことが頭の中に溢れ出る。私は何をすべきか考えがまとまらない。

合掌。

 

 

2020/07/28

『百姓たちの山争い裁判』に見る山利用

百姓たちの山争い裁判』(渡辺尚志著・草思社刊)を読んだ。

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百姓とあるが、これは農民を指すのではない。さまざまな仕事をする庶民であり、その中に山村に住む民も入る。そして林業も立派な百姓の仕事である。彼らは、はるか昔から山の境界線を巡って隣村などと戦い続けてきたらしい。

具体的には、山の木だけでなく草刈りの権利であり、薪や炭焼き、食料を採取することもある。

江戸時代では、まず村内のことは村内に裁判権がある。それが隣村も交えると代官や藩が出てくるが、それをも超えて江戸の幕府に訴えることもある。なかには燐の藩との争いになり、藩の領地の奪い合いのため裁判になることもあったようだ。表向きは地元の庶民、つまり百姓の争いだが、実は藩、つまりサムライも後押ししていて、江戸で領地争いを繰り広げたのだ。

また裁判の方法には、鉄火起請のように焼けた鉄の棒を長く持ち続けた方が勝ち、という恐ろしい判定方法もあるが、やはり証拠となる文書をいかに集めるか、そして訴えを認めてもらえるような起訴文を書くことが必要で、さらに弁の立つ、口頭弁論が有効。今の裁判と基本的には同じだ。ただし三権分立ではなく、お役人が一人で3役(行政・立法・司法)をやってしまうのだから面倒だ。もっとも判決が出ても認めず抗弁する百姓もいるから、サムライ側もうんざり……。

なかには300年続いた裁判……一つの判決が出ても、また次の争いを起こし、延々と続くのだが、江戸時代が終えて明治になっても続けていたのだ。いやはや、大変。しかも裁判で勝っても、その訴訟費用を支払うために、その山を売却したりするのだから(゚д゚)。
それが崩れるのが明治の官民有林の区分だ。これまでは所有が誰であろうと、問題は利用権、いわゆる入会権だったが、ここで所有権=利用権となってしまう。これが日本の土地制度の根幹を変える。

……とまあ、近代以前の土地制度を考えるのに勉強になる。実は、日本には土地の所有権なんてなかったのかもしれない。

一方で山村の焼き畑と言えば、自給自足的農業をイメージするが、実は商品作物も栽培していたらしい。コウゾ、ミツマタ、クワ、そしてカヤを生やして屋根葺き材料にもしたし、スギやヒノキを植えて森を育てていた。

こんな資料から、育成林業の誕生を感じることもできるのである。

 

 

2020/07/27

森林セラピー事業の失敗理由?

今、林野庁が力を入れているのは、実は木材生産の増大ではない。というと驚くだろうが、多分興味というかやる気は健康づくりや教育分野などで森林空間を活用する「森林サービス産業」に移っている。これまでの延長で頑張るより、新しいことをしたいという意識が強いのだろう。すでに企業の研修や福利厚生の受け入れ環境を整備するモデル地域も選定したところだ。

しかし、この「森林サービス」の中身を見る常に思い出すのが森林セラピー。約15年前に森林セラピーを提唱し、基地づくりやセラピーロード認定、そして森林セラピーガイドと森林セラピストの資格を作って認定ビジネスにも進出した。この点は、本ブログでも幾度も記してきたとおりだ。
ところが、たまたま目にした森林サービス産業の記事によると、森林セラピー事業が長続きせずに尻すぼみになったことに触れていた。そして昨年度には、有識者検討会で森林セラピーがなぜ上手くいかなかったのかを分析していたのだそうだ。

そんな検討会があったのか。検討会の委員は誰だ。なぜ、私を呼ばなかった(笑)。いかに森林セラピー事業がデタラメで裏がわて酷い現実があったのか告発して上げたのに。

あきれたことに検討会では、集客第一で「顧客が期待する水準に達しない段階からプログラム提供が行われ、参加者が十分満足できず結果として『負のブランディング』がなされた」からだと結論づけたそうだ。

おいおい、それは分析ではなく、言い訳だろう。正確に言えば責任を各基地になすりつけたにすぎない。

集客第一というほど集客できたところがどこにある? そもそも基地の認定取れば、客は幾らでもくる、送り込んでやる、と豪語したのは誰だ。森林地域の地域起こしの起爆剤的な宣伝したのではないか。あげくに森林セラピーの意味をトップがまったく理解していなかった。なんと「森林セラピー基地でリモートワークをしよう」という提案までしていたのだ。

負のブランディングをしたのは、何より森林セラピー研究会(現・森林セラピーソサエティ)ではないのか。藁をもすがるように認定を求めてきた自治体に対して、パワハラを連発し、金をゆすった理事は誰か。人を癒す力のある森か試験をすると称して愚にもつかない実験を実施して、結果が出なくても認定を乱発したのは誰か。上から目線で地元の状況を無視したプログラムを“開発”して押しつけたのは誰か。「マイナスイオンで癒される」というオカルトの宣伝までやった理事は誰だ。

付け加えると、現在の森林セラピーソサエティは、事務局や理事メンバーも入れ代わり、当時とは様相を一新している。そして林野庁の手を離れて地味にコツコツと(^^;)、森林セラピーの普及と運営をしている。
ま、逆に言えば林野庁とは関わりがなくなったから、林野庁は新たに森林サービス産業と名を変えた事業を展開しようとしているのだろう。だが、下手すると「森林サービス産業」事業が森林セラピーの顧客を奪いかねないということだ。なんだか自分らの思い通りに動かない森林セラピーを、切り捨てて潰しにかかっているように見える。

この森林サービス産業が、かつての森林セラピー基地のように利権まみれにならないことを願う。私は、今となっては生き残っている森林セラピー基地の方を応援するよ。

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某森林セラピー基地にある滝。

2020/07/26

中近東、南米、東南アジア……世界はバッタで満ちている

以前から気にしていた中近東で発生したサバクトビバッタの大群。今やインドのニューデリー、そしてネパールのヒマラヤ山脈の麓まで到着したという情報があった。群れの長さは7キロまで達したという。

もともとアラビア半島で発生して、2018年にサイクロンによる大雨が続き、餌となる草が増えてバッタが増殖した。一部はアフリカ大陸に渡ってソマリア地方から東アフリカ一帯に広がっている。とくにケニヤで大発生しているという。一方で東進した群はペルシャ湾を渡ってイラン、パキスタンと進み、とうとうインド入り……。もしインドの穀倉地帯を破壊したら、只事でなくなる。夏は、虫の繁殖期だからなあ。

ところで南アメリカでも、近縁種のミナミアメリカバッタが大発生しているそうだ。
こちらはウルグアイで発生したバッタの大群がアルゼンチンに襲来したという。地元紙によると、大群は4000万匹ほどで、大群の帯は長さ10キロ、幅8キロほどに及び、毎日100キロほど移動。1日で牛2000頭分、3万5000人分の食料に相当する農作物を食い荒らしているという(この表現の仕方がアルゼンチンらしい……)。
さらにブラジル南部にも進行しているとか。

中国の東北部でもクルマバッタモドキ(モドキとついているが、完全なバッタの仲間)の仲間が、大発生したという。
さらにラオスから雲南省にもバッタが侵入してきた。8日までに飛来が確認された地域の面積は累計約6600ヘクタール。その後も拡大を続けている模様だ。このバッタの正体は、中国名・黄脊竹蝗(Ceracris kiangsu Tsai)という種類のバッタだ。和名はなさそう。名前の通り竹を食い荒らすそうで、森林もやられる。

さすがに、これらのバッタが日本へ飛来してくる可能性は低いが、どうしても西村寿行の『蒼氓の大地、滅ぶ』を思い出す。東北で大発生したバッタが、日本を壊滅に追い込んでいていき、とうとう東北独立へと進むというパニック小説だ。それはともかく、この世界の趨勢、イヤな予感がするなあ。何か昆虫が大発生する要因が地球規模で広がっているのだろうか。

日本では、バッタよりウンカの大発生が過去多くの飢饉を引き起こした。稲を壊滅させるからだ。現在は農薬が発達して抑え込んでいるが、最近農薬抵抗性ウンカが登場したというからおちおちしていられない。ウンカは東シナ海を渡ってくる。
ちなみに今年兵庫県では、カメムシ大発生の注意報が出されている。また淡路島でも何種類かのマイマイガなどの大発生が始まっている。毛虫の大量発生だ。

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サクラに発生したドクガ?の毛虫

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手元にあるバッタの写真はショウリョウバッタであった……。

なぜ、こんなに大発生するのか。

昆虫は産卵する数がものすごく多いが、たいてい天敵などによって大部分の卵は死ぬ・孵化しない。しかし、ちょっとした環境条件の変化で(たとえば天敵の生息環境の悪化など)バランスが崩れ、多くが孵化してしまうことが起きる。それが大発生につながるわけである。もしかして、それは地球規模の気象変動の一環かもしれない。いや、神の摂理か怒りか。コロナ禍と一緒である。


ちなみに中国で、また新たな新型インフルエンザが発生したようである。ブタインフルが変異して、人間にも感染するようになったとか。さあ、どうなる?

 

2020/07/25

恐竜=ネコ論

昨夜、「ジュラシックワールド 炎の王国」をテレビで見た。実は公開時に映画館でも見ているのだが、まあ、相変わらずの恐竜との追いかけっこを繰り返している(笑)。第1作目を見たときの衝撃は薄れたな。 見るのは惰性のようなものである。

が、いい加減に見ながら、ふと思いついたのだ。それは……「恐竜は、ネコじゃないか説」。恐竜は、実は(人間にとって)ネコと同じなのだ! という論考というかアイデアである。そこで「恐竜=ネコ論」をここでぶってみよう\(^o^)/。

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まず映画の冒頭で、復活した恐竜の棲む島で火山が活発化して、このままでは恐竜は死んでしまう、滅んでしまうという状況が紹介される。しかし恐竜はすでに滅んでいるのだよ。復元したことが正しいのかどうかが課題となるべきだ。映画の中でも政府は、というか主流派は、放置を選ぶ。死んでも仕方ないと考える。DNAから復元したことが街内なら、火山で死に絶えるのも神の摂理だ、というわけである。

が、ここで恐竜保護団体が登場するのである。そして救出運動を陳情する。またジュラシックパークをつくった人物も、恐竜をほかの島に移す救出作戦を進める。ま、これがストーリーの始まりだ。

もう、この当たりで恐竜はネコと同じだ、と感じたのである。存在してはいけない生物種であるのに保護したがる、恐竜マニアの存在。いやマニアを超えて恐竜に身も心も奪われた人々。

ネコも同じである。とりあえずペットとして飼われている分はおいておくとして、捨てネコ、ノラネコ、そして完全野生化したノネコ。さらにペットなのに放し飼いされるネコ。これらのネコは、猛獣であり、本来いるべきでないところに持ち込まれ、生態系に多大な影響を与えている。野にいるネコは、餌として鳥や小動物をかなりの数を捕獲する。
アメリカの研究では、全米で鳥類が年間(中央値)24億羽、哺乳類123億匹……。オーストラリアでは、ノネコのために100種以上の哺乳類が絶滅の危機に追いやられているそうだ。
このように世界的に問題となっているのだ。しかし、駆除しようとすると、激烈な反対運動にぶつかり、捕獲しても里親探しに奔走する人々が多数いるのである。

同じく害獣として駆除されるイノシシやシカは、各々年間60万頭を超える。しかし反対運動とか里山探しは行われない。奄美や沖縄では、地域の固有種の生息を脅かすフィリピンマングースの駆除は熱心にやる(もちろん反対者はいない)が、同じ害をなすノネコ退治には躊躇する。行う人に罵声が飛ぶ。この差はなんだ? ネコの何が人の心を揺さぶるのだ?

恐竜は基本的に爬虫類だとされて、とても可愛い形態ではないのだが、それでも根強いファンがいて(現実には生きた恐竜なんぞ、誰も知らないのだが)保護というか熱中する。映画の中では競りにかけられて、世界中の人々が凶暴な恐竜ほど高く落札する。なぜだ、恐竜にも人間の心を揺さぶる要素はあるのか? 

だから、恐竜はネコと同じなのであるv(^0^)。

しかし野生化した恐竜は、さまざまな害をもたらす。獣害ならぬ龍害だ。

ちなみに、映画の最後で恐竜は野に放たれ、野生化していく。少なくてもアメリカ大陸では共存していかねなばならない状態に陥った……というオチであった。そして「後戻りできない」と繰り返される。(多分、続編に引っ張るのだろうけど。)
ネコも同じだ。野生化ネコは後戻りできないほど増えているよ。でも、ネコだって猛獣なのだ。共存できる……のかねえ。

でも、もしかして恐竜も馴らされて、ネコ並に人間にじゃれつく奴も出てくるかもしれない。ペット化も有り得るかも。

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ほれ、恐竜とネコ(ライオン)が向き合っているよ(笑)。

2020/07/24

本郷林野庁長官インタビュー記事

電子農林水産専門誌Agrio314号に巻頭で本郷林野庁長官のインタビューが掲載されていた。

冒頭だけ紹介すると、こんな感じ。

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Agrioは、時事通信社のpdfで発行される農林水産業の専門誌。やはり農業が多いが、林業も水産業の記事も折々に掲載されている。私はわりと愛読していて、とくに内部情報を得られるので重宝する。実は水産業の記事も面白い。たとえば世界中の漁獲量は伸びているのに、日本だけがマイナスであることがあらわになってくる。官庁の裏側情報なんぞはドタバタぶりが笑える。ちなみにトライアルに申し込むと、無料で35日間全号分読めるよ。(リンク先参照)

で、インタビュー。あんまり新味のあることはしゃべっていないが、現代の林業に関するとらえ方は、私とさほど離れているわけではない。

切る木がなくなって、林業や山村にお金が落ちなくなった。それが30年、40年続いているわけだ。。だから、例えばイノベーションやシステムの改善に取り組もうにもお金がない
天然林にして大きくなった広葉樹を切るといった持続可能な林業
人口減少の影響で働く人も当然少なくなる。日本のあらゆる産業が人手を欲しがって、給料の高いところに流れていく。とても今の林業では太刀打ちできず、現状としては減る一方

ただ、それに対する対策は、という点でずれてくるんだな。

「木材需要の拡大」……違うでしょ。需要が拡大しても利益が出なければ意味がないのだ。あくまでめざすは林業関係者の利益の拡大である。それも補助金抜きの。人口が減少していく社会で需要を拡大させようというのが外れているし、自由貿易体制の中で需要を拡大しても外材が流入してくるだけだ。量(売上)ではなく、質(利益率)の拡大を図ってほしい。

最後に、「循環が可能な値段で売らないといけない。持続的に収穫することが一番大事」とあるのだが、ここをもっと強調しないと。
すでに木材需要は伸びている。なんたってバイオマス発電燃料が莫大に増えたからね。でも相変わらず「扱う木材」の量ばかりを競い合って価格競争に陥ったり(バイオマス燃料も輸入ばかり)、目先の量を増やすために補助金という名の税金を注ぎ込んで、全然利益が出ない(総体では赤字)ようにしてしまうのが問題なんだから。

 

 

2020/07/23

どこまで、根?

気がついたら、休日だった。何の日? それは今も知らない(泣)。

ともかく、世間が止まっている。私は通常ペースで仕事をしていたのに、動かないやん!

というわけで、こんな1枚を。

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ある山で見かけたマツの木の根。斜面に生えているのだが、どこまでが根?どこから幹?

細胞レベルで違いがあるのだろうか……と悩んだのであった。

 

2020/07/22

奈良公園・瑜伽山園地の橋

奈良公園内に瑜伽山園地という施設ができた。ゆうがやま、と読む。

具体的には豪華宿泊施設とレストランなどだが、一般も庭を見学できる。これはちょっと前に訪れたときのもの。

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実は、この建設には一悶着あって、奈良公園内にホテルをつくるのがケシカランとかいって反対運動が起きていた。公園内にホテルは建てられないとか、豊かな自然破壊だとか、近所の住人が住まい環境が悪くなると騒いだのである。が、もともとは国有地で裁判官だったかの官舎だった場所で、誰も住まなくなって放置状態が長く続いていた。閉鎖されていたから誰も中に入れない状態だったわけで、そこを利用して建設することにしたのだ。建築は隈研吾だったかな。

工事前の内部の様子も見たが、まあ荒れ放題。これを「豊かな自然」とおっしゃる方の見識を疑うわ。ようするに旅行客が出入りするのを嫌ったいちゃもんだろう。

ともあれ、すっきりした庭園となった。そしてインバウンド目当てではあるが、和風の高級リゾートホテルとカフェレストランが完成した。庭には竹林が広がり小川と池がある。

まだ完成して時間の経たない状態だから、植生も全体に落ち着きがなかったが、1年も経てば落ち着くだろう。それなりに面白い施設になるのではないか。まあ、インバウンドが果たして復活するかどうかはわからんが。

ただ、一カ所、納得できないところがある。

これだ。

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庭にかかる橋。なんか、違和感というか色がミョーだと思ったが、どう見ても擬木だ。木材に見せかけているが、これ金属か樹脂製でしょ。木材だけすぐ傷むとでも思い込んだのか。浅はかな設計だ。

なんで、高級ホテルの庭に、こんなちゃちなものを設置するのよ。外国人だって、この色合いに違和感持つと思う。だいたいヨーロッパ人の多くは木材通だよ。日本は木の文化とか言っているが、よほどヨーロッパの方が木を多用した暮らしを送っているし、とくに高級ホテルに泊まる客なら偽物を見抜くと思うね。

不細工。その一言の橋である。今からでも遅くないから作り直した方がよい。ちょうどコロナ禍で客も来ていないだろうし。

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遠目に見ても違和感丸出しの橋。

2020/07/21

Y!ニュース「…大きくなりすぎたご神木…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「伐る?伐らない?大きくなりすぎたご神木を巡る悩ましい事情」を執筆しました。

実は、先に土倉翁の墓参りに行った際、こちらにも寄ってきた。

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これが烏川神社(十二社神社)。ちなみに隣は、運川寺という禅寺があって、烏川神社と対になっている。そして弓祝式という神仏混交の行事を行う。寺から神社へ矢を放つのだ。これは悪霊を弓で追い払った儀式だとか。ウィズ・コロナの時代に向いているかもしれない。

それはともかく、この社殿。少し変わっている。写真でもわかるだろうが、本殿が横になっている。だからお参りも石段を登ってから真横に曲がって行うのだ。創始は西暦948年とあるから、なかなか歴史の深い神社なのである。

ちなみに社殿の両側に立派なスギが立っている。こちらも樹齢500年級の大木だ。参道のご神木を伐ったら、こちらがご神木となるだろう。が、実はその裏山にはもっと太いスギがある。なんと幹周り7・1m。ただし3本の合体木のよう。それでも川上村でもっとも巨樹とされている。

川上村には、吉野林業のよって育てられたスギの巨木がたくさんあるが、実は集落ごとにある神社のご神木も相当な大木揃いだ。

なお、今回のご神木伐採問題、実はまだ伐ると決まったわけではない。総代会では一致したが、ほかの手だてもあれば考えるそうだ。しかし、この大径木を引き取りたいという方がおられたら、ご連絡を。高く売れるなら伐るだろう(笑)。

 

 

2020/07/20

土倉翁の座右の銘「守不移」は起業の心得か

昨日の続きというわけではないが、川上村大滝の土倉屋敷跡。その前で吉野川が大きく湾曲するが、かつて木材を筏流しした舞台だ。

もっとも地質的には、花崗岩だろうか硬い岩が剥き出しになっていて、そのまま筏を流せばつっかえたり引っくり返る心配があるだろう。そこで岩をコツコツ削って、川の水がすんなり流れるようにした。その部分を割滝と呼ぶ。大滝を二つに割ったという意味だろうか。

実は、3年前に調査を行っている。当ブログでも紹介した。「割滝調査

今回は、梅雨の合間ということで、ちょうど水が二股に割れてよく流れていた。前よりわかりやすいだろう。

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左側が人工に削った水路だ。ここを筏が流されたかと思うと、なかなか恐い。そして新たな説明版も作られていた。

見事な青空をバックにした庄三郎の銅像も、なんかかっこいい。

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この前にも新たな説明版ができ、そこには庄三郎の座右の銘「守不移」の言葉が紹介されている。移らないで守る、という意味だ。庄三郎は、普段より京都や大阪、そして東京にも頻繁に行ったが、拠点は吉野の大滝を動かなかった。自らの拠点は山であり林業であるという立場を崩さなかった。幾度か衆議院議員や奈良県会議員、山林局(現在の林野庁)局長……にならないかと誘われた。仕事面でも大阪の木材相場を張っていたこともあったそうで、拠点を大阪に移した方が有利だったかもしれない。が、みんな断り、動かなかった。

二股に分けた割滝も、結局流れは一緒になるもんね。

さまざまな事業に出資したが、それらが動き出すと自らは手を引いて他人に任せてしまう。自身の役割は起業まで、と心得ていたようだ。そんな経営者は、今のビジネス界にはいるだろうか。

そういや日本資本主義の原点とも賞され、一万円札の肖像になる渋澤栄一は、幾百もの株式会社を立ち上げたとされるが、自分の手元にはほとんど残さなかったなあ。お二人は旧知の間柄である。いろいろな会議などで同席した記録が残る。

ちなみに来年のNHK大河ドラマの主人公は、渋澤栄一だ。このドラマに土倉庄三郎も登場しないかなあ。まあ、「八重の桜」と「朝がきた」のときも同じような期待をしたのだが(笑)。

 

2020/07/19

土倉翁の墓参り

今日は2020年7月19日。土倉翁が19017年7月19日に亡くなったので、命日であり、103回忌ということになる。いや2016年が百回忌で4年経っているのだが、この場合は何年と数えたらよいのだろう。。。没後103年? まあ、墓参りをするということで川上村に馳せ参じた。

そもそも今年は、土倉庄三郎生誕180周年であり、土倉龍治郎生誕150年である。それだけに、何か二人を合わせたイベントを考えていたのだが、コロナ禍で吹っ飛んでしまった。あと半年を切ったが、収まったら地味ながら何かやりたいと思っている。

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菩提寺である龍泉寺で法要。私は始めて阿彌陀経を読んだかもしれない。住職は引退されたので後継者を探しているそうである。浄土宗のお坊さん、いませんか(^^;)。

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墓参り。ちなみに土倉翁の葬式は7月22日だったそうである。この日は私の母の命日だ。何もする予定はないのだが……こちらの法要と墓参りで済ませられないかな……と思ってしまった。

2020/07/18

異変・奈良の鹿減少? 

奈良のシカの頭数は、毎年7月に行われている(奈良の鹿愛護会調査)のだが、だいたいにおいて増え続けていた数が、今年はいきなり102頭も減った結果が出た。

昨年は過去最高の1388頭だった。ところが、今年は1286頭。これほど大規模に数が減少したのは始めての記録ではないか。終戦時などを除けば。

原因は、今のところはっきりしない。そこで、推理してみた。

まず、コロナ禍で観光客が減ったので鹿せんべいをもらえる機会が減って、それならわざわざ公園に出て人間に媚びる必要ないや、と気づいた鹿たちが、森から出てこなくなったという推論が成り立つ。シカは、人に会いに公園に出てくるのではないのだ。むしろ溢れる人間に触られたり追われたりするストレスがなくなって喜んでいるかも。
あるいはソーシャルディスタンスをとって、バラバラにいたら数えにくくなって見落としが増えた……という推論はどうだ。

なお頭数調査を行うのは、寺社の境内や芝の公園部分で、春日山原始林内は調べていない。だから森の奥に潜んでいたらカウントできなかったと考えるのが自然だ。

もしかしたら、鹿せんべいをもらえない公園に用はないと、旅に出たことだって考えられる。春日山を越えて大和高原まで行く。あるいは住宅地に入って街路樹や庭木を食べることを覚えて居つく。こうなると調査にカウントされないだろう。

ただ、別の考え方もある。先月末までの1年間に死んだ鹿の数は308頭で、これは前年より129頭多い。死因別では、病気が102頭(前年比15頭増)、交通事故(前年比15頭増)の49頭頭。また老衰や死因不明などは144頭だが、これは前年比86頭増なのである。

全体に不慮の死が増えたことになるし、老衰・死因不明が非常に多くあった点が気になるところだ。

そこで気になるのは、前々から奈良のシカは栄養失調気味であったことだ。奈良公園というエリアに1000頭以上のシカがいるのは異常なのである。同じ広さの森なら、せいぜい300頭くらいしか住めないはず。4倍以上になって、餌が足りなくなっている。鹿せんべいも、シカの食欲を賄うのには足りない。だから植物繊維なら何でも、と森の樹木も食べられて劣化させる現象も起こしている。それでも足りずにごみ箱漁ったり、落葉食いまで始めている。もっとも植物が豊富な夏なのに落葉を食べなくてはならないというのは危機的かもしれない。

いずれにしろ餌不足が続くと、奈良のシカの健康状態に問題が出る。すると病気や怪我で亡くなる可能性も高くなるのではないか。

……これらは邪推だろうか?

ただ減ったとはいえ、まだ1200頭をはるかに越す頭数がいるのだ。まだまだ多い。下手に心配して鹿せんべいを大量に供給しようとか、野菜などを撒いて餌やりをしようなどと思ってはいけない。あくまで奈良のシカは野生なのだから、このまま様子を見よう。さらに減るか。あるいは来年はちゃっかり元にもどっているか。いずれにしても自然の摂理だと見るべきだろう。

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2020/07/17

「奈良県の森林管理職」制度を考える

奈良県の森林管理職の募集要項(試験案内)が発表された。先に『ひっそり募集?奈良県の「森林管理職」』に記したものである。

森と人の共生推進室のHPにも記された。いよいよだ。

ちょっと引用すると

奈良県では、スイスやドイツの森林管理官(フォレスター)を参考とした「奈良県フォレスター」(市町村において、長期間、同一の森林に関する行政事務を担う奈良県職員)となる職員(森林管理職)を採用するための試験を実施します。
この試験に合格し、採用された方は、県職員として令和3年4月開校予定の奈良県フォレスターアカデミーに入学し、2年間のフォレスター学科における教育を経て、卒業後に「奈良県フォレスター」に任命される予定です。

この奈良県フォレスターに関しては、

森林環境の維持向上に関する専門的職員として奈良県フォレスターを県に置きます。
奈良県フォレスターは、目指すべき森林への誘導、森林環境の維持向上に関する技術・知識の普及指導、森林の巡視などの専門的事項をつかさどります。

とある。試験内容に関してはリンク先を見ていただければよいが、ちと思うところを。

と言っても、単なる感想や評論ではない。というのも、私は、この制度の元になる条例「奈良県森林環境の維持向上により森林と人との恒久的な共生を図る条例」づくりの検討委員会に参加していたからである。もちろん私に条例づくりの権限も知識もなく、あくまで理念面での意見を述べただけだ。それでも、多少は内部事情を知っている立場から個人的思いを説明しておきたい。

まず、私は「制度(条例)は器」であると考えている。制度をつくれば施策が動き出すわけではない。中に何を入れてどう利用するかである。ただ器がなければ何も入れられないし、動かせない。いかなる森への思いも実行に移せない。

その意味でこだわったのは、森林を総括的に見て指導できる役職の必要性であり、その担当官は長期間異動しないことだ。通常の行政職員では2~3年ごとに異動があって専門性も地域密着性も薄れる。地元の人も舐める。だから原則動かない立場の確保すること。
そして森林施業の許認可権限を持つこと。これは条例レベルでは難しかったが、「届出」をきっちりチェックするという発想で形作った。施業前と後に担当官が現地に足を運び調査確認することで、書類だけの植林も、書類とはかけ離れた伐採も、ごまかすことができなくなる。そこから指導力を発揮してもらいたい。
一方で地元密着しすぎても癒着する。また給与が担当地域の林業収入で賄うことになったら、危険だ。その点、県職員という身分が保証されたら、生活の安定とともに地元の林業家にもの申す距離感ができる。

……とまあ、こんな形の「器」をつくり出した。もちろん私が提案したのではなく、委員の理念的意見に対して事務方が知恵を絞って理念を具体化する方法として設計された。私はその内容に「お見事!」と思っている。結果、議会も通ったのだから器として完成したわけだ。

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一方で、奈良県フォレスターアカデミーも開校し生徒募集も始まった。めざすは「器の中に入れる人材」の育成だ。これは、土壇場で大きな変更があった。

フォレスター学科の募集人員は10人だが、その半分5人を、最初から奈良県職員とするというのだ。給与をもらえるわけだから、現林業従事者など社会人が入学すると、学生の間の生活をどうするかという問題が解決する。全国から経験豊かで志のある林業関係者が応募できるのではないか。大英断だ。もっとも、卒業生が奈良県以外の地域に出て行ってしまわないように仕掛けた安全弁かも(^o^)。

ちなみにスイス林業を参考に、と紹介されているが、これは世間の勘違いを呼び込みかねない。たしかにスイスのフォレスター学校と提携する、というのは看板として目立つが、スイスの林業技術をそのまま学ぶわけではない。学ぶのは理念だ。その理念は、大雑把に言えば豊かで健全な森づくりを第一とする林業だ。今の日本の主流となった木材生産量を競う林業ではない。
だから学ぶ技術は、コミュニケーション能力とか生態学、生物多様性など広範囲な知識だろう。恒続林をめざすのも、スイス・ドイツの技術で行うのではなく、針広混交林など豊かな森を育てながら木材生産も同時に行うという理念だけを取り込む。そのための技術は日本(奈良)独自のものを考え出さないといけない。なお、恒続林をつくるのは吉野林業のような確立された林業地で行う必要はなくて、舞台はおそらく施業放棄林・不成績林になるだろう。

こんな担当官(フォレスター)を養成するのはなかなか厳しい。よっぽど全国の多くの人が応募し、その中から選別しないと適格者はいないのではないか、と思う(^^;)。

そして、どんな優秀な人材でも、アカデミーを出たらすぐにフォレスターとして活躍できるとは思えず、また赴任する地域に溶け込む大変さもある。おそらく完全に制度が機能するまで数年から10数年かかる。長い覚悟が必要だろう。短期間で結果を求めて制度をいじったら林野庁の二の舞になる。

委員会中に私が口にしていたのは、「奈良県の森を林野庁から守れ」であった。林野庁というのは全国一律の、短期間で成果を出そうとする制度の代名詞で、そうではない制度と理念で森を守りたいという意味。そして全国の森がボロボロになったときに、奈良県だけに健全な森が残っていたら、奈良の林業発展間違いなしだ。

さて、この器が機能するか否か。中に入る適格者は現れるか否か。求む、志のある林業人。

2020/07/16

森林・林業基本計画のパプコメ募集

林野庁が、来年度に予定されている「森林・林業基本計画」の変更に向けてパプコメ、つまり一般からの意見を募集し始めた。(まあ、これは法案ではないけど、一緒だろう。)

募集期間は、6月30日から始まっていて、7月20日(月曜日)17時00分までというから、あんまり日が残されていない。しかし、1分野に意見を200字以内ってなんだ? ツイッター並にしろってか? それとも200字以上書かれたら読むのが面倒くさいのか? いや、長々と文句を書かれたら困るからなのか。

職業欄も、なんだか業界人ばかりをイメージしているようだ。多くの人は「一般消費者」に区分されてしまう。ちなみに分野は以下の通り。このうち一つ選べって。難解もログインしてもいいのかね。

なおフォレストジャーナルでは、その告知をしつつ、参考文献として北海道大学森林政策学研究室の柿澤宏昭教授の論文「平成28年森林・林業基本計画と森林・林業基本法についてのいくつかの考察」を紹介している。
(私は、こうした告知をしっかりする点でも、フォレストジャーナルを買っている。従来の林業雑誌にはないだろう。)

私は……ちょっと気分が削がれたかな。

私がもの申すとすれば、何より「法律を守れ」。「法律を守らせろ」。「違反者はちゃんと摘発しろ」。これだけだ。

林政としての意見はいろいろあるが、それは立場によって分かれるし、なぜそうした意見を言いたいのか説明しようとしたら複雑になる一方だ。しかし、法律に従え、というのは当たり前すぎるほど当たり前の要求だろう。言われる前にしなくてはならん。そして林業現場では、それが見事にないがしろにされている。林野庁の施策は、それを後押しさえしている。
それによって棄損するのは、まず税金である。国民の血税が無駄に、無意味に使われている。そして森林生態系そのものが棄損している。

こんな状態で、将来に向けて顔向けができるのか。あああ、私が書くと怒りが噴き出て200字に収まらないので、書かない(^^;)。

ぜひ、皆さん書いてください。怒りに任せて。

 

2020/07/15

人新世はいつ始まったか?

近頃、流行りの言葉が「人新世」。「アントロポセン」の和訳として、地質年代の一つとして提唱されている。

地質を調べて、変化が現れると時代区分をする。もっとも大きなのは古生代、中生代、新生代だろう。その中でも分けると中生代は三畳紀、ジュラ紀、白亜紀だし、新生代も第三紀、第四紀に分ける。その中でさらに細かく分けると、第四紀は更新世、完新世となる。

完新世は、氷期が終り地球が温暖化してきて海面が上がり、森林も増えた時代だ。沖積世という言葉でも示される。

が、もはや完新世は終わったのではないか、次が人新世だ~と唱えられているのだ。ようするに、人間の活動が地球に地質学的な影響を与えているからだ。それを人新世と名付けたのである。

では、それはいつから? 実は、これが議論になっている。

完新世が始まったのが1万1700年前とされている。一方で人間が地質に影響を与えた時期を、農業が始まったことにあるとしたら、1万2000年以上前になってしまい、完新世が消えてしまう。ちなみに世界で最初に農業が行われたのはニューギニア高地だ。そこでは灌漑も始めていたから、たしかに地質に影響を与えていたのだろう。

一方で「パイロセン(火新世)」という言葉も登場している。「火の歴史家」とも呼ばれるスティーヴン・パインが提唱していて、人類が火を使うことで時代が変わったと見立てる。火を使いだした最初はホモ・エレクトゥス、北京原人だとしたら70万年ぐらい前になってしまうが、さすがに遡り過ぎか。頻繁に現人類が火を広く使いだしたのは1~2万年前だろうか。

地域的なずれもある。たとえば中近東なら5000年前後に農業が広範囲に行われ、都市国家も生まれて地質に影響を与えだしただろう。中国の黄河・揚子江周辺も同じぐらい。地中海沿岸なら3000年前ぐらいか。日本なら弥生時代なら2000年前程度。
より世界的な視点で見ると、産業革命か。欧米に広がったのは西暦1800年前後ぐらいだから、たかだか200年前になる。

だが、最近の学説では1950~60年代を開始年代だという意見も強まっているという。ほんの50年前! 我々が生きている年代に地質年代が入れ代わったのか。大量生産・工業時代が始まった時代を起点とするのだ。

結局、何を基準とするかによって変わるわけだが、いっそ森林の変化を基準にしてみたらどうか。

森林伐採が加速すれは地質を変える。しかも伐採跡地は、たいてい農業や住居建設に使われ、都市が築かれる。地質の変化が顕著になるだろう。やがて人工林づくりも始まって、いよいよ植生を変えることで地質も変える。

しかし森林が亡くなるのは伐採だけではなくて、火入れの方が早くて大規模かもしれない。日本の場合、実際に森林が草原になって、黒ボク土が生まれたのは焼畑や野焼きのせいだとされている。となると、5000年くらい前に縄文時代中期になる。

さらに大規模に植生を変えた時代は、奈良時代(ざっと1200~1300年前)か。神社仏閣、宮殿を建てるために木を伐りすぎた。

……まあ、いろいろ見立ててみて、人新世とは何かと考えてみるのも面白いかもしれないなあ。

2020/07/14

密漁対策の漁獲証明制度、創設か

また、宮崎県で盗伐案件で逮捕されたようだ。詳しいことは明日の朝刊に載るそうだが……このところ、次々と起訴されている。それでも盗伐、つまり違法伐採は収まらないのだが……。それより先に

水産庁が動く、かもしれない。

林業と双璧をなす?違法取引オンパレードの日本の水産業だが、このほど有識者の検討会で漁獲証明制度創設の内容を取りまとめた。

内容は、なかなか思い切った施策だ。産地などを表示した漁獲証明を添付しなければ販売・輸出できなくするというのだ。漁業者が魚種や水揚げ量、漁獲日などを漁協に報告し、漁協がこれを基に漁獲証明番号を付与する。そこに扱う漁協、日付、ロットなどの情報も示す。事業者は、証明番号などを記載した販売・購入記録の保存を義務化する。

ただし、すべての漁獲物にそれを当てはめるのは無理があるので、現在考えられているのは、アワビとナマコ。これって、反社会勢力、つまりヤクザの資金源になっている密漁品だ。なにしろ日本の市場に流れているアワビの約半分が密漁品と言われ、中国に輸出されるナマコも大半が密漁品。将来的には伊勢エビなども対象にしたいという。私は、シラスウナギも加えるべきかと思うけどね。

なお輸出品も漁獲証明を必要とする。輸入する水産物の一部も相手国の漁獲証明書を求める。これがこのまま法律として成立すれば、結構厳しいものだ。これらを排除することができれば、アワビなどは市場に流通する量は激減し、価格は高騰するかもしれない。

こうなると漁業者や卸売、加工業者、小売りなどは証明の表示がある水産物しか扱えなくなる、はずだ。証明書のない水産物や正規品に密漁品を混ぜて販売した場合には罰則も設けるというから、なかなか水産庁本気か?と思わせるのだ。(もっとも、あくまで検討会の案だから、それを水産庁が法案化して、それを国会で通せるかという点が不明確なのだが。)

秋の臨時国会に関連法案を提出する予定だそうだ。法律が成立したら、2年後には運用を開始する。原案どおり法律ができるか。それともヤクザさんのために抜け道をいっぱい用意してあげるのか。

やはり反社会勢力が参入していることが大きいのかなあ。今や暴力団に対する締めつけは相当厳しくなったので、それに連動しているのだろうか。

さて、林業界はどうするのだろうか。違法伐採、無断伐採、違法木材の輸入などが今も続く状況に何らかの手を打つ気はあるのか。

残念ながら林野庁にやる気は見えない。ようやく作った法律がクリーンウッド法だからなあ。初めから抜け道をつくった中身のない形だけの対策。そもそも違法を取り締まるつもりはなくて、合法にしましょう、とよびかけるだけ。盗伐が相次いでいることに対しても、遺憾声明さえ出さない。

しかしその気になれば、取り締まりは水産業界より簡単だと思うのだ。何より業者が(違法に)手にしようとしている金の原資は、たいてい補助金だから。最初に取り締まるだけでなく、施業前と後に厳しく検査すれば、すぐボロが出る。デタラメな伐採届と実際の施業。重機購入。それを抑えて利益が出なくなれば、違法行為をやる意味がない。

林業の場合は、ヤクザの参入というよりは国がヤクザの育成をやっているような気がする。ヤバイことできる余地やチャンスをわざとつくって暗に勧めるのだから。。

 

2020/07/13

zoom過多ストレス

コロナ禍自粛が契機になって、zoomなど昔風に言えばテレビ会議が一気に広がった。ようするにパソコン、スマホで映像流しながら複数の人々が話し合う機会である。

私も一応、zoom、ズームは使っている。これはコロナ禍と関係あるかどうかは別として、3月ぐらいに大学の同窓らが話し合う必要があったためズームを始めたのである。その後、仕事でも使っている。決してできないわけではない。(ココ、重要)

ただ、そんなに楽しいものじゃないというのが私の印象。まあ、仕事がらみなら仕方ないし、複数の相手の顔を見ながら話す方がよい場合もあるのはわかる。情報も多くなり、画像も共有できる。出かけていき会うよりはるかに時間も労力も減る。

しかし、なあ。多用しすぎだろう。。。。なんでもすぐ、ズームで申し込まれるのはいかがなものか。ラジオのコメント? それって電話で済むよね。映像要らないんだし。私は寝ころびながら話す方が楽だし。

なかには、見知らぬ学生から質問があるのでズームで……という申し込みもあった。お断り(笑)。

ズームは基本的に時間を縛られるし、自分の顔をさらす(背景の部屋も写る)わけで、誰とでもやるものではない。まず肝心の質問内容をメールで送れと要ったら、愚にもつかない内容だった。私の本の内容を教えてくれというふざけたことまで。読めよ、購入して。

 

みんな話したいのか、会いたいのか。

そういや先日訪れた農産物産直店で、やたら店員に話しかけている男がいた。本人はマスクをしているのだが鼻を出している。効果半減だろーと突っ込みたいところなんだが、店員に話しかけるときは、なんとマスクを外すのだ。しかも声が大きい。。。一人が応答し終えたら、また別の店員にも話しかけている。マスクをはずして(-_-;)。私は離れて見ていたが、思わず自粛警察になってやろうかと思ってしまった。
結局、誰かと話をしたくて買い物に来たのではないかという疑いが。。。

なんかズームもその延長のような感じを受ける。必要もないのに相手の顔を見ながら話したがっていないか。それに複数いても写る基本は顔のアップばかりだ。とくにカメラに顔を近づけすぎる人は、画面いっぱいが顔となって、視線が気になる。ずっと見つめられている気分になるのは、わりとストレスだ。実際に複数の人が集まっている場合なら、自分がどう見られるか気にならないが、カメラ越しゆえストレスになる。それに音声も完全ではないから、イマイチ聞きづらいこともある。

もともと他人と接触が苦手な人は、現在のリモートワークを喜んでいるという話もあるが、私は、接触は嫌いではないのだが、通常は文字(メール)か、電話の声だけの方が楽だ。自分の顔や背景がどう写るか気にするのが面倒だし。背景を変えられるというが、まだそのやり方を知らない。調べる手間も面倒。……まあ、そのうち覚えるか。

そのうち10秒PCR検査でも登場しないかな。集合する人は、それで検査して陰性がわかったら、密になって会議をする(^o^)。

以上、今日は木のことも森のことも考えたくない気分なので、仕事の話にしました(⌒ー⌒)。

 

2020/07/12

フィトンチッドが地球温暖化を抑制する?

今日は、梅雨の中休み。そこで、二上山に登ってきた。二つの峯を持つ火山なのだが、古くから歴史の舞台となってきた(まあ、奈良県内はどこもそうなんだけど)山で、何かと伝説がある。雄岳の頂上には大津の皇子の墓所まであった。

そして頂上付近から見える景色はこんな風。

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大阪側は、大阪湾の奥に明石橋まで見えた。奈良盆地も見渡せる位置だ。一応晴れているのだが、ぼんやり霞のかかった感じ。なんとなく、青いモヤのように見えるのだが……。

ところで植物の出す揮発性化合物のことをフィトンチッドと呼ぶが、科学的にはBVOC(Biogenic Volatile Organic Compounds)と言うらしい。森林浴のネタに使われるが、BVOCの主な成分はテルペン類だとされている。近年の研究で紫外線などとの化学的な反応により、エアロゾルやオゾンなどが生成することがわかってきた。

そして「ブルーヘイズ」を発生させるそうだ。夏の暑い日に青いモヤがかかったようにみえる現象のことだ。大気中に微粒子がたくさん漂うことで青い雲を生乱すのだ。そして夏の日差しを遮り日除け効果が生まれる。そのおかげで森林内の温度が上がりすぎないようにしているのではないか…というのだ。しかもBVOCの効果は、地球環境全体にも影響を与えている可能性がある!らしい。

う~ん、フィトンチッド恐るべし。単に香りを漂わせて虫を寄せつけなかったり人の気分をよくするだけではなかったか。さらにいくつかのBVOCに関する論文に目を通すと、BVOCの総産出量は、炭素換算で年間で数億トンになるという試算が………。

言い換えると大気中に炭素を貯蔵することになるではないか。しかも日差しを遮蔽するなら、気温上昇を弱める効果もあるだろう。逆に森林面積が減少すれば、温室効果ガス(CO2)の濃度は上昇する一方で,温暖化を抑制する物質(BVOC)の濃度は減少することになる。

なんか、森林のすごい役割が隠されているのかもしれない。知らんけど。。。

2020/07/11

Y!ニュース「マツタケが絶滅危惧種になった理由は…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「マツタケが絶滅危惧種になった理由は、森が豊かになったから」を執筆しました。

このニュース、昨日の朝刊で読んで「あ、これ使えるわ」と思ってスマホでカシャ。写真で記録して置いたのだけど、あいにく昨日は忙しかった。だいたい私はネタをしばらく寝かせて時間とともにさまざまな考えが熟成するのを待ってから書くのだよ。

とはいえ、時事性のあるニュースだから、あんまりのんびりしていたらバリューが落ちるな……と思っていたら夕方にYahoo!ニュース編集部から、このネタは使えませんか?という打診があった。

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あらら。それによると、すでにネットでは多くの反響があってニュースも意見も拡散しているらしい。カンカンガクガク、いろいろな意見が出ているようで、みんな一言言いたがりで、ウンチク垂れたがり、ばかりか(笑)。

それは急がなくてはいけないなあ、と一晩寝かす(笑)。

今朝になって書いたのでした。まあ、そんなに難しくもなく、また奇をてらうこともない。いたって真面目でおとなしい記事でしょ? なんでも、NHKの「チコちゃんにしかられる」でも、同じテーマ(マツタケはなぜ高いのか?)で取り上げたらしい。出遅れまくってるやん。こちらは、「(プロパン)ガスが普及したから」を解答にしたらしいが、私の方が素直だと思うよ。

ちなみに、今朝の「天声人語」でも取り上げているから、よほど日本人はマツタケにニュースバリューを感じるのだろう。
おかげで2年前に記した「バカマツタケ栽培成功」の記事まで、アクセスが増えております。このまま行けば、松茸ジャーナリストも悪くないセンかな(⌒ー⌒)。

 

 

2020/07/10

クロモジ楊枝の復活計画

zoom会議をしていて、ふとひらめいた。クロモジの爪楊枝を普及させられないか。もちろん高級爪楊枝だ。

国産の割り箸は2~3%しかないが、楊枝にいたっては、おそらく99,9%ぐらいが外国産で国産はコンマ以下だろう。ただし、やすい外国産楊枝と張り合っても仕方ないので、高級さを売り物にする。クロモジの爪楊枝は、今でも1本(というのか)5円以上するが、そこは20円ぐらいをめざす。

クロモジは、今やアロマやクロモジ茶、そしてジンのボタニカルとして人気をよびかけているが、やはり本命は楊枝だ(と私は思う)。

なんでも、今ではクロモジの楊枝をつくる職人が全国で一人しかいないというのだが、基本そんなに難しい木材加工ではない。木工経験者ならある程度練習していけば生産できるだろう。日本は木工王国で木工職人も欧米よりずっと多い。ただし、家具などをつくっても売れる時代ではなくなったから、最近はカトラリー(スプーン、フォーク、バターナイフなど)づくりが広がっているという。そこに爪楊枝を加えてもおかしくないはず。ただ、安すぎて儲からないからつくらないだけだ。

仮に売値を20円にしたら、職人は10円受け取る。1日1000本くらい削ったら1万円の収入になる。手削りではなく、機械で成形するのなら、もっと数はこなせるのではないか。若い見習い職人なら、できるように思う。

では、どうして1本20円、100本セットで2000円も払う顧客をつくるか。ここからはアイデア勝負だな。

使い終わった楊枝を使ってクロモジ茶にできます、と売り出すとか。

実は、クロモジには抗ウイルス作用があるらしい。インフルエンザウイルスの繁殖を押さえたという論文を読んだ。この調子でコロナウイルスも?と言い出すと薬事法が恐いが、人気を呼ぶ「機能性食品」ならぬ「機能性カトラリー」にならないか。

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と、まあ、……なんか、いろいろ妄想するのである。

 

 

2020/07/09

今更ながらの「過剰木材緊急対策」

コロナ禍不況対策として打ち上げられた「令和2年度 過剰木材在庫利用緊急対策事業」に目を通してみた。

この件に関しては、Yahoo!ニュースに「輸出木材の保管費用もコロナ禍対策?輸出拡大をめざす農林産物の怪しげな内容」を書いている。ここでは、コロナ禍対策が木材輸出の在庫に補助金を出すことか! と突っ込んだわけだが、それをそのまま延長したような対策事業(笑)。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡⼤により、林業・⽊材産業においては、中国への丸太輸出の停滞、資材難による住宅建築の遅れ、経済活動全体の停滞などにより、国内外での⽊材需要の減少やこれに伴う在庫の増加、減産、⼊荷制限等といった事態が起こっており、事業者の事業継続に影響が⽣じています。
輸出の停滞により⾏き場のなくなった輸出向け原⽊を有効活⽤するため公共施設等における⽊材利⽤を⽀援します。

どうしてもコロナ禍による木材輸出の停滞を強調したいらしい。中国は、すでに正常化しているって。在庫が増えた原因は、国内の建設現場の停滞だろう。今どき輸出木材抱えて「売れない!」と嘆いている業者は、ビジネスの失敗をコロナ禍に隠しているだけではないか。
さらに付け加えれば、水害で山は各地でズタズタになっていて、木が出せなくなっている。現在の在庫が尽きたら、原木価格は一転値上がりするかもしれない。その頃に、この対策事業で需要が増えたらどうなる?

で、肝心の補助案件だが。

○ 過剰⽊材在庫利⽤緊急対策事業
通常⽊材が使われない外構部や公共施設等における⽊材の活⽤を通じて輸出の停滞により⾏き場のなくなった輸出向け原⽊を有効活⽤するための取組を⽀援します。
また、⽊材利⽤を促進するための普及活動を⽀援します。
(対象となる施設)
• 公共建築物等⽊材利⽤促進法に基づく公共施設(学校、保育園、病院、⽼⼈ホーム、駅、庁舎等)
• 災害対策基本法に基づく指定公共機関の施設
• 公共の⽤に供する場に設置される外構(公園等の塀や柵、デッキ、遊具等)

とはいえ、さすがに輸出木材だけに対策というのもオカシイというわけで、木材建設関係に大盤振る舞いをしていた。すごいよ、この項目。

これらは、どこを見ても国産材を使えとは書いていない。おそらく書けないのだろう(書いたらWTO違反になるから?)けど、それなら外材の建材も使えるということか。まあ、それもコロナ禍不況対策にはなるだろうけど(建築業界の、ね)。

(⽀援⽔準)
⼯務店等の施⼯者が⽊材を活⽤する際の経費(材料費、⼯事費等)について、以下の⽔準で⽀援。
• 構造材床⾯積  1平⽅メートル当たり 39,000円以内
• 内装材 内装⾯積 1平⽅メートル当たり 12,000円以内
• 外構材 延⻑  1メートル当たり 17,500円以内 等

これらの金額は、なかなかのものだ。

ただ、よくよく読むと「利用できるのは、CW法に基づき合法性が確認された木材製品です。」という項目があった。CW、クリーンウッド法がこんなところに登場するなんて。CW法に登録していたら支援額が増額するそうだ。こんなもん、取っている業者がいるのか? と言われているが、餌をぶら下げたか。コロナ禍対策のふりをしつつ、不興の法律を抱き合わせるとはなあ(苦笑)。あわてて登録する業者もいるかもしれない。しかし、外材なら合法性は森林認証制度で押さえているはずだ。こちらの方が信頼度は高い。


それにしても外構材高いねえ。ここにケボニー化木材を押し込めないか(⌒ー⌒)。デッキや公園遊具にも使ってほしい。現状は欧州材だが、少しはスギ材製のケボニー化木材(フラン樹脂化木材)もあるよ。

ぜひ、これらの支援策を使って、コロナ禍を乗り切ってくれ(⌒ー⌒)。

 

2020/07/08

驚異の数字が並ぶ宮脇方式の植樹

ヨーロッパで「宮脇方式」の植樹法が急速に拡大……という記事が流れてきた。

またも宮脇昭氏か。しかし、何が起こっているのか。そこで冒頭だけ引用すると……

世界的に森林が減少する現状にゲームチェンジャーとして注目を集めているのが、日本の植物学者である宮脇昭氏の研究に基づいた「ミニ森林」だ。宮脇昭氏はその土地本来の樹木に、さまざまな種類の植物を混ぜて植樹を行い、森をつくる「混植・密植型植樹」を提唱。これまでアジア各地に1700以上の森を作ってきた人物だ。

学校の校庭や道路沿いに設置されることが多い「宮脇方式」の森は、従来の方法で植林を行った場合に比べ、10倍の速さで成長、30倍の密度と100倍の生物多様性を持つという。また、昨年発表された研究によれば、自然林は単一種の植物で構成された植林地に比べると、40倍の二酸化炭素を吸収できると推定されている。

なんだ、この怪しげな記事は(笑)。

ただ注目したのは、ここで取り上げているのはお得意の「潜在自然植生」の森ではなく、「混植・密植型植樹」である点。

ここで少し触れておくと、私が最初に宮脇氏に興味を持ったのは、新聞記事だったかなんだかで「植樹は、同じ樹種ばかりを苗にして植えるのではなく、森林土壌をばらまくだけでよい」という主張だったと思う。ようするに森林土壌に残る埋没種子がそれで発芽して森になるという主張で、すでに各地で実験して成功した、というものだった。もう30年近く前ではないか。当時、新聞記事を切り取った記憶があるので、探せばどこからか出てくるかもしれない。

ともあれ、私はわりと好感を持った。同一樹種ばかり植える植林に疑問を持っていたからだし、土壌を撒くだけなら簡単で済む。ただ、草ばかり映えるんじゃないかとか、埋没種子がどれだけ含まれるかは場所によるだろうなあ、という感想はあった。

しかしその植樹法と、この記事にある「混植・密植型植樹」が同じかどうかわからないし、混植そのものは彼の専売特許ではなく、いろいろな研究者から提唱されている。珍しくないだろう。宮脇方式というほどのことか。

ちなみに私の手元にある「宮脇本」によると、いきなり照葉樹を植えるのではなく、先に陽樹を植えると書いてある。あれ、今とやっていることが違うね。

それにしても、この数字には怪しげな臭いがプンプンする。アジア各地に1700? 10倍の速度で成長、30倍の密度、100倍の生物多様性……どこからこんな数字が出てくるのか。10倍の速度で育つ森なんてあったら、早生樹植林を目論んでいる林野庁が涙を流して喜ぶだろう。30倍の密度かあったらブッシュじゃないの? 100倍の生物多様性って……1種類だけの植林と比べたら100種類の樹種が生えてきたというのだろうか。それとも、この森に外から昆虫などが集まってくるのか? 日本なら多数の草木、昆虫がいるが、極端に生物種数が少ないヨーロッパで可能か(樹木をすべて集めても100種ないと思うよ)。そして40倍の二酸化炭素吸収と来たら、もはやデタラメを通り越して詐欺的言説だろう。
何と何を比べたのか知らないが、こんな数字が出てくる根拠を知りたい。思いつきとか、キリがいい数字を並べただけか。数字を大切に扱わない人物は学者に向いていない。

そもそも、この記事の筆者は何を元ネタにしているのか。誰かを取材したのか、ヨーロッパの現場を取材したのか、それを記した現地記事があるのか。ぜひ示してほしいものだ。とくにヨーロッパで、この方式が広がっているというのだから、具体的なことを知りたい。

※追記。どうも宮脇関連組織のHPの記事を丸写ししたようである。

2020/07/07

七夕の夜に……空から見える森のサイン

今日は7月7日、カルピスの日でありそうめんの日であり、銀河(天の川)を見るべき夜なのに、日本列島全域が雨。それも豪雨だ。災害頻発の悲しい日になってしまった。とくに九州が酷いが、九州は皆伐地がどうなってしまったか、そのうちキッチリ検証しなくてはならんだろう。

そのためには空を見上げるのではなく、空から森を見てみたい。衛星写真でも、航空写真でも、ドローン映像でも。

そこで思い出した、こんな記事。

宇宙からも見える、木で作られたソ連のサイン

ようは、森の伐採あるいは植栽の際に、文字配列をしたというのだ。ソ連時代は、流行ったらしい。文字は「レーニン生誕100年」とかが多いしらいが、1970年代だったら航空写真でも見るのは難しかったのではないか。今なら木はよく成長して、ドローンを使えばすぐに見られるが。

そういや日本にも数年前に話題になったのが、宮崎のミステリーサークル。

 

私もブログで紹介したが、スギの植林の際の密度管理の実験で、木の感覚を変えて同心円上に植えたものが、大きく育って目立ちだしたのだ。

Photo_20200707204401

これ、グーグルマップで探し出したもの。結構、大変だった。

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これは、ドローンで撮られたもの。急にテレビなどで大きく取り上げられたが、もっと前から知られていたんだけど、ドローンの登場で誰もが注目しだしたようだ。

そこで思いついた。森に記録を残しませんかか、というビジネスはいかがだろう。木を伐って自分の好きな文字や絵柄を描いてあげる、というものだ。一文字で10万円ぐらいで。自分の名前を入れるとか、何か宣伝文句とか、あるいはロゴマーク。それを描いてからドローンで写真を撮る。あるいは衛星からも見えるようにして、「宇宙からも見えるサイン」を未来に残しましょう、と売り込む。

なんか、新興成り金が喜びそうな気がするけどな(笑)。1点で50万、100万円ぐらいなら、たいして負担にならないで頼む人がいるような気がする。一方で山主からすると、0・5ヘクタールくらいの森が100万円になるなら、美味しい。まあ、ずっと伐採できないけど。それは契約で50年とか100年と決めておけばよい。それによって価格も変える。

空から見える看板、という森の需要ないかな。

2020/07/06

イオンモールのトイレの装飾

さすがに今日は朝から雨である。九州はまたもや大変なことになっている。熊本に続いて、ほかの県も油断ならないだろう。私は、皆伐ではげ山だらけの山をたくさん見てきたので注視している。盗伐地はもちろん、合法的な皆伐跡地だってどうなるか。。。

ただ生駒はたいしたことない。

そこで買い物に出ようとしたのだが、車で行くにしても駐車場から店内に入る際に雨に濡れるのはイヤだし、その間だけのため傘をさすのも面倒だ。というわけで、選んだのがイオンモール。今年はほとんど行っていない。コロナ禍もあるが、なんだか最近は面白くない。並んでいるものが同じもので飽きがきたのである。それでも、屋内駐車場を選べば、濡れずに、傘をささずに店内に入れる。

そこで我が家から選んだのが大阪の四條畷イオンモール。大阪かあ。イヤだ。アホが感染する……じゃなくて人が多すぎないか。しかし車で20分かからないのだ。

まあ、広いし、平日だし、ソーシャルディスタンスを守りながら行けば大丈夫だろう。

この作戦?は成功。客は少なめであった。シネマもリバイバルものが多い。そんなわけで、ぶらぶらしつつ、トイレに入った。

そこで見たのが、これ。

Dsc05300

何かわかるだろうか。絵画でも彫刻でもない。

Dsc05298

なんと、苔であった。苔テラリウムか? ようするに垂直の板に苔を育ててインテリアにしている。

たまにインテリアの店で小さなビンなどに入れて育てる苔テラリウムは見かけるが、こんな壁の装飾用苔テラリウムは初めて見た。しかもイオンモールとはいえ公共の場だよ。なかなかイオンも尖っているではないか。

苔をもっと広範囲にインテリアにできるようになったら、森からの新たな資源になるのにな。

残念ながら、苔の生育はあまりよろしくないが(^^;)。苔って難しいのだよ。私も育てようと幾度かビンに採集してきた苔を移植したが、何がわかる井野しばらくすると衰退する。まったく放置して成功する例もあるのだが、何か条件かわからない。

ともあれ、こんな装飾を提案した人も、許可した人も、エライ。頑張って育ててくれ。

で、家に帰ると我が家一帯は停電していた。なぜ? とくに強い風も吹いていないのになあ。この雨は油断ならない。

2020/07/05

ひっそり募集? 奈良県の「森林管理職」

まだ全容はわからないのだが、奈良県職員の募集にこんな職種があった。

Photo_20200705144301

えっ、読めない?そうでしょう(笑)。ならば拡大を。

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どうでしょうか。奈良県職員の採用試験実施計画にひっそりとたたずむ?新たな職種(笑)「森林管理職」

来年から設けられるのだけど、これは、奈良県フォレスターのこと。奈良県フォレスターになるには、来年度開校予定の「奈良県フォレスターアカデミー」で2年間学ぶことになっている。こちらの生徒募集もそのうち始まるのだろうけど、その中に特待生?みたいに、最初から奈良県職員として学ぶメンバー枠を設けたようなのだ。

言い換えると、給料もらいながらアカデミーで学べる。そしてスイスへも研修に行けちゃう! 卒業後の進路も迷わずというか決まっているというか、すでに就職しているわけだ。すぐに県内のどこかの地域に幹部として派遣されるのだ。イメージ的には、防衛大学校みたいな感じ? 給与もらって学んで訓練受けて自衛官の幹部候補生になるようなもの。

詳しい条件は7月17日に試験内容が配布されてからわかるだろうけど。

もし、森林や林業に携わりたくて某官庁や自治体職員、あるいは組合とかに勤めたものの内実はデスクワークばかり……あるいは森を破壊する仕事ばかりと腐っている人。あるいは楽しく森の仕事やっているけど、収入など待遇が劣悪とか不安定で将来設計が立たず悩んでいる人。一考に値するかもよ。しかも、この森林管理職は原則配属替えはないから、定年まで同じ森の現場に張りつくことになる。

年齢制限は、昭和55年生まれということは、今年40歳まで受験資格があるわけか。定員は5人らしい。狭き門になるかならないかは、全国から応募が殺到するかしないかによる。我と思わんものは、どんどん応募してほしい。奈良の森の将来が決まる。

それにしても……ひっそりとした募集だな。。。

 

 

2020/07/04

CLTのデメリットを主張しているのは……?

ふと見つけた、こんな記事。

これからの工法・CLT工法 メリットとデメリットは? (前)(中)(後)

ほう、CLTのデメリットを指摘する記事があるのか、というのが私の最初の感想。CLTの記事は、最近になって増えているが、多くは「将来有望な工法、建材」という切り口で、なかなかデメリットを指摘していない。でも実際に売れていないのだから、どこかに問題があると思わないといけないだろう。それを指摘してほしい、私も知りたい、と常日頃から思っていた。

それで読み出したのだが……まず(前)は、CLTそのものの紹介とメリット部分。「日本の林業を振興する」とか「地球温暖化対策の二酸化炭素削減に寄与する」などが並べられ、さらに工期が短い、デザインが変わる、断熱性が高い……などの建材と建築上のメリットが指摘されている。

うん、すでによく出される点だ。では、課題は?と惹きつける。

そこで(中)。

4階建以上になると一般的には耐火建築物で、構造部は1~3時間の耐火性能になるため、「石膏ボードなどを貼る必要がある」(日本CLT協会)

燃え移りを防ぐためCLTパネルにサイディングなどが必要となり、せっかくの木目が見えなくなってしまう。

CLTパネル工法はRC造やS造に比べて、材料コストがまだ高いことが課題

CLTパネルは新しい材料で、接合工法など建て方がまだ確立されていない。データが少なく、安全性などを現場で確認しながら建てる必要がある

CLTパネル工法は経験のある建築士や施工会社がまだ少ない。さらに木造建築は、高度な構造設計ができる技術者が不足していることも課題

RC造や木造軸組工法と比べてアンカーボルトを設置する際の精度の確保が難しく、技術が必要

こんな項目が並ぶ。なるほど、正直知っていることだけど、デメリットを指摘している点はよしとしよう。まあ、研究途上の工法であるのは間違いない。が、それに対する反論的に「補助金が充実しているから、コストは抑えられる」とか記されているのにはムカッ。税金使うのを前提にするなよ。ずっと出し続ける気かよ。

そして、いよいよ(後)だ。ここでしっかりCLTの根本問題を指摘しているか。

(後)を開いて思わず笑った。だって、森林ジャーナリスト田中淳夫氏に聞く CLT工法に課題「業界超えた情報交換を」

ようやく思い出した。少し前に電話で取材を受けたのだった。それが公開されていたのね。
CLTの問題点を、というのでたっぷり話したが、それだけでは全否定になりかねないので、先方は困っている様子だった。それを、なんとかこんな形で(先にメリットを記して)掲載したのね。最後に無理やりひねり出した、CLTを林業振興につなげる方法だって、別にCLTだけのことではない。木材全般の問題だ。

まあ、記事の基本姿勢はCLTを推進したがっているのはわかったので期待はしていなかったが、私のコメントは圧縮して記事をつくったよう。こうなるのも仕方ないだろう。

ちなみに私の立場とコメントを、ここで改めて触れておこう。
CLTは建材としては、そこそこ魅力的。だから建築業界では興味を引くかもしれない。しかし、CLTが日本の林業を振興することは有り得ないし、むしろ木材価格を引き下げる可能性が高い。さらに国産材CLTがつくられることも少なく、超厚物合板マス・ティンバーのようにCLTのライバルとなる新しい建材も次々と登場している。日本で十分に普及するように思えない。数ある建材の一つとして部分的に使われるのが関の山ではないか。

050 

CLTによる建築風景

 

 

 

 

 

 

2020/07/03

登山路の斜めの横木

金剛山に登ってきた。奈良との県境にあり、非常に登山客の多い山で有名なのだが、実は奈良県側から登る人はそんなに多くない。

山そのものは大半が奈良県側に入り、頂上(葛木山)など幾つかの三角点や由緒ある葛木神社、転法輪寺なども奈良県御所市域にあるのだが、なぜか大阪府民の山のように扱われ、登山も大阪側から登るルートが数多い。大阪側からロープウェイで登れるうえ、府立公園があるからだろうか。

私は奈良県側の天ヶ滝新道を登った。尾根筋をたどるルートだが、そこで見かけたのがこちら。

1-6

わりと急な道だったが、なぜ丸太がこんなに斜めに置かれているのか。別にずれたわけではなさそう。むしろ、きっちり固定されている。
もしかして、水はけを考えたのか?真横に並べると、水が上手くはけずに道が抉れてしまうから。しかしこのような配置に効果があるか? 林道でも水を路面から掃くための斜めのゴム板が設置されていることがあるが。。。

ちなみに、このような設置の仕方は、ここだけであった。

なお、麓から尾根まで、ほぼ全域が人工林であった。これも人気のない理由かも。

 

2020/07/02

Y!ニュース「ウルシが枯れる理由は……」書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「ウルシが枯れる理由は、森林を荒廃させるコロナ禍のような世界的感染症だった」を書きました。

これは、ある人からの情報提供によるのだが、内容は森林総研の人が昨年12月に日本森林学会誌に載せた論文に関する記事。ウルシ林の衰退に関するものだ。そこでファイトフトラ・シナモミという名前を知った。

ただ、私はウルシ林の衰退よりも、そこにあった起源は東南アジアかパプア・ニューギニア、というところに引っ掛かり、さらに世界中で木を枯らしていることが気になった。そこで少し調べて論文の原文を見つけて読んでいるうちに、なぜ日本に伝播したのかと考えてしまった。

そして、ふと昔に取材した腐葉土の輸入などを思い出したのである。

2005_20200703211001

これが輸入落葉。こうして積み上げて発酵させるのだが、これでは表面はたいして温度は上がらないだろう。おそらく細菌やウイルスだけでなく、小さな節足動物もいるのではないか。もしかしたら新種の昆虫もいるかもしれない。

もはや止められないだろうなあ。微生物のグローバル化についても真剣に考えないといけないよ。

 

 

 

2020/07/01

森のアジサイの効能

昨日だったかの朝日新聞の「天声人語」で、こんな内容を取り上げていた。

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内容は、岩手県一関市の「みちのくあじさい園」を紹介しつつ、アジサイの花に関するエッセイ風なのだがここには触れていない裏側がある。それは、この「アジサイ園」は立派なビジネスであり、しかも林業になっている点だ。
私も幾度か訪れて取材している。ここは、林業の新たな方向性を考えるのにも向いているからだ。ちなみに、そのうちの一つがフォレストジャーナルに記したこの記事

そもそもあじさい園を経営する伊藤さんも林業家である。それどころか指導林家なのだ。そしてアジサイの花園としての経営に加えて、記事にあるような〇〇〇〇〇フラワーの生産も手がけるようになった。林業の木材生産が長期利益を求めるのなら、あじさい園で中期利益、アジサイの花から生産する商品で短期利益を得ることができる。単なるアジサイの花を愛でているのではないのだよ。

 

実は私も影響を受けて、生駒山の一角にアジサイ栽培を行っている。林業ではないけれど、森のデザインとして何ができるか試みの一つである。

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私の場合は、タナカ山林をあじさい園にするつもりはなくて(下手にアジサイいっぱいにしたら勝手に侵入されて荒らされてしまいかねない)、雑木と交えてアジサイを増やしていこうという趣向だ。できるだけ道から見えないようにしている(⌒ー⌒)。ただ、私が内部に入って楽しもうというのが目的だ。森を美しくするのは、森に通う理由にもなる。
アジサイが大きく育てば、ササや草を抑えてくれるだろう。今の季節は虫だらけだけど、アジサイは害虫にも強い。しかし、植え始めて思うのだが、花が咲くことの満足感は大きいね。なんか下手な作物より楽しい。自分が植えて育ち、森の景観が変わっていくことは楽しい。そのうち「秘密の花園」にすることをめざしている。

ちょうど梅雨の今どきが植えるチャンス。雨のスキマを縫って挿し木をしていこう。

 

 

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森と林業と田舎