「見た目の伐採地」の研究
森林総合研究所のHPに、伐採後の「見た目」についての研究が発表されていた。
伐採地の「見た目」に抱く印象のズレを理解し森林管理に活かすために
サイトには7種類の写真があるから、見比べてほしい。見た目から伐採跡地を論じるのは、なかなか珍しいだろう。
森林の「見た目」の印象は立場によってズレがあり、その人にとっての価値を大きく左右します。したがって、利害関係者が伐採地にどのような印象を持つのかについて、伐採者がしっかりと認識していることが期待されますが、これまで特に伐採地の「見た目」の印象のズレについての研究はほとんど行なわれてきませんでした。
そこで私たちは、北海道のトドマツ人工林を対象地として、さまざまなタイプの伐採地を写真撮影し、専門家ではない人々(非専門家群)と森林・林業を専門とする研究者ら(専門家群)を対象にして、伐採地の写真の「見た目の印象」について調査しました。
その結果、非専門家は皆伐地と広葉樹老齢木が残された伐採地をポジティブに、トドマツを群状に伐り残した伐採地をネガティブにとらえる傾向があること等が明らかになりました。また、林業を行うための伐採への評価は両群で大きく異なっており、その解消には、伐採の必要性や生態系保全への配慮等についての情報提供が有効なことが分かりました。
本研究は、森林の持つ公益的機能(景観、生物多様性)と林業の折り合いをどうつけるのかといった課題を、非専門家の視点を中心に解析した点に新規性があり、今後、地域住民や旅行者等の目線や生態系に配慮した伐採計画を考える上で役に立ちます。
非専門家、というのは、ようするに林業に関わらない一般人という意味なんだろうが、「皆伐」を評価しているのか。これをどのように解釈するか。写真の撮り方? 斜面か平坦地か。見上げるか、見下ろすか。案外、そんなところも見映えの印象に影響する。
ちなみに私は、「中級保持」がいいかな(^o^)。それと、これって「保持林業」のことだと思った。これまでも幾度か紹介しているが、
ブログなら、保持林業の実践地!
フォレストジャーナルでは、主伐後の森林の生態系を守る! 欧米で提唱されている「保持林業」とは?(前後編)
皆伐時に木の残し方の見た目の評価にもなる。
見た目を重視するのは、たとえば恒続林のように「最も美しき森」をつくるというのにもつながるかも。美しいと感じるのは、実は生態系が健全な森なのかもしれないから。
日本森林学会誌に発表されたものらしいが、ちゃんと本文も読んでみたい。
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