奈良公園・瑜伽山園地の橋
奈良公園内に瑜伽山園地という施設ができた。ゆうがやま、と読む。
具体的には豪華宿泊施設とレストランなどだが、一般も庭を見学できる。これはちょっと前に訪れたときのもの。
実は、この建設には一悶着あって、奈良公園内にホテルをつくるのがケシカランとかいって反対運動が起きていた。公園内にホテルは建てられないとか、豊かな自然破壊だとか、近所の住人が住まい環境が悪くなると騒いだのである。が、もともとは国有地で裁判官だったかの官舎だった場所で、誰も住まなくなって放置状態が長く続いていた。閉鎖されていたから誰も中に入れない状態だったわけで、そこを利用して建設することにしたのだ。建築は隈研吾だったかな。
工事前の内部の様子も見たが、まあ荒れ放題。これを「豊かな自然」とおっしゃる方の見識を疑うわ。ようするに旅行客が出入りするのを嫌ったいちゃもんだろう。
ともあれ、すっきりした庭園となった。そしてインバウンド目当てではあるが、和風の高級リゾートホテルとカフェレストランが完成した。庭には竹林が広がり小川と池がある。
まだ完成して時間の経たない状態だから、植生も全体に落ち着きがなかったが、1年も経てば落ち着くだろう。それなりに面白い施設になるのではないか。まあ、インバウンドが果たして復活するかどうかはわからんが。
ただ、一カ所、納得できないところがある。
これだ。
庭にかかる橋。なんか、違和感というか色がミョーだと思ったが、どう見ても擬木だ。木材に見せかけているが、これ金属か樹脂製でしょ。木材だけすぐ傷むとでも思い込んだのか。浅はかな設計だ。
なんで、高級ホテルの庭に、こんなちゃちなものを設置するのよ。外国人だって、この色合いに違和感持つと思う。だいたいヨーロッパ人の多くは木材通だよ。日本は木の文化とか言っているが、よほどヨーロッパの方が木を多用した暮らしを送っているし、とくに高級ホテルに泊まる客なら偽物を見抜くと思うね。
不細工。その一言の橋である。今からでも遅くないから作り直した方がよい。ちょうどコロナ禍で客も来ていないだろうし。
遠目に見ても違和感丸出しの橋。
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